シンガポール事務所

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【カジノ総合リゾート開発レースの結果】シンガポール
シンガポール政府は 26 日、マリーナ・ベイにおけるカジノ総合リゾート開発業者を米・カ
ジノ大手運営業者であるラスベガス・サンズとすることを発表した。
政府は昨年4月、マリーナ・ベイとセントーサ島の2地区にカジノ総合リゾートの開発を決
定し、世界各地から開発業者を募っていた。このうち、マリーナ・ベイ地区に関しては今年3
月の締め切りまでに4グループが開発案を提出しており、その行方が注目されていた。
選定理由については、土地を除いた投資額が 38 億 5,000 万シンガポールドルと最高額だっ
たことや建築デザイン、レイアウトなどの総合力で判断したとのこと。また、総合リゾート内
に建設される大規模な国際会議場などの施設利用による集客力も大きな要素になったとして
いる。
シンガポール政府は 2015 年までに 1,700 万人の観光客を誘致し、300 億シンガポールドルの
観光収入を目指している。
シンガポール初となるカジノは 2009 年までにオープン予定である。
(JIJI-Web、27 May 2006 THE STRAITS TIMES 参照)
【連邦直轄地に公式旗を制定】マレーシア
連邦直轄地省(Ministry of Federal Territories)は、クアラルンプール市、プトラジャヤ
及びラブアンの各連邦直轄地(※1)統一の公式旗を制定した(※2)。これらの制定前は、各連
邦直轄地では、各々独自の旗を公式行事で使用していたが、今後は独自の旗と共に、今回制定
した統一旗も使用されることとなる。統一旗の縞模様の3色はそれぞれ、黄色が尊敬、主権、
名誉を、赤が強靭さを、青が統一、誠実、調和を象徴している。また、中央の国章の下の3つ
の星印は、3つの連邦直轄地を表し、それぞれの直轄地が重要な行政と経済の中心となること
を象徴している。
(統一旗)
(※1)マレーシアには、クアラルンプール市、プトラジャヤ及びラブアンの計3つの連邦直
轄地が存在し、連邦直轄地省によって所管されている。これらの地域では、連邦直轄地省によ
って、インフラ整備などの都市開発計画案等が作成及び管理されている。
かつて、クアラルンプールとプトラジャヤは、スランゴール州の一部であったが、それぞれ
1974 年と 1995 年に連邦直轄地となり、ラブアンは 1984 年にサバ州の一部から連邦直轄地とな
1
った。
(※2)近く開催されるマレーシア全国スポーツ大会において、初の3つの連邦直轄地の統一
チーム結成を契機として、今回統一旗が導入される運びとなったもの。
(26 May 2006 New Straits Times, Ministry of Federal Territories Web site 参照)
【マレーシアにおけるアウトバウンド旅行市場の動向】マレーシア
国際観光振興機構(JNTO)によれば、2005 年におけるマレーシアからの訪日客数は、
78,173 人(前年比 7.9%増)で、過去最高を記録した。現地旅行代理店で旅行商品を開発する
スタッフから、訪日旅行事情を中心に、マレーシアからのアウトバウンド旅行市場の動向を尋
ねてみた。
ⅰ 訪日旅行市場
典型的なツアーは、東京(浅草、秋葉原、新宿)→富士山→京都(金閣、清水寺)→(時間
があれば)奈良→大阪(大阪城)である。だいたい1週間のコースで 3,000~4,000 マレーシ
ア・リンギット(1リンギット=約 30 円)である。近年人気が高まっているのは、北海道。
スキー客をターゲットにするものがほとんどであるが、「札幌雪まつり」を商品化したものも
ある。
マレーシアにおける訪日旅行の特徴としては、リピーター率が高いと言われており、最初の
旅行では短期間のツアーに参加するが、2回目以降には、個人旅行として自ら航空チケットを
購入し、日本でのチケットも自ら手配したり、国内発着の単品ツアーを利用したりして、安価
に旅行できるように努力しているとのことである。特にJRが発売しているジャパンレールパ
スの需要は高く、使用時には駅員とのコミュニケーションが必要なため、言葉の問題が生じる
が、それでも人気が高い。
一般の旅行客以外のマーケットとしては、①修学旅行などの学校交流、②イスラム・フード
への対応が可能で、モスクを訪れるなど、ムスリムに特化した商品、③日本のアニメ・ファン
のマレーシア人をターゲットにした商品、なども今後需要が見込まれるとのことである。
