明石舞子団地の再生について - ひょうご住まいサポートセンター

明石舞子団地の再生について
(明舞団地再生計画の概要)
兵庫県県土整備部まちづくり局
明舞団地再生計画の位置づけ
明石舞子団地(以降、「明舞団地」と省略)は、高度経済成長を背景とした、都市への人口集中に
より発生した住宅需要に対応するため、高水準の都市基盤施設等良好な居住環境を備えた住宅地とし
て開発され、地域の発展に大きな役割を果たしてきた。
しかし、当初入居から 40 年が経過し、住民の一斉高齢化、住宅・施設の一斉老朽化、ライフスタ
イルの変化等に伴い商業・生活サービス等が住民ニーズに合わなくなる等、オールドニュータウンに
特有の様々な課題が顕在化している。
『明舞団地再生計画』は、これらの課題に対応するため、明舞団地全体を対象として、様々な種別
の住宅、商業・業務施設、公共施設等の再生の方向性と団地運営のあり方を示し、併せて、明舞団地
に関わる行政・住宅管理者・住民・NPO等が実施していく必要がある取り組み事項をアクションプ
ログラムとして定めている。
また、明舞団地と共通課題を有する県下のオールドニュータウン再生のモデル計画であるとともに、
将来における一般の住宅市街地が直面する課題への先行的な取り組み計画としても位置づけられる
ものである。
『明舞団地再生計画』の構成
Ⅰ 団地再生の基本方針
Ⅱ 団地再生ビジョン
Ⅲ 団地再生アクションプログラム
明舞団地の現況
街の将来像・目標像の
今後概ね 10 年間に具体的
再生の基本的な考え方
実現に向けた再生指針
に取り組む再生事業計画
本計画は、従来のマスタープランに見られる硬直的な運用を避け、必要に応じて社会情勢の変
化・要請等を反映させるため、計画の中で 包括的な検討組織 を提案し、当組織により適宜見
直しを図れるものとする。その結果、機動的で柔軟に対応できる再生計画になり得ると認識する。
『明舞団地再生計画』の実行・見直しのフロー
平成15年
明舞団地
再生計画
アクション
プログラム
の実行
行動結果
設 置 提 案
時間軸
平成16年∼
の自己評価
再生計画
(見直し)
社会情勢
の変化等
を反映
アクション
プログラム
の実行
行動結果
の自己評価
検討
包括的検討組織
(仮)明舞まちづくり委員会の運営
再生計画
(見直し)
社会情勢
の変化等
を反映
検討
Ⅰ 団地再生の基本方針
1 明舞団地の現状
(1)団地の概要
• 所在地 神戸市垂水区(狩口台、南多聞台、神陵台)、明石市(松ヶ丘)
(神戸都心から 15km、明石中心市街地から 3km の位置に立地)
• 面積
約 197ha
土地区画整理
• 開発手法・開発主体
一団地の住宅
施設区域
事業区域
新住宅市街地開発事業
(明石舞子団地)
・面積 161.20ha
・施行者 兵庫県
・計画人口・戸数 34,000 人・8,700 戸
・開発期間 昭和 39∼44 年度
一団地の住宅施設
(西舞子団地)
・面積 19.21ha
・施行者 兵庫県
・計画戸数 850 戸
・開発期間 昭和 35∼39 年度
土地区画整理事業
(明石舞子北団地)
新住宅市街地
開発事業区域
・面積 16.83ha
・施行者 兵庫県住宅供給公社
・計画人口・戸数 3736 人・934 戸
・開発期間 昭和 45∼47 年度
事業区域図
• 入居開始年 昭和 39 年
• 現況戸数 10,810 戸 (県営住宅の建替事業中住宅は計画戸数)※ 狩口台、南多聞台、神陵台、松ヶ丘
のデータ。地区外である狩口台 6、
• 現況人口・世帯数 26,062 人・10,746 世帯(H12 国調※)
7 丁目、神陵台 8、9 丁目を除く。
(2)住宅ストック
• 全住宅ストックの2/3を公共賃貸住宅(県営・公社・機構)が占める
• 分譲集合住宅は全て公社長期積立分譲住宅(公社が所有権を保有)である
• 戸建住宅地では、敷地の細分化、空家・空地化が進行している
<市域別戸数、家賃水準、空家率>
住宅種別
明舞団地
神戸市域
明石市域
家賃水準(円/月)
備 考
県 営
3,210
2,112
1,098
11,200∼51,900
空家率 3.8%
公 社
188
170
18
36,000∼50,000
空家率 5.9%
機 構
2,742
1,162
1,580
39,900∼46,000
空家率 1.0%
賃貸計
6,140
3,444
2,696
−
分譲集合住宅
2,754
2,274
480
−
戸建住宅
1,461
835
626
−
455
408
47
−
