国語史

国語史
担当教員:小林 和子
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 4
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
日本文学を学ぶ者の基本として文学作品の文体ともなっている日本語の歴史を学び,日本語は常に変化して
いることを認識し現在の日本語のおかれている状況を確認する.
2 授業の内容、 (1)テキストを参考にして講義を進めていく.まず日本語のルーツをたずね,日本語の発生から現代までの
学習活動 変化を奈良時代から明治以後まで時代順にたどっていく.
(2)そのように概括的に日本語の流れを鳥瞰したあとで,日本語の重要な要素である,文字,音韻,文法,
待遇表現,語彙,文章文体,言語生活,位相語,外来語などの各分野におけるその変化を古代から現代まで
資料を具体的に参照しながら見ていく.
(3)そして,授業の中で,現代問題になっている日本語の乱れや流行語の問題などにも焦点をあてていきた
い.それが学生自身が実際の生活の中での日本語の問題を考えていくきっかけになればと思う.
評価方法
期末テスト,宿題や提出物、学習態度などで総合的に評価する.
テキスト
沖森卓也編 「日本語史」 おうふう(桜楓社) ISBN 4-273-02288-5 C1081
参考文献
大野晋著 「日本語をさかのぼる」 岩波新書 ISBN 4-00-412092-6 C0281
《授業内容》
01 (1)国語史と日本語史の違い
(2)世界言語の中の日本語,日本語の特徴と日本語のルーツについて.
(3)テキストの使い方と授業のすすめ方について概説
02 奈良時代までの日本語
(1)縄文時代,弥生時代の日本語(2)漢字の伝来時期(3)万葉仮名や上代特殊仮名遣い
03 平安時代の日本語.
(1)平仮名の発明(2)片仮名の発明(3)平安女流文学の興隆と仮名文字
04 鎌倉時代の日本語
(1)定家仮名遣などについて(2)軍記物の表現(3)説話物の表現
05 室町時代の日本語.
(1)キリシタン資料などについて(2)キリシタン資料の国語史的意味
(3)日葡辞書などについて
06 江戸時代の日本語
(1)歴史的仮名遣などについて(2)庶民文学の表現方法(3)上方から江戸へ
07 明治以降の日本語.
(1)言文一致運動などについて(2)外来語の増加について(3)戦後の国語改革について(4)国語審議会答申
08 (1)日本語の歴史を横糸としてみてきた意味
(2)まとめとテキスト復習
09 (1)日本語の各分野について
(2)日本語と言う言語がどのような分野から成り立っているかを討議
(3)言語学理論としての構造主義について
10 文字の歴史
(1)漢字,万葉仮名,(2)平仮名,片仮名,(3)ローマ字,補助符号など
11 文字の歴史
(1)変体仮名などについて(2)携帯文化の絵文字について討議
12
音韻の歴史
(1)奈良時代,平安時代の音韻について
(2)鎌倉時代,室町時代の音韻とキリシタン資料について
(3)江戸時代,明治以降の音韻変化を文字資料をもとに検証
13
音韻の歴史
(1)アクセント史(2)音便の発生(3)音韻の減少傾向の確認
14
文法の歴史
(1)ソシュールの理論の紹介(2)古典文法と現代文法の違い
15
まとめテスト
16
文法の歴史
(1)体言,動詞,の変化(2)形容詞,形容動詞の変化(3)助動詞,助詞の変化
(4)係り結びの発生と消滅
17
待遇表現史
(1)待遇表現とは何か(2)尊敬語,謙譲語の変化(3)丁寧語,美化語の変化
18
待遇表現史の総括
(1)「源氏物語」の代表な文章を使って待遇表現の重要性を確認
(2)日本語の特徴としての敬語の発達の意味
19
語彙の歴史
(1)和語,漢語,外来語の違いについて
(2)和語の変化(3)漢語の移入時期(漢音と唐音など)
(4)南蛮文化と明治以降の外来語について
20
語彙の歴史
(1)語形変化(2)語義変化,(3)柳田国男「蝸牛考」について.
