本編(PDF:462KB)

長峰多目的広場土地活用検討報告書
長峰多目的広場ワークショップ
平成24年9月
【土地利用計画(案)検討のための基本方針】
1 旧坂浜処分場跡地の土地活用にあたっては、市民参加の視点を取り入れた
中で、土地利用計画(案)を検討すること。
2
旧坂浜処分場跡地の土地履歴並びに今後市民開放される施設であるとい
うことを考慮すること。
3 地域の環境衛生に配慮すること。
【土地利用計画(案)検討に当たっての条件】
【条
件】
1 地下の廃棄物が乱され、拡散し、周辺の生活環境に影響を与えないよう十
分留意する。
2 賃貸借契約(10年、その後1年更新)による使用であることを考慮する。
3 市民の健康にも留意する。
4 2段造成による利用とする。
【制
約】
1 地中への影響は、今回盛土する範囲を越えないものとする。
2 耐用年数の長い施設は、整備しない。
3 農作物等の耕作には、使用しない。
【土地利用実現に向けての条件】
1 継続的なモニタリング調査の実施
2 情報の公開
- 1 -
【ワークショップによる土地活用検討に至るまでの経緯】
○旧坂浜処分場跡地に関する過去の経過
S39 糞尿処理場、その後危険物処理場や不燃物埋没処分地、産業廃棄物処理場とし
て使用、S62 に最終処分場閉鎖
S62 URによる造成後、観測井戸の設置などによりモニタリングを継続
H13 廃棄物内観測井戸1箇所よりダイオキシン類検出、東京都報告、周辺に影響を
及ぼす恐れが少ないことから調査継続
H18 敷地境界部観測井戸より環境基準を超えるダイオキシンが検出、その後東京都
による調査の実施、
「飲用に供されている井戸水がない」
「周辺への汚染拡散は
認められない」をプレス発表
H19 専門家などの第三者を含めた「坂浜処分場
H21 「坂浜処分場
調査・対策等検討委員会」設置
調査・対策等検討委員会」からの提言(※1)
坂浜処分場跡地の今後の土地利用等に係る懇談会の設置
H23 東日本大震災の影響について確認
※1 「1
周辺への環境及び健康への安全性について」(抜粋)
ダイオキシン類は、敷地内に封じ込められており、周辺環境及び周辺住民の健康
に影響を及ぼすことはありません。
健康項目の一部(「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」)と「PCB」で環境基準の超
過が観測されているが、現状、周辺環境及び周辺住民の健康に影響を及ぼすことは
ありません。地下水の飲用以外の日常的な使用は問題ありません。
○土地活用の制限
「坂浜処分場跡地調査・対策等検討委員会
提言」に記載されている「3
土地
利用に関する留意事項」について、以下の技術的条件を付すことで基本的な考え方
を整理した。
(技術的条件)
・ 安全性をより高めるため、現地盤の改変は避け、新たな盛土(良質土)を施
し、その範囲内で土地利用を行う。
・ 現地盤への影響を考慮し、盛土は2m以内、建物は低層(2F建以下)とす
る。なお、盛土により、給排水施設の整備が可能となる。
- 2 -
○「坂浜処分場跡地の今後の土地利用等に係る懇談会」立ち上げの経緯
坂浜処分場跡地調査・対策等検討委員会での審議をふまえ、地元・行政・UR都
市機構の3者により、今後、周辺の生活環境に影響を与えない安全な土地利用等に
ついて、相互理解を深める懇談会を立ち上げた。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、土地利用としての議論だけで
なく、坂浜処分場跡地の安全性について再度検証することとなった。
第6回の懇談会までで、坂浜処分場跡地についての東日本大震災による影響や安
全性について一定の理解が得られたことから、懇談会出席者の了解の元、坂浜処分
場跡地の土地利用に関するワークショップを立ち上げ議論することで、懇談会を締
めくくった。
- 3 -
【位置図】
【現況図】
- 4 -
【会議の方向性】
(解説)
多種多様なスポーツの実施が可能となるよう、国際規格のサッカー場の面積を確
保することで、普段は市民が利用できる施設とするが、災害が発生した場合には避
難所としても使用できるよう、配慮する。
多目的の範囲としては、スポーツ施設、消防・防災施設、災害時の避難所、集会
施設とし、
「健康、防災、環境、コミュニケーション」を利用の基本コンセプトとす