10,810
6,961
3,849
−
賃貸
集合
住宅
その他の住宅
住宅計
公社長期積立分譲住宅
県・公社職員住宅等
※ 現時点で建て替え事業中の県営住宅については計画戸数を使用 ※県営住宅の空家率には政策空家 207
戸を除く ※空家戸数は H15 年 3 月末現在
-1-
(3)人口・世帯数
• 人口は 1975 年をピークに減少を続け、2000 年現在はピーク時の7割
• 世帯数はほぼ横ばいに推移
• 世帯人員は 1975 年の 3.6 人をピークに減少、2000 年現在は 2.4 人(県平均 2.7 人)
<人口・世帯数の推移>
(人)(戸)
40,000
<世帯人員の推移>
(人)
37,477
35,000
29,646
34,874
30,000
25,000
15,000
3.0
26,062
世帯数
10,330
10,517
8,258
3.39
3.14
3.53
2.89
2.64
2.43
2.5
11,227
2.0
10,000
5,000
3.63
3.5
31,019
29,168
20,000
4.0
人口
33,069
10,724
10,300
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000
(S45) (S50) (S55) (S60) (H2) (H7) (H12)
10,746
0
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000
(S45) (S50) (S55) (S60) (H2) (H7) (H12)
(参考)人口推計※
• 兵庫県の人口は 2010 年をピークに減少
<65 歳以上人口比率の推移>
• 明舞団地は減少を続け、2030 年には約 2.1
35
万人まで減少(団地内外の移動がないと仮定
30
した場合※)
25
• 明舞団地の 65 歳以上人口比率は 2010 年ま
(%)
32.9
30.8
26.9
22.2
20
21.9
15
で急増を続けたのち、2020 年の 32.9%を
10
ピークに減少傾向に転じ、増加を続ける兵庫
5
県の値に近づく
0
31.8
28.3
明舞団地
9.2
16.9
11.9
兵庫県
9.7
4.6
1980
(S55)
1990
(H2)
2000
2010
2020
2030
(H12) (H22) (H32) (H42)
<世代別人口構成の推移>
45,000
40,000
35,000
30,000
(人) 明舞団地
5,145
4,668
29,168
兵庫県 (千人)
5,405
34,874
1,568
31,019
2,939
25,000
25,626
7,907
5,000
9,612
1970
(S45)
1980
(S55)
6,000
5,325
5,000
明舞団地
26,062
23,714
7,802
4,000
21,325
3,000
6,775
2,000
16,934
10,000
※
5,554
21,856
15,000
0
5,643
兵庫県
5,784
23,070
20,000
5,551
14,531
5,387
3,342
3,188
1990
(H2)
2000
(H12)
2010
(H22)
13,239
2,673
2020
(H32)
12,253
2,297
2030
(H42)
1,000
0
65歳∼
15∼64歳
0∼14歳
兵庫県総数
推計方法:『都道府県別将来推計人口』(2000∼2030 年)(2002 年 3 月 国立社会保障・人口問題研究所)における兵
庫県の将来の出生率、将来の生存率を使用して明舞団地の人口を推計した。ただし、純移動率は設定せず、明舞団地に
おける移動はないものと仮定した。(推計の基準は 2000 年国勢調査)
-2-
2 再生の基本方針
明舞まちづくりワークショップによる居住者意見、現況課題と地域資源の整理に加えて、社
会・経済情勢の動向とライフスタイルの変化への対応、20世紀の都市づくりの反省点を踏ま
え、団地再生の基本方針を以下に整理する。
明舞団地の課題と地域資源
ワークショップによる
居住者意見
約950項目
課題の整理
地域資源の整理
・人口の一斉高齢化
・住宅・施設の老朽化
・生活サービスの不足 等
・都市基盤施設を完備
・緑豊かな自然を形成
・恵まれた立地環境 等
社会・経済情勢
ライフスタイルの変化
20世紀の都市づくり
の反省点
・高齢化の進展
・ライフサイクルの長期化
