抄 録 集

平成26年度
第25回埼玉県工業高等学校生徒研究発表会
抄
録
集
埼玉県マスコット「コバトン」
平成27年2月4日(水)
さいたま文学館
文学ホール
(桶川市若宮1-5-9)
主
催
埼 玉 県 工 業 教 育 研 究 会
共
催
埼 玉 県 工 業 高等 学 校 長会
後
援
埼
玉 県 教 育 委 員
会
埼 玉 県 産 業 教 育 振 興 会
目
次
ページ
1 あいさつ
(1) あいさつ
埼玉県工業教育研究会会長(県立川越工業高等学校長)
(2) あいさつ
埼玉県教育局県立学校部高校教育指導課指導主事
加藤 久佳
2
寺田 貢紀
3
2
開催実施要項
4
3
題目・発表者一覧表
5
4
参加生徒・職員数・その他
6
5
審査委員・来賓名簿
7
6
生徒研究発表会資料集
No.
題
目
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
7
8
学 校 名
システムプログラング
フィルターを用いた音声処理
高校生ロボット相撲全国大会に参加して
本校・設備システム科における文化祭アーチ製作の歴史
180cm3 に込める想い
ポプラ祭歓迎門の製作
XYテーブルの製作
コンクリート細骨材としての灰溶融スラグの有効活用
私&僕の技能検定 2 級(旋盤)への挑戦
課題研究「フライタイイングアート」
省エネルギーに関するバッテリー蓄電の研究
課題研究を利用した地域イベントへの参加
高校生溶接コンクール出場に向けての取組み
文化祭アーチ製作
環境デザイン~インテリアとエクステリア~
会場図
さいたま文学館文学ホール
さいたま文学館会場案内図
座席表
運営委員名簿
1
熊谷工業
川口工業
越谷総合技術
浦和工業
川越工業
児玉白楊
秩父農工科学
いずみ
進修館
三郷工業技術
久喜工業
狭山工業
大宮工業
春日部工業
新座総合技術
8~ 9
10~11
12~13
14~15
16~17
18~19
20~21
22~23
24~25
26~27
28~29
30~31
32~33
34~35
36~37
==========================================
第25回埼玉県工業高等学校生徒研究発表会に寄せて
埼玉県工業教育研究会長 加 藤 久 佳0
(埼玉県立川越工業高等学校長)000
==========================================
平成26年度第25回埼玉県工業高等学校生徒研究発表会が「さいたま文学館」を会場に盛大
に開催されますこと、埼工研関係者の一人として大変嬉しく思います。関係の先生方には、発表
生徒の指導をはじめ、発表会の運営にご尽力いただき、誠に有難うございます。深く感謝申し上
げます。
さて現在、少子高齢化と生産年齢人口の減少、高度情報通信社会の発展とグローバル化の進展、
そして目覚ましい技術革新等によって、社会構造・産業構造や雇用環境が大きく変化し続けてい
ます。我が国はもちろん、世界的にも、過去に経験したことがないような課題を抱え、将来を見
通すことが困難な時代を迎えています。このような社会変化の中、我が国の未来を支える若者一
人一人が、それぞれの能力・個性を開花させ、人生を豊かにするとともに、自立し、最大限能力
を発揮しながら、社会に参画・貢献していくことが強く求められています。そのための準備期間
である高等学校の役割と責任は極めて重く、高等学校段階で能動的に学び、社会が必要とする力
を養うとともに、生涯にわたって学び続ける力を養い、その成果を社会に生かすための礎を築く
使命を担っているといえます。そして現在、国の教育再生会議や中央教育審議会では、これから
の我が国を支える若者に必要な資質・能力、それを育成するための教育の在り方等について、様々
な方面から検討を続けているところです。その中で、昨年6月に中央教育審議会高等学校教育部
会から「高校教育の質の確保・向上」に向けての審議のまとめが提言されました。
この審議のまとめでは、
「共通性の確保」と「多様化への対応」のバランスに配慮しながら高校
教育の質の確保・向上を図ることが、我が国の将来を見据えた高校教育にとって極めて重要な方
向性であると述べています。共通性の確保とは、すべての高校生が共通に身に付けるべき資質・
能力を育成することで、学力(基礎的・基本的な知識・技能、思考力・判断力・表現力、学習に
取り組む意欲・態度)はもちろんのこと、創造力や人間関係を形成する力、主体的な行動力、議
論する力、自己理解・自己管理力、思いやりの心などを育むことです。また多様化への対応とは、
生徒個々の優れた才能や個性を伸ばすための学習機会を大切にして、グローバル人材の育成に心
掛けたり、高等学校の各学科に応じた学習を更に深めたりといった取組を進めることです。そし
て、このような新しい時代に必要となる資質・能力を育成し、加えて一人一人の個性・才能を伸
長するためには、単に基礎的な知識・技能を習得するだけでなく、実社会や実生活の中でそれら
を活用しながら、自ら課題を発見し、その解決に向けて主体的・能動的に探求し、学びの成果を
表現し、更に実践に生かしていけるような学習の仕組みを構築することが重要であると述べてい
ます。中でも、
「どのように学ぶか」を重視し、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ
学習、いわゆるアクティブ・ラーニングによる学習を提唱しています。
まさに、25年間にわたって実施してきました「生徒研究発表会」と、その発表内容の中心で
ある「課題研究」の目的・目標そのものであり、本県の工業高校が長年にわたって積み重ねてき
た実践そのものであるといえます。今の時代に、そしてこれからの新しい時代に必要とされる資
質・能力の育成のための取組が、本県工業高校ではすでに実施されていたと自負してもよいので
はないでしょうか。本日発表されます生徒の皆さん、皆さんには、これからの時代を生き抜くた
めの力、今最も求められている資質・能力が十二分に備わっているはずです。自信を持って発表
に臨んでください。皆さんの雄姿を期待しています。
結びに、公私ともにご多忙の中ご出席くださいましたご来賓並びに審査員の皆様をはじめ、本
日の研究発表会のために準備・運営にあたってこられました運営委員の先生方に心より感謝とお
礼を申し上げあいさつといたします。
2
あいさつ
埼玉県教育局県立学校部高校教育指導課
指 導 主 事
寺 田 貢 紀
平成26年度第25回埼玉県工業高等学校生徒研究発表会が、盛大に開催されま
すことを心からお喜び申し上げます。また、埼玉県工業教育研究会会長 加藤久佳校
長先生をはじめ、各校の先生方におかれましては、日頃から、本県工業教育の推進
に御尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。
本発表会は、各専門分野で学んだ技術・技能を活用して生徒が課題解決に向けて
挑戦し、目標を達成する過程や成果を発表する貴重な機会です。この発表会を通じ
て伝える力や他校の生徒の発表から、聞く力、考える力などの向上に結び付くもの
として意義のある取組と考えております。
さて、今年度の国内経済は、緩やかな景気回復基調にあることをふまえて、本県
の高校生の就職状況も前年同時期と比べて上昇しています。さらに、日本企業の中
には、再び生産拠点を国内に戻すなど雇用拡大につながる期待もあります。これは
円安や海外人件費の上昇などの影響ですが、世界経済の動きについても、目を向け
る必要があります。これからの子供たちが社会で活躍するまでの間に、生産年齢人
口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会や職業の在り
方そのものも大きく変化する可能性がある厳しい時代でもあります。このような変
化の激しい社会の中で、工業高校生には日本を支える産業の担い手として、社会か
ら大きな期待が寄せられています。これからの工業高校生には、高い志や意欲を持
つ自立した人間として、他者と協働しながら価値の創造に挑み、未来を切り開いて
いく力が求められております。本県教育委員会でも、
「実践的職業教育グローバル事
業」として引き続き専門高校生の技術・技能の向上を目指す事業に取り組んでいま
す。その中で「ものづくり力交流分野」では、工業系高校10校13学科が外部と
の連携によって技能検定等の資格取得や専門分野のコンテストに挑戦しています。
また、「商品開発力交流分野」においては、企業及び他校と連携して商品開発に取り
組む中で、さらに台湾の専門高校とも連携し、12月には工業高校生を台湾に派遣
しました。いずれの取組においても、技術・技能のみならず、自ら考え、自ら行動
し、他者との関わりの中で主体的に学ぶ力の育成にもつながるものと考えます。
本日参加された生徒の皆さんには、この発表会を通して他校の取組からも多くの
ことを学び、今後、広い視野と探究心を持った工業技術者として、大いに成長され
ることを願っております。
結びに、第25回埼玉県工業高等学校生徒研究発表会が、埼玉県の工業教育のま
すますの発展につながりますことを御期待申し上げ、あいさつといたします。
3
平成26年度 第25回埼玉県工業高等学校生徒研究発表会開催実施要項
1 目 的
生徒の工業に関する研究発表などを通して、工業教育の活性化と産業教育の振興を図る。
2 主 催
埼玉県工業教育研究会
3 共 催
埼玉県工業高等学校長会
4 後 援
埼玉県教育委員会
埼玉県産業教育振興会
5 日 時
平成27年2月4日(水)
6 会 場
さいたま文学館文学ホール
埼玉県桶川市若宮1-5-9(TEL 048-789-1515)
7 内 容
1校1テーマとし、卒業製作(研究)、卒業設計製図、総合実習、課題研究、部活動等、
生徒が日常実践している教育活動について準備片付けを含めて15分以内で発表する。
9:30~16:20
8 日 程
(1)受付
9:10 ~ 9:30
(2)開会行事
9:30 ~10:00
ア 開会のことば
生徒研究発表会運営委員会副委員長(県立春日部工業高等学校教頭)
大出
明
イ 挨拶
埼玉県工業教育研究会会長(県立川越工業高等学校長)
加藤 久佳
ウ 来賓挨拶
埼玉県教育局県立学校部高校教育指導課指導主事
寺田 貢紀
埼玉県工業高等学校長会会長(県立大宮工業高等学校長)
