広報誌「あいの」 Vol.12

あ
い
の
【ひまわり】
Vol.12
2012.7月発行
Contents
・骨粗鬆症外来
・外科紹介
・就任医師のご紹介
・リハビリテーション科だより
・ダイバージョナルセラピー
骨粗鬆症外来
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、単なる骨の老化ではなく、骨の代謝に異常が生じて、
骨の量が少なくなったり、質が悪くなったりして、骨折しやすく
なった状態をいいます。
骨粗鬆症による骨折は脆弱性骨折といわれ、脊椎・大腿骨近位部・
上腕骨・前腕骨・骨盤・肋骨などが好発部位です。
特に脊椎や大腿骨近位部(頸部)の骨折は寝たきりになりやすく、
整形外科医
介護が必要な大きな原因となっています。
これらの骨折を引き起こす骨粗鬆症は、高齢者のみでなく若い人、女性のみ
でなく男性にも起こる病気です。
楊鴻生
骨粗鬆症の原
骨粗鬆症の原因と治療
骨粗鬆症患者は全国で現在約1300万人といわれています。そのほとんどは原因のはっきり
わからない原発性骨粗鬆症で、主に60歳以上の高齢の方が罹患します。
原因のわかっている骨粗鬆症も最近は注目されております。
特に生活習慣に伴う骨粗鬆症が注目されており、運動不足による骨粗鬆症や糖尿病などの
メタボリック症候群に伴う骨粗鬆症などが話題となっております。ステロイドホルモンや胃薬、
ビタミン剤など多くの薬剤の使用に伴う骨粗鬆症も注目されるようになりました。
従来、骨粗鬆症は老化に伴う病気なので、治療する方法がないと諦められ、放置されていまし
た。しかし、最近骨の代謝に直接作用して骨の量を増やし、質を改善させる多くの薬剤が開発さ
れ、治療可能な病気として認識されるようになりました。
しっかりと治療を行うことにより、骨密度を10%近く増加させることが可能となり、毎年骨折
をしていた患者様が骨折をしなくなり、旅行や趣味に人生の後半を楽しむことができるように
なりました。
骨粗鬆症は従来の「老化によるあきらめなければいけない病気」から、
「予防や治療が可能で希望の持てる疾患」へと変身してきたと言えます。
当院の治療
当院の治療
藍野病院ではこのたび、骨粗鬆症を早期に発見、診断して、予防や治療を一貫して行う
骨粗鬆症外来を設置することになりました。骨粗鬆症外来では、精度の高い骨密度測定機
(DXA QDR4500)を用いて、精密に骨密度を測定、評価します。
また骨代謝異常を検出するために、積極的に骨代謝マーカーの測定を行い、骨密度の
状態と骨代謝マーカーの状態から総合的に骨粗鬆症を診断して、もっとも適した治療を
実施します。
骨粗鬆症を改善するためには、4~5年間薬物療法を継続する必要があります。
患者様のデーターベースを作成して、長期にわたり定期的な診察と投薬を継続していく
ことを目的としています。
毎週土曜日(午前)整形外来にて骨粗鬆症外来を行っていますので
お気軽にご相談ください。
※藍野病院骨粗鬆症外来ホームページアドレス:http://www.koshokai.or.jp/aino/medical/orthopedic/osteoporosis.html
楊先生に聞きました!
Q
骨粗鬆症になる可能性が高い人はどんな人ですか?
A
息切れがする・背中が痛い・腰が痛い等の症状がある人、自分の家族や親戚に大腿骨近
位部骨折(大腿骨頸部骨折)の手術を受けられたことのある人、男の人で胃潰瘍など胃
の手術を受けたことのある人、女性では生理が早く終わった人、ステロイドを含め多く
の薬剤を服用している人は骨粗鬆症になる可能性が高くなります。該当する方は受診を
お勧めいたします。
Q
骨密度が70代と診断されましたがその世代なので安心して良いですか?
A
まだ安心するには早いです。
日本骨粗鬆症学会では、どんな年代、性別の方でも20~40歳の平均骨密度の70%以下に
なれば、骨粗鬆症と判定します。骨密度をチェックする時期に関しては、40歳で一度行
い、問題がなければその5年ごとに45歳、50歳で行いましょう。50歳を超えたら毎年
チェックすると良いでしょう。そして骨粗鬆症と診断されなかった方も20~40歳の平均
骨密度に少しでも近づけるように予防しましょう。
Q
骨粗鬆症は男性でもなりますか?