・価値観の成熟化
・ライフスタイルの変化
・人間サイズのまちづくり等の
新しいまちづくりの潮流
・阪神淡路大震災の教訓 等
・短期大量供給から修復的再生へ
・単一用途から用途の複合へ
・画一的・大量供給から多様な
デザインの導入へ
・完成形から時代要請に対応で
きる空間システムの導入 等
明舞団地再生の基本方針(案)
− 元気な街であり続けるために −
① 全ての世代の人々が、豊かで自立した居住生活を実現する。
② 住民主体のマネジメントのもと共助による居住生活を実現する。
③ 既存ストック・地域資産の活用による持続的な再生・更新を推進する。
④ 住まい・まちづくりを先導する再生・活性化を推進する。
⑤ 安全・安心に暮らせる住まい・まちづくりを推進する。
-3-
① 全ての世代の人々が、豊かで、自立した居住生活を実現する
■ 明舞団地に愛着を持ち、住み続けたいと願う高齢世代のための住まい・まちづくり施策に加
え、団地の活性化を進めるため、若年世代の流入を促す施策展開が必要である。
■ 高齢世帯から子育て世帯まで、高齢者から子どもまで、すべての世代の人々が、それぞれの
ライフステージやライフスタイルの変化にあわせて選択した住宅に住み、サービスを享受す
ることができる、豊かで自立した居住生活の実現を目指す。
② 住民主体のマネジメントのもと共助による居住生活を実現する
■ 地域ニーズを最もよく理解している住民が、主体的に居住地の運営・管理に関わることによ
り、人と人の交流機会、活動や就業の場が増え、地域が活性化する。
■ 住民が主体的に団地のマネジメントを行うシステムを構築するとともに、地域の課題解決に
向けたコミュニティビジネスの展開、団地全体をトータルに運営・管理するシステムの構築
等を進める。
③ 既存ストック・地域資産の活用による持続的な再生・更新を推進する
■ 20世紀型の短期間・大規模・急激な改変は、将来的には、現在、オールドニュータウンで顕
在化している様々な課題の再発につながるものである。
■ 明舞団地の再生にあたっては、居住者や社会のニーズを見極めながら、街開き以降の40年間
に育まれた資産というべき既存ストック・地域資産を有効に活用した修復的な手法を取り入れ、
計画的・持続的・継続的に取り組む更新を目指す。
④ 住まい・まちづくりを先導する再生・活性化を推進する
■ オールドニュータウンの再生の取り組みは、一般の市街地が将来直面する課題に、先行的に対
応するとともに、課題の深刻化を未然に防止し、住宅市街地の活性化を図るための手がかりを
得ることとなる。
■ 明舞団地の再生にあたっては、民間ノウハウの等を活用した公共賃貸住宅整備、新たな高齢者
居住のあり方の提案、ミックストユース・ミックストコミュニティの実現等、今後の住まい・
まちづくりを先導する新たな提案の実践を目指す
⑤ 安全・安心に暮らせる住まい・まちづくりを推進する
■ 地震を始めとする自然災害、近年増加傾向にある犯罪に対して「安全で安心な街」であるこ
とは、団地住民の共通の課題である。
■ 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地震、火災、水害等の自然災害に対する防災性の向上に
取り組むとともに、交通安全やバリアフリーなどの日常的な安全や安心、犯罪の発生を未然
に防止する「防犯」等に取り組み、日々の生活を安全・安心して暮らせる住まい・まちづく
りを目指す。
-4-
Ⅱ 団地再生ビジョン
1
「まちの構造」の再生
明舞団地の再生にあたって、下記の項目を団地全体の空間再生の方針に位置づけ、特色ある
明瞭な「まちの構造」の実現を目指す。
まちの軸の形成(賑わい創出ゾーン・ふれあい創出ゾーンの形成等)
−まちのシンボルの形成、秩序あるミックストユースの誘導等のために−
• 中央幹線を中央軸、既存の歩行者専用道路を生活軸として位置づけ
• 賑わい創出ゾーン:中央幹線北側は、生活ササービス・商業施設等を配置
• ふれあい創出ゾーン:歩行者専用道路沿いにコミュニティ施設や生活サービス施
設等を配置
• 緑化修景ゾーン:中央幹線南側は、街路樹等による緑豊かな景観を形成
まちの核の再構築(中央センターの建替、サブセンターの機能更新等)
﹁まちの構造﹂の再生指針
−まちのシンボルの形成、商業・コミュニティ拠点の再構築等のために−
• 中央センター:建替を行い、ニーズに対応した商業・生活サービス機能を整備
明舞団地のシンボル・中心核にふさわしい個性的な空間を形成
• サブセンター:身近な生活支援機能の充実等により機能を更新