岩﨑 利信
エ 来賓並びに審査委員の紹介
司会生徒 (県立春日部工業高校:電気科 2年 井上 裕彬 ・ 及川 朱)
オ 諸連絡
(3)生徒研究発表
10:00 ~ 12:30
(4)休
憩
12:30 ~ 13:15
13:15 ~ 14:45
(5)生徒研究発表
(6)休 憩
14:45 ~ 15:20
(7) 講
評
15:20 ~ 15:50
埼玉県教育局県立学校部高校教育指導課指導主事
(
(
(
(
2時間30分 9校 )
昼 食 )
1時間30分 6校 )
審査及びアンケート記入)
(8)審査結果発表
15:50 ~ 15:55
生徒研究発表会運営委員会委員長(県立久喜工業高等学校長)
(9)表
彰
15:55 ~ 16:05
ア 教育局
最優秀賞(1校) 優 秀 賞(3校) 埼玉県教育委員会教育長賞
イ 工業教育研究会
優 良 賞(該当校)
埼玉県工業教育研究会長賞
(10)閉
会
16:05 ~ 16:10
閉会のことば
生徒研究発表会運営委員会副委員長(県立春日部工業高等学校教頭)
(11) 諸 連 絡
寺田 貢紀
筒井 好夫
寺田 貢紀
加藤 久佳
大出
明
16:10 ~ 16:20
(敬称略)
4
題目・発表者一覧表
No
1
題 目
システムプログラミング
参加生徒名
学校名
熊谷工業
伊藤 悠斗
学科
学年
指導教員
ページ
情報技術科
2
山本 隆幸
8~9
電気科
3
岡野 次男
10~11
電子機械科
3
森木 秀明
12~13
設備システム科
3
村田 憲一郎
14~15
化学科
3
佐藤 文彦
16~17
機械科
3
房野 哲夫
18~19
電子機械科
3
新井 一郎
20~21
環境建設科
3
浅野 文
22~23
ものづくり科
3
横森 裕光
24~25
電子機械科
3
荒井 春助
26~27
電気科
3
山崎 経男
28~29
電子機械科
3
吉﨑 正希
30~31
機械科
3
2
浜田 蒼太
2
フィルターを用いた音声処理
川口工業
諸橋 尚希
大谷 和義
3
4
5
6
7
8
高校生ロボット相撲全国大会に参加して
本校・設備システム科における文化祭アーチ
製作の歴史
3
180cm に込める想い
ポプラ祭歓迎門の製作
XYテーブルの製作
コンクリート細骨材としての灰溶融スラグの
有効活用
越谷総合
技術
浦和工業
川越工業
児玉白楊
秩父農工
科学
いずみ
栗田 慎之輔
小野木 慎也
遠藤 巧己
佐々木崇善
大野 正斗
民野 陽基
柏木 辰哉
宮邊 匠汰
本藤 祐樹
川畑 勇太
荒 幹太
齊藤 丈一郎
田中 克樹
佐藤 忠昌
廣瀬 直紀
茂原 祐太
松澤 竜也
吉田 拓人
兼平 大地
豊永 和也
田端 亮大
川村 秀斗
熊澤 亮
岩崎 大地
滝沢 彩翔
大森 愉太
9
私&僕の技能検定2級(旋盤)への挑戦
進修館
島澤 桃花
堀内 優
10 課題研究「フライタイイングアート」
11 省エネルギーに関するバッテリー蓄電の研究
12 課題研究を利用した地域イベントへの参加
三郷工業
技術
久喜工業
狭山工業
浅見 卓馬
横山 大輔
池澤 優太
平野 裕仁
栗山 直人
三井 樹
西田 裕輝
渡邉 亮太
貫井 一博
石塚 匠
星 篤
伊藤 綺人
山本 翔太
佐々木勇士
仁野平大樹
13 高校生溶接コンクール出場に向けての取組み
大宮工業
佐久間末雄
大島 隆
松木 桃香
14 文化祭アーチ製作
駒崎 彪雅
春日部工業 藤井 貴雪
佐々木一輝
小曽川 博壽
建築科
3
渡辺 純也
15 環境デザイン~インテリアとエクステリア~
新座総合
技術
杉田 まほろ
5
32~33
田中 友歩
香川 裕睦
岡井 愛美
山﨑 賢哉
菅谷 太郎
34~35
江森 永明
デザイン科
3
横澤 和則
秋庭 英雄
36~37
参加生徒・職員数・その他
No
学校名
引率職員
運営委員
教員人数
生徒人数
1
熊谷工業
山本
阿部
2
1
2
川口工業
岡野
宿谷
中島
3
3
3
越谷総合技術
森木
町田
2
2
4
浦和工業
村田
斉藤
萩原
3
6
5
川越工業
佐藤
相澤
2
6
6
児玉白楊
房野
土田
2
4
7
秩父農工科学
新井
新井
1
3
8
いずみ
浅野
後藤
2
5
9
進修館
横森
小髙
2
2
10
三郷工業技術
荒井
髙橋
2
2
11
久喜工業
山崎
6
6
富沢・大沼
奥富・酒井・吉田
12
狭山工業
吉﨑
村石
手島
3
6
13
大宮工業
山﨑
田中
折原
3
3
14
春日部工業
小曽川
6
5
野口・浅井・小曽川
佐藤・眞仁田・石橋
15
新座総合技術
坂野
横澤
坂野
2
2
16
小松原
古寺
古寺
1
0
42
56
合 計
6
備 考
審査委員名簿
氏 名
所 属 名
職 名
寺田 貢紀
県教育局県立学校部高校教育指導課 産業教育担当 指導主事
髙井 潤
県立総合教育センター
情報教育推進担当 指導主事
岩﨑 利信
県立大宮工業高等学校
校 長
埼玉県工業高等学校長会会長
加藤 久佳
県立川越工業高等学校
校 長
埼玉県工業教育研究会会長
一谷 記由
県立川口工業高等学校
校 長
埼玉県工業教育研究会副会長
筒井 好夫
県立久喜工業高等学校
校 長
埼玉県工業教育研究会副会長
楡居 勝彦
県立熊谷工業高等学校
校 長
大野 勝生
県立秩父農工科学高等学校
校 長
羽田 邦弘
県立進修館高等学校
校 長
宮原 浩
県立浦和工業高等学校
校 長
市川 孝
県立狭山工業高等学校
校 長
吉岡 雅澄
県立いずみ高等学校
校 長
髙岡 豊
県立春日部工業高等学校
校 長
片山 利明
県立児玉白楊高等学校
校 長
赤羽 弘雄
県立新座総合技術高等学校
校 長
千代田 厚史
県立三郷工業技術高等学校
校 長
武正 章
県立越谷総合技術高等学校
校 長
笹本 隆悦
小松原高等学校
校 長
敬称略
7
システムプログラミング
~Windows 快適化計画「HideBar」~
所属校名
学科学年
氏
名
指導教員
1 研究概要
スタートメニューに代わる、ソフトウェアの快適な
起動を可能にするユーザーインターフェースを作成
した。
埼玉県立熊谷工業高等学校
情報技術科2年
伊 藤 悠 斗
山 本 隆 幸
(3)タスクバー
メリット:マウスでワンクリックで実行が可能。
デメリット:ウィンドウが多いと操作性が落ちる。
そこで「この 3 つのメリットを持って、デメリッ
トを克服した UI があったら便利じゃないか!」と思
ったことが、このプログラム開発を始めたきっかけ
となった。
3 この作品のポイント
(1)ウィンドウを気にせずにソフトウェアで起動
できる。
(2)大きいアイコンが表示できるフォルダが作れ
る。
(3)使いたいときにサッと出て、スルッと消える。
(4)UI に表示される画像が自由に変更できる。
(5)ユーザーが自由に機能を追加できる
図1 プログラム実行の様子
2
開発経緯
私はしばしばソフトウェアの起動に「やりにくさ」
を感じていた。Windows PC でソフトウェアを起動す
る方法は大きく分けて三つある。
4
使い方
起動しただけでは表示されない。HideBar.exe を起
動したらマウスをディスプレイの最上部にし、その
まま左右のどちらかに一定量スライドするとそれま
で隠れていた UI が表示される。この UI のことを「ア
イテムバー」と呼ぶ。
(1)スタートメニュー
メリット:ウィンドウを閉じなくても起動できる。
デメリット:沢山登録すると、わかりにくい。
(2)デスクトップ
メリット:ショートカットが大量に置ける。
デメリット:ウィンドウを閉じる必要がある。
必要な時にマウスを使って表示させ、マウスが UI
から外れると自動で隠れる。また、常に表示させる
ことも可能。アイテムバーに表示されているスキン
(画像)は自由に変更が可能である。 表示されて
いるアイコンをワンクリックすることで、ソフトウ
ェアを起動させることができる。
8
(1)タイル
アイテムバーに表示されている UI のことを総して
「タイル」と呼ぶことにした。
(2)ショートカットとジャンル
5 工夫したこと
(1)ルックアンドフィール(見た目)
ユーザーが自分好みなバーを作れるようにスキン
の選択機能や拡張機能を実装した。また、シンプル
な UI 構成を心がけたため少しわかりにくい部分があ
るが、マウスオーバーでヒントが表示されるように
なっている。
UI に表示されているフォルダのアイコンは中に 2
つ以上のショートカットが格納されている。
フォルダアイコンをクリックすることで格納され
ているショートカットを表示できる。このショート
カットを複数格納できるタイルのことを「ジャンル」
と呼び、ジャンルをクリックすると表示される縦の
バーを「ジャンルバー」と呼ぶ。各ジャンルバーに
表示されているスキン(画像)は自由に変更が可能。
バーにはプログラムを登録してタスクバーのように
使う他にも、バーにあったら便利だなと思う機能を
自分で作成し、バーに追加することが出来るように
なっている。
(2)コード面
無駄で冗長なコメントは避け、変数名や関数名に
わかりやすい名前を付けた。データの依存関係を極
力低くし、データが 1 つのオブジェクトとして扱え
るようにした。
(3)TweetTile
(3)実装予定の機能
タイルの並び替え、ショートカットキーの登録、
タイルからのアプリ起動時の引数登録等
6
感想
「どうやってバー上にアプリ、ジャンル、拡張機
能を共存させるか」という点でとてもやみました。
思うがままにコーディングするだけではデータと
データの依存関係が複雑になりバグを生む可能性が
高くなります。
また、データを個々のオブジェクトとして扱える
ようにするのにかなり多くの時間がかかりました。
しかし、そのおかげでかなりプログラミング能力が
上がったと感じています。
画像に移っているテキストボックスはバーからツ
イートするための拡張機能「TweetTile」である。こ
れを使えばバーから簡単にツイート出来る。
赤いボタンは見ての通りシャットダウンボタン。
(4)拡張性
拡張機能は通常の Windows アプリとほとんど同じ
ように作成が可能。拡張機能の大きさに制限は無い
ので、バーからはみ出てても大丈夫。
(5)設定と終了
タイルの追加や削除、設定の変更はバーの右側に
あるスパナアイコンのボタンをクリックする。その
下のうっすらと見える×ボタンを押すと HideBar を
終了する。
9
フィルタを用いた音声処理