21
文章文体史
(1)漢字文(2)仮名文(3)漢字仮名交り文(4)漢文体(5)変体漢文
22
文章文体史
(1)漢文訓読体(2)和文体(3)和漢混淆体(4)言文一致体と口語体
23
言語生活史
(1)話す生活の歴史(2)聞く生活の歴史(3)読む生活の歴史(4)書く生活の歴史
24
位相語
(1)位相語とは何か(2)現在の位相語を討議
25
位相語の歴史
(1)方言(2)男性語と女性語の発達(3)廓言葉や齋宮忌詞など特殊な位相語
26
言語変化とその要因について
(1)労力の軽減化(2)借用,類推,明晰化など(3)文化交流と社会の変化
27
日本語と外国語について
(1)日本語の歴史における外国語の影響
(2)漢語や外来語,特に和製英語の問題点
28
現代における日本語の問題
(1)「ら抜き言葉「と「さ入れ言葉」
(2)日本語ブームの背景(3)外来語やカタカナ言葉の氾濫の現状
29
現代における日本語の問題
(1)流行語(流行語大賞の歴史)(2)若者言葉の問題(3)携帯やパソコンにおけるコミュニケーションの問題
30
まとめテスト
国語法
担当教員:武田 昌憲
期間: 通年
単位: 4
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
1 授業の目的
正しい国語の基礎的理解と構造=文法の知識の修得を図る。これにより、古典から近現代作品までの読解が容易になると
ともに、作品の深部=人間心理の機微に触れることができ、受講生の人生の間接的経験の一助となることを期待したい。
また、一昨年度、文化審議会より敬語の指針が出され、敬語の新分類の提案があった。これも説明したい。
2 授業の内容、
前期は古典語、特に古代語の文法を扱うが、中学、高校の時の総復習であるとともに、少し異なった視点から文法を考えることにもなるだろう。この文法の理解
が古典の読解、特に基礎漢文の読み方にも重要な影響を与える。好き嫌いを左右するのは既に学生自身も実感済みのことと思う。日本の貴重な文化遺産の一つ、
学習活動
古典を理解するうえでも、頑張って受講してもらいたい。なお、古語辞典類は授業時には必ず教室に持参してほしい。
古典文法の理解度を見極めたうえで、後期は現代日本語の文法を中心に取り上げる。日常使用している言葉なので、古典文法ほどうるさくはないが、果たして
正確な文法理解や読解ができるかどうかを重点的に確認していく。また、敬語についても従来の3分類から5分類に細分化されたので、それについても解説す
る。国語辞典類は授業時には必ず持参することを勧める。
卒業論文や講読・演習など直接の学習や研究活動と関わる内容も多い。参考になることと思う。なお、日本語の美しさの原点の一つともいうべき「小倉百人一
首」を毎時間、授業の始めに文法事項などを中心に二首程度解説・鑑賞していく予定。
特に外国人留学生には重要な必修講義となる。頑張って受講してもらいたい。
また、授業内容は受講生の理解度に応じて、多少の変更があることも承知しておいてもらいたい。なお、後期にはミーティングを試みる。
評価方法
期末の試験、授業中に行う小テスト、授業態度等を加味して総合点を出す。授業の時に課題レポートを出す時があるの
で、提出物に注意。
テキスト
原色小倉百人一首 鈴木日出男他編著(文英堂)560円 ISBN­578­10064­2
《授業内容》
01 はじめに。1中学、高校でどのような文法を学んできたかの確認。
2情報伝達の仕組み
3文語と口語。文法論。文の成り立ち。4前期の文語文法について。5百人一首鑑賞
02 1文と文節。2文節の種類について。品詞、活用形。3、11の品詞とその他の語=複合語・接頭語・接尾語の問題。
4自立語・付属語。5用言・体言6。活用のある語・活用のない語。7活用形の種類の確認。8百人一首鑑賞
03 動詞(1)
1文語と口語の活用、2および活用の種類の違い。3動詞の活用形。4活用の種類。5変格活用の意味。6百人一首鑑
賞
04 動詞(2)
1活用の種類。2音便(イ音便・ウ音便・撥音便・促音便)。3補助動詞と実質動詞。4自動詞・他動詞。5百人一首
鑑賞
05 形容詞・形容動詞
1形容詞の活用および活用の種類。2形容詞の語幹の用法。3形容詞の音便。
4形容動詞の活用および活用の種類。5形容動詞の語幹の用法。6百人一首鑑賞
06 助動詞(1)。古典理解の根幹として
1通常の助動詞。2受身、尊敬、使役の助動詞。3過去の助動詞等。4百人一首鑑賞
07 助動詞(2)。
1強い助動詞、弱い助動詞。2複合成立の助動詞。3およびその関係。4百人一首鑑賞
08 助動詞(3)。
1助動詞の音便。2補説。3奈良時代の助動詞。4百人一首鑑賞5百人一首鑑賞
09 副詞。
副詞の種類 1状態の副詞 2程度の副詞 3陳述の副詞。4副詞の用法。5百人一首鑑賞
10 連体詞。接続詞。感動詞。
1連体詞の性格。2接続詞の用法(特に条件的順接、条件的逆接)。3感動詞の用法。4百人一首鑑賞
11 助詞(1)。日本語の潤滑油。
1係助詞の用法(係り結びの法則と強い意志・疑問。反語)。2格助詞。3接続助詞。4百人一首鑑賞
12
助詞(2)。
1副助詞とその訳し方。2終助詞。3間投助詞。4百人一首鑑賞
13
敬語。古典文法の最終ハードル。
1尊敬語。2謙譲語。3丁寧語。4登場人物の上下関係の理解と主語の省略。5本動詞・補助動詞.6文語文法の丁重
語と美化語 7百人一首鑑賞
14
作品に当たっての文法解説と読解。
1徒然草の例と文法。2および解釈 3源氏物語の例と文法 4および解釈(予定)。5百人一首鑑賞
15
1前期末のまとめ。
2夏期レポート課題。
3確認試験。
16
1古典文法総復習。
2確認試験の答案用紙の返却と解説。
3夏期レポート提出。
17
現代文の動詞。
1文語から口語へ。2五段活用の大変革。3可能動詞と「ら」抜き言葉の問題。4ミーティング。(以下時間が許す限
り百人一首を鑑賞する)