コミュニティ拠点 として整備
• 中央軸・生活軸沿いを中心にコミュニティ施設等を新規設置・再配置
まちのメリハリの創出(密度の適正配分、団地規模の細分化等)
−多様で個性的な景観形成、まとまりのあるコミュニティ形成等のために−
• ヒューマンスケールへの配慮、高密化の導入等、まちの景観に変化を付与
• 大規模団地の建替・リニューアルに際し、適正なまとまりを意識した住棟配置、
建物デザイン等を実施
• 住宅タイプや町並みデザインの多様化を誘導、良質なコミュニティを形成
まちのつながりの形成(交流・活動、防災、緑のネットワークの形成)
−交流・活動の活性化、災害に強いまちづくり等のために−
• 交流・活動の活発化に向け、歩行者動線のバリアフリー化やミュニティバス等を
活用した高齢者等の移動ネットワークを形成
• 災害時の避難地・避難路等を住民に明示
• 公有地・民有地を含めたオープンスペース・緑のネットワークの形成
-5-
まちのつながりの形成
(緑のネットワークの形
成)
まちの核の再構築
(コミュニティ拠点:
サブセンターの機
能更新)
小
• 身近な生活利便機能や
交流機能を備えたコミ
ュニティの中心核とし
て機能更新を図る
幼
• 公園・緑地や街路樹、宅地
内法面や外構の緑化によ
り、緑のネットワークを形
幼
まちの軸の形成
(中央軸:賑わい創出
ゾーンの形成)
• 沿道に生活サービス機
能を配置し賑わいのあ
るメインストリート景
観を形成する
中
小
まちのメリハリの形成
(団地規模の細分化、
まとまりの明確化)
幼
• 100∼250 戸のコミ
ュニティのまとまりに
細分化し、住宅タイプ
やデザインの多様化を
誘導する
小
• 明舞団地の中心核とし
て、建替、リニューア
ルにより、生活サービ
ス機能の拡充・強化を
図る
中
保
小
幼
まちのメリハリの形成
(中央センター周辺
の高密化)
まちの軸の形成
(中央軸:緑化修景ゾ
ーンの形成)
• 利便性の高い中央セン
ター周辺を高密化ゾー
ンに位置づける
• 勾配の急な中央センタ
ー以南については街路
樹と法面緑化によって
メインストリート景観
を形成する
小
まちの軸の形成
(生活軸:ふれあい創
出ゾーンの形成)
• 沿道にコミュニティ施
設を配置し、コミュニ
ティのメインストリー
トを形成
まちの核の再構築
(中央センターのリ
ニューアル)
中
幼
保
あかねが丘学
まちのつながりの形成
(防災ネットワークの形成)
• 災害時の避難地として公園を
位置づけるとともに住宅から
の避難路をネットワーク化す
る
まちのメリハリの形成
(エントランス部の
高密化)
• 朝霧駅から近い、利便
性の高いエントランス
部を高密化ゾーンに位
置づける
保
朝霧駅
「まちの構造」の再生方針図
-6-
2
住宅・住宅地の再生
明舞団地の再生にあたって、住宅・住宅地の再生指針を次のように設定する。
戸数・密度フレームの設定
−バランスのとれた戸数・密度への誘導−
•
•
•
•
少子・高齢化等の社会情勢を踏まえ、人口の増加に頼らない活力の維持
センター・駅に近い利便性の高いエリアについては高密度ゾーンとして位置づけ
世代バランスのとれた人口・世帯数等に配慮しながら再生事業を推進
将来戸数フレームを約 11,000 戸程度と想定
多様な住宅供給と住み替え等の推進
−多様な世代等が混在するミックストコミュニティ等の推進−
住宅・住宅地の再生指針
• 高齢者の身体状況や住まい方等に応じ、住宅選択ができよう多様な住宅を準備
• 若年ファミリー世帯等の導入のため、新規分譲マンション、ファミリー向け賃貸
住宅等を供給
• 世帯状況に応じた住宅に住まうため、団地内の円滑な住み替え等を検討
美しい住宅地景観の形成
−景観形成のルールづくりと多様なデザインの導入−
• 景観形成のルールのもと、団地全体として秩序ある美しい住宅地景観を形成
• 公共賃貸住宅の建替等に際し、コミュニティのまとまりを意識した住棟配置・多
様な建物デザインを導入
• 戸建住宅地等で、地区計画の検討など、景観形成のルールづくり等を誘導
住民の住まい・まちづくりへの支援
−分譲マンションの管理の適正化、戸建住宅地の環境保全等の推進−
• 分譲マンション:マンション管理の専門家による支援の充実、情報交換のため管
理組合等をネットワーク化
• 戸建住宅地:住環境保全に係るルールづくり・システムづくりの実現、住環境保
全のための住民組織を育成、専門家派遣等を充実
安全・安心な住宅地の形成