埼玉県立川口工業高等学校
電気科3年
研究者
諸橋尚希
比留間哲哉
大谷和義
浜田蒼太
辻 佑平
指導教員
1
前田弘樹
岡野次男
はじめに
環 境 の 変 化 に よ る 聞 き 取 り に く い 音 声 を 、フ ィ ル タ を 用 い て 明 瞭 度 や 音 質 の 改 善 を 図 る 。
フィルタに抵抗とコンデンサを用いて理論値と比較する。
2 研究内容
測定方法
(1)遮断周波数
fc =
1
2𝜋𝜋𝜋𝜋𝜋𝜋
の 式 か ら fc を 求 め 、 抵 抗 R と コ ン デ ン サ C の 値 を 決 め る 。
( 2 ) 人 が ス ピ ー カ か ら の 音 を 聞 く た め に 、 フ ィ ル タ か ら ス ピ ー カ へ の 出 力 電 圧 Vo は
50mV 一 定 と し 、 周 波 数 発 信 器 か ら フ ィ ル タ へ の 入 力 電 圧 Vi を 測 定 す る 。
Vi
Vo
Vi
HPF
Vo
LPF
Vi
Vo
BPF
10
設計
( 1 ) ハ イ パ ス フ ィ ル タ ( HPF) の 測 定
設計1
-諸橋、比留間、大谷-
フ ィ ル タ C=47[μ F]、 R=160[Ω ]
遮 断 周 波 数 fch=21[Hz]
上 記 の 値 よ り HPF フ ィ ル タ の 設 計 を 行 っ た 。 フ ィ ル タ 単 体 の 測 定 は 問 題 な く 設 計 ど お
り結果が得られた。その後スピーカを接続して測定を行ったが、出力が減衰してスピーカ
か ら の 音 声 が 得 ら れ な か っ た 。こ の 原 因 は 、抵 抗 R の 電 圧 降 下 と 仮 定 し 、遮 断 周 波 数 の 値
を一桁下げるために抵抗 R の値を一桁上げることにした。設計変更の値を以下に示す。
設計2
フ ィ ル タ C=47[μ F]、 R=1.8[kΩ ]
遮 断 周 波 数 fch=1.9[Hz]
測 定 範 囲 10[Hz] ~ 10[kHz]
( 2 ) ロ ー パ ス フ ィ ル タ ( LPF) の 測 定
設計3
-浜田、辻、前田-
フ ィ ル タ C=470[pF]、 R=16.9[kΩ ]
遮 断 周 波 数 fcl=20[kHz]
上 記 の 値 よ り LPF フ ィ ル タ の 設 計 を 行 っ た 。フ ィ ル タ 単 体 の 測 定 で は 出 力 電 圧 の 減 衰 が
多 く 見 ら れ た 。こ の 原 因 は 、抵 抗 R の 電 圧 降 下 と 仮 定 し 、遮 断 周 波 数 の 値 を 基 に 抵 抗 R の
値 を 大 幅 に 下 げ た 。し か し 、遮 断 周 波 数 に 近 づ け る た め に コ ン デ ン サ C を 大 幅 に 上 げ な け
ればいけなくなった。この結果、電圧降下は減少され、フィルタ単体での測定が可能にな
った。設計変更の値を以下に示す。
設計4
フ ィ ル タ C=4.7[μ F]、 R=5[Ω ]
遮 断 周 波 数 fcl=6.8[kHz]
測 定 し た 結 果 、20kHz を 超 え る と 50mV の ス ピ ー カ 入 力 電 圧 を 得 ら れ な い た め 、さ ら に
設計変更をした。
設計5
フ ィ ル タ C=0.68[μ F]、 R=5[Ω ]
遮 断 周 波 数 fcl=46.8[kHz]
測 定 範 囲 100[Hz] ~ 100[kHz]
( 3 ) バ ン ド パ ス フ ィ ル タ ( BPF=LPF+HPF) の 測 定
LPF と HPF を 接 続 し て BPF と し た 。 LPF は 設 計 5 の フ ィ ル タ を 使 用 し 、 HPF は 設 計
2のフィルタを使用した。
11
高校生ロボット相撲全国大会に参加して
所属校名 埼玉県立越谷総合技術高等学校
学科学年 電子機械科 3年
氏
名 栗田 慎之輔
小野木 慎也
指導教員 森木 秀明
1
大会の概要
ロボット相撲とは、直径154cm の鉄板上で2台のロボットが対戦し、土俵外に押し出すことで勝
敗を決める競技です。
(鉄板が土俵、ロボットを力士に見立てています。)自立型とラジコン型の2つ
の部門に分かれており、自立型は、あらかじめ設定しておいたプログラムとセンサなどを使い、ロボ
ットが自ら相手ロボットを見つけ、土俵の外に押し出します。ラジコン型は、操縦者がプロポを使い
ロボットを自由自在に動かし戦います。
2
ロボットの構造について
(1) コンセプトの設定
ロボットの設計は、まずコ
ンセプトを考えます。
ロボット名
越総鬼-蒼
越総-紅
部門
ラジコン型
自立型
コンセプト
スピード重視型
スピード重視型
maxon
90W(24V 定格)
maxon
150W(12V 定格)
ロボット相撲には、スピー
モータ
ド重視型とパワー重視型とバ
減速比
7.14:1
4.59:1
ランス型の3つがあります。
タイヤ経
Φ35mm
Φ35mm
バッテリー
LiPo 9セル(33.3V)
LiPo 6セル(22.2V)
プロポ
Fuji soft 新ラジコンシステム
―
操縦者
栗田 慎之輔
小野木 慎也
マシンのスピードやパワー
はモータの種類や歯車の減速
比により決まるので、それぞ
れのコンセプトに合わせて設
表1
計します。1・2年次の反省
を活かして、3年生では表1のような仕様で設定しています。
(2) 過去のロボットの構造
◇
越総鬼-蒼
1年生のロボットは先輩方のロボットを参考にして、スピード重視の二段ギヤで減速を行う
構造にしました。しかし、試合を重ねていくとロボットに歪みや様々なところが損傷してしま
い、最後の全国大会では思ったような動作をしなくなってしまいました。2年生のロボットは
前年の欠点である耐久性を高める為の工夫をし、剛性が出るように二枚の板をギヤボックスに
上下で固定して、前面板に傾斜をつけることで力を分散させるような構造にしました。
しかし、磁石の磁力が弱いものを使用したため、タイヤがスリップすることが原因となり、
相手を強く押し出す事に欠けるという欠点がありました。
◇
越総-紅
1年生のロボットはラジコン型で、先輩のロボットを基に再設計し、ギヤヘッド付きモータ
とさらに一段ギヤで減速しました。しかし、減速比が大きすぎたため相手のスピードに追い付
きませんでした。2年生では、部活動の新たな伝統のため自立型部門で挑戦することにしまし
た。そこでパワー型の製作に挑みました。ノウハウもないためにロボットの構造やパーツの構
成がうまくいかず自分自身では動きが悪く、吸着も中途半端で相手にあっという間に押し出さ
れてしまう状態で、試合になりませんでした。
12
(3) 今回のロボットの特徴・工夫した点について
◇
越総鬼-蒼
より高い剛性を求め、ギヤボックスにチャンネル材を用いたモノコック構造とし、さらに負
担のかかるブレード抑え部分は8㎜ジュラルミン板を加工して使用し、より強固にしました。
また、磁力の高いネオジム磁石(60㎏重)にして、タイヤ幅を長くして接地面積を増やすこと
で、タイヤがスリップしないようにしました。
今回早い時期にロボットが完成し、操作練習を多く行いロボットコントロールも上手くでき
るようになりました。しかし、タイヤのグリップが強すぎてアルミホイールからシリコーンタ
イヤが剥がれてしまうようになりました。ホイールを樹脂に変更して操作しましたが、タイヤ
が引きちぎれるようになったため、対応策を検討した結果タイヤをウレタンゴムに変更し、全
国大会に臨み持続的に戦えるようになりました。
◇
越総-紅
メンテナンス性を重視し、比較的簡単な構造にすることでギヤボックス全体のサイズを小さ
くしました。また、ブレード部分を長くすることで大きな円弧でアルミ板がしなり土俵に強く
接地するようにしました。さらに、土俵センサとタイヤの間隔が大幅に広がったため、スピー
ドを速めても自爆することが少なくなりました。
自立型の命でもあるマイコンを「ATMega328」から「ATMega1284」に変
更しました。入力ポートが大幅に拡張できるようになり、より相手の位置をより細かく認識す
ることで、攻撃および防御対策で大幅に強化することが可能になりました。
3
大会結果
大会名
テレ玉ロボコン
関東大会
産フェアロボコン
全国大会
2012年度
越双鬼-蒼
3位
6位(全国大会出場)
アイディア賞
一回戦敗退
越双鬼―紅
ベスト5
4位(全国大会出場)
アイディア賞
一回戦敗退
5位(全国大会出場)
準優勝
一回戦敗退
―
―
―
2013年度
越双鬼-蒼
越総-紅
優
勝
―
2014年度
越双鬼-蒼
ベスト8
3位(全国大会出場)
準優勝
ベスト16
越総-紅
準優勝
準優勝(全国大会出場)
準優勝
ベスト16
※
4
越双鬼-蒼と越双鬼-紅は、ラジコン型。越総-紅は、自立型。
終わりに
相撲ロボットの製作・大会を通して、人と人のつながりの大切さを学びました。それは、班員と
話し合いながら設計を行い、部品を精度良く加工するために先生方やOBの先輩方にコツを伺いな
がら製作して、より良いロボットの製作は一人では出来ないことを痛感しました。また、大会通じ
て相手のロボットの研究や自分のロボットの問題点などをより冷静に分析することもできるように
なりました。
一年次より相撲ロボット製作に取り組んできましたが、高校生最後の学年で最高のロボットが製
作でき、大会も良い成績を残すことができたので良かったです。卒業後も機会があれば、一般の部
で大会に参加し続けたいと考えています。
13
本校・設備システム科における文化祭アーチ製作の歴史
埼玉県立浦和工業高等学校
設備システム科3年
遠藤巧己 大野正斗 柏木辰哉
佐々木崇善
民野陽基 宮邊匠汰
指導教員 村田憲一郎
1.はじめに
本学科では、2学年での文化祭校門アーチ製作が伝統となっており、今年度で10年目
を 迎 え ま し た 。毎 年 ク ラ ス 一 丸 と な っ て 、学 科 の 特 色 を 活 か し た ア ー チ を 製 作 し て い ま す 。
クラスリーダーが率先して企画・立案し、1学期から放課後、夏季休業中を利用して、
クラス全員で協力して製作します。私たちも2年次に、来場者に喜ばれるアーチを製作す
る こ と に よ り 、「 も の づ く り 」 の 楽 し さ 、 達 成 感 、 感 動 を 経 験 し ま し た 。
