里~~I

.
J ASEV
.
npJ
Vo .
l 01 ,
No. 1,
.
p 滋
l 0
4 (
1鋭殉)
1開 8 年度セミナ一概要
年度セミナ一概要]
[198
最近のワイン消費動向とワイン造り
サントリー(株)山梨ワイナリー萩原健一
ワインの消費動向(サントリー調査)
%
、 4,
000
1) ワイン消費勤向
場はこれからもますます拡大するものと思われる(
圏内のワイン市場は、 1970
下)のワインが登場した‘ 94
が続いている。
‘
98
第 1 図)。
年噴から徐々に伸び、
何度かのワインブームを経て、日常価格帯(
05
万ケース弱になると見込まれ、ワイン市
円以
1) ワイン飲用者の変化
年以降は、大幅な需要
年果実酒類総市場は前年比 8
41
週に 1 回以上ワインを飲むという週間飲用者は、 2 年
前と比べると倍増して
120ml.
算
百万ケース
45
い る ( 第 2 図)。
'
79 年果実酒消費数量
約2
6 百万C/S
(成人 1 人当年間消費量 .
23
04
人が 1 回 当 り 飲 む 量
)
L
'
89 年見込
約40 百万C
/S
53
がほとんど変わって
(成人 1 人当年岡消費量 .
35 L)
いない (96
03
221m
:217
25
20
.
9188
51
.
5217
(
%
21)
10
5
(
%
901)
.
881
(
%
61)
年平均:
1 → 98
mD
年平均
ことから
みても、また飲用量
の 68 % を 週 間 飲 用
者が占めていること
から見ても(第 3
く甘味果実酒>
図)、ワイン欽用者
o
~
r
o n
n
~
~
0
~
M
86
8
90
92
94
96
98
{サントリー推定)
第1図
が増え、ワインが日
常生活の中で頻繁に
日本の果実酒類消費数量の推移
飲まれ消費が拡大し
100%
ていると言える。
(154%)
。構成比
こうしたワイン飲用
( )前年比
増の背景として、経済
月間飲用者
(12%)
・社会の国際化、旺盛
な知的好奇心を持ち
個性化した消費者意
50%
識に加え、低価格化、
マスコミへのワイン
情報の大幅増加、日
常飲用者の増加や「ハ
レの日 j、「小ハレの
査
調
問一一咽成
日
比
E │ │明
一輔一醐輔
-36-
9
ワイン飲用頻度別構成比
一口一例洞
第2図
首都圏世帯留査)
M
(
.
896
里 ~~I
古川一朋 -
│園澗図月間口年間
年
9一圏一小
89
97 年
一四一図
96 年
師一圏一都
0%
日Jなどの飲用機会が
増加したことなどが
上げられる。
.
J ASEV
.
npJ
Vo .
l 01 ,
No.1
(
1鋭殉)
萩原健一
100%
3) ワイン消費量色別構成比推移
近年赤ワインが「動脈硬化予防に効果がある J r
脂肪
80%
吸収抑制効果がある Jなどの健康情報が広く伝えられ
たことや、国産を中心に飲みやすい味わいの赤ワイ
ンが増えたことなどから、赤ワインの飲用比率は伸
びており、
た
。
‘
98
‘
97
60%
年には赤の比率が白の比率を上回っ
年もその傾向は続いており、赤:白:ロゼ
の比率は 56
:31
回
40%
になると推定される(第 4
:31
図)。
20%
4) 自宅内ワイン飲用の傾向
0%
196
自宅内でのワイン飲用の増加理由には、価格の安
198
197
見込
{サントリー推定)
い輸入・国産ワインが多くなったという「価格要因j、
第4図
国産主要製品の「色J 別構成比
ワイン(赤)は健康に
良いからという「健
50
康要因 J、口当たり
(複数回答率)
の良いワインが増え
たことや、ワインの
おいしさがわかって
きたからという「曙
ワインの品揃えが豊
富な盾が増えた
手頃なサイズワイン
が噌えた
色々なワイン捧読し
てみたい
ワインのおいしさが
わかってきた
口当たりの良いワイ
ンが増えたので
回調査と比べて「和
赤が健康に良いとい
うことが話題
用の場面としては前
ワインは健康に良さ
そうなので
また、ワイン飲
価格の安い毘産ワイ
ンが多くなった
価格の安い輸入ワイ
ンが多くなった
る(第 5 図)。
安売りが多くなった
ので
。
好要因 Jが 上 げ ら れ
洋にこだわらず普段
(98.6
の食事の時」が大幅
に増加し、他の場面
と比べて圧倒的多数
となったことからも
第5図
60
首都圏基本調査)
自宅内ワイン飲用増加理由
(%)
ワイン飲用シーン
(N=77)
15
ワインが日常で飲む
お酒として定着しつ 40
つあることがうかが
えた(第 6 図)。
5)
自宅外ワイン
73 -
ピクニック等のア
ウトドアの時
自宅でワインを飲む場面(複数回答)
食事以外の時
た
時
一人で飲む時
寝酒として
が
雲
つ
特別な料理の時
仲
間
洋風の食事の時
第
会が増加し、次いで
ちょっとアルコ1 3
ルが欲しい時叫
ンでワインを飲む機
箆生目や結婚程念
日など特別な時
に、普通のレストラ
時
タリア料理屋を筆頭
友人・知人が来た
自宅以外では、イ
。
和洋にこだわらず
普段の食事の時
飲用の傾向
20
.