−防災性向上の推進、防犯対策の推進、高齢者の見守り対策等の推進−
•
•
•
•
•
公共賃貸住宅等:建替、耐震改修等のリニューアルを推進
戸建住宅等:耐震診断、耐震改修等に向け積極的に支援
公園等の公共施設に係る避難場所・避難路の位置づけの明確化、周知徹底
防犯対策として、施設改善・活性化による 監視性の確保 領域性の確保
単身高齢者等が安心して生活できるよう見守り対策等を推進
-7-
3
商業・生活サービス機能の再生
明舞団地の再生にあたって、商業・生活サービス機能の再生指針を次のように設定する。
センター機能の更新
−中央センターの建替、サブセンターの機能更新−
• 中央センターは、建替・リニューアルにより中心核にふさわしい個性的な空間形
成、住民ニーズに対応した生活サービス機能等の導入による機能を拡充・更新
• サブセンターは、生活支援を目指し コミュニティ拠点 として整備
• 大規模小売店舗(スーパーマーケット、大型専門
店)
• 専門店街(既存商業事業者を含む)
商業・業務
• 文化・アミューズメント施設
•
•
•
•
•
機能
大規模駐車場の整備
歩行者ネットワークの維持・継承
駐輪場の整備
高速通信ネットワークの接続拠点誘致
広場の再整備 等
商業・生活サービス機能の再生指針
《中央センターの機能》
都市基盤
機能
生活サービス • 行政サービス窓口
• デイケアセンター
機能
住宅機能
• 子育て支援センター
• NPO等の地域団体活動施設 等
• 団地内からの移転住替え住宅
• ファミリー層の受入住宅 等
生活サービス機能の充実
−自立した生活を支援するサービス機能等の充実−
• 豊かで自立した居住生活を実現するため、高齢者福祉機能や子育て支援機能等の
サービス機能を充実
• スポーツ・レクリエーション等の生活を豊かにするサービス機能を充実
• 住民が主体的に居住地の運営・管理に関わっていくため、交流・集会機能、活動
支援機能等、地域活動の活発化を促すサービス機能を充実
多様な生活サービス提供主体の導入
−NPO等の育成、福祉分野等における民間事業者の導入−
• 中間支援NPO等と協働し、コミュニティベースのNPOの設立・運営を積極的
に支援
• 活動拠点の提供など環境整備を行い、コミュニティビジネスを育成
• 高齢者福祉、健康等の分野での民間事業者を誘致・導入
商業・生活サービス機能の適正配置
−バランスのとれたミックストユースの誘導−
• 商業・生活サービス機能は、規模、利用圏域等を考慮し、中央センター、サブセ
ンター、中央軸沿い、生活軸沿い及び住宅地内にバランス良く配置
-8-
4
公共施設等の再生
明舞団地の再生にあたって、公共施設等の再生指針を次のように設定する。
交流・移動ネットワークの形成
−バリアフリー化の推進、ユニバーサルデザインの導入−
• 高齢者等の主要な移動動線等に配慮した計画的なバリアフリー化を推進
• 高齢者等交通弱者のモビリティの確保のため、住民、NPO、交通事業者等の協
働により地域交通(コミュニティバス等)の可能性を検討
• 住民の意見を取り入れながら、ユニバーサルデザインを導入
防災ネットワークの形成
−避難地・避難路の明示、団地全体のネットワークの形成−
公共施設等の再生指針
• 公園・小学校等を災害時の避難地として位置づけ・明示・周知
• 住宅から避難地までの避難路を位置づけ、安全な避難経路を明示・周知
• 公共賃貸住宅等の建替・リニューアルに際し、住宅地内と公共施設の避難地・避
難路とのネットワークを形成
• 神戸市・明石市の防災計画の整合性の確保
緑の保全・育成とネットワークの形成
−公園・緑地・街路樹の保全、住宅地内の緑化の推進−
• 住民から高く評価され地域資産でもある豊かな緑について、住民の参画を得つ
つ、その保全とリニューアルを計画的に推進
• 中央幹線 緑化修景ゾーン は、シンボルとなるメインストリート景観を形成
• 住宅地内の緑化等を推進し、公共施設緑化と連携した緑・生態系のネットワーク
を形成
住民による公共施設の管理・運営の推進
−住民組織による公共施設管理等の推進−
• 住民が、主体的に公園を始めとする公共施設の管理運営を行うことができるよ
う、その受け皿となる住民による管理運営組織の設立を推進
• 住民の管理意識の向上、地域内の雇用創出、利用者の視点によるきめ細かな対応
等を期待して、住民が主体となった公園・緑地等の公共施設の管理を推進
-9-
5
団地運営システムの構築
明舞団地の再生にあたって、団地運営システム構築の指針を次ぎのように設定する。