ⅱ 他国への旅行市場
人気のある旅行先(東南アジア諸国以外)として、韓国やオーストラリアがあげられる。
特に、オーストラリアの政府観光局(Tourism Australia)が最も積極的に PR 活動を行って
いる。具体的には、旅行代理店など実際に旅行商品を販売する主体とタイ・アップして、旅
行先の情報と商品をセットにして販売攻勢をかけている。また、実際に旅行商品を販売する
スタッフに対して研修を行い、観光地に関する知識が身につくよう配慮している。
韓国は、日本と同様に、春は桜、秋は紅葉、冬は雪を中心に PR を行っており、マレーシア
には存在しない四季や季節感とそれによる美しい風景に焦点をあてて観光地としての魅力
を PR している。
また、人気の旅行先は、航空運賃の額に左右されることが多い。現在は、オーストラリア・
ドルがマレーシア・リンギットに対して高くなっているため、結果的に、ニュー・ジーラン
ド行きの商品と同価格帯になってきている。その結果、ニュー・ジーランドへ行く観光客も
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増えてきている。
他国の観光客誘致の取り組みは、約 10 年以上前から本格的に進められてきたものである。こ
ういった取り組みは効果が現れるまで時間がかかるものであり、日本の Visit Japan Campaign
(マレーシアはまだ重点市場には認定されていないが)も、その効果が現れるまでは時間がか
かるのではないかとの見方もある。
(16 May 2006 : JTB マレーシアにおいて聞き取り)
【ラオス企業と提携するタイの日系自動車部品メーカーを視察】タイ
2006 年 5 月 18 日~20 日、日本貿易振興機構(JETRO)シンガポールセンターが JETRO 香港
と共同で実施したラオスの投資環境視察ミッションに参加。同ミッションでは、タイを拠点と
して活躍する日系企業の中で、ラオスの現地企業を委託加工先として活用する日系自動車部品
メーカー・矢崎グループのタイ矢崎(Thai Arrow Product:TAP)を視察した。
タイ矢崎では、①社員の高齢化・高賃金化、②タイ経済発展に伴う諸経費の高騰(建物賃貸
料・最低賃金等)、③自動車業界におけるタイのアジアのデトロイト化現象、④新空港開港、
アジア東西回廊・南北回廊構想浮上による交通網の充実といった環境の変化から、ラオスへの
事業展開を検討した。
その方法は、リスクを少なくするため、タイの工場から資本を投じる必要のないラオスの現
地企業への委託加工外注としていた。タイの工場では、ラオスの現地企業に部材を輸出し、そ
こで加工された製品を再びタイの工場に輸入しているが、その加工された製品をタイ国内で販
売せず、海外へ 100%輸出することで、タイ~ラオス間の輸出入税は0%と保税扱いとなる。
タイ矢崎がラオスの首都ビエンチャンの現地企業を委託先として選んだ理由は、ビエンチャ
ンがタイ・ノンカイとメコン川を挟んだ友情橋(全長およそ 1.2kmの橋で 2007 年には鉄道も
走る計画がある。)で繋がり、陸路による物流ができるためである。また、その他にもラオス
での政府関連の諸手続に関する情報を集めやすいことや、ビエンチャンに進出していた企業が
少なかったことから、大卒等の優秀な人材を雇用しやすいことも理由として挙げられる。
タイを拠点とする企業がラオスに事業展開する場合、ラオス語とタイ語は類似点が多く、タ
イの工場で使用している従業員用教材がそのまま活用できる。よって、研修過程を踏んだタイ
の従業員によるラオス現地企業の従業員に対する技術指導が可能となり、タイの工場からの技
術移転を行ううえでも有利である。
今後はタイ矢崎のように、こうした利点を活用してラオスへ事業展開する企業が増加するも
のと推測される。
(18-20 May 2006: JETRO 投資環境視察ミッションでの聞き取り)
【国民の英語離れが進む】フィリピン
フィリピンで英語離れが進んでいる。同国では英語は公用語の一つとして定着しており、国
民の英語力の高さを生かしてコールセンター等のアウトソーシング業務の受入れを積極的に
行ってきた。しかし、頼みの綱である英語力が、学校教育のレベル低下、語学に長けた人材の
流出等により、最近急速な低下を示している。
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2006 年3月にフィリピン欧州商工会議所が成人を対象に行った調査では、
「耳で聞いた英語