J ASEV
.
npJ
Vo .l 10,
.
oN
1(
1鋭殉)
91 随年度セミナ一概要
(%)
80
60
(N=605)
16
39
40
39
20
クラブディスコ
ゴルフ渇
焼鳥屋
寿司忌
申華料理庖
パl・クラブ
スナック
焼き肉屋
レ
ス
アウトドア
な
ワインパl
級
その他の和風料理宿
宅屋
高
カラオケボックス
実量
銀行・出巌の電車の中
-エスニック系料理
その他
-フランス料理
ア
ファミリーレストラン
書
-イタリア料理
普通のレストラン計
o
与
ン
第 7 図 最近 1 年間で自宅以外でワインを飲んだ場所(複数回答)
120ml
挽..
百万打
ホテルや高級レストラン、友人宅、居酒
35.0(161
O
屋、ファミリーレストランなどがあげら
)
れ、ワインを飲む場所が多様化している
内構成比%
ことがわかった(第 7 図)。
( )内前年比%
中 価 格 (I)
(
1,
000-1,
99 円)
6)
ワイン価格動向
ワイン市場の拡大に連動して日常価格
ワインは前年比 6 割増と成長し、品質、
安心、安定供給から国産優位が続いてい
る。また、ワインに対する関心の高まり
とともに中・高価格帯市場も 6 割を超え
る大きな伸びを見せており、産地や品種
97 年
96 年
第8図
など多様性のある輸入ワインが 7 割以上
98 年見込
ワイン価格帯別動向(テーブルワイン)
120mli 自費
百万ケース
を占めている(第 8 図)。
総市渇計
{前年比 166%)
20
6) アウトレット別動向
梅グラフ内:構成比(%)
その他 (
183
%)
ペイン (186%)
15
チリ (259%)
アメリカ (160%)
ドイツ (15
10
酒量販底・スーパー・コンビニエンス
ストアー (CVS) の高伸長が続き、 '
9 8
年の市場占有率は過半数を突破した。
%)
7)
イタリア (172%)
ワイン競合状況
国産ワインは、サントリー・メルシャ
ンの 2 強市場。輸入においても同様。
5
フランス (
165
%)
8) 輸入ワイン国別の動向
o
輸入の構成比が拡大。輸入の最大国で
97 年
98 年晃込
第 9 図 輸入ワイン国別消費量(ステイルワイン)
-83 -
あるフランスは前年比 165%
と大きく成
.
J ASEV
Vo .
l 01 ,
No. 1 (
1咲ゆ)
.
npJ
12345
│
数量
フランス
イタリア
ドイツ
アメリカ
チリ
6
.
9502
.
308
.
1048
.
18
10
.
15
0
7
8
9
I1 0
(千ケース)
国名
数量
スペイン
オーストラリア
南アフリカ
ポルトガル
オーストリア
80
470
230
021
52
長し、次に続くイタリアも前年比 172%
と伸長を続
け、更にその市場を広げている。白ワイン中心のド
イツワインのポジションは低下し、品種ワイン(パラ
エタルワイン)の人気によりチリワインが前年比 259
%と大幅に伸びており、アメリカ、スペインなどの
年らし
⑪かと
剖て策
とつ政し
?なの入
ゃに業導
治興を
り明産木
お、殖苗
てはてう
れ。後つど
さるのよぶ
とあそにり
輸入ワイン消費量見込(上位 01 カ国)
らでて府よ
‘
98
国名
か史し政米
と歴そ治欧
この明て
第1表
萩原健一
その
普及が図られ日本各地に広く植栽され
た。しかし、高温・多湿の日本の気候
条件、栽培技術の未熟さ、そしてワイ
ンの飲用が一般化しなかったため醸造用ぶどうの栽
培はあまり伸展しなかった。その後いく度の困難は
あったが栽培者、醸造者の努力で栽培技術、醸造技
術が向上し、日本のワインの品質向上が図られ、世
界的に認められるワインが生まれてきた。この品質
ワインも順調に拡大している(第 9 図、第 1 表)。
の向上とあいまって、更により個性のあるワインが
求められる様になり、そのためにぶどう品種の適地
最近のワイン市場での動き
.適作が進められ主産地の形成が見られてきた。
1)キーワード
円 -500
円ワイン
-安い
300
・健康
ポリフェノール
・分かり易い
パラエタルワイン
2) 栽培技術
品種の選定
適地・適作。有名な品種のすべてを植えるの
)
2 新製品
ではなく、その土地に合った品種のみを選び個
・小容量
新容量ワインの定着