2 . 平 成 25 年 度 『 絆 』 を テ ー マ に し た 帆 船 ア ー チ 製 作
私たちのクラスが文化祭アーチを製作することとなり、
検討を重ねた結果、卒業「船出」後も、社会という大海
原を荒波にも負けず、逞しく突き進んでいきたいという
思いから、帆船を製作することにしました。全長約9m、
マストの高さ約5mの大きな木製の帆船です。
(1)帆のデザイン
帆船を製作するにあたり、まず帆に用いる大きな帆布
を準備しました。デザインを検討した結果、クラスの絆
を 深 め た い と い う 思 い か ら 、『 絆 』 と 描 き ま し た 。
(2)船体の骨組み
2 ×4 材 や 1 ×4 材 の 木 材 を 何 十 本 組 み 合 わ せ て 、 船
体の骨組みを作りました。人が何人でも乗れるように、
構造と強度を充分に考慮しました。
(3)船体・外装
木のぬくもりをそのまま活かすという意向から、あえ
て塗装はしませんでした。帆船らしさを出すため、ロー
プや錨など、様々な装飾を施しました。
(4)船首・船尾
この帆船の見所の一つである船首は、貫板に重りを取
り付け数日間固定することで、滑らかな曲線を出しまし
た。室内で船体完成後、三分割してから外へ運び出し、
校門前の設置場所で再度組み立てました。
(5)階段
階段は子供や年配の方でも登りやすいように、面積を
広くしました。現地のアスファルトの凹凸を考慮しなけ
ればならないため、検討を重ね何度も作り直しました。
14
(6)マスト・帆
文化祭当日は台風の影響で、帆を取り付けずに
マストのみの状態で展示をしました。来場者は階
段を登り、船上からの眺めを楽しんでいました。
(7)完成
翌日、帆を取り付けて、無事完成しました。
白い帆が美しい、素晴らしいアーチとなりました。
完成後の達成感は今まで感じたことのないほど
で、高校生活で一番の思い出になりました。
3.歴代の文化祭アーチ
本学科の文化祭校門アーチ製作は、平成17年度の「水道
トリックアート」製作から本格的に始まりました。宙に浮い
た発泡スチロール製の蛇口から、水が流れているように見え
るオブジェです。来場者に大変好評であり、翌年以降も産業
教育フェアや、近隣公民館の文化祭で展示をしています。
その後もパルテノン神殿や恐竜、水車など、毎年生徒が主
体となってテーマを決め、学科で学んだ技術を活かし、趣向
を凝らしたアーチを製作しています。
平 成 19 年 度
『パルテノン神殿風』
単管パイプで骨組、柱部
分は発泡スチロール製
平 成 22 年 度
『 文 化 祭 第 50 回 記 念 』
"5 "の 先 端 か ら 水 が 流
れ 、 "0 "が 回 転 す る 水 車
平 成 20 年 度
『 "URATEC"パ ー ク 』
平 成 17 年 度
水道トリックアート
恐竜の模型はダンボー
ルとベニヤ製
平 成 21 年 度
三角錐の中心から水柱
噴水の動きを電子制御
平 成 24 年 度
『中華街風』モルタル
製、重厚感を追求
平 成 26 年 度
『光と影』 廃材やセロ
ハ ン 、ペ ー パ ー フ ラ ワ ー
を 用 い 、絵 本 を イ メ ー ジ
4.おわりに
私 た ち は 文 化 祭 ア ー チ 製 作 を 通 し て 、 も の づ く り の 楽 し さ 、ク ラ ス 全 員 で 協 力 し 合 う こ
との大切さを経験しました。来年度以降もアーチ製作の伝統が続き、後輩たちが充実感、
達成感を味わえるような、素晴らしいアーチを製作してくれるよう願っています。
15
180cm³に込める想い
本藤
祐 樹 /荒
川越工業高等学校
化学科 3学年
幹 太 /田 中 克 樹 /川 畑 勇 太 /齊 藤 丈 一 郎 /佐 藤 忠 昌
指導教員:佐藤 文彦
1.佐藤研究室のミッション
「専門的エリート集団としての存在感ある実践」
・工業高校は普通高校の受け皿にあらず
・専門的カリキュラムに裏打ちされた実践の数々
2.研究室の活動の柱
研 究 活 動 / 知 的 学 び / 実 践 (広 報 )
3.1 年間の取り組み
◎研究活動
「 冷 涼 感 の 研 究 」「 魚 の 透 明 標 本 」「 乳 化 」「 シ ル バ ー ツ リ ー 」「 ゲ ル 」
「 エ レ メ ン ト ホ ル ダ ー 」な ど
※ 斜 字 は JST「 中 高 生 の た め の 科 学
部支援プログラム事業」採択テーマ
◎知的学び
埼 玉 県 「 サ イ エ ン ス ア カ デ ミ ー 事 業 」に よ る 「 先 端 の 化 学 知 を 学 ぶ 講 座 」 3 本 (埼 玉
大 2 本 、 日 大 )。 研 究 室 訪 問 : お 茶 の 水 女 子 大 学
◎実践(広報)
PTA 支 部 研 修 会 /「 夏 休 み 自 由 研 究 支 援 プ ロ ジ ェ ク ト 」 /「 高 校 生 が 先 生 役 の も の づ
く り 教 室 」/JST サ イ エ ン ス ア ゴ ラ ポ ス タ ー 発 表 /川 越 産 業 フ ェ ア /体 験 入 学 /学 校 説 明 会
/ガ チ ャ ガ チ ャ 教 材 (保 湿 ク リ ー ム 、 シ ル バ ー ツ リ ー 、 エ レ メ ン ト ホ ル ダ ー 、 ゲ ル マ ス
コ ッ ト 芳 香 剤 )⇒ ガ チ ャ ガ チ ャ カ プ セ ル の 容 積 180cm³・・・・「 専 門 的 エ リ ー ト 集 団 と し
ての存在感ある実践」
◎本日の報告「ゲルマスコット芳香剤の商品改良」
我々の作成するゲルマスコットは人工イクラの原料として知られるアルギン酸ナ
トリウムのゲル化を利用したものである。アルギン酸ナトリウムをカルシウムイオン
に触れさせることによりアルギン酸カルシウムとなる。このとき分子間に架橋がおこ
り不溶性となって固化する。人工イクラはアルギン酸ナトリウムの水溶液を、カルシ
ウムイオンを含んだ水溶液に滴下して作成する。この置換が極めて迅速なために界面
のみに置換がおこる。この状態で引き上げることにより、中味は置換されていない溶
液である人工イクラ状の球形となる。これはかなり一般化した化学的実演として普及
している。
このような即反応性に対して形状を持たせてゲル化することは非常に難しい。そこ
で形状化させたゲルの作成を試みた。方法としてはカルシウムイオンとの置換を遅ら
せることであり、アクセスは次の 2 点からなる。
☆内部からの置換化
カルシウムイオン溶液との接触による外側からの置換でなく、内部から置換させるこ
とを狙う。不溶性のカルシウム塩を混ぜ込む形で接触を少なくし、内部からの置換を図
る。
☆ナトリウムのイオン化の妨害
こ の 反 応 の 反 応 式 は 次 の よ う に な る 。 ア ル ギ ン 酸 を Alg と 表 記 し た 。
2 Alg - Na + + Ca 2 + → (Alg - ) 2 Ca 2 + + 2 Na +
16
ナトリウムイオン存在下にすることにより右向きの反応の進行を遅らせることが可能
となる。
以上の工夫によりマスコット形状を持たせることが出来た。それだけでは面白味にか
けるため、着色、着香により芳香剤としてガチャガチャに封入した。
現 在 の 問 題 点 と し て 、 強 度 が な い 、 泣 き が 生 じ る (滲 み 液 の 放 出 )と い
ったものがあった。そこで改良のための最適条件化を探った。
☆標準タイプの作成法
3% ア ル ギ ン 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 15ml に 0.14mol/l の 炭 酸 ナ ト リ ウ
ム 水 溶 液 5ml を 混 ぜ る 。
3.5g 硫 酸 カ ル シ ウ ム を 着 色 し た 香 り 水 7.5ml に 混 ぜ 込 む 。
両者を混ぜ込み、型に流し込む。
☆条件による滲み液量の比較
標準タイプの作成法に基づき、一点だけ条件を変えて滲み液量の変化を観察した。作
成 当 初 の 重 量 を 100 と し 、 減 少 分 を 滲 み 液 量 と し て 評 価 し た 。
硫 酸 カ ル シ ウ ム の 量 (2.5g,3.5g,4.5g)に よ る 比 較 ; 多 い 方 が 少 な い 傾 向 。た だ し 、多 い
と反応が早く、ゲルに斑が生じる。
炭 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 量 (2.5ml,5ml,7.5ml)に よ る 比 較;少 な い 方 が 液 量 放 出 も 少 な い
とまで言えるほどの特徴的な傾向はない。ただし、少ないと反
応が早いため、ゲルに斑が生じる。
炭 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 濃 度 (0.07mol/l,0.14mol/l,0.21mol/l)
による比較;同じ様な液量放出の傾向を示し、優位性は見られ
ない。
濃 度 ・ 体 積 (0.07mol/l×10ml,0.14mol/l×5ml,0.28mol/l×
2.5ml)で 調 節 し た ナ ト リ ウ ム イ オ ン 量 一 定 (7.0×10 - 4 mol)で の
比較;濃度の薄いものほど滲み液量の多い傾向があった。
ア ル ギ ン 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 濃 度 (3% ,4%,5%)に よ る 比 較;滲 み 液 量 は 4% <5% <<3%
で あ っ た 。 4% と 5% で は 大 き な 差 は な い 。
☆条件による強度比較
標準タイプに比して強度を強める方向に影響するファクターとしてはアルギン酸ナト
リウム水溶液濃度ぐらいであった。そこで荷重を加えて強度を調べた。
2% ; 滲 み 液 を 放 出 し て 変 形 す る も の の 800g 以 上 に 耐 え る 。 形 の 復 元 は な い 。
3% ; 変 形 し た 後 、 500g で 破 断 す る 。
4% ; や や へ こ む も の の 800g 以 上 に 耐 え る 。
5% ; 同 上 。 4% よ り は 明 ら か に 硬 い 。
3.課題
滲み液量の検討に終わったが、芳香剤としての機能を考えたときには香りの持続が求
められる。香りの徐放性の検討は行えていない。