A
骨量は男性も女性も加齢とともに自然に減少し、女性は
女性ホルモンが骨のカルシムの減少を抑えている為、閉経
期に骨量がいっきに少なくなります。一方男性はホルモン
の急激な変化がないため、女性より罹患者数は少ないとは
いうものの、骨粗鬆症の4分の1は男性です。
加齢による骨量の変化
外科紹介
当院外科では、昭和55年6月に手術室が開設され、近年外科学会専
門医制度関連施設に指定されています。一般・消化器外科を中心に、
診療および手術を行っています。
甲状腺・乳腺・鼠径ヘルニアを含む各種ヘルニア・痔核を初めとす
る肛門疾患・下肢静脈瘤(日帰り手術)の手術もできます。常勤の
麻酔科医が2人おり、夜間は無理ですが、昼間なら緊急手術も可能で
す。
社会の高齢化に伴い、認知症等の疾患が増え嚥下障害に対し内視鏡
的胃瘻造設術(PEG)も年間40例近く行っていますし、その管理
ノウハウも持っています。
副院長 外科医
濱畑哲造
当院は、精神科および老年科が併設されており、統合失調症・認知症などの精神疾患を
もたれた方の、身体合併症(胃癌・腸閉塞・胆石など手術が必要な時)にも診療科を超
え医師・看護師がチームを組み、いつでも対応できることが大きな特徴で
す。認知症や精神疾患を患う方の手術は、心身両面から治療に対応できる当
院に気軽にご相談ください。
リハビリテーション科 だより
~言語聴覚療法 ~
言語聴覚療法(ST)は、主にコミュニケーション障害・高次脳機能
障害及び嚥下障害の患者様を対象としています。コミュニケーション
障害の原因は多岐にわたります。脳卒中後の失語症や構音障害、パー
キンソン病やALSなどの神経系の難病による発声・発語障害、癌の術
後や外傷による後遺症もあります。また、認知症でも言語機能や高次
脳機能は低下していくので、最近は認知症の患者様が非常に多くなっ
ています。患者様の能力や生活する上での必要性に応じて、「話す」
ことだけでなく、「聴く」「読む」「書く」ことも指導しています。
時には、文字盤や会話ノート、PC機器などのコミュニケーションツー
言語聴覚療法の様子
ルの導入を行うこともあります。
また、当院では以前から嚥下障害のリハビリに力を入れてきました。嚥下造影検査(VF)
を年間約80~90件行い、評価や食事形態・食べ方の指導を行います。現在は耳鼻咽喉科とも
連携し、より詳細に機能評価ができるようになりました。
今後もSTでは、「伝えること」「食べること」を中心に、患者さんの残された可能性を探し
ながら、QOL(生活の質)向上のためのお手伝いをしていきたいと考えています。
ダイバージョナルセラピー
NO.10
~ロボットセラピー③~
今回は、当院入院中の認知症高齢者28名(平均年齢80.6±9.5歳、男性4名:女性24名)に対して初め
て「コロちゃん」を提示した際の反応をまとめました。
「コロちゃん」を提示する前後での表情の変化について、笑顔がみられたなど表情が良くなったもの
を“+”、表情の変化がみられなかったものを“±”、表情が悪くなったものを“-”としました。
結果は図1の通りであり、86%の方の表情がほころぶ結果となりました。次に、交流・語りかけについ コロちゃん
てみてみますと(図2)、コロちゃんに語りかけたり、スタッフに話しかける人が大半でしたが、11名
の方がコロちゃんを介して他患者さんとのコミュニケーションをとっておられました。中には「この子かわいいよ、
見てみる?」とお向かいの患者さんにすすめたり、お隣の方と一緒にコロちゃんを覗き込んで笑ったりする様子がみ
られました。コロちゃんへの関わり方は図3に示すとおりであり、みつめたり、あやす動作が多くみられました。柔ら
かな毛で包まれたコロちゃんは抱きしめてもとても気持ちがよいのですが、重さが4キロもあるため以前ご紹介しまし
た赤ちゃん人形よりは、抱っこしにくかったようです。中にはコロちゃんを“たたく”方も1名おられました。この方
はコロちゃんを見て表情が悪くなった方なのですが、「こんなけったいなもん!持ってこられても困る!どっかもっ
ていって!!」と不機嫌にさせてしまいました。以前、犬を飼っていたとの情報もあり、動物はお好きかと思いお渡
ししてみましたが、その時の気分や精神状態などで反応が変わってくるものと思います。
さまざまな非薬物療法がありますが、どの療法も万人に有効というものはなく、やはりおひとりおひとりの趣味や
趣向、関心のあることをアセスメントしながら提供していくこと、そしてその人らしく過ごせる時間を提供すること
が我々の役目だと感じています。
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FAX:072-627-3627
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「地域医療連携室」まで
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発行:医療法人恒昭会藍野病院 発行責任者:杉野正一
ホームページ
http://www.koshokai.or.jp/aino
発行編集者:広報委員会 代表 栗木克己
メールアドレス
[email protected]
編
集
後
記