18
1現代文の動詞の補足。2音便と補助動詞。
3現代文の形容詞。4形式形容詞。5形容詞の語幹。6形容詞の音便。7形容動詞。8形容動詞の語幹。9ミーティン
グ
19
現代文の名詞。代名詞。
1名詞の分類。2特に数名詞についての今日的問題。3代名詞の分類と文語との比較。4反照代名詞。5ミーティング
20
現代文の助動詞(1)。
1助動詞各説の確認と問題点。2可能 3受身等。4ミーティング
21
現代文の助動詞(2)。
1助動詞各説の確認補足 2丁寧の助動詞。3助動詞の音便。4ミーティング
22
現代文の助詞(1)。
1助詞各説の確認と問題点。2格助詞、3接続助詞等。4ミーティング
23
現代文の助詞(2)。
1助詞各説の確認補足 2係助詞 3終助詞等 4日本語の柔軟美。5ミーティング
24
現代文の副詞。連体詞。
1擬声語の問題と面白さ。2擬態語の問題と面白さ 3程度・状態・呼応の副詞。4ミーティング
25
現代文の接続詞。感動詞。
1接続詞と文末表現。2逆接、3順接。4呼びかけと挨拶は感動。5ミーティング
26
現代文の敬語。
1尊敬語。2謙譲語。3丁重語 4丁寧語 5美化語。年齢判断・上下判断。性別判断。主語の省略。6補助動詞。
日本人の美徳としての敬語と思いやり。敬う心の問題点。7ミーティング
27
現代文と方言。
1文語の名残りとしての地方語、2方言、3伝統語。4および敬語の復習。5ミーティング
28
現代文の読解(1)。
川端康成の短編小説から。1登場人物の心理読解 2状況説明 3語の効果 4「間」という呼吸の効果。
29
現代文の読解(2)。
司馬遼太郎の長編小説から。1登場人物の心理読解 2状況説明 3行間を読む。
30
まとめ 文語・口語のまとめ。方言・俗語について。
期末試験。
国文学概論
期間: 前期
担当教員:武田 昌憲
単位: 2
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
国文学概論とは、わが国の文学についての概要を説明するものと、国文の学問研究に関する概要を説明するものとの二つ
がある。本講座ではそれぞれを踏まえた文字通りの概論になる。いわば古典文学の歴史と研究方法の基礎的理解のための
重要な科目の一つなのである。
1 授業の目的
2 授業の内容、 国文科の学生として必要最低限の文学史的基礎知識と文学史の流れの理解最終確認(但し、古代から近世初期まで)とい
学習活動 うことを意識しながら講義を進めていく。ビデオ鑑賞も予定している。
なお、授業展開により時間がなくなる事が多いので、軍記物語概論の項は簡略にとどめ、詳細は2年生の作家作品鑑賞
Ⅱで解説する。
評価方法
前期末の試験と小レポート、授業態度を加味して総合点(100点満点)を出す予定である。
テキスト
日本古典読本(秋山・桑名・鈴木編)(筑摩書房) 千円 ISBN4­480­91708­X
参考文献
あらすじで読む日本の古典(小林保治編)(楽書館)千五十円 ISBN:4­8061­1985­7
《授業内容》
01 国文学とはー導入ー
1その理念と性格。国文学と日本文学の概念の違い。2国文の学か。国の文学か。3文学という概念について。
02 国文学研究の展開(1)
1その発生と古代の国文研究。2古事記・万葉集の読みの問題。3日本語が読めないと言うこと。万葉仮名.オコト
点。神代文字。
03 国文学研究の展開(2)
1中世の国文研究と和歌。2中世は「歌学」の時代。3古代を読みたい、知りたいと言う思いと、今の思いを伝えた
いという欲求からの研究。
04 国文学研究の展開(3)
1近世の国文研究と国学。2国文学研究から国学研究へ。3日本学の研究への展開へ。 中世の研究と異なる点。
05 国文学研究の展開(4)
1近代文献学と国文学。2ドイツ文献学の導入と近代的実証学。
3現代の国文学研究の状態。4基礎研究としての下地=国文学概論。
06 和歌文学概論(1)
1ますらを・たおやめ。万葉集の世界、2その特質と流れ。東歌と防人歌。3風土記・古事記・日本書紀の概説。
4平城京遷都1300年の文学として。 上代文学のまとめ。
07 和歌文学概論(2)
1古今・新古今。素直さから知的なものへ。2幽玄美。3藤原俊成・定家父子の美意識。
三大集の比較最終確認。定家以後の歌道の流れ。
08 伝奇文学概論
1竹取物語を中心に。その特質。2多種の説話の集合体として。3浦島伝説・チベットの類似伝説。
09 王朝物語概論
1雅びの美。2歌物語(伊勢物語の特質)。宇津保物語。落窪物語。3物語の範囲。 中古文学のまとめ。
10 源氏物語概論ー千年紀の文学ー
1わが国最高峰の文学作品。特質。2および後世の文学作品に与えた絶大な影響について、3広く能・歌舞伎等の分
野に言及。 源氏物語ミュージアムについて。平安貴族の生活についてビデオ鑑賞予定。
11 歴史物語概論
1記録から物語へ。2大鏡・今鏡・水鏡・増鏡の整理。3栄華物語、その特質と流れ、および衰退。
12
説話物語概論・軍記物語概論
貴族と庶民・武士。今昔物語等の説話文学作品の特質。その流れと衰退。
軍記物語の作品紹介と無常観・因果観。平家物語と太平記を中心に。琵琶法師と講釈師。
13
室町物語概論・連歌概論
1室町ごころと近世。中世小説の範囲。2御伽草子とは。近世の出版との関係。
3連歌と北野。連歌の流れと反連歌の兼好法師。 中世文学のまとめ。
14
謡曲概論
1観阿弥・世阿弥父子の功績とその特質。2能の幽玄美。3能舞台の構造とビデオ鑑賞予定。
15
国文学の近世・近代への展望と概論及びまとめ
国文学史
期間: 通年
担当教員:小林 和子
単位: 4
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
1 授業の目的
日本文学の文学の流れを,その時代背景をおさえながら,具体的な作品を参照しつつみていくことによって.日本文学
の基礎的な知識の獲得をめざす.