強度の検討が不十分であるので、多面的な評価法を構築し、検討する余地がある。
アルギン酸ナトリウム量による強度を生かした利用の検討も可能性を有している。食
品的な利用は可能に思われる。
ゲルの物性としては格段に優れているわけでもない。ゲルの物性にこだわるのであれ
ば、機能性ゲルの領域に踏み込んでいくのも面白いであろう。
17
ポプラ祭歓迎門の製作
所属校名
学科学年
氏
名
埼玉県立児玉白楊高等学校
機械科3年・電子機械科3年
廣瀬直紀 松澤竜也 茂原祐太
指導教員
吉田拓人 岡芹拡紀
米村チアゴ
房野哲夫
田貝裕哉
1.はじめに
本校の文化祭「ポプラ祭」では、毎年、来場者を迎える歓迎門を設置しています。
今回、私たちは課題研究の授業において、歓迎門を製作することにしました。
本校の工業部は、機械科と電子機械科の二つの学科があり、課題研究の授業は両学
科乗り入れの共通テーマも設定されています。歓迎門の製作もその一つで、機械科4
名、電子機械科3名のメンバーで行いました。
2.目的
(1)ポプラ祭が盛り上がるような歓迎門を製作し、生徒及び来場者にポプラ祭の雰囲
気を味わってもらう。
(2)歓迎門の製作を通して、構想から完成に至るまでの「ものづくり」の基礎を理解
する。
3.年間計画
4月~ 5月:デザイン・構造の検討・設置場所の視察・スペースの採寸
5 月 ~ 1 0 月 : 歓 迎 門 の 製 作 ・ 10 月 25 日 ( 土 ) 完 成
11月~12月:解体・片付け・発表準備
1月:校内発表・生徒研究発表会準備
4.作業内容
作業は、デザインの検討・寸法決め・材料取り・部材の加工・塗装・パーツ組立・
模様付け・総組み立て・飾り付けの順で行いました。
18
5.工夫した点
(1)歓迎門に本校の特色を取り入れようと意識しました。工業学科関係では、支柱の
壁にMC(マシニングセンタ)実習で作成したアクリル製プレートをはめ込んだ装
飾を施しました。農業学科関係では、環境デザイン科で育てたプランターの花を飾
りました。また、4学科の学科紹介を記したポスターを飾りました。
(2)屋根部は骨格に帯鋼を用いて曲線に仕上げました。そこにベニヤ板を張り、骨格
の曲線に合うように結束バンドで固定しました。
6.苦労した点
(1)専門分野ではないため、初めて行う作業も多く作
業がなかなか進められなかったこともありました。
また、木材加工の十分な設備がないため、ベニヤ板
はのこぎりを使って地道に切断しました。
(2)門の各パーツが大きかったため、実習室内の作業
スペースや保管場所を確保するのが大変でした。
(3)木材のしなりやゆがみがあり、柱の傾きができて
しまいました。
(4)材料の寸法のミスがわかり、修正してから再度組
み立てすることがあり作業が遅れてしまいました。
7.成果
今年度は今までで最大規模(幅6m×
奥 行 き 1 .8 m ×高 さ 3 .2 m ) の 歓 迎 門
を完成させることができました。
ポ プ ラ 祭 当 日 は 過 去 最 高 の 約 2000 人
の来場者をお迎えしました。校長先生を
はじめ、多くの方からお褒めの言葉をい
ただきました。
普段の授業では使わない工具を用いて
の作業や初めて体験することも多く大変
なこともありましたが、ものづくりの基
礎を学ぶことができました。
8.感想
最初、デザインを考えるのに時間がかかったり、柱に取り付ける板の寸法を間違え
てしまったりして思うように作業が進まなくて大変でしたが、遅くまで残り、どうに
かポプラ祭までに完成することができてよかったです。私たちが思っていた以上に周
りの評判が良く、作ったかいがありました。設置に協力してくださったみなさんに感
謝いたします。
歓迎門の製作を通して、アイデアやデザインを共有し、作業を効率よく進めるため
に十分な打ち合わせとコミュニケーションが必要であることを改めて感じました。
19
XYテーブルの製作
所属校名
学科学年
氏
名
埼玉県立秩父農工科学高等学校
電子機械科 3年
兼平 大地
指導教員
1
田端
豊永
新井
亮大
和也
一郎
はじめに
本校の工業部は、電気科・機械科・電子機械科の3科から、電気システム科・機械
システム科の2科に転科され、今年が完成年度になります。私たちは、最後の電子機
械科で、3年間学んだ機械技術・電子技術・情報技術を駆使し、課題研究の授業で、
XYテーブルの製作をしました。
XYテーブルの各部品・ステッピングモータを駆動させる制御基盤作りと駆動プロ
グラム(C言語)の作成をすることで、電子機械科の総合的な学習を体験することが
できました。3年間学んだ知識・技術の成果を発表します。
2
XYテーブルとは?
XYテーブルとは、X軸(横)方向とY軸(縦)方向に動く位置決めステージのこ
とをいいます。各方向へ動くステージをXYに重ねることで、任意の場所へ位置決め
を行うことができます。XYテーブルは、様々な工作機械に応用され使われており、
NCフライス盤のテーブルやマシニングセンタのテーブルなどが例に挙げられます。
また、産業用ロボットや半導体製造装置などの位置決めなどにも使用されています。
[写真 1 ]
各テーブルをXとYに重ね合わせ固定した写真
[写真 2 ]
3 XYテーブルのシステム構成
( 1 ) 全 体 構 成 ( サ イ ズ ・ デ ザ イ ン )、 各 部 の 寸 法 ・ 形 状 ・ 穴 あ け 位 置 ・ 穴 径 ・ 穴 の 深 さ
など強度・全体バランスなどを考慮し、設計・製図を行いました。
3次元CADソフト
を操作して図面を作成
CADソフト:
INVENTOR
[ 写 真 3・4 ]
20
(2) XYテーブルの各部品の加工
マシニングセンタ、立てフライス盤、旋盤、卓上ボール盤、切断機、コンターマシ
ンなどの工作機械を使用し、XYテーブルの各部品を加工しました。
O6102
G17G80G49G40
G91G28Z0
G28X0Y0
T2M06
G56G90G00X0Y0…
:
[写真 5 ]
[写真 6 ]
マシニングセンタによる加工
立てフライス盤加工[写真 7 ]
ボール盤加工
[写真 8 ]
NCプログラム[図 1 ]
旋盤加工[写真 9 ]
(3)XYテーブルを制御する制御基盤の製作とステッピングモータを駆動させるための
H8マイコンをC言語により制御するプログラムの作成をしました。
制 御 基 盤 作 り [ 写 真 10・11 ]
4
XYテーブルの組み立てと動作確認・完成
加 工 す る 部 品 [ 写 真 14]
5
C 言 語 ・ 制 御 基 盤 と モ ー タ [ 写 真 12・13]
組 み 立 て [ 写 真 15]
完 成
[ 写 真 16]
まとめ
私たちは、担当の先生の指導の下、3年間学んだ機械・電気・電子・情報・制御の
知 識 と 技 術 を 結 集 し 、試 行 錯 誤 し な が ら X Y テ ー ブ ル を 完 成 さ せ ま し た 。課 題 研 究 の
授 業 で 、加 工 技 術・C A D 製 図・C 言 語・制 御 な ど の 様 々 な 分 野 を 広 く 深 く 学 ぶ こ と
が で き 、も の つ く り の 魅 力 と 楽 し さ を 体 験 で き ま し た 。完 成 し て 、X 方 向 と Y 方 向 に
動作した時は、達成感と充実感がありました。貴重な経験をした一年間でした。
21
コンクリート細骨材としてのスラグの有効活用
埼玉県立いずみ高等学校
環境建設科 3年
氏名 川村 秀斗
指導教員
1
岩崎
大森
熊澤
滝沢
大地
愉太
亮
彩翔
浅野
文
はじめに
少し前までの日本は大量生産、大量消費、の社会でした。このため近年では天然資源が無く
なってしまうのではないかという心配とともに、30年ぐらい前からゴミの最終処分場の限界
が社会問題になっていました。そこで今の日本では物質循環を確保し天然資源の消費を抑制し
環境への負荷を減らせる循環型社会の実現を目指しています。
2
灰溶融スラグとは
灰溶融スラグとは、ゴ ミを燃やしてできた灰 を更に 1200°以上の高温で過熱・融解後、 急
冷して得られるガラス質の固形物のことです。
この灰溶融スラグを生成することによってごみの容量を家庭用ポリバケツ 1 杯分(約 40 リ
ットル)から、1 リットルの牛乳パック 1 本分にまで減少することができます。
またこの灰溶融スラグを有効利用できないかが研究されていますが、私たちはコンクリート
の細骨材として利用した場合のコンクリート圧縮試験の強度について研究を行ないました。
3
今までの研究
いずみ高校の環境建設科では、課題研究で灰溶融スラグの研究を過去三年間継続して行って
きました。砂と混ぜ合わせて建設材料の細骨材として使用することを考え、さまざまな研究を
行いました。スラグと砂の割合を変えて行った昨年度までの研究結果は以下の通りです。
実験
供試 体番号 混合 砂
No
密度
吸水 率
粗粒 率
砂( %)
灰溶 融スラグ (%) g /㎠
%
%
1
S0
100
0
2.62
2.79
2.67
2
S20
80
20
2.63
2.26
2.58
3
S30
70
30
2.55
1.76
2.59
4
S50
50
50
2.72
1.63
2.60
5
S100
0
100
2.88
0.18
2.41
表1
この結果、スラグと砂を混ぜた混合砂の物性について、①スラグ混入率が 10%~50%標準粒
度 の間 に収 まっ てい るの で、 細骨 材と して 利用 でき る、 ② 吸水 率では 、ス ラグ 混入 率が少な
いと吸水率は高く、スラグ混入率が増えると吸水率は小さいことがわかりました。
22
4
今年度の研究
今年の研究はどれぐらいの割合でスラグを混ぜれば一番コンクリートの圧縮強度が強くな
るか調べることにしました。コンクリートの配合は計算から表2のようなりました。
粗骨材の
セメ
水セメント比 細骨材率
スラ
水
最大寸法
スラグ
砂
粗骨材
ント
(%)
(%)
(kg)
(mm)
空気量
AE 剤
(%)
(g)
ンプ
(kg)
(kg)
(kg)
(kg)
(cm)
S0
25
54
41
174
322
0
718
1,035
10
5
25
S 20
25
54
41
174
322
564
134
1,034
10
5
25
S 30
25
54
41
174
322
503
234
1,035
10
5
25
S 50
25