住民・NPO主体の住環境マネジメントの展開
−住民の意識醸成、住民・NPOによる住宅・住宅地管理の推進−
• 住民同士の交流や活動の機会の充実、住まい・まちづくりに関する学習を通し、
住民のまちづくり意識を醸成
• 行政・住宅管理者と住民・NPOが、管理のあり方や住環境保全に向けたビジョ
ン・ルール等について、共有・協議・提案するシステムを構築
• コミュニティベースのNPO等が管理業務を受託できるよう門戸を開き、住民に
よる住宅・住宅地管理を推進
公共賃貸住宅管理における連携強化
団地運営システムの構築の指針
−情報・入居者管理、住戸・住棟の物的管理における連携−
• 広報や募集等に関する情報等の連携により、公共住宅関連サービスを総合化
• 事業主体間の住み替えを促進し、明舞団地における公共住宅政策の適正化を
図る体制を整備
• 修繕・改善・高齢化への対応など物的な管理における連携を推進
団地全体を総合的に管理・運営するシステムの構築
−明舞団地管理・運営組織の設立−
• 「(仮)明舞まちづくり委員会」を設置し、各者で情報を交換、相互調整等
• 当委員会を発展させ、明舞団地内の様々な課題に対して包括的な対応を行う
居住地の管理運営組織の設立を検討
住民・NPO主体の
住環境マネジメント
公共賃貸住宅管理等
の一体的展開
発展
(仮)明舞まちづくり委員会
(住民・NPO・行政・住宅管理者等による委員会)
調整・連携・情報交流・再生計画の見直し等
発展
明舞団地管理・運営組織
・企画提案機能 ・情報発信機能 ・計画事業調整機能
・維持管理機能 ・都市経営機能
- 10 -
Ⅲ 団地再生アクションプログラム
1 団地再生に向けた主な取り組み施策
基本方針・ビジョンの実現に向けて、また、一般の住宅市街地が将来直面する課題への先行的
な取り組みとして、明舞団地を新たな住宅施策のモデル的展開の場として、下記施策を推進する。
(1)PFI的手法による民間ノウハウ・民間資金の活用
− 公共賃貸住宅・センター施設建替におけるPFI的手法導入 −
■ 公共賃貸住宅等の建替に際して、PFI的手法を積極的に活用し、民間事業者の特徴を活
かした良質且つ低廉な公共サービスの提供、多様な住宅・施設の供給等を目指す。
① 県営住宅建替事業におけるPFI的手法の導入
(ミックストユースの推進、民間分譲マンションの導入、建替コストの削減等)
② 中央センターの商業施設建替におけるPFI的手法の導入
(民間の商業経営ノウハウの活用、建替コストの削減等)
(2)機構ストックを活用した県営住宅再生と民間分譲マンションの供給
− 県営住宅建替時における機構賃貸住宅への居住者移転と余剰地の創出 −
■ 県営住宅建替等に際して、従前居住者用住宅として機構賃貸住宅等既存ストックを活用(借
上げ公営住宅)することにより、県営住宅敷地に余剰地を創出し、若年世帯等が購入可能
な低廉な民間分譲マンションの導入を図る。
① 県営住宅建替に併せた機構賃貸住宅の借上公営住宅化の実施
(県営住宅敷地に余剰地を創出、団地再生に向けた都市機構の参画)
② 定期借地権制度等を活用した民間分譲マンションの導入
(明舞団地への若年世帯の導入、民間ノウハウ・民間資金の活用)
(3)住宅管理者の連携による効率的な管理・ストック活用等の推進
− 県・機構・公社の連携体制の構築と地域再生計画制度等の活用 −
■公共賃貸住宅の効率的な管理・ストック活用を進めるため、県・機構・公社による連携・協
議体制を構築するとともに、団地活性化に資する住み替え等の誘導を目的として地域再生
計画・構造改革特区制度の活用を検討する。
① 県営住宅・機構賃貸住宅・公社賃貸住宅の効率的な管理・ストック活用の推進
(募集業務等窓口機能の共有化、事業主体間住み替えの推進、明舞団地再生協議会等に
おけるストック活用計画の検討等)
② 地域再生計画・構造改革特区制度の活用検討
(公営住宅の目的外使用承認の柔軟化、公募要件の適用除外等)
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(4)中層集合住宅の新たなリノベーション手法の提案
− 県営住宅における新たな手法提案と分譲マンション再生アイデアコンペの実施 −
■ 郊外住宅地等に大量に立地する中層・階段室型(EV無)の公共賃貸住宅、分譲マンショ
ンの再生においては、建替事業のみに頼らず、建物の長寿命化を前提とし、居住者ニーズ
に対応する新たなリノベーション(大規模改善・改修)手法を提案する。
① 県営住宅団地における新たなリノベーション手法の提案
