若い人たちは日野の自然環境をどのように見ているのでしょうか?

若い人たちは日野の自然環境をどのように見ているのでしょうか?
~中央大学多摩キャンパスの学生305人に聞きました~
環境情報センター・中央大学経済学部田中ゼミ 2015年12月
日野市(環境情報センター)と中央大学経済学部は、地域の環境改善に向けた協働事業に取り
組んでいます。このたび今年度の協働事業の一環として、経済学部田中ゼミの学生が中心と
なって中央大学多摩キャンパスに通う学生305人を対象に「日野市の自然に関するアンケート
調査」を実施しました。若い世代の日野市の自然環境に対する関心度と評価について、学生た
ちがまとめた調査結果の概要を報告します。
調査は今年の10月1日から8日までインターネットで行い、対象者は305人、男女比はほぼ
半々。日野市外から通っている学生が88% 267人でした。主な調査結果は以下の通りです。
●日野市の自然を感じるところトップ3は「丘陵地の森や林」「身近な公園や緑地」「河川や
用水などの水辺」でした。“水と緑の日野”は若い人にもしっかり実感されています。
Q.あなたにとって日野市の自然を感じるのはどんなところ?3つまで○をつけてください。(305人)
丘陵地の森や林
50.8
身近な公園や緑地
%
36.7
寺院や神社の緑
12.1
住宅地や学校、公共施 設などの緑
28.9
河川や用水などの水辺
30.2
田や畑
9.2
鳥や昆虫
14.1
●市の鳥が「カワセミ」であること、日野市が「水の郷」と呼ばれるほど湧水など水が豊富な
ことを知っているのは、それぞれ9.5%、9.8%と10人に1人ほどです。(305人)
●日野市以外から通っている学生(回答者244人)に、以下にあげた自然環境のそれぞれにつ
いて日野市と現在住んでいるところと比べて、どちらがそう思うかを聞きました。いずれの項
目も日野市に軍配があがりましたが、中でも多かったのは「丘陵の多さ」「雑木林の多さ」
「水の豊かさ」、そして市内で河川や用水を多く目にするためでしょうか「魚の多さ」もあげ
られました。日野市の自然の豊かさは市外の人にも認められているようです。
Q.以下の自然環境について、日野市と現在お住まいの場所とどちらがそうだと思いますか?(244人)
100%
水が豊かなのは
緑が豊かなのは
空気がきれいなのは
52.5
48.4
43.0
31.6
16.0
26.6
25.0
34.4
22.5
丘陵が多いのは
53.3
29.1
17.6
雑木林が多いのは
52.9
29.1
18.0
農地が多いのは
48.0
35.2
16.8
野鳥が多いのは
47.5
36.5
16.0
魚が多いのは
50.4
昆虫が多いのは
48.0
34.0
18.0
暮らしの中で自然と触れ合う機会が多いのは
47.1
32.8
20.1
日野市
どちらともいえない
34.8
現在の居住地
14.8
●市内の公園や施設についての認知度をみると、知っている人が最も多かったのは「多摩動物
公園」90%、次いで多かったのは「高幡不動尊」81%でしたが、日野市の水と緑を象徴する
「黒川清流公園」は対象者の約9割が市外の居住者ということもありますが17%と低く、もっ
と積極的にPRする必要があるようです。
Q.以下の施設を知っていますか?(305人)
100%
黒川清流公園
南平丘陵公園
16.7
83.3
20.3
浅川河川敷
79.7
52.5
47.5
多摩動物公園
89.9
百草園
10.1
56.1
高幡不動尊
43.9
80.7
知っている
19.3
知らない
●「自然環境の点から日野市に住んでみたいか」を聞いたところ、「住んでみたい」「まあ住
んでみたい」あわせて42%、「どちともいえない」が38%でした。日野市の自然を評価しな
がらも都心の利便性も魅力、というジレンマがあるのかもしれません。
Q.あなたは自然環境の点からみて日野市に住んでみたいと思いますか?(305人)
住んでみたい
9.8
%
まあ住んでみたい
31.8
どちらともいえない
37.7
あまり住んでみたくない
12.1
住んでみたくない