2 授業の内容、
(1)一年次の必修科目であった国文学概論のあとをうけて近世はじめから現代までの文学の流れをその時代思潮をからめながら板書を中心
学習活動
に説明する.具体的な作品の文体などもプリント類を利用しながらがら学ぶ.
(2)歌舞伎や人形浄瑠璃などの舞台や近代作品の映画化されたものなどの視聴覚教材なども利用して実際に鑑賞し,理解を深めていくよう
に配慮する.文学の時代的特徴という横の関係だけでなく,縦の流れも重視して,体系的に理解できるようにこころがけたい.なお,知
識の定着をはかるため小テストも授業中に繰り返し行っていく予定である.また,必要があれば授業時間以外の時間を使って小テストの
再試などを行うこともある.
(3)関西への研修旅行の基礎知識などもあわせて紹介していく.
評価方法
小テスト,期末レポート、期末テスト,学習態度などで総合的に判断する.
テキスト
特に使わない
《授業内容》
01 (1)日本文学史の時代区分について (2)西洋の時代区分との違いについて (3)上代,中古,中世の文学の特徴の復習.
02 (1)近世文学の特徴について (2)中世後期としての近世ー中世と近世の違いについて.
(3)上方文学と江戸文学(近世文学の260年間の大きな流れについて)
03 近世の散文学について
(1)仮名草子について(中世の御伽草子との違い) (2)浮世草子について (3)井原西鶴の浮世草子について
04 近世の劇文学について
(1)人形浄瑠璃の起源と発達について (2)近松門左衛門の時代物 (3)近松門左衛門の心中物 (4)「曾根崎心中」の道行
05 近世の劇文学について
(1)歌舞伎の成立と発展について(女歌舞伎,若衆歌舞伎) (2)上方歌舞伎 (3)坂田藤十郎と市川団十郎
(4)浄瑠璃と歌舞伎の関係について
06 近世の劇文学について
(1)幕末の歌舞伎について(鶴屋南北,河竹黙阿弥) (2)歌舞伎の基礎知識(歌舞伎十八番など)
(3)近現代の歌舞伎について
07 (1)人形浄瑠璃,歌舞伎の映像鑑賞 (2)小テスト (3)小テストの様子をみての復習.
08 近世の韻文学について
(1)和歌の伝統と俳諧の成立について(中世末の古今伝授や貞門俳諧,談林俳諧) (2)連歌と俳諧の違いについて
(3)天明俳諧と蕉風の先駆
09 近世の韻文学について
(1)俳諧を完成した芭蕉の生い立ちやその生涯(伊賀上野について) (2)紀行文,特に「奥の細道」について
(3)「鹿島詣」とその他の紀行文と俳文
10 近世の韻文学について
(1)芭蕉の代表的俳諧集「猿蓑」について (2)蕉風の基本(「さび」「しおり」「ほそみ」「不易流行」など)
(3)向井去来と嵯峨野の落柿舎(芭蕉「嵯峨日記」など)
11 近世の韻文学について
(1)芭蕉以降の俳諧について (2)与謝蕪村(その俳風と生涯) (3)小林一茶(その俳風と生涯)(4)近世和歌(良寛など)
12
近世の散文学について
(1)赤本,青本などの近世の書誌的問題について (2)黄表紙(恋川春町など) (3)合巻(柳亭種彦など)
13
近世の散文学について
(1)前期読本(上田秋成「雨月物語」) (2)後期読本(滝沢馬琴「南総里見八犬伝」他)
(3)洒落本,人情本と発禁制度について (4)滑稽本と庶民の情報発信地としての銭湯と床屋について
(5)十返舎一九「東海道中膝栗毛」と伊勢詣り
14
(1)国学の成立(水戸学と契沖,賀茂真淵) (2)国学の完成(本居宣長と松坂)
(3)儒学(官学としての朱子学と新井白石) (4)陽明学の知行合一と幕末思想
15
(1)近世のまとめテスト (2)近世の総復習
16
(1)近代の時代的特徴(急激な日本社会の変化と西洋文化の影響) (2)近代文学の特徴 (3)近代と反近代ということ
17
(1)文明開化期の文学 (2)啓蒙思潮の文学(明六社,特に福沢諭吉「学問のススメ」の影響と立身出世主義
(3)自由民権運動と政治小説
18
明治二十年代の文学
(1)写実主義文学(坪内逍遥,二葉亭四迷) (2)擬古典主義文学(硯友社,幸田露伴などの文学) (3)樋口一葉の文学
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浪漫主義などについて
(1)北村透谷や文学界の人々
(2)森鴎外の生涯とその文学(「舞姫」などの初期作品と反自然主義文学と歴史小説と史伝の世界) (3)泉鏡花の文学
20
自然主義について
(1)自然美の再発見(徳富蘆花と国木田独歩) (2)島崎藤村の文学(初期浪漫主義時代と「破戒」以降)
(3)田山花袋「蒲団」にはじまる自然主義の特徴とその流れ.(4)私小説のその後(正宗白鳥,徳田秋声,早稲田派など
21
(1)ビデオ鑑賞 (2)小テスト (3)それを参照にまとめ復習
22
反自然主義について
(1)夏目漱石の生涯とその文学(イギリス留学の意味と個人主義)
(2)代表作の主要部分を読む(「坊っちゃん」「それから」「こころ」など) (3)漱石山脈(木曜会について)
23
大正期の文学について(反自然主義の流れの中で)
(1)耽美派(永井荷風,谷崎潤一郎,佐藤春夫) (2)白樺派(有島武郎,武者小路実篤,志賀直哉など)
(3)我孫子白樺村について
24