(低廉な工事費によるEV設置、片廊下型への大規模改善、改善と建替の混合等)
② 建替によらない分譲マンション再生のアイデアコンペの実施
(管理組合によるEV設置、増改築、改善と建替の混合等)
(5)地域団体が担う住宅地の運営・管理の推進
− コミュニティベースNPO等による高齢者生活支援・公共施設管理等の実施 −
■ NPOとの連携等による生活サービスの提供を図り、地域全体として高齢者の居住を支え
る仕組みづくりを提案する。また、行政や施設管理主体との連携を図りつつ、住民が主体
的に住宅地の管理・運営に取り組む体制を整備する。
① NPO・ボランティアグループ等による生活サービス提供事業の実施
(空店舗等による活動拠点提供、ミニディサービス、配食サービス、子育て支援等)
② NPO等による公共施設等の管理委託の推進
(公園等公共施設・公益施設等のNPO等への一部管理委託の推進)
(6)戸建住宅地における住環境保全・高齢者住み替えシステムの構築
− 住民による住環境保全等の誘導と資産を活用した高齢者住み替え推進 −
■ 空き地化や空き家化、敷地の細分化が進む郊外の戸建住宅地において、住民による主体的
な住環境保全活動等を誘導するとともに、住宅所有者である高齢者等の資産活用(子育て
世帯への賃貸等)による住み替えシステムの構築を検討する。
① 住民による環境保全・景観形成・住環境管理を誘導
(ひょうごまちづくりセンターによる専門家派遣の支援等)
② 高齢者住み替えシステムの検討
(宅建業者・NPO等との連携による相談機関の設置、持家賃貸化支援、若年世帯の
入居斡旋の実施、情報提供の充実等)
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2 「再生拠点区域」の整備方針
• 明舞団地中央部のセンター・県営住宅・機構賃貸住宅等の区域を「再生拠点区域」と位置づける。
• 県・県住宅公社・都市機構等が一体となって、早期・重点的な再生事業に取り組み、今後の明舞団地全体
の再生を先導する。
① 県営住宅・サブセンターの一体
的な建替(PFI的手法の検討)
・県営住宅:120 戸(S41)
・公社賃貸:18 戸(S41)
・サブセンター
⑦ 新たなリノベーション手法の提案
県営住宅:530 戸(S44)
② 県営住宅建替と民間分譲マンシ
ョン導入(PFI的手法の検討)
県営住宅:518 戸(S41∼42)
⑧ 高齢対応・居住性向上の改修
高層県営住宅:190 戸(S50)
③ 松が丘公園の再生
⑨ 借上公営住宅導入と高齢
者優良賃貸住宅への改善
④ 借上公営住宅導入と高齢
者優良賃貸住宅への改善
機構団賃貸住宅:1,162 戸(S42)
機構賃貸住宅:750 戸(S42∼43)
⑤ 将来建替に向けた維持保全
⑥ 商業業務施設の建替(PFI的手法
の検討)、分譲マンション等の整備
機構賃貸住宅
中央センター
(公社:商業施設、賃貸住宅 80 戸(S42)他)
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3 「再生支援区域」の整備方針
• 戸建住宅及び分譲マンションの民間住宅区域を「再生支援区域」と位置づける。
• 県・市・県住宅公社・ひょうごまちづくりセンター・ひょうご住まいサポートセンター等の連携のなかで、
戸建住宅・分譲マンションの環境保全、管理適正化及び再生事業を積極的に支援する。
戸建住宅地の再生支援
○ 住民による住環境保全・管理システムの誘導
○ 耐震性向上・バリアフリー化への支援
○ 高齢者の住み替え促進によるストック活用
○ 対象住宅:1,461 戸(48ha)
住宅地レベル
住環境保全・管理システムの誘導
ひょうごまちづくりセンター等による支援
・アドバイザー・コンサルタント派遣
住宅レベル
耐震性向上の推進
バリアフリー化等の支援
「わが家の耐震改修促進事
業」等を活用した積極的な
支援
「人生80年いきいき住宅
助成事業」等を活用した積
極的な支援
人レベル
住み替えによるストック活用の推進
相談機関の設置・情報提供等
分譲マンションの再生支援
○ 県公社によるマンション管理組合設立支援
○ 管理組合等のネットワークの形成
○ 適正管理・円滑建替に向けた支援
○ 対象住宅:2,754 戸(約 21ha)
個別の団地を対象
管理組合設立前
管理組合設立支援
①設立準備会の立上
②管理組合の設立
全体の団地を対象
明舞団地分譲マ
ンション協議会
設立の支援
県公社が支援
管理組合設立後
管理の適正化支援
