文月 - 広島県立五日市高等学校

図書室だより
図書室だより
★ 1 ページ、
ページ 、 め
くる君
くる 君 の 指先に
指先 に
梅雨の
梅雨の滴…。
★ 新
★ 教室掲示を,お願いします。
文月号
広島県立五日市高等学校図書室
平成27年7月10日発行VOL, 5
着
おススメの本
おススメの本 地歴公民科 冨士田英樹先生
『ふしぎなキリスト教
ふしぎなキリスト教』橋爪大三郎ほか
橋爪大三郎ほか著
ほか著 講談社
日本人には
日本人には わかり辛
わかり辛い「一神教」
一神教」の概念等を
概念等を,対談形式で
対談形式で解
説している。
している。世界史や
世界史や倫理に
倫理に不可欠な
不可欠な西洋文明の
西洋文明の理解の
理解の一助に
一助に。
図
『過ぎ去りし王国
りし王国の
王国の城』
書
宮部みゆき
宮部みゆき著
みゆき著
案
内
図書活用状況
6・1~30 3年生/59冊・2年生/79冊 ・1年生143冊
角川書店
二人の中学生,尾垣真(おがきしん)・城田珠美(しろたたまみ)を軸に
物語が展開する。ある日,真は銀行のロビーで中世ヨーロッパの古城のデッ
サン画を拾う…。そして,絵の中に自分の絵(アバター・分身)を書き込む
ことで,その絵の中の世界に入り込めることを知る。友人が少ない真は隣の
クラスの,ちょっと変わり者で,これまた友達の少ない美術部員の珠美に,
古城の中へアバターを書き入れてもらう…。もちろん,珠美も古城への探検
に興味津々で,入って行くことに…!そして以外にも,塔の中に日本人の少
女が閉じ込められていることを発見する。これより,物語は大きく展開する!
梅雨空の鬱陶しさを,忘れさせる驚天動地の展開に,最後まで一気に読み込
める力作だ。また表紙の古城の絵は,女子高生が,黒板に白チョーク一本で ★
描いた作品として注目されている!
被曝した牛が生きる意味とは?牛飼達は
かつて農地だった場所で牛を飼う。当初は
雑草を餌にするためだった。が,牛は旺盛
『武道館』
武道館』
朝井リョウ
朝井リョウ著
著
文藝春秋
な食欲で雑草をみるみる食べ,結果,これ
リョウ
が農地が雑草や雑木で荒れ果てることから
昨今,特に音楽の分野では個人ではなく,多人数のグループが趨勢を占め 救うことに繋がっている。また,動物への
ている気配である。さて,物語は「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた, 被曝を通して,人体への影響を調査する研
女性アイドルグループ「NEXT YOU」を描く…。独自のスタイルで行う握手会 究者も加わることで,草に含まれる土壌の
や,売上ランキングに入るための販売戦略,一曲につき二つのパターンがあ 放射能が,牛の排泄を通して,除染の一助
る振付など,様々な手段で人気と知名度を上げて,一歩ずつ目標に近づいて となることも判明してきている。
いく…。恋愛禁止,炎上,総選挙,特典商法,握手会,卒業…にわかに発生
し,瞬く間に若者達を中心に市民権を得たアイドルを取り巻く独特で,不思
議な意味を持つ言葉の数々…。それらを突き詰めるうちに,見えてくるもの
とは?浅井リョウは本作のインタヴューで次のように述べている。「【アイド
ル】という職業が背負う十字架を,一度すべて言葉にしようと思いました。
すると不思議と,今の時代そのものを書き表すような作品になりました」と。
『長いお別
いお別れ』
中島京子著
文藝春秋
東家の大黒柱,東昇平は,かつて区立中学の校長や公立図書館の館長を務
めたが,十年ほど前から認知症を患っている…。長年連れ添った妻・曜子と
ふたり暮らし。“少しずつ記憶をなくして,ゆっくりゆっくり遠ざかって行
く”といわれる認知症。ある言葉が予想もつかない,別の言葉と入れ替わっ
てしまう,迷子になって遊園地へ迷い込む…身の回りの物の頻繁な紛失と出
現,記憶の混濁等々。日々起きる不測の事態に右往左往する家族の姿を通じ
て,終末のひとつの幸福が描き出される。柔らかなユーモアが光る傑作だ。
『牛と土福島、
』
土福島、3.11その
11その後
その後。
眞並恭介著
集英社
2011年東日本大震災。 家族の
ように暮らしてきた牛と牛飼いの
絆は断ち切られた。農家は安楽死
処分に泣き,被災地を去った。し
かし,一部の農家はその処分を受
け入れず,立ち入り禁止の警戒区
域に自ら餌を運び,牛を生かし続
ける道を選んだ。当初は心情的な
部分からであったが,やがて牛飼
い達は「牛を生かす意味」を見出
す。それは,失われようとする“
ふるさと"を取り戻すことだった。 『ラプラスの魔女
ラプラスの魔女』
魔女』
東野圭吾著
角川書店
『晴れ女の耳』
東 直子著
角川書店
元警察官の武尾は,「決し
て彼女に興味は持たないで下
表題作は,主人公の「私」が外 さい」という言葉と共に,一
に出る時,どんなに悪天候だった 人の青年を追跡している羽原
としても必ず晴れる…ある日,耳 円華と名乗る,少女のボディ
の奥から何か声が聞こえてくる。 ーガードを引き受ける。すぐ
声の主は,豆粒ほどの小さなおば に,猫のような瞳をした円華
あさんだった。おばあさんが,な が不思議な“力”を持ってい
ぜ豆粒ほどに小さくなったのか? る事に気づく…。同じ頃,あ
貧しい炭焼き職人の妻が夫殺しの る温泉地で映像プロデューサ
罪を着せられる物語が,朴訥と語 ーの水城義郎が,硫化水素を
られる…。和歌山県紀州の,深い 吸って死亡する事故?が起き
森 を舞台 に広が る怪 談短編で あ る。そして別の温泉地でも同
る。不条理な因習や非業の死・過 様な事件が…。早速,地球科
酷な運命に翻弄されても,百歳を 学者の青江が調査に乗り出す
越えてなお,生きる女達がユーモ が…。 円華とこの事故は一見
ラスな関西弁で語る,哀しくも不 見,何の脈絡もなさそうであ
思議な美しい命の物語集… 哀し るが…?著者ならではの伏線
みと絶望の底に射す,一筋の光を,の気配が,巻頭からびっしり
しなやかに描いている七編の佳作 と引かれていて,ミステリー
である。
の醍醐味を是非とも,本書で!
。