固体化学 演習問題 No.1 解答例

固体化学 演習問題 No.1 解答例
1.
(a)ダイヤモンド、F 格子
(0,0,0),(1/2,1/2,0),(1/2,0,1/2),(0,1/2,1/2),(1/4,1/4,1/4),(3/4,3/4,1/4),(1/4,3/4,3/4),(3/4,1/4,3/4)
(b)グラファイト、P 格子
(0,0,0),(0,0,1/2),(2/3,1/3,0),(1/3,2/3,1/2)
(c) 閃亜鉛鉱、F 格子
Zn:(0,0,0),(1/2,1/2,0),(1/2,0,1/2),(0,1/2,1/2)
c
S:(1/4,1/4,1/4),(3/4,3/4,1/4),(1/4,3/4,3/4),(3/4,1/4,3/4)
(hkl)
C
(d)蛍石、F 格子
Hhkl の方向
l
1/
Ca:(0,0,0),(1/2,1/2,0),(1/2,0,1/2),(0,1/2,1/2)
O
B
O:(1/4,1/4,1/4),(3/4,3/4,1/4), (1/4,3/4,1/4),(3/4,1/4,1/4)
X
b
(1/4,1/4,3/4),(3/4,3/4,3/4), (1/4,3/4,3/4),(3/4,1/4,3/4)
1/h
1/k
A
- -
2.(a)(122)、(b)(422)、(c)(102)、(d)(025)、(e)(221)
3.教科書参照
a
4. 図のような(hkl)面を考える。今、この面内にある任意のベクトルとして、r= AB = OB − OA =b/k-a/h
をとる。逆格子ベクトル Hhkl と r の内積を取ると、
Hhkl・r=(ha*+kb*+lc*)・(b/k-a/h)=(a*・b)h/k- a*・a+ b*・b-(b*・a)k/h+(c*・b)l/k-(c*・a)l/h
こ こ で 、 a* ・ a=b* ・ b=c* ・ c=2π で 、 こ れ ら 以 外 の 組 み 合 わ せ は 全 て 0 に な る の で 、 Hhkl ・
r=0-2π+2π-0-0-0=0
よって、Hhkl は(hkl)面に垂直となる。
5.上記の図より、dhkl は OX の長さに等しい。ここで、OX は a/h( OA )ベクトルを Hhkl 方向に正射影した
ものである。Hhkl 方向の単位ベクトルは Hhkl/|Hhkl|であるので、
dhkl=a/h・Hhkl/|Hhkl|=a・Hhkl/(h|Hhkl|)=2π/|Hhkl|、、よって、|Hhkl|=2π/dhkl となる。
6.六方晶系における基本併進ベクトルを図のように直交座標系(単位ベクトル、x、y、z)で表すと、
a=(a/2)x-(a 3 /2)y, b=(a/2)x+(a 3 /2)y, c=cz
y
体積 V は、
b
V=(abc)=a・(bxc)={(a/2)x-(a 3 /2)y}・{(a/2)x+(a 3 /2)y}x cz
={(a/2)x-(a 3 /2)y}・{(ac/2)xxz+(ac 3 /2)yxz}
x
={(a/2)x-(a 3 /2)y}・{-(ac/2)y+(ac 3 /2)x}
=(a2c 3 /4)+ (a2c 3 /4)=a2c 3 /2
(ただし、x・x= y・y= z・z=1、x・y= y・z= z・x=0、xxy=z、yxz=x、zxy=x、など
a
を用いた)
a*、b*、c*を x、y、z で表すと、
a*=(2 π bxc)/V=(2 π /V){(a/2)x+(a 3 /2)y}xcz=(2 π /V){ (ac 3 /2)x-(ac/2)y}
b*=(2 π cxa)/V=(2 π /V){czx((a/2)x-(a 3 /2)y}=(2 π /V){ (ac 3 /2)x+(ac/2)y}
c*=(2 π axb)/V=(2 π /V) {(a/2)x+(a 3 /2)y}x{(a/2)x+(a 3 /2)y }=(2 π /V)( a2 3 /2)z)
また、
a*・a*=….= (2 π /V)2(a2c2)、b*・b*=….= (2 π /V)2(a2c2)、c*・c*=….= (2 π /V)2(3/4)a4、
a*・c*= b*・c*=0、a*・b*=….= (2 π /V)2(1/2)a2c2
従って、
|Hhkl|2=Hhkl・Hhkl=(ha*+kb*+lc*)・(ha*+kb*+lc*)=h2a*2+ k2b*2+ l2c*2+2(hka*・b*+klb*・c*+hla*・c*)