(1)芥川龍之介の生涯とその文学(新思潮派) (2)その他の新思潮派の作家(菊池寛など) (3)プロレタリア文学
25
(1)ビデオ鑑賞 (2)小テスト (3)それを参照にまとめ復習
26
明治,大正期までの韻文について
(1)新体詩,森鴎外や上田敏の訳詩集など(漢語五七調と和語七五調)
(2)正岡子規の短歌,俳句の革新運動(根岸短歌会と伊藤左千夫,長塚節) (3)明星派の短歌(与謝野鉄幹,晶子)
(4)白秋,啄木らの短歌
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昭和の文学
(1)新感覚派の文学(横光利一と川端康成) (2)新興芸術派の文学(堀辰雄と井伏鱒二)(3)プロレタリア文学と転向文学
(4)戦時下の文学(文芸銃後運動)
28
戦後文学と現代文学について
(1)無頼派の文学(太宰治と坂口安吾) (2)巨匠達の復活(谷崎潤一郎と川端康成)
(3)戦後派と呼ばれる作家達の作品や戦争文学としての井伏鱒二「黒い雨」や大岡昇平「俘虜記」等の作品
(4)第三の新人と呼ばれた作家達や三島由紀夫,安部公房,大江健三郎など
29
(1)横の流れとして捉えてきた近代文学史を縦の流れとして見直す (2)散文学,韻文学,劇文学の相互関係について
(3)近代文学のまとめ
30
(1)近代のまとめテスト (2)国文学史のまとめ
作家作品鑑賞I
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 4
担当教員:山口 惠子
区分: 選択
授業方法:
講義
演習
実技
実習
奈良時代中期にまとめられた日本最古の歌集である『万葉集』。20巻、4516首の歌中からできるだけ多くの歌を読み、現代の私たちに共
通する思いや、現代とは違った生活習慣・生活内容を読み味わっていきたい。
上は天皇皇后から最下層階級にまでいたる幅広い作者たちが、どのように生き、考え、恋をし、身近な人の死を悼んだか、直接的に感
じて欲しい。
この東国茨城も万葉集の豊富な作者を持つ地である。特色のある「東歌」「防人歌」には筑波山を初めとする常陸の国の歌がたくさん
ある。出来れば、その歌の詠まれた地に足を運んで、実感して欲しいと思っている。
すべて漢字(万葉仮名)で書かれた一見難しそうな、しかも、日頃読みなれない歌の世界だが、わかりはじめるとその魅力のとりこに
なるはずである。好きな歌に出会って、出来るだけ多くの歌を覚えていこう。
2 授業の内容、
(1)『万葉集』についての基礎知識を学ぶ。 歌集の性格・名義・成立・編者・部立・歌体・時代区分と歌人・文字表記
学習活動
(2)4期に分けて、その時代の歌の特色を学び、代表歌人の歌を鑑賞する。
①1期・2期を前期に。1期終了後レポート提出。(6月末) 2期のレポートは夏休み明け提出。
②3期・4期・特色ある歌群を後期に。冬休み明けにレポート提出。
評価方法
(1)課題レポート(3回)
(2)筆記試験(2回)・・・前期末・学年末(ノートのみ持込み可)
(3)授業中の課題提出・発表・ノート作成・授業態度など
テキスト
「鑑賞 万葉集」 大矢武師・下平武治・新井章・星野五彦共編 学術出版社 ISBN-4-87361-416-3
《授業内容》
01
短歌と和歌について 『万葉集』の特色・その後の歌集(『古今和歌集』などの勅撰和歌集)との違い。
02
『万葉集』の名義・成立・編者・歌体・文字表記・研究史
03
『万葉集』の時代区分と代表歌人。時代背景。万葉集の時代とはどんな時代であったのか。
04
『万葉集』の部立(歌の分類)は雑歌・相聞・挽歌。それぞれの歌についての理解と鑑賞。
05
第1期の歌人の歌を読む・・・磐姫皇后・雄略天皇・舒明天皇他
06
第1期の歌人の歌を読む・・・有間皇子・天智天皇・藤原鎌足他
07
第1期の歌人の歌を読む・・・天智天皇・額田王・鏡王女
08
第1期の歌人の歌を読む・・・額田王の長歌を読む
09
第1期から第2期の歌人・・・額田王・天武天皇・持統天皇(第1期のレポートまとめ)
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第2期の歌人の歌を読む・・・大津皇子・大伯皇女
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第2期の歌人の歌を読む・・・但馬皇女・穂積皇子の恋の歌
第2期の歌人の歌を読む・・・志貴皇子・高市連黒人の歌
第2期の歌人の歌を読む・・・柿本人麻呂の長歌
第2期の歌人の歌を読む・・・柿本人麻呂の長歌・短歌および柿本人麻呂歌集の歌
第1期・第2期のまとめ (第2期のレポートまとめ・・提出は夏休み終了後)
第3期の歌人の歌を読む・・・山部赤人の富士山の歌
第3期の歌人の歌を読む・・・山部赤人の吉野の歌・短歌
第3期の歌人の歌を読む・・・大伴旅人の酒を讃むる歌
第3期の歌人の歌を読む・・・大伴旅人の亡き妻を偲ぶ歌他
第3期の歌人の歌を読む・・・大伴坂上郎女の恋の歌
第3期の歌人の歌を読む・・・山上憶良の子供を思う歌他
第3期の歌人の歌を読む・・・山上憶良の貧窮問答歌
第3期の歌人の歌を読む・・・高橋虫麻呂の筑波山に登る歌・伝説歌・常陸の国の歌
