世界中で進められる待遇改善の運動!

2001. 5. 18
NO. 号外
日本航空機長組合
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日 本 航 空 先 任 航 空 機 関 士 組 合
日本航空乗員組合
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世界中で進められる待遇改善の運動!
第9回 Alliance 会議報告(その2)
今回の会議における各国の報告から、全世界的な航空業界の好況を背景に
会社に待遇の改善を迫っている様子が見て取れます。その原動力となってい
るのはやはり個人の意識と行動力なのです。
以下、各乗員組合からの報告の要旨をまとめます。
Ø Hong Kong Aircrew Officers Association
(HKAOA; キャセイパシフィック乗員組合)
・労働契約交渉が 1999 年以来、長きにわたって継続している。
・会社は悲観的な業績見通しをしていたが、結果として 2000 年は大きな
利益を上げた。
*今回 HKAOAの代表として会議に参加した John Findlay氏は HKAOA
の事務局長ですが、乗員ではなく、常勤の事務職です。アシスタン
ト職ではないので、当然会社との交渉にも出席します。こういった
法律その他の実務に精通した専門家は、英国航空乗員組合などでも
採用しています。
Ø 英国航空乗員組合
・機材の更新が継続しており、在来型 747 は来年 3 月で退役する。また、
この更新に伴って、客室のコンフィギュレーションも、Cクラスを増
席するよう変更されている。
・賃金交渉がまもなく始まるが、今回は大幅な賃上げが期待される。
・今後数年間で大量の定年退職者が出るため、定年年齢の引き上げにつ
いて議論中である。
・会社は、アメリカのカーゴ会社と合弁で新会社を作り、運航を始めた。
今後の動きを注視している。
Ø フィンランド航空乗員組合
・昨年大規模な機構改革が行われたが、その最中にも関わらず、1 億 2
千万ユーロ(約 130 億円)の利益を上げた。
・新経営陣の下、経営戦略と事業方針も精査されている。
・2 月に新協定を締結したが、5 月末までに賃上げを含む新賃金制度で
合意に至らない場合には、新協定は 11 月末で失効となる可能性もある。
Ø イベリア航空乗員組合
・会社は今年 4 月に完全民営化されたが、その直前にはパイロットが今
後の契約交渉の成り行きに不安を持ったため、定時出発率は 22%以下
にまで下落した。
・現行労働契約は昨年 12 月に失効したが、新契約が締結されるまでは自
動的に延長される。今回の契約交渉では、カットされた賃金の回復な
どがポイントとなる。
・会社は伝統的に組合敵視の姿勢をとっており、争議行為なしには、コ
ストのかからない回答であろうともしようとしない。
Ø エア・リンガス乗員組合
*エア・リンガスはアイルランドを本拠とする航空会社です。
・賃金問題での労使紛争がいまだ解決しておらず、現在は仲介役のアイ
ルランド労働関係委員会(Labour Relations Commission)と会談を
持っている。
・500 名の組合員に対して、未消化の年休は 1400 週分にものぼる。会
社はパイロット不足を理由に、当面年休を与えない方針を明らかにし
ている。これに対し、組合員が大量の年休を取る動きがある。
Ø カンタス航空乗員組合
・国内線は、競争の激化から 25%の収入減。しかし、国際線は 26%増
と好調で、全体として収支はほぼ横這い。
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・今まで機材は全てボーイングであったが、今回 A330 と A318 の導入
を決定。
Ø AEROPERS(スイス航空乗員組合)
・持ち株会社化により、Sairgroup(エスエアーグループ)の所有とな
った。現在のスイス航空には、1250 名のパイロットと 4000 名のキャ
ビンクルー、それに若干名の地上職がいるに過ぎない。
・グループは 2000 年には 16 億 US ドル(約 1960 億円)の損失を計上
した。新 CEO に就任したマリオ・コルティ氏は、大がかりなリスト
ラに着手することを発表している。
・組合は 2 年間にわたって 5%の賃金カットを提案し、その見返りとし
て 1150 名のパイロットの雇用の確保を含む 3 年間の労働契約の延長
を求めている。
Ø ランチリ航空乗員組合
・国内経済は緊縮傾向にあるが、航空輸送に関しては国内・国際の旅客・
貨物とも 14%近い伸び率を示している。
・会社は積極的に海外進出をすすめている。
・ランチリはおそらく oneworld 加盟航空会社の中で最低の賃金ではな
いかと思われる。参考までに、767 のキャプテンで月々の賃金は手取
りで 4000US ドル(約 50 万円)となる。
Ø Allied Pilots Association(APA; アメリカン航空乗員組合)
・新委員長として、Capt. John Darrah が就任。Darrah 機長は 36 歳。
・会社の業績は好調。2000 年は歴史的な利益を記録。
・AMR(アメリカン航空の持株会社)が TWA を買収、またユナイテッ
ド航空が買収した US Air の資産の一部を譲り受ける契約に合意。これ
によって、アメリカン航空は世界最大の航空会社となる(従業員数約
13万5千人、うちパイロット約1万6千人)
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次回のニュースでは、日本からの報告についてお伝えします。
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