る。
○
その他の意見
・ 太陽光発電施設
・ キャンプ場
・ スポーツ施設
【土地利用の実現に向けて】
旧坂浜処分場跡地については、過去の土地利用の経過から安全性の確保が求めら
れている。そのため、本ワークショップにおいては『土地利用の実現に向けての条
件』を設定した。
(留意事項)
1
長峰多目的広場の利用者には、ゴミ等の処分場跡地であることを認識した上で、
利用してもらうよう、周知する。
2
市民が優先して利用できる施設とする。
3
『土地利用の実現に向けての条件』の一つである「情報の公開」については、
長峰多目的広場の継続的な安全性維持のための対応策の把握と風評被害等の発生
防止のため、安全性が保たれていることの根拠となる情報(モニタリング結果等)
を公開する。
(要検討事項)
『土地利用の実現に向けての条件』の一つである「継続的なモニタリング調査」
の費用については、恒久的な財源を確保することで、定期的かつ継続的に実施され
る措置を講じてもらいたい。
(例) ・長峰多目的広場スポーツ施設の有料化
・指定管理者による調査の義務化
- 5 -
【土地利用計画(案)】
- 6 -
【土地利用計画(案)検討時における意見・要望】
(サッカー場)
○
国際規格の広さがとれるサッカー場としたが、専用施設とせず多目的に使用で
きるようにする。
○
少年サッカーが2面で使用できるよう、サッカーゴールなどの設備を整える。
○
地下の廃棄物に影響を与えない範囲で、防球フェンス及びナイター照明を設置
する。
○
総合グラウンドは、本芝の養生のため使用できない期間があるため、通年使用
が可能となる人工芝仕様とする。
(駐車場)
○
近年、消防団の消防操法の練習場確保が課題となっていることから、本操法の
練習ができる広さの確保と、放水する際に水が地区外に飛び出ないよう配慮する。
○
長峰地区内の一部に路上駐車があって、緊急車両通行の妨げとなることもある
ことから、24時間利用可能な有料駐車場を整備する。
(管理棟)
○
管理棟には、ロッカールーム、トイレ、ミーティングルーム、シャワー室、防
災用倉庫などを完備する。
○
高齢者による地域の子ども見守りのための施設(スペース)を確保する。
(その他)
○
太陽光発電や風力発電等による創エネルギーへの取り組みの先駆けとして、管
理棟の電源などで実現を図るとともに、災害発生時における独立電源の確保にも
つなげる。また雨水利用など、環境負荷低減に向け取り組む。
○
具体的に土地利用が設定されていない部分については、不特定多数の人がいつ
でも使用できる公園エリアとし、ベンチなどの休憩設備を設ける。
○
国際規格のサッカー場以外のスポーツ施設は、フットサルコート2~4面分の
広さを、公園利用者との住み分けを明確にできる場所に適正配置する。スポーツ
種目については、テニスやバスケット(3on3)等についても検討する。
○
法面下の宅地への歩行者導線について、駐車場からの安全で合理的なルートを
確保する。
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【土地活用検討報告書まとめにあたっての意見・要望】
本ワークショップ立ち上げの趣旨からすると、若干逸脱する意見・要望かもしれ
ませんが、土地活用検討の中で出てきた意見・要望であり、大変重要な視点も含ん
でいることから、以下のようにまとめています。
○
大震災の発生など、旧坂浜処分場跡地の地下廃棄物に影響が生じるような事態
が発生したときに、早い段階から何らかの形で住民が関わり、地元住民の混乱や
風評被害の発生を事前に防止するため、その仕組み等について検討する。
○
現段階の平地表面については、廃棄物の飛散防止策が講じられているが、今後、
土地利用を可能とする盛土工事(2~5m)だけでなく、利用形態に応じて更な
る安全性を高めるための措置を講じる。
(例.フットサルコートやテニスコートな
どを整備する)
○
長峰多目的広場の地下には廃棄物(有害のものも含む)が埋まっているが、盛
土等により廃棄物を封じ込めることで、安全性が保たれている。そのことを多目
的広場利用者に周知するため、利用者が目にしやすい場所に広報板等を設置する。
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