Q23.当社は、現在の従業員との雇用契約で特別に

ウーリ会計事務所
FAQ
Q23.当社は、現在の従業員との雇用契約で特別に契約期間を定めていません。実は最近、特
定の従業員の勤務実績が十分に満足できるものではなく、退職してもらうことを予定して
います。このような場合、退職に伴う退職⾦や報酬はどうしたらよいでしょうか?
A23.会社(雇⽤者)が従業員の勤務に満⾜できなくてやめさせる場合は、従業員の重⼤な違法⾏為、
またはその他の違法⾏為の理由で解雇することに該当しないため、雇⽤契約の終了を事前に書⾯で
通知する必要があります。その上で、雇⽤者は解雇補償⾦と損害補償⾦を⽀払う義務があります。
また、解雇のための事前通知期間は、下記のとおり対象従業員の勤務期間に応じて異なります。
勤務期間の通知期間
6ヶ月未満
7 日
6ヶ月以上
2年未満
15 日
2年以上
5年未満
1ヶ月
5年以上
10年未満
2ヶ月
10年以上
3ヶ月
雇⽤者が事前通知を⾏っていない場合は、上記の期間に対応する追加の給与を⽀給する義務があ
り、その額は過去12ヶ月間の平均賃⾦を基準に計算されます。また、この解雇通知期間中は、当
然のことながら通常業務をさせるものとし、本人が希望する場合は、他の仕事を探すために1週間
あたり2日間の有給休暇を与えなければなりません。ただし、新しい仕事を探すことができれば、
通知期間の終了前でも退職が可能です。
解雇補償⾦は、勤務期間が6ヶ月以上1年未満の場合には7日分の給与の⾦額、勤務期間が1年
以上の場合には、年単位で15日分の給与の⾦額を⽀給することになりますが、その⾦額は最⼤6
ヶ月までとされています。
給与の計算は、過去12ヶ月間に⽀払われた⽀給総額(超過や休日勤務手当を含む)の平均値を
基準に計算をします。
また、雇⽤者は解雇する従業員に対して、解雇補償⾦のほかに被害補償⾦を⽀給する義務があり、
被害補償⾦は、解雇補償⾦と同じ⾦額です。
労働契約期間が定められている労働契約の場合には、契約期間の満了前に契約が終了すると、労
働契約期間中に⽀払った⽀給総額の5%を退職⾦として⽀給することになっています。この場合も、
事前の通知義務があり、
(注)ここに記載するコメントは、個別の事例ごとにより適用されるもので、当該記載を
もとに行われた意思決定や行為に対して当社は一切の責任を負いません。必ず個別
の確認を別途みなさまにおいて実施いただきますことをお願いいたします。
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ウーリ会計事務所
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6ヶ月以上1年以下
10日
1年超
15日
となっています。
仮に従業員の重⼤な過失による解雇の場合には、重⼤な過失があった日から7日以内に解雇する
ことが可能であり、解雇補償⾦や被害補償⾦を⽀給する必要がなく、その他の違法⾏為の場合には、
15日以内に解雇が可能ですが、解雇補償⾦は⽀払いをしなければなりません。
上記をまとめると、
★ 重⼤な過失による解雇
事前通知
過失のあった日から7日以内に解雇
職探し有給休暇⽀給義務
なし
退職⾦相当義務
⽀給なし
★ それ以外の違法⾏為による解雇
事前通知
違反のあった日から15日以内に解雇
職探し有給休暇⽀給義務
なし
退職⾦相当義務
解雇補償⾦
★ それ以外の理由による解雇
事前通知
勤続年数によって変動
職探し有給休暇⽀給義務
1週間当たり2日まで
退職⾦相当義務
解雇補償⾦+被害補償⾦(解雇補償⾦と同額)
★ 有期契約の場合で契約期間満了前の契約終了
事前通知
契約期間によって変動
職探し有給休暇⽀給義務
なし
退職⾦相当義務
給与⽀給総額の5%
となります。
ケースによって⾦額や義務が変わりますのでくれぐれもご注意下さい。
(注)ここに記載するコメントは、個別の事例ごとにより適用されるもので、当該記載を
もとに行われた意思決定や行為に対して当社は一切の責任を負いません。必ず個別
の確認を別途みなさまにおいて実施いただきますことをお願いいたします。
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