第4期の歌人の歌を読む・・・大伴家持の短歌・長歌(第3期・4期のレポートまとめ) 提出は冬休み後の第1時
第4期の歌人の歌を読む・・・大伴家持の万葉集最後の歌・湯原王・笠女郎他
第4期の歌人の歌を読む・・・中臣宅守と狭野弟上娘子の恋の歌
特色ある歌群の歌を読む・・・東歌
特色ある歌群の歌を読む・・・東歌と防人歌
特色ある歌群の歌を読む・・・防人歌 ・『万葉集』全体の振り返り
第3期・4期のまとめ
作家作品鑑賞II
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 4
担当教員:武田 昌憲
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」で始まる、格調高くも、また人の心を打つ『平家物語』の調
べ。生きている人間だけが享受できる無常観の響きを鑑賞していきます。本作品は平安王朝の優美さと、鎌
倉武士の勇壮さを併せ持ち、琵琶法師が語り歩いたという本邦第一級の文学作品です。人とは何か。無常と
は何か。そして生きるとはどういうことか、その美を含めて学んでいきます。
2 授業の内容、 はじめに軍記文学の流れについて『平家物語』に至るまでを解説。次に『平家物語』を鑑賞し、親子(母
学習活動 子・父子)・兄弟・叔父甥・主従の愛と悲劇と怨霊とを見極め、人間とは何かを問うてみたい。また連綿と
して続く大河ドラマ「義経」「功名が辻」「風林火山」[篤姫」「天地人」、そして「龍馬伝」や「江ー姫
たちの戦国ー」とのかかわりも含めて講義を進めていく。特に今年の大河ドラマは観ておくことを勧める。
時代の激変を扱うという意味でも注目してその時々に授業で解説を加えていきたい。また、年末の「坂の上
の雲」にも言及する予定である。
評価方法
前期末と後期末にレポート。また、教場レポート,夏季レポート、授業態度を含め、総合的に評価する。
テキスト
『平家物語』上下二冊(角川文庫)各700円 ISBN 04-400702-0C0193
参考文献
授業時に指示する
《授業内容》
01 導入
1NHK大河ドラマ「義経」「功名が辻」「風林火山」「天地人」「龍馬伝」の世界
2軍記の定義と位置。3史実と虚構性の問題。(今年の「龍馬伝」)
02 平将門と茨城県
1軍記の始発。第一の軍記としての将門記。その特質、写本の説明
2茨城県を中心とする将門伝説の広がりと敗者の文学。
3在京作者か在郷作者か。十世紀の文学世界。
03 陸奥話記の世界
1第二の軍記としての陸奥話記。その特質。2公私の記録の選択。3八幡太郎義家の伝説と茨城県。
04 後三年合戦絵詞の世界
1陸奥の国の魅力について。2『今昔物語』を探る。3後三年合戦絵詞んついて。
05 平安軍記論としてのまとめ
1保元の乱・平治の乱の性格 2「無さ」(武者)の時代
3院政という専制政治の時代について 4首都合戦という深刻さ。源氏と平氏。。
06 第三の軍記としての保元物語と平治物語
1その特質 2文学史的位置づけ 3源平交替思想。
07 第四の軍記、平家物語の特質(1)
1諸本・成立について 2読み本系・語り本系。3琵琶法師と覚一系・八坂系。4語るという文学。
08 平家物語の特質(2)
1無常観について 2作者・『徒然草』226段の問題。3これまでの研究動向と問題点。基本文献の紹介。
09 祇園精舎の思想と無常観
1『太平記』と比較して。2詠嘆的無常観・自覚的無常観。
10 祇園精舎(1)
1祇園精舎とは 2鐘の功徳 3滅びの美学論。4沙羅双樹とは
11 祇園精舎(2)
1平家の系譜。2桓武平氏。3清盛の栄華。4平曲鑑賞。
12
妓王(1)
1白拍子と遊び女。2中世の「遊び女」の重要性。3女系家族の問題。4女性の職業開拓時代と資本主義経済の目覚
め。
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妓王(2)
1国際社会と中世。百石百貫の意味。2清盛の悪行。3権力者の横暴論。
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妓王(3)
1妓王の再度の屈辱と出家。2母の教訓。3今様・梁塵秘抄。
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妓王(4)
1女人往生。2女性は救われるか。3二幕十場の劇的構成とまとめ。4レポート提出。5夏休みの課題等。
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橋合戦(1)
1競技としての合戦。2中世の明るさと筒井浄妙。県内の筒井伝説。
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橋合戦(2)
1事態を打開する英雄の登場。2足利忠綱。3関東の武士団について。4県内の頼政伝説。
18
木曽の最期(1)
1頼朝の挙兵。2木曽の生い立ち。3巴御前の愛と伝説。4京の七口。
19
木曽の最期(2)
1乳母子(乳兄弟)との愛。2合戦描写と数字の重要性。3装束描写。
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木曽の最期(3)
1人間義仲の最期。滅びの美学として。2松尾芭蕉と義仲寺。3平曲鑑賞。