建替の円滑化支援
ひょうご住まいサポ
ートセンター等によ
る専門家派遣
設立前
・県公社・サポー
トセンターを通
じた協議会設立
の働きかけ
設立後
・ひょうご住まい
サポートセンタ
ー等による専門
家派遣
新たな再生手法
の検討
「分譲マンショ
ン再生アイディ
アコンペ」等を実
施
県・公社・公団等
戸建住宅
地
分譲マンション(公社分譲住宅)
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4 円滑な団地運営の推進
(1)住民の意識醸成と活動支援
まちづくりの担い手である住民の団地再生への意識醸成、住民活動等への支援を実施する。
①街開き40周年記念事業の実施
• 住民の団地再生への意識醸成、交流機会提供を図るため、平成16年度に 街開き40
周年 記念事業を実施し、再生事業への積極的な参画を促す。
②住民による再生活動への支援
• 住民の団地再生活動に対し、ひょうご住まいサポートセンター、ひょうごまちづくりセ
ンター等の住まい・まちづくり活動等への支援制度を積極的に活用
(2)NPO等との協働
外部NPO等活動の誘致、コミュニティベースのNPO等の育成等の積極的な推進を図る。
①NPO等活動の誘致
• 外部NPO等の活動を誘致・支援することにより、住民がボランタリー活動を始める契
機とし、高齢者等居住者の利便性の向上等を図る。
②団地内の新たな住民組織・NPO等の育成とコミュニティビジネスの育成
• 団地内住民による新たなまちづくり組織、ボランティア組織、コミュニティベースのN
PO等の育成を推進する。
• NPO等が実施するまちづくり活動や生活サービス提供事業が、コミュニティビジネス
として独立して継続することができる条件整備を推進する。
(3)公共賃貸住宅管理手法等の改善
住宅管理者の連携による効率的な管理・ストック活用等の推進を図る。
①地域再生計画・構造改革特区の検討
• 明舞団地をエリアとした地域再生計画及び構造改革特区の検討を行う。
• 地域再生計画については、団地活性化に資する住み替え誘導等を目的として、既存支援
措置(公営住宅における目的外使用承認の柔軟化等)を活用した認定申請を行う。
• 構造改革特区については、構造改革特区構想として提案することを検討する。
②入居者管理における主体間の連携の強化
• 募集情報の総合的提供により、情報選択・募集手続き等の効率化を図るため、各主体間
で、それぞれが管理する住戸や入居者の状況等の情報を共有化していく。
• 公営・機構・公社の住宅情報の一体的な提供・紹介とともに、公共賃貸住宅間の住み替
え相談や住み替え希望者の事情にあった住宅の斡旋等を行える体制づくりを進める。
③団地マネジメントの視点に基づく総合的なストック活用計画の策定
• 公共賃貸住宅団地全体のストックを有効に活用するため、主体間の用地交換、統廃合、
リロケーション等を含んだ総合的なストック活用計画の策定を検討する。
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(4)推進体制の整備
−住民・行政・NPO等の包括的な連携の推進―
住民、行政、公共住宅事業者、NPO、商業者、民間事業者等、まちづくりの関係者が密接に
連絡を取り合い、相互連携しながら再生事業を展開することを目指す。当面は、既存の協議の場
を継続・発展させつつ、これらを包括する新しい協議の場を設置する。
<当面の推進体制>
<行政・事業者>
<住民・地域組織>
明舞団地再生協議会
明舞まちづくり推進協議会
(情報交流、相互調整・連携)
(情報交流、まちづくりの検討)
兵庫県、神戸市、明石市、機構、
県公社、ひょうご住まいサポート
センター、ひょうごまちづくりセ
ンター
連携
支援
新規参画
連携
民間事業者
中間支援NPO
NPO
新規住民グループ
まちづくりサポーター 等
(情報交流、相互調整・連携)
公社
連携
支援
公共賃貸住宅の再生計画の
一元的協議組織
公営
連合自治協議会、ふれあいのまち
づくり協議会、婦人会、商店会、
病院等
機構
<包括的連携組織の設立>
(仮)明舞まちづくり委員会
(仮)明舞まちづくり委員会
(情報交流、相互調整・連携、再生計画の見直し)
住民
NPO
商業者
民間事業者
県
市
公営
公社
(仮)明舞まちづくり委員会 ワーキング
(関係する担当者による実務レベルの協議の場)
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機構