54
41
174
322
358
393
1,035
10
5
25
S 100 25
54
40
174
322
778
0
1,050
10
5
25
表2
図1は圧縮試験の結果をグラフ化したものです。S0~S100の配合で材齢 7 日、28 日、
91日の圧縮強度を測定しました。一般的材齢が重なるごとに強くなるのですが、どの材齢も
S20 が一番強いことがわかります。 S50 については材齢91日の圧縮強度が 28 日の圧縮強度
を下回る結果になりました。 理由としては S50 以上では、コンクリ―トが分離してしまった
のだと思います。S100 は分離してしまって有効なデータをとることが出来ませんでした。
コンクリートの圧縮強度試験
40.0
圧縮強度(N/㎟)
32.0
30.0
20.0
28.0
29.4
26.7
26.1
17.9
25.4
21.6
17.8
21.9
16.8
15.1
材齢 7日
材齢28日
材齢91日
10.0
0.0
s0
s20
s30
s50
供試体番号
図1
5
まとめ
コンクリートの強度は S20 をピークにスラグの割合が増えると強度が下がる傾向にあるこ
とがわかりました。 また S50 を超えると、練ったときのスランプ値が大きくなりコンクリー
トが分離してしまいました。その結果試験データが正確に取ることができませんでした。
23
私&僕の技能検定 2 級(旋盤)への挑戦
埼玉県立進修館高等学校
ものづくり科3年
島澤 桃花・堀内 優
指導者 横森 裕光
1.はじめに
私たちは、技能検定 3 級(旋盤)で身に付けた知識・技能を活かし、技能検定 2 級合格
に向けて行った男女別の創意工夫点を発表します。
2.2 級実技試験概要
技能検定 2 級(旋盤)の国家試験は社会人レベルの難しい試験で す。旋盤のチャックは
4ツ爪単動チャックで行うため、材料の芯だし作業が非常に大変です。また、仕上げ精度
が 0.03 ミ リ 以 内 と 厳 し く 、 ハ ン ド ル 操 作 も 慎 重 に 回 さ な く て は な り ま せ ん 。 ま た 3 級 で
は、無かったねじ切り・偏心加工もあり練習は非常に大変でした。
3.合格までの練習計画
9 月 ~ 10 月
4ツ爪単動チャックでの芯だし練習
11 月 ~ 12 月
オス部品荒削り加工練習
1 月~2 月
オス仕上げ加工練習
3 月~4 月
ねじ切り・偏心加工練習
5月
メス部品荒削り加工練習
6月
メス部品仕上げ加工練習
7月
全体加工練習
8月
実技試験本番・下旬に筆記試験
4.私(女子)の練習への工夫
私は、男子と比べ力も弱く、身長差もある為、工夫した練習方法を取り入れました。
( 1)
( 2)
通常使っているハ
ン ド ル で は 、持 つ 部
分が短く力がはい
ら な い た め 、ハ ン ド
ル両端にパイプを
溶接して延長する
こ と で 、軽 い 力 で 強
く絞め付けられる
ようになりました。
材料の芯出しを行
う時に使う、ダイ
ヤルゲージスタン
ドを横向きにした
スタンドを作り、
素早く芯出しが出
来るようになりま
した。
24
(3)
( 4)
測定器具や切削
バイトの整理整
頓台を作ったこ
刃物台で使用す
る 、ハ ン ド ル 六 角
レンチを製作し
とで、ミスが減
り、作業がスム
ーズに出来るよ
う に な り ま し
た 事 で 、角 度 を 付
け る 作 業 が 、素 早
く出来るように
なりました。
た。
(5)
( 6)
私は背が低いの
で 、全 て の 作 業 が
大 変 で し た 。高 さ
約 10 ㎝ の 台 を 作
っ た 事 で 、作 業 が
スムーズ出来る
様になりました。
夏の試験で非
常に暑かった
た め 、水 を 含 ま
せて涼しくな
る保冷マフラ
ーを首元に巻
い て 、熱 中 症 予
防をして作業
をしました。
5、 成 績 優 秀 者 を 目 標 と し た 僕 ( 男 子 ) の 挑 戦
僕は、2 年生の時 3 級で成績優秀者賞がとれませんでした。その悔しさをバネにして2
級では、成績優秀者賞が取れるよう猛特訓をしました。
始 め は 、 4 ツ 爪 の 芯 だ し が 速 く 出 来 る よ う ひ た す ら 特 訓 し ま し た 。 最 初 は 10 分 掛 っ て も
出来なかったのが、今では 2 分以内に出来るようになりました。
そ の 次 は 、オ ス の 荒 削 り の ス ピ ー ド 加 工 練 習 で +1 ミ リ ま で 精 度 が 合 う 様 に な る ま で 何 度
も練習しました。次に取り組んだのが、全体の仕上げ加工でした。2級では仕上げ精度が
100 分 の 数 ミ リ で す の で 、 微 妙 な ハ ン ド ル 操 作 は 間 違 え ら れ な い の で 非 常 に 大 変 で し た 。
毎日練習をして、
「 継 続 は 力 な り 」の 精 神 で 行 い ま し た 。8 月 下 旬 の 筆 記 試 験 も 繰 り 返 し 問
題を解いて、わからない所は先生に教えてもらって、必死に試験勉強にも励んだ甲斐もあ
り無事に成績優秀者賞を受賞する事が出来ました。
6、 感 想
2 級 3 級と比べ、実技・学科試験ともに格段に難しくなっていて、正直合格できるのか
とても不安でした。ですが毎日練習を重ね、先生の指導のもと苦手な部分の練習や学科の
練習に取り組んで来ました。それに、夏の工場内はとても暑く、汗を拭いながらの練習は
体 力 的 に も 精 神 的 に も と て も 大 変 で し た 。10 月 3 日( 金 )の 合 格 発 表 で は 2 人 と も 無 事 に
合格する事が出来きて本当に嬉しかったです。これからは後輩の為に指導していきます。
25
課題研究「フライタイイングアート」
埼玉県立三郷工業技術高等学校
電子機械科3年
浅見 卓馬
指導教員
横山
荒井
大輔
春助
1.はじめに
フライ製作を通してものづくりと釣りの楽しさを探究する。
2.フライとは
魚釣りに用いる針の一種で、針に毛や羽を巻き付けて虫などの餌にみせかけたもの
である。魚に、餌である虫が水面に落ちたと誤認させる方法で使用する。フライとは
欧米式の呼び名で、フライを用いた釣りはフライフィッシングと総称される。おもり
を使用せず水面に流すものをドライフライ、水生昆虫・小魚等を模したものをウェッ
ト フ ラ イ と 呼 ば れ る 。日 本 で は 毛 鉤 と い い 、伝 統 的 な 釣 法 と し て テ ン カ ラ 釣 り が あ る 。
3.製作について
(1)材料・使用道具
フライ針、針金、ネジ、ラジオペンチ、ボビン・糸、毛糸、動物の毛、鳥の羽、
輪ゴム、ハサミ、ボールペン、接着剤、クリップ
(2)作業工程
・針金・ネジから、ボビンを取り付けるボビンホルダーを作る。
・ラジオペンチと輪ゴムを使った簡易万力に釣り針をセットする。
・ボビン糸で針のシャンクの部分に下巻きをする
26
・鳥の羽を数本抜きとり、針のカーブ側に巻き付け虫の尻尾に見立てる。
・ボ ビ ン 糸 に 毛 糸 を 少 量 巻 き 付 け た 状 態 で 、針 に 巻 き 付 け 虫 の ボ デ ィ ー に 見 立 て る 。
・ボディー材をつけた後、鳥の羽を針のカーブ側から巻く。
・羽をシャンク側の端まで巻いたら、ボールペンを使いボビン糸で結び固定する。
・全体を見て、バランスの悪い毛などはハサミでカットし、形を整える。
・結び目を接着剤でほどけないようにしたら、完成。
(3)作品例
4.感想
・今まで約一年間、この課題研究をやってきたが、初心者が作る毛鉤すら思い通りに
作れなかった私達が、自分達のオリジナル毛鉤を作れるほどに成長することができ
たので、嬉しかった。
・私は初めて釣り道具を作った。始めは右も左もわからなかったが、担当の先生が優
しく丁寧に教えてくださり、自分でオリジナルな発想が豊かになり作ることができ
た。たくさんの作品を参考にしたり、作り方を見るのがとても楽しく新しい発見だ
った。将来は海でも使えそうな物を作りたい。
27
省エネルギーに関するバッテリー蓄電の研究
所属校名
埼玉県立久喜工業高等学校
電気科3年 池澤優太
栗山直人
西田裕輝
平野裕仁
三井 樹
渡邉亮太
指導教員 山崎経男
1.はじめに
私たちの久喜工業高校電気科・課題研究班は「省エネルギーの研究」において、ソーラ
ーカーや電気自動車の研究・太陽電池の特性・モーター制御回路の特性・バッテリーの
蓄電特性などの研究を行ってきました。今回は、その中でバッテリー蓄電特性に関して
の短時間で効率よく充電する方法について研究した内容を発表します。
2.バッテリーは左下の写真のバッテリーを使用しました。バッテリーには充電の際に
超えてはいけない上限値がありますので、それを超えないように充電を行いました。
バッテリーの充電では定電流で充電する方法やパルスで充電する方法があります。
①定電流充電:電力を供給する電源より直接バッテリーに電圧を加えて充電を行う
と充電初期段階で大電流が流れて破損してしまいます。
そのため、電流を一定に保つ回路(定電流回路)を用い、大電流を
流さないようにして一定電流で充電を行う方法です。
②パルス充電:専用の充電器を使い、周期的に充電器を電池の端子から電気的に断
続させ、電池の開放電圧をモニターします。直流を用いパルス電流で
充電を行います。(デルタピーク型充電とも言います。)
28
3.データの測定・解析
(1)手操作にて測定
(2)デジタルテスタ・PCを用いて自動測定を行う
4.結果
測定した定電流充電の測定データとパルス充電の測定データの比較を行った。
下図の測定データは充電器4台を使用、バッテリーは4個、合計16種類のデータを集
計し、バッテリー別に各バッテリーの平均値について、まとめた表である
測定データを比較し、定電流充電の測定データとパルス充電の測定データを比較し
た所、パルス充電の方が優れていることがわかった。
5.感想・まとめ
今回の発表は2ページの紙の中に納めてしまうと簡単な測定の様に思われがちです。
ところが、多大な測定データ(のべ時間で384時間)をA4で2枚の紙の中に納め
ることになり、大変苦労しました。手動の測定では時間の制限があり、先生からノー
トパソコンを使用して測定する方法をアドバイスしていただけなかったら、今回の発
表は出来なかったと思います。ものすごく大変だった記憶しか残っていませんが、こ