・新酒の多様化
にごり、ぶどう品種、微発泡、
性を主張するようになった。
無添加
-ジュース感覚
evrseuS
の利用、 ワインカ
クテル
-低アルコール
9 % 未満のワイン (EC
Table
Vin
de
8.5%)
カベルネ・ソーヴィニヨン
山梨
メjレ
ロ
長野
シャルドネ
山梨、長野
ミュラー・トゥルガウ
北海道
リースリング・フォルテ
山形
優良クローンの選定
)
3 作柄情報
新酒の甲州、ベーリ - Aだけでなく、山梨のカベ
ルネ、長野のメル口、北海道のミュラー・トゥルガ
ウなど日本各地のぶどうの作柄が報道されるように
同じ品種でも株によって病害虫に対する抵抗
力の強いもの弱いもの、房の大きいもの小さい
もの等特徴がある。この違いのある株、すなわ
ちこの各クローンの中で自分の土地に適したも
なってきた。
のを探し出し使用する。
適地適作・産地化が進んでいると考えられる。
ウィルス・フリー苗木の使用
4) 新酒の大幅の伸び
ウィルス病に感染していないウィルス・フリ
5) 新聞・雑誌・ T Vなどでのワイン情報の大幅増
ーのぶどう樹から収穫されたぶどう果は、従来
6) r
赤ワイン=健康Jの浸透
の感染したぶどう樹からのぶどう果に比べて糖
7)小売底、業務庖でのワイン露出の増加
度が高く、着色も良く、品質が優れていると共
.
3
に生産量も安定している。
ぶどうの栽培
仕立て方
1 )栽培の歴史
日本のぶどう栽培の開始は 186
年に上岩崎(現山
梨県勝沼町)の雨宮勘解由が甲州種の栽培を手がけた
-39-
棚栽培だけでなく、垣根栽培の試みがなされ
実用化している。栽培管理がやり易く、雨除け
.
J ASEV
Vo .
l 01 ,
No. 1 (
1鋭}9)
.
npJ
1開 8 年度セミナ一概要
栽培の普及も進んでいる。
酸化防止のための不活性ガスの使用出来る
機械化
貯蔵タンク
ぶどう生産のための投下労力の低減やコス
ろ過機の進歩
トダウンのため、仕立て方を棚から垣根へ変
瓶詰機の進歩
更し、欧米の農機具を使い新梢管理なと、の機械
.
5 今後の課題
化が各地で進められている。
)
1 ワインの多様化のーっとして、「ぶどう品種Jの味
4. ワインの製造
1)
わいの差の明確化と多品種化。
醸造の技術
)
2 新容量、低アルコール、ジュース感覚、低価格ワ
インの拡大、定着。
フレッシュでフルーティーなワインをつくるのか、
それとも熟成して濃厚なフルボディーのワインをつ
)
3 フランスワイン中心の輸入酒が多く、またその情
くるのか、目的を明確にもったワイン造りが浸透し
報の多い中で高級ワインの分野では国産ワインと
てきている。
して主張出来る個性をどの様に製品に表現し、消
現在、それぞれの目的に合った技術が適用されて
いる。
費者の心をつかむか。
)
4
マセラシオン・カルボニック (Ma
偲
noitar
エノール、オーガニックワインの開発。
)
euqinobrac
スキンコンタクト (
nikS
)
5 赤ワイン、新酒の人気沸騰で、国産ぶどうの適度
)
tcatnoc
な価格の維持が可能か。
果汁の清澄化
)
6 集客施設としてのワイナリーへの転換。
酵母の多様化
)
7 甘味ワインの根強い人気と生食用ぶどうの活用。
発酵温度制御
)
8 ワイン瓶のリサイクル等、環境問題への取り組み。
シュール・リー (Sur )
eil
小樽貯蔵
ズースレゼルブ (
S叫
)
evreser3
1)
r
ワイン=健康Jを更に加速する無添加、高ポリフ
の利用
醗造設備
醸造設備と醸造技術向上はお互いに両輪のごとく
ワインの品質の向上に貢献している。すなわち、醸
造設備の進歩と醸造技術の進歩は互いに密接な関係
がある。
日本のワイン造りの初期は、圧搾機、発酵タンク
等多くのものが清酒の醸造設備の転用であったが、
昭和 30 年代後半に入ると本格的にステンレスタン
クをはじめ、ワイン専用につくられた醸造設備が導
入され近代化がはじまった。特に耐蝕性に優れた材
質としてのステンレス鋼が開発され、そしてその溶
接技術の急速な進歩があったため、洗浄が容易な構
造をもった設備をつくることが出来る様になった。
そのため微生物管理が完全に行なえ、クリーンな醸
造が可能となった。
破砕機の改良
圧搾機の進歩
冷却設備のついた発酵・貯酒タンクの導入
04 -