絶縁用保護具の取り扱い

電気安全用具の取り扱い
絶縁用保護具の取り扱い
絶縁用保護具とは、充電電路の取扱いや電気工事の作業を行なう時に、作業者の身体
に着用する感電防止のための保護具です。
労働安全衛生規則第342、343条では、「高圧の充電電路に接触又は、充電電路に対して
頭上距離が30cm以内又は躯側距離若しくは足下距離が60cm以内に接近することにより、
感電の危険が生じる恐れがあるときは、絶縁用保護具を着用する」と規定されています。
絶縁用保護具は労働安全衛生規則第351条で、6カ月以内に1回、定期的にその性能につ
いて自主検査を行わなければならない」と規定されています。
●電気用保護帽
・電気用保護帽とは
・使用前点検
・使用上の留意点
・使用例
・使用前点検
・使用上の留意点
・使用例
・使用前点検
・使用上の留意点
・使用例
・使用前点検
・使用上の留意点
・使用例
・使用上の留意点
・使用例
●低圧用ゴム手袋
・低圧用ゴム手袋とは
●高圧用ゴム手袋
・高圧用ゴム手袋とは
●電気用ゴム長靴
・電気用ゴム長靴とは
●絶縁衣
・絶縁衣とは
絶縁用保護具の取り扱い
電気用保護帽
電気用保護帽は、充電部に頭部が接近して作業を行う
場合、主として頭部を電気的、機械的衝撃から守るため
に着用します。
■使用前点検
ひび
①電気用保護帽を使用する前に、帽体にひび、割れ、
傷、汚れなどがないことを目視により点検します。
損傷している物は使用しないようにしましょう 。
②帽体内部の紐のまくれ、剥離などがないことを目視
により点検します。
■使用上の留意点
①電気用保護帽を使用する際は、ヘッドバンドを頭の
大きさに合わせて調節します。
ヘッドバンドの調節が悪いと、使用中にぐらついたり
脱げやすく保護性能を十分に発揮することができま
せん。
②あごひもはしっかり締めます。締めた後、あご紐の
ロックがかかっていることを確認します。
あご紐は着用中に、ゆるめたり、外したりしないよう
にします。
絶縁用保護具の取り扱い
■使用上の留意点
保護帽は、真っすぐ深くかぶります。
後ろへ傾けてかぶる『あみだかぶり』や 『横かぶり』をしないようにします。
■使用例
①受変電設備の定期点検の作業前にミーティング
を実施しています。 ミーティング中から全員、電
気用保護帽を着用し、作業が終了するまで着用し
続けます。
③電柱の昇降時や柱上での作業時は、墜落による危
険防止又は軽減のための衝撃吸収ライナーが装備
されている電気用保護帽を着用します。
②低圧の露出形刃型開閉器を開閉する場合、バラン
スを崩した際に頭部が刃型開閉器の充電部に接
触し感電した事例もあるので必ず着用します。
絶縁用保護具の取り扱い
低圧用ゴム手袋
労働安全衛生規則第346条、347条では、『低圧の充電
電路の点検作業を行う場合、絶縁用保護具すなわち低
圧用ゴム手袋を着用すること』が規定されています。
低圧用ゴム手袋は、低圧充電部に触れる恐れのある活
線作業又は活線近接作業を行う場合、作業中、手の部
分からの感電防止のために着用します。
低圧用ゴム手袋には、
樹脂製の物もあります。
■使用前点検
ピンホール
①低圧用ゴム手袋を使用する前に、ピンホール、切り
傷や破れなどの損傷がないことを目視により点検し
ます。
部分的に引っ張り、ひび、割れなどのゴム質の劣化
がないことも目視により点検します。損傷している物
は使用しないようにしましょう。
②『空気テスト』を行います。
低圧ゴム手袋を袖口から巻き込んでいき、手首あた
りで止めて、膨らんだ部分を押して空気が漏れない
ことを確認します。
■使用上の留意点
低圧用ゴム手袋を使用する際は、そで口をおりまげて使用しないようにします。
絶縁用保護具の取り扱い
■使用例