こで研究を行ったことを糧に今後、社会に出てからも頑張っていきたいと思います。
29
課題研究を利用した地域イベントへの参加
埼玉県立狭山工業高等校
電子機械科 3年
星
篤
指導教員
貫井
山本
石塚
伊藤
一博
翔太
匠
綺人
佐々木
吉崎
勇士
正希
1.はじめに
狭 山 工 業 高 校 の 電 子 機 械 科 で は 、も の づ く り を 通 し た 地 域 と の 連 携 を 盛 ん に 行 っ て い る 。
生徒による地域との連携により私たち自身の社交性を高め、社会人になるための経験の場
としている。
私 た ち が 課 題 研 究 に お い て 選 択 し た EV カ ー ト 班 で は 主 に 電 気 自 動 車 の 制 御 技 術 に つ い
て勉強した。私たちが製作したソーラーカーを地域の子供が操縦し体験することや、町で
開催しているキャンドリング甲子園というイベントへの参加について発表する。
2.活動内容
4~5 月 中 旬
・ソーラーカーの改良
5 月 18 日
・狭山モータースクールでの発表
10 月 26 日
・狭工祭(文化祭)
10 月 下 旬 ~
・キャンドリングの準備
11 月 15 日
・キャンドリングナイト甲子園
3.ミニソーラーカーでのイベント参加への取り組み
(1)ソーラーカーの製作
私 た ち は 、地 元 の 自 動 車 学 校 で 行 わ れ た イ ベ ン ト に 協 力
参 加 す る た め に 課 題 研 究 の 時 間 を 利 用 し 、ミ ニ ソ ー ラ ー カ
ー の 製 作 を 行 っ た 。小 さ い 子 供 で も 実 際 に 乗 車 し 、操 縦 の
体験ができる車両の製作を行った。
(2)イベントへの参加
私たちのミニソーラーカーを実際に小さな子供に乗車、
操 縦 し て も ら っ た 。家 族 連 れ の 小 さ い 子 供 が 来 て 、喜 ん で
操 縦 を し て い る 姿 に 製 作 し 、使 用 さ れ る こ と の う れ し さ を
感じました。しかし、小さい子へのインパクトが小さく、
回りに展示しているものと比較すると目立たなかったた
め 、あ ま り 乗 車 の 希 望 が 出 な い 結 果 と な っ た 。そ こ で 、狭
工祭までには今よりも目立つものにしようと班員で話し
合い、消防車のようにするのが小さい子供の目を引くので
はと考え製作に取り掛かった。
30
(3)自動車学校で行われたイベントでの反省を生かして
改造を行っていく中で消防車のイメージであれば赤い色
であることとパトランプを取り付けたほうがに近づくと考え
装飾にこだわった。
子 供 た ち で も 人 気 な 消 防 車 を テ ー マ に 変 更 し た 結 果 、小 学
生にも人気があり、長蛇の列ができるほどのものになった。
(4)ちびっ子探検隊
狭 山 工 業 高 校 で は 、 1 1 月 1 3 日 ( 木 )、 狭 山 富
士見台幼稚園の園児を招き、幼稚園児と高校生のふ
れあい教室(ちびっ子探検隊)を実施しました。
は じ め は 、体 育 館 で の お 遊 び 。大 き な 体 育 館 で 園
児は、元気いっぱいだった。その後、班ごとに高校
生と一緒に電子機械科の実習棟の見学し、激しく戦
うロボット相撲や様々な生徒の作品に驚いていた。
また、私たちのソーラーカーも多くの幼稚園児が操
縦し、喜んで遊んで行ってくれた。幼稚園児も高校
生も最初は緊張気味でしたが、楽しい時間を過ごす
ことができました。
3.キャンドリング甲子園への参加
狭山市で行われる入間川冬祭りにおいて、市内6校の高校生が4色のキャンドルによる
デザインを地域の方の投票で優勝チームが決まる大会に参加した。デザインのテーマ決め
る際、学校からも見ることのできる入間基地航空祭で行われるブルーインパルスのアクロ
バット飛行からイメージした作品を作ることにし
た。中でもハートを矢が射抜く演技がインパクト
もあり、表現しやすいと考えた。
ものづくりを学ぶなかで平面的なものよりも立
体的なものを表現することが視覚的にもインパク
トがあると感じることが多くあり、より立体的に
近づけるひな壇状にキャンドルを並べる手法を選
択 し た 。 ひ な 壇 は 2×4 材 を コ の 字 型 に 組 立 て る
ことで実現した。立体だけでは単調だと考え平面
上 に も BLUEIMPULLSE SAYAMA60h と 見 え る
ようにキャンドルを並べた。
4.まとめ
イ ベ ン ト に お い て 、多 く の 人 と 話 を す る こ と が で き た 。そ の 中 で 工 業 高 校 で の 活 動 に つ
いても話す機会を得ることができ、地域の方に狭山工業高校のことを知ってもらう良いき
っかけとなった。
また、参加するにあたり、アイディアを出し合い、製作するなかでものづくりの大切さ
を知った。今回の取り組みで得た経験が私たちの将来にも繋がり、進路選択にも大きく関
わったと思える。進路先でも高校生活で学んだものづくりの経験とコミュニケーション能
力を活かしていきたい。また、後輩たちにも引き継いでいってもらいたい。
31
高校生溶接コンクール出場に向けての取組み
埼玉県立大宮工業高等学校
機械科3年
仁野平大樹
佐久間末雄
機械科2年
大島隆 松木桃香
指導教員
山﨑賢哉 田中友歩
1
はじめに
大宮工業高校機械科では、1年工業技術基礎において溶接の基礎基本について学んでいる。平
成25年度より、機械科希望者を対象に、より溶接技術を向上させる目的で溶接コンクールへの
出場をはじめた。出場2年目の今年は、昨年度に比べ参加希望の人数が7名おり、校内選考を行
い、その中で選ばれた私たち4名が出場することになった。
昨年度の課題や反省を活かし、関東甲信越大会優勝を目指して取り組むことになった。
2
きっかけ
工業高校と言うことで様々な資格を取得することができ、溶接においてもアーク溶接技能講習
やガス溶接技能講習の2種類を受験することができる。部活動ではエコカーのコンテスト出場の
ため溶接により車体を製作する機会がある。その中で、
「溶接のコンテストに出場してみたい」と
生徒から声があがった。その生徒は、エコカーの製作において溶接に興味が湧き、さらに多くの
溶接技術を身に付けるとともに自分の技術はどこまで通用するかを知りたいとのことだった。こ
のことがきっかけになり、溶接コンクールへの出場に向け取組みを始めることになった。
3
埼玉県大会への取組み
(1)校内選考
高校生溶接コンクールへの出場を呼びかけた結果、7名の生徒が出場を希望した。大宮工業で
は、出場枠が4つと言うことで7名の各生徒へ2週間から3週間の練習期間を作り、校内選考を
行うことになった。校内選考で選出された私たち4名は、埼玉県大会まで毎週練習を行った。
(2)事前講習会
埼玉県では、大会前に事前講習会が行われる。そこでは、競技への取り組み方や競技方法等の
指導が行われる。自分自身の課題や悩んでいる箇所を中心に指導をしてくださり私たちの技術力
の向上につながったと感じている。
また、本番の会場で行うので溶接機やその場の雰囲気を知ることができる良い機会になった。
(3)モンゴル人研修生との交流
埼玉県大会には、今年度モンゴルからの研修生が参加することになった。その研修生は、大宮
工業高校で一緒に練習を行うことになり、大会前に2回ほど行った。私たちは、言葉が通じない
中、お互いを意識しながら練習へ取り組んだ。途中、モンゴルの溶接方法と日本の溶接方法との
違いに驚いた。その結果、互いに良い部分を取り入れることができ、コツを掴むきっかけにもな
った。
私たちにとって他国の研修生と交流できたことは、溶接だけではなくこれからのものづくりに
も活かしていける良い経験にもなった。
32
4
埼玉県大会
(1)競技
本番当日、私たちは落ち着きなく、かなり緊張してしまった。競技が始まり、出来だけ楽しも
うと考えながら取り組んだが周りの様子が気になり、焦ってしまった。競技が終わると自分の出
来に満足できた者といつも通り出来ずに悔しがっている者、不安がっている者が居たがお互い励
まし合いながら結果を待った。
(2)結果発表
納得いく作品ができなかったため、不安を感じながらの結果発表だった。結果は、2位、3位、
5位、6位と上位に入賞することができた。関東甲信越大会には、1位、2位が出場できるが事
情により、1位が辞退したため2位、3位が繰り上げで出場できるようになった。
図1
競技中の様子
図2
審査の様子
5
関東甲信越大会への取り組み
(1)埼玉県大会を終えてから
埼玉県大会が終わってからすぐに練習を再開した。埼玉県大会での課題を克服しながら毎週練
習に取り組んだ。また、惜しくも関東甲信越大会に出場できなかった者も材料制作や準備等の手
伝いを行ってくれ、スムーズに練習が進んだのも毎日のように支えてくれる他の生徒が居たから
だと考えている。改めて、ものづくりは1人でなく仲間で支え合いながら進めることが大切だと
感じた。
6
関東甲信越大会
(1)競技
関東甲信越大会は、東京ビックサイトでの『ウェルディングショー』の特設会場で行われた。
会場に着くとまず、大きさに驚いた。また、人の多さから注目度の高さを知った。
埼玉県大会と同じように競技前はかなり緊張した。競技は、とにかく楽しもうと思い競技に臨
んだ。他の生徒たちの様子が気になってしまったり、埼玉県大会とは違う雰囲気だったため自分
自身焦ってしまった。やはり、作品の出来も悪くとても悔しかった。埼玉県大会と同様、不安を
感じながら結果発表を待った。
(2)結果発表
最優秀賞から名前が呼ばれ始めた。次に優秀賞が5人呼ばれた。そして、優良賞が呼ばれた。
「埼玉県立大宮工業高等学校」の名前が2人呼ばれた。正直、悔しかった。
7
高校生溶接コンクール出場を通して
気が付くと半年以上、溶接に携わってきた。今まで何をしても長続きしなかった私にとってひ
とつの目標に対して最後までやりきったのは、初めての経験だった。その中で、ものづくりが 1
人ではできないことを感じ、仲間と協力することの大切さを学ぶとともに楽しさや悔しさを味わ
うことができた。この経験は、私にとって、とても大きなものになった。将来は、私のこの体験
を伝えていきたい、味あわせたいと思い、自分自身の夢を見つけることがでた。
33
文化祭アーチ製作