21
一の谷合戦と義経の活躍
1一の谷とは。2鵯超の逆落とし。3義経流兵法。4平家の油断。5司馬遼太郎の義経論。
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屋島の合戦
1義経の性格と天才ぶり。2平家の油断。
23
那須与一(1)
1屋島合戦の時、与一の登場と占い。2与一の家系。3古兵と若者。
24
那須与一(2)
1扇の的を射ること。2季節と登場人物の心理。3その後の那須与一伝説。4平曲鑑賞。
25
壇ノ浦合戦
1平家の滅亡。2滅びの美学。3義経と知盛。4安徳天皇と入水。
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女院往生とその後の平家物語の影響
1浄土思想。2能狂言への影響。3歌舞伎等への影響。4近代文学への影響。
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太平記の世界と平家物語
1怨霊の世界観 2南北朝時代の諸相 3水戸黄門と太平記および水戸学。
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太平記の面白さ
1序。2楠正成という英雄。3バサラ大名の魅力。4後醍醐天皇と力強さ。
29
1「風林火山」「天地人」「龍馬伝」の世界
2武田信玄の兵法の面白さ 3戦国軍記の面白さと幕末の面白さ
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「江ー姫たちの戦国ー」の世界から天草・島原の乱の世界まで
まとめとレポート提出。
作家作品鑑賞III
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 4
担当教員:武田 昌憲
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
授業の目的
芭蕉生涯における最大の文芸作品としての紀行文の中から、登場人物や、作者の心 情、人間関係、自然
と人間の結び合わせ、人間的なものへの関心等について読み取り、人生について学び自分の人生観の構築を
も考える。
2 授業の内容、 授業の内容・学習活動
学習活動 和歌・俳諧の文学史的基礎知識の流れを確認しつつ、作品の鑑賞に入る。時代背景にも触れていく。
「行く春や鳥啼き魚の目は涙」の俳句でスタートする「おくのほそ道」は元禄2(1 689)3月下旬、江戸を出発
して、日光から白河関を経て仙台・松島・平泉に至り 尾花沢から越後・金沢を経、福井・敦賀を通って9月3日大垣に
ついた。そして 「蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ」と首尾を照応させ、人生を旅とみる芭蕉の人生観を 窺う。全ての道
程は約2400キロで、足掛け7か月の大旅行であった。表現の特色 として修辞上では、縁語、掛詞、対句、省略法比
喩表現、擬人法等があり、本文もか なり推敲され技法的な面もある。 「曽良日記』との比較も行い、鑑賞する。
評価方法
課題レポート 単元ごとの小テスト 授業中の質疑応答 最終レポート
テキスト
おくのほそ道 萩原恭男編 岩波文庫
《授業内容》
01 はじめに 俳諧とは、その流れについて
「おくのほそ道」についての概観
「おくのほそ道」の書名・成立時期 「おくのほそ道」の構成・内容・目的
02 序章・旅立
芭蕉が「おくのほそ道」の旅を決意した動機 芭蕉の人生観・人間像 和歌史の確認
03 草加・室の八島
芭蕉の人間性 曽良の登場と芭蕉の意図 歌枕を訪ねる意味 連歌史の確認
04 仏五左衛門・日光について
登場人物の人柄と芭蕉の人間観 日光参拝での感動 表現の技巧 俳諧史の確認
05 黒髪山・裏見の滝
二つの文学的虚構 芭蕉の芸術的な真実による感動・ 修行僧 狂歌について
06 那須野・黒羽ー那須についてー
登場人物の人柄と人情 芭蕉の人間観を理解 芭蕉が心動かされている所はどのような所か
07 雲巌寺・殺生石
登場人物への芭蕉の心情を把握 登場人物の人柄・芭蕉の人間観
08 遊行柳・白河の関について
芭蕉の故人敬慕の思い 本歌取りの技法・芭蕉の心情を理解 古歌や故事
09 須賀川・軒の栗
登場人物と芭蕉との交流 芭蕉の心情と 登場人物の生活
10 浅香山・信夫の里について
芭蕉の旅の目的 古歌に学ぶ・古歌に名高い場所 芭蕉の感慨
11 医王寺・飯塚の宿
登場人物像 芭蕉の人間性・旅での現実感
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笠島・武隈の松
登場人物像 芭蕉の関心・表現技巧 風景への芭蕉の感慨
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宮城野・壺の碑
風流人としての登場人物 芭蕉の心情を理解 芭蕉の感慨と「おくのほそ道」の表現
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末の松山・塩竈の浦
歌枕の土地 人生の無常と芭蕉の感慨 建築物の荘厳さ