①充電部が露出している開閉器を開閉する場合は、充
電部に触れる恐れがあるので、作業手袋ではなく低
圧用ゴム手袋を着用します。
②低圧盤の電圧確認時に電圧計の回路を保護するガ
ラス管ヒューズを充電状態で取替える場合には、低
圧用ゴム手袋を着用します。
③充電中の低圧刃型開閉器にサーモラベルを貼り付
けする場合に着用します。
④充電中の低圧開閉器で短絡させるおそれのない端
子を増し締めする場合に着用します。
絶縁用保護具の取り扱い
高圧用ゴム手袋
労働安全衛生規則第342条、343条では、『高圧充電部
に接近して作業を行うとき、作業者に絶縁用保護具すな
わち高圧用ゴム手袋を着用すること』と規定されていま
す。
高圧用ゴム手袋は、高圧充電部に近接して作業を行う
場合、作業中、手の部分からの感電防止のために着用
します。
■使用前点検
ピンホール
①高圧用ゴム手袋を使用する前に、ゴムの損傷や劣
化がないことを目視により確認します。
損傷している物は、使用しないようにしましょう。
②『空気テスト』も確実に行います。高圧ゴム手袋を袖
口から巻き込んでいき、手首あたりで止めて、膨ら
んだ部分を押して空気が漏れないことを確認します。
■使用上の留意点
①高圧用ゴム手袋を使用する際は、損傷を防止するた
め保護手袋をかぶせます。
保護手袋は、低圧手袋と大きさが似ているので、間
違って使用しないように注意します。
②高圧用ゴム手袋の袖口を折り曲げて着用しないよう
にします。
絶縁用保護具の取り扱い
■使用例
①高圧回路の充電及び停電状態を高圧検電器で確認
する場合に着用します。
②充電中の断路器を断路器操作用フック棒で操作す
る場合に着用します。
③短絡接地器具や充電表示器の取り付け・取り外しを
する場合に着用します。
④ピラーディスコンスイッチを操作する場合に、着用し
ます。
⑤充電中の高圧交流負荷開閉器(LBS)を断路器操作
用フック棒で開放する場合に着用します。
⑥充電電路に絶縁用防具を取付ける場合に、着用し
ます。
絶縁用保護具の取り扱い
電気用ゴム長靴
労働安全衛生規則第342条、343条では、『高圧充電部
に膝の下および足が接近して作業を行うときは、絶縁用
保護具すなわち電気用ゴム長靴を着用すること』と規定
されています。
電気用ゴム長靴は、充電部に近接して作業を行う場合、
作業中、足もとが通電経路になることを遮断するために
着用します。
■使用前点検
①使用する前に、ひび、割れ等のゴム質の劣化や切り
傷、ピンホールや破れ等の損傷がないことを目視に
より点検します。
足首の継ぎ目部分が最も弱い箇所なので、特に、こ
の部分の亀裂、切り傷、磨耗に十分注意しながら点
検を行います。
③『空気テスト』も行ないます。電気用ゴム長靴を履く
側から巻き込んでいき、膨らんだ部分を押して空気
が漏れないことを確認します。
②靴底部分の著しい型崩れや、接着部のはがれ等の
劣化を目視により点検します。
絶縁用保護具の取り扱い
■使用上の留意点
使用する際は、折り曲げてはかないようにします。作業ズボンの裾は電気用ゴム長靴の中に入れます。
■使用例
①電気用ゴム長靴は、主として高圧用ゴム手袋と一緒
に着用します。
特に、床面に著しい水気がある場合は必ず着用しま
す。
②電気用ゴム長靴は、ピラーディスコンスイッチを操作
する場合に着用します。
絶縁用保護具の取り扱い
絶縁衣
絶縁衣は活線作業および活線近接作業を行う場合に、
肩、胸、背中および上腕部から脚の部分までの感電を
防止するために着用します。
■使用上の留意点
絶縁衣を着用する際は、電線や支持物等の先端部で
損傷させないように注意します。
■使用例
絶縁衣は充電中の高圧機器付近で、全身が充電部に
接触する恐れがある作業の際に着用します。