所属校名 埼玉県立春日部工業高等学校
学科学年 建築科 3 年
。
氏
名 香川 裕睦 藤井 貴雪 。
渡辺 純也 駒崎 彪雅 。
佐々木一輝
。
指導教員 小曽川博壽 菅谷 太郎 。
江森 永明
。
1. はじめに
今年、創立 51 年目を迎える春日部工業高校の文化祭「アーチ製作」では、新しい一歩を踏み出し
たいという気持ちと、伝統的な建築物としてのデザインを守りたいという二つの異なる思いを形にし、
『遊具としての機能(滑り台)を持つアーチ』と『扉付の大きな門』をデザインとして採用した。
2. 設計概要
2 つのアーチの設計寸法は、滑り台付アーチは約『 長さ 20m 幅 4.8m 高さ 5m』で、扉付の門は
約『 長さ 5m 幅 6.6m 高さ 4.1m』とした。
・滑り台は、高さと長さの違う 2 種類用意し、対象に応じて使い分けができるようにした。
・門は、扉をつけ開門まで先のアーチを見えないようにし、重厚感を表現した。
両アーチ共に、3 寸角の木材で軸組を構成し、その他の部分は 2×4 材や合板を用いて構成されてい
る。滑り台は、仮囲いの板を使い金属仕上げとし、安全に滑るために手すりを作り速度の加減がしや
すいようになっている。
門は、軸部分の木組みを工夫し金具を使わずに組立することにこだわり作り上げた。
3. アーチの作業工程
(1)4・5 月:アーチのデザインを決定するために班分けをし、各班で簡易模型などを作成しプレゼン
テーションをおこない、投票でデザインを決定した。
(2)6 月:アーチを設置する現場の測量を行い、デザイン設計図の作図と階段部分の試作をおこなっ
た。
34
(3)7・8 月:設計図から模型を作成し全体のイメージを認識する。合わせて必要な部材数を積算し予
算内に収まらなかったため設計に変更を加えた。
(4)9・10 月:課題研究の中間発表を実施し、9 月後半から部材の墨付け・加工をした。組立てる順序
を意識して加工済みの木材を保管し仮組そして部材の修正をした。
(5)11 月:文化祭に向けて本格的な組み立てに入った。施工順番を滑り台付アーチ→扉付門として、
作業分担上、人工の余りが出ないように工程を組んで実施した。
4. まとめ
課題研究として、就職活動などに取り組みながら時間制限を受けつつの作業になり大変だった。その
中で、各人が意識を高く持ち意見を出し合いフォローをしながら作業をおこなっていった。夏の暑い日
の作業や、土日を含めた休みをつぶしての作業など大変なことも多かったが、休むことなく全員で完成
に向かって活動することができた。そして、文化祭当日に笑顔満点で楽しむ子どもたちや、子ども時代
を思い出すかのように楽しんで滑る大人たちを見て、やってよかったと感じることができた。これから
社会人として現場に関わる前に貴重な体験を積むことができてよかったと思う。
35
環境デザイン~インテリアとエクステリア~
新座総合技術高等学校
デザイン科
3学年
生徒氏名
指導教員
1
岡井 愛美
杉田まほろ
横澤 和則
秋庭 英雄
はじめに
(1)概要
本校デザイン科3学年の課題研究はプロダクトデザイン(産業:工業製品に関する
総 合 的 な 概 念 )コ ー ス ・進 学 コ ー ス・ビ ジ ュ ア ル デ ザ イ ン( 視 覚 を 通 し て コ ミ ュ ニ ケ
ー シ ョ ン す る )コ ー ス の 3 コ ー ス に 分 か れ て 実 施 し て い る 。生 徒 は 毎 年 3 学 期 に 外 部
の 会 場 を 借 り て 開 か れ る 卒 業 作 品 展 に 向 け て 、作 品 を 各 自 が 課 題 を 選 択 し て 取 り 組 む 。
今 年 度 の 作 品 の 中 か ら「 環 境 デ ザ イ ン 」を キ ー ワ ー ド に し て プ ロ ダ ク ト デ ザ イ ン コ ー
スと、ビジュアルデザインコースから作品をそれぞれ選抜して発表する。
(2)環境デザインについて
環境デザインは、様々なデザイン分野を内包している総合的な概念である。プロダ
ク ト デ ザ イ ン の 発 表 者 は エ ク ス テ リ ア デ ザ イ ン( 都 市 景 観 デ ザ イ ン と フ ァ ニ チ ャ ー デ
ザ イ ン )、ビ ジ ュ ア ル デ ザ イ ン の 発 表 者 は イ ン テ リ ア デ ザ イ ン {空 間 デ ザ イ ン と ビ ジ ュ
ア ル 要 素 ( ポ ス タ ー や 小 物 、 P O P 等 を 統 合 す る デ ザ イ ン ) }に 取 り 組 ん だ 。 そ れ ら
を合わせて「環境デザイン」とした。
2
研究発表
(1)エクステリアデザインに関する研究発表
ア
概要
本校と隣接する市かつ発表生徒が居住する朝霞市のイメージを印象付け、市の活
性化を図るためローカルヒーローを企画した。朝霞駅前または朝霞市役所前に設置
することを想定した試作品を制作する。設置場所について調べ、利用者にキャラク
ターがどのような影響を与えるか、通行人の導線がどうなるか、朝霞市の特産品や
シンボルマークについて等を調査した。他県のローカルヒーローについても調べ、
構想を練っていった。尚、実際に設置できるかどうかは未定である。
朝霞市役所前
イ
朝霞駅前
試作品制作
朝 霞 市 の マ ー ク と 同 市 主 催 の 彩 夏 祭 で 鳴 子 踊 り が 有 名 な た め 、そ の 鳴 子 を デ ザ イ
36
ンに取り入れた。全体を鳴子踊りの衣装のような和風のデザインにしている。キャ
ラ ク タ ー デ ザ イ ン 面 で は 敵 役 の 「 悪 の 宇 宙 ウ サ ギ ・ 悪 の 秘 密 結 社 R-bit」 も 設 定 し
た。朝霞市のブランドである「人参」を狙って朝霞市を人参畑にしようとする、と
いう物語性のある設定である。
芯づくり
塑像及び下地製作
(2)インテリアデザインに関する研究発表
カ フ ェ の 内 装 を 中 心 に 、ポ ス タ ー や ロ ゴ マ ー ク な ど 統 一 し た イ メ ー ジ で 色 彩 計 画 を
行 っ た 。コ ン セ プ ト は ア ー ト や デ ザ イ ン に 興 味 が あ る 人 が 飲 食 を し な が ら 気 軽 に 作 品
鑑 賞 で き る カ フ ェ で あ る 。落 ち 着 い た 色 調 を 基 調 に 和 や か で 飲 食 店 に 相 応 し い 暖 色 系
で ま と め た 。制 作 の 参 考 に す る た め に 、東 京 都 中 野 区 に あ る カ フ ェ で 取 材 を し て 構 想
を練っている。
取材したカフェの様子
ロゴマーク及び内装の色彩計画
3
総括
(1)エクステリアデザインに関する総括
キャラクターの背景にあるコンセプトを深く掘り
下げ、朝霞市の調査と、周辺環境の調査を行い計画
的に進めることができた。朝霞市のシンボルとして
様々な媒体に展開し、朝霞市の活性化に結び付けて
いきたい。
(2)インテリアデザインに関する総括
店の内装を考えるために外部に取材に出掛け、事
前に調査することで消費者側の立場で考えることの
大切さを学んだ。
37
ポスター
審査係控室
(審査室)
スクリーン
VTR
PC・書画カメラ
ステージ
操作盤
発表者
司会者
階段
階
段
司会
庶務係
A
A
来賓・審査員席
総務係
B
B
C
C
D
D
待
機
場
所
E
児玉白楊
E
越谷総合
三工技
F
春日部工
F
新座総合
進修館
G
大宮工
G
新座総合
川口工
H
H
浦和工
秩父農工科
I
狭山工
I
狭山工
川越工
J
川越工
J
保護者席
久喜工
K
いずみ
K
保護者席
L
L
保護者席
M
運営委員席
M
保護者席
N
N
総務係
熊谷工
川口工
浦和工
記録撮影席
久喜工
出入口
出入口
会
場
案
内
図
●文学ホール
[発表会場]
●受付
●文学講座室2
[生徒控室]
●文学講座室1
[生徒控室]
●文学研修室3
[引率教員・運営委員控室]
●文学研修室2
[来賓・審査委員控室]
●文学研修室1
[審査集計室]
平成26 年度 第25 回埼玉県工業高等学校生徒研究発表会 運営委員名簿
氏名
委員長
勤務先
職名(所属科)
筒井 好夫 県立久喜工業
校長
大出 明 県立春日部工業
教頭
委員
相澤 玲子 県立川越工業
主幹教諭(デザイン)
委員
折原 弘義 県立大宮工業
教諭(建築)
委員
中島 健雄 県立川口工業
教諭(電気)
委員
阿部 浩通 県立熊谷工業
教諭(情報技術)
委員
新井 一郎 県立秩父農工科学
教諭(機械システム)
委員
小髙 昌人 県立進修館
教諭(ものづくり)
委員
萩原 正隆 県立浦和工業
実習教諭(電気)
委員
手島 裕司 県立狭山工業
教諭(電子機械)
委員
後藤 泰介 県立いずみ
教諭(環境サイエンス)
副委員長
委員
土田 毅
県立児玉白楊
教諭(機械)
委員
坂野 弘政 県立新座総合技術
教諭(デザイン)
委員
髙橋 正行 県立三郷工業技術
教諭(電気)
委員
町田 紀世司 県立越谷総合技術
委員
古寺 金蔵 小松原
教諭(電子機械)
教頭
担当副事務局 野口 義晃 県立春日部工業
教諭(機械科)
担当副事務局 浅井 敏仁 県立春日部工業
教諭(機械科)
担当副事務局
県立春日部工業
教諭(建築科)
担当副事務局 小曽川 博壽 県立春日部工業
教諭(建築科)
担当副事務局 眞仁田 統 県立春日部工業
教諭(電気科)
担当副事務局 石橋 正行 県立春日部工業
教諭(電気科)
佐藤 剛
担当事務局
富沢 健一 県立久喜工業
教諭(電気)
担当事務局
大沼 潤一 県立久喜工業
教諭(工業化学)
担当事務局
奥富 彩子 県立久喜工業
実習教員(環境科学)
担当事務局
酒井 一英 県立久喜工業
教諭(情報技術)
担当事務局
吉田 英喜 県立久喜工業
教諭(機械)
MEMO
埼玉県工業教育研究会
研究会事務局
埼玉県立進修館高等学校
〒361-0023 行田市長野 1320
TEL 048-556-6291 FAX 048-550-1058
第25回発表会事務局
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〒344-0053 春日部市梅田本町 1-1-1
TEL 048-761-5235 FAX 048-760-1204
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