8.5
●これから最も大切にすべき日野市の自然環境については「森や緑地、雑木林など緑の環境」
が39%で最も多く、「河川や用水、湧水など水の環境」が31%で続きます。
Q.あなたはこれからの日野市の自然環境のどこを最も大切にすべきだと思いますか?(305人)
森や緑地、雑木林など緑の環境
38.7
河川や用水、湧水など水の環境
30.5
たくさんの生きものが棲める環境
田畑のある環境
公園の緑
%
14.8
3.0
13.1
■調査を行った学生たちは、「“水と緑”は日野市のアイデンティティとしてこれからも市民
みんなで守っていかなくてはならない」「日野市の“水と緑” の環境をもっとアピールし、
その存在を知ってもらい、その現場に足を運んでもらえるような具体的な広報や宣伝が必
要」、そして「少なくとも中大生は日野市に対して好感を持っていることは間違いないよう
だ」と分析しています。
■環境情報センターとしても、これらの調査結果をもとに学生たちと日野市の目指すべき自然
のあり方やそのPRの施策について考えていきたいと思います。
<参考>
学生たちに
日野市の「へ~!そうなんだ」も聞いてみました
日野市には「聞いてびっくり!」や「知らなかったなー!」という事柄がいろいろあります。
学生たちにそんな事柄への反応を「へ~!そうなんだ」の程度で聞いてみました。
Q. 日野市にはいろいろな「へ~!そうなんだ」があります。以下の事柄にあなたは「へ~!」
をいくつつけますか?「へ~!」度0(なし)から3(高い)でお答えください。
〈平均〉
①
日野市には全長116Km(東海道新幹線で東
京駅から熱海の少し先まで)にもなる用水路が
あるんだって!
② 日野市から富士山が見える日が1年間で146日
もあるんだって!(2014年度)
100%
16.1
34.1
30.2
19.7
1.47度
17.0
34.4
29.2
19.3
1.49
17.0
1.61
17.7
1.50
③
日野市の形って地図で見ると「犬の横顔」そっ
くりなんだって !
④
日野市の湧水量って1年間で東京ドーム3.2杯
分(約400万トン)もあるんだって!(2014
年度夏期)
15.1
日野市にはホタルが自生しているところがあ
るんだって!
14.4
⑤
⑥ 日野市には江戸時代から昭和にかけて50以上の
水車があったんだって!
19.7
⑧
日野市には推定で約5000種類の昆虫が生息し
ているんだって!昆虫の宝庫高尾山と同じくら
いの数なんだって!
14.1
29.2
30.5
42.6
16.7
「へ~!」度2
29.8
45.9
日野市に初めて用水路がつくられてから今年で
448年たつんだって!
24.9
38.0
15.1
⑦
「へ~!」度3
38.4
35.1
「へ~!」度1
25.2
26.9
25.2
32.5
12.1
15.4
18.4
1.33
1.64
1.61
1.45
「へ~!」度0
●「へ~!そうなんだ」度の平均値をみると、最も高かったのは ⑥「日野市には江戸時代から
昭和にかけて50以上の水車があったんだって」で平均「へ~!」度は1.64でした。次いで、
③「日野市の形って地図で見ると“犬の横顔”そっくりなんだって」と⑦「日野市に初めて用水
路がつくられてから今年で448年たつんだって」がともに1.61で続きます。最も低かったのは
⑤「日野市にはホタルが自生しているところがあるんだって」の1.33でした。水と緑が豊富な
日野市ならホタルがいるだろうな、と思ったのかもしれません。
また「へ~!」度3の割合が最も高かったのは ③「日野市の形って地図で見ると“犬の横顔”
そっくりなんだって」で約20%でした。あらためて地図を見て「へ~、ほんとだ」と思った人
が多かったでしょう。
*④の年間湧水量は夏期の湧水量をもとに算出したものです。冬の湧水量は夏より少ない傾向があります。
■調査を行った学生たちの感想は、「日野市にはみんなが知らない情報がたくさんある。どれも
面白く話題性もありそう。日野市の認知度アップにもつながると思われるので、効果的に広める
ことが必要」というものでした。