を理解できる」と回答した人は 65%で、前回調査(2000 年 9 月)の 77%から 12 ポイント低下
した。英語を「読める」と回答した人は 65%(前回調査から 11 ポイント減)
、
「書ける」と回
答した人は 48%(同 13 ポイント減)
、
「話せる」と回答した人は 32%(同 22 ポイント減)だ
った。
「英語と数学の教員となるべき人材が、高い給与にひかれて海外に移住しているために、
学校の教育力が低下している」と同商工会議所は指摘する。
アロヨ大統領は、英語力の低下に歯止めをかけるための対策に乗り出しており、現在タガロ
グ語を使って教えられている教科についても、英語による授業を行うように教育省に指示を出
した。また、同省は、教員の資質向上のために5億 8,100 万ペソ(日本円換算約 12 億 3,172
万円)の特別研修基金を設立し、特に英語、数学及び理科担当の教員 37 万人を対象に研修プ
ログラムを実施することを計画している。
(23 May 2006 The Manila Times, 24 May 2006 Manila Bulletin 等参照)
【個人所得税、課税最低限度額を引き下げ予定】ベトナム
ベトナム財務省によれば、本年末の国会に提出される予定となっている新個人所得税法案に
おいて、新しい課税最低限度額の適用を検討している。
同法案によれば、月収 100 万ベトナムドン(約 64 米ドル、預金金利・退職年金等を含む)
以上の個人が課税対象となる。現行の高額所得者向け所得税は月収 500 万ドン(外国人は 800
万ドン)以上の個人を対象としているが、新法はこれに代わり、課税最低限度額を大幅に引き
下げるものとなる。
財務省がまとめた個人所得税の新税率表によれば次のとおり。
月 収
要納税額
~6000 万ドン
総収入の 5%
6000 万ドン~1 億 8000 万ドン
総収入の 10%
1 億 8000 万ドン~5 億 4000 万ドン
総収入の 20%
…
16 億 2000 万ドン~
総収入の 35%
新法には扶養家族の人数による租税優遇措置条項が設けられており、年収が 1200 万~2000
万ドンまでの家庭は優遇措置を受けることができる。
新個人所得税法の成立は 2007 年中ごろを見込んでおり、その後1年以上をかけて周知に努
めた後、2008 年後半から 2009 年初めにかけて新法が実施される予定となっている。
個人所得税の課税最低限度額を引き下げることにより、国庫の税収増加は間違いないと見ら
れている。ベトナムの昨年の個人所得税徴収額は 4.4 兆ドン(2 億 7500 万ドル)であり、2004
年から 25%の増加であった。このうち 60%が外国人労働者によるものとされる。
財務省は個人所得税納税者の数を国全体で約 40 万人と推計しているが、新税法が適用され
るとこれが一気に増加することになる。国税庁によれば、現在国家歳入の 2.1%を占める個人
所得税の納税額は、2010 年には 6%に上昇すると見込まれている。
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(22 May 2006 Viet Nam News 参照)
【日本からの経済支援】カンボジア
高橋文明・在カンボジア日本国大使は、5月1日のシアヌークビル国際港のワンストップサ
ービス行政庁舎(注)の竣工式で次のように述べた。
「正しく財務管理を行っているカンボジアに対して、円借款の利子をこれまでの 0.9%から
0.01%にすることになった。すなわち 1000 万ドルの借款資金の利子は、90,000 ドルではなく
1,000 ドルになる。返済期間はこれまで通り 10 年から 30 年のままで。
」
フン・セン首相は、日本の国際協力銀行がシアヌークビル国際港の特別経済区のため、2008
年から 2009 年の間に追加の支援をすることを感謝したいと語り、これらの継続的な支援はカ
ンボジア経済成長の加速などを目指した政府の国家戦略に効果的であると述べた。
注:ワンストップサービス行政庁舎とは、水先案内、航路管理、船舶検査及び通関申告とい
った一連の入港手続をより効率的に行うための、総合的・統合的なサービスを提供する
システムを一括集中管理している庁舎である。
(2 May 2006 locomo.com(カンボジア地元紙ラスメイカンプチア新
聞 日本語版)、カンボジア政府サイト参照)
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