= (2 π /V)2{a2c2h2+a2c2k2+(3/4)a4l2+a2c2hk}=(2 π /V)2{a2c2h2+a2c2hk +a2c2k2+(3/4)a4l2}
ここで、(1/V)2=(4/3a4c2)より、
= (2 π )2{(4/3)(h2+hk+k2)/a2+l2/c2}
従って、|Hhkl|2=(2 π )2/dhkl2 より、
1/dhkl2=(4/3)(h2+ hk+k2)/a2+l2/c2
7.一辺の長さが r の立方体を考える。
・単純立方の場合、半径 r/2 の球が 1 つ入るので、
球の体積/単胞の体積=(r/2)3x4π/3/r3=π/6=52.4%
・体心立方の場合、半径 r 3 /4 の球が2つ入るので、
球の体積/単胞の体積=2x(r 3 /4)3x4π/3/r3=π 3 /8=68.0%
・面心立方格子場合、半径 r 2 /4 の球が 4 つ入るので、
球の体積/単胞の体積=4x(r 2 /4)3x4π/3/r3=π 2 /6=74.0%
8.一辺の長さが a の正四面体の 1 つの頂点から相対する面に降ろした垂線の長さの 2 倍が c になる。
ピタゴラスの定理より、(a 3 /2 x 2/3)2+(c/2)2=a2、c2/4=2a2/3、c/a= 8 / 3
9.F(hkl)=∑fjexp2πi(hxj+kyj+lzj)
CsCl 結晶 ----- Cs:(0,0,0)、Cl:(1/2,1/2,1/2)
F(100)=fCsexp2πi(0)+fClexp2πi(1/2)=fCs-fCl、I(100)= |F(100)|2=(fCl--fCs+)2=B
F(110)=fCsexp2πi(0)+fClexp2πi(1/2+1/2)=fCs+fCl、I(110)= |F(110)|2=(fCl-+fCs+)2=A
F(111)=fCsexp2πi(0)+fClexp2πi(1/2+1/2+1/2)=fCs-fCl、I(111)= |F(111)|2=(fCl--fCs+)2=B
F(200)=fCsexp2πi(0)+fClexp2πi(1)=fCs+fCl、I(200)= |F(200)|2=(fCl-+fCs+)2=A
10.(a)Z=8
(b) F(hkl)=∑fjexp2πi(hxj+kyj+lzj)=fcexp2πi(0)+ fcexp2πi(h+k)+ fcexp2πi(h+l)+ fcexp2πi(k+l)+
fcexpπi(h+k+l)/2+fcexpπi(3h+3k+l)/2+fcexpπi(3h+k+3l)/2+fcexpπi(h+3k+3l)/2
3
(c)ρ=MZ/(NAa )より、a=3.57 Å。
(h2+k2+l2)/a2=1/d2、2dsinθ=λ より、
(111)のとき、d= {a2/ (h2+k2+l2)}1/2=(3.572/32)1/2=2.06 Å、2θ=2sin-1(λ/2d)=19.90°
(220)、(311)、(400)、(331)、(422)については同様に。
11.(a)ペロブスカイト構造、教科書参照
(b)P 格子
(c)Mg−六配位、K−十二配位、F−二配位
12.2dsinθ=λ より、
2θ
d
a2/dhkl2
(hkl)
38.2
2.353938 3.013053 (111)
44.4
2.038559 4.017448 (200)
64.6
1.441466 8.035041 (220)
77.6
1.229247 11.04889 (311)
81.8
1.176421 12.06345 (222)
98.4
1.017511 16.12571 (400)
2
2 2
2
13.h +k +l =a /dhkl2 より、
d
(hkl)
(110)
2.969848
(111)
2.424871
(210)
1.878297
(211)
1.714643
14.ρ=MZ/(NAa3)=40.304x4/((4.20x10-8)3x6x1023)=3.63gcm-3
15.(a)ρ=MZ/(NAa3)=40.304x4/((4.20x10-8)3x6x1023)=4.01gcm-3
(b)格子定数を a とすると、 3 a=2rCs+2rCl となる。よって、rCs=( 3 a-2rCl)/2=1.78 Å
16.体心立方格子では Mo-Mo 距離は r= 3 a/2 となる。ρ=MZ/(NAa3)より、
a=
95.94 × 2 =3.14 Å
MZ =
3
3
1.03 × 6 × 10
N Aρ
r= 3 x3.14/2=2.78 Å
23