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塩竈神社・松島について
登場人物像 芭蕉の心情 松島での美しい風景と名文として名高い部分 夏季休暇の課題とまとめ
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雄島が磯・瑞巌寺と伊達について
松島での句作 旅の目的地の一つ・建物の荘厳 芭蕉の時代背景
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石の巻・高館と義経について
文学的な虚構 道の間違 現実的な旅の苦労
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光堂・尿前の関
格調のある文章 芭蕉の心情・旅の苦労 芭蕉の心境
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山刀伐越え・尾花沢
難所越えの辛苦や恐怖 芭蕉の心境と心情 旅の苦労について認識 登場人物の人柄
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立石寺・最上川
景観を読み取る 芭蕉の心境・心情 芭蕉の心情を把握・登場人物達の態度
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羽黒山・月山
霊山・霊地 芭蕉の心情と「円頓融通」
22
湯殿山・三山巡礼の句
芭蕉の感慨の心 出羽三山巡礼の句 俳句の中の修辞法
23
酒田・象潟
俳句を鑑賞 表現技法 風光を写した文章と芭蕉の心情 俳句の鑑賞
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越後路・市振ー越後国についてー
有名な俳句の生まれた経過 芭蕉の詩情・心情 登場人物
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加賀入り・金沢について
俳句の鑑賞 芭蕉の感慨 季節感・登場人物と芭蕉
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多太神社・那谷
芭蕉の感慨と心情 風によっての季節感
27
山中・全昌寺
登場人物 芭蕉の思い 師弟の思いや旅情
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天竜寺・永平寺について
登場人物 惜別情と俳句の鑑賞 永平寺について
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福井・敦賀について
旧友との再会 芭蕉の心情と道行文 俳句の鑑賞
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種の浜・大垣について
俳句の情景と心象風景 その後の芭蕉俳諧 狂歌と川柳・まとめ
備考
和歌・俳諧の流れの基礎知識についても確認していきます。また古典文法の基礎的なことも学習します。
作家作品鑑賞V
期間: 通年
単位: 4
担当教員:小野 孝尚
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
1 授業の目的
茨城ゆかりの近代詩人の人と作品を対象にして、近代詩の鑑賞と実証的な研究方法 を学び、郷土の豊かな自然や、詩
人たちの豊かな感性と人間性に触れ、郷土愛を育みたい
2 授業の内容、
(1)茨城を代表する7人の詩人の代表的な作品を講読するが、埋もれてしまった詩人についても触れたい。 その場合には、多少内容の変
学習活動
更が生じる場合がある
(2)郷土愛を育みながらそれぞれの詩人たちの心を探求する
(3)創作の動機、作品の成立背景、出典と年代、詩人の位置、状態、年齢、感動の中心、修辞法、主題を表す言葉
(4)読解と分析、疑問点・問題点の提示・相互学習
(5)鑑賞と実証的研究方法
(6)視聴覚的資料や教材の活用とNIE
(7)それぞれの詩人の自叙伝的なプリントも配布したい
(8)後期後半には、郷土ゆかりの女性詩人、英よし子・下條綾子等の作品も取りあ げたい
評価方法
(1)受講態度(2)課題レポート(3)ミニ感想文(4)感想文(5)レポート等で総合的に評価する
テキスト
プリントを使用する。
参考文献
『茨城の近代詩人』(上巻下巻) 小野孝尚著 筑波書林
『霞ヶ浦と文学』(第3巻近代韻文編) 小野孝尚編 常陽新聞新社出版局
《授業内容》
01 詩を学ぶに当たって
(1)オリエンテーション (2)詩を読むための基礎用語 (3)修辞法̶(レトリック)の応用
02 茨城の近・現代詩人の概観
(1)茨城ゆかりの近・現代詩人たちについて概観 (2)身近な教材の魅力 (3)郷土を深く見つめる
(4)郷土の先人の顕彰
03 横瀬夜雨「神も仏も」その1 (資料展観) 筑波根詩人
(1)課題小レポート提出(横瀬夜雨の人と作品について事前に調査しておく)
(2)自叙伝「母」を参照(プリントを配布し課題とする) (3)私製スライド「横瀬夜雨」
04 「神も仏も」その2 「影」
(1)病気について(クル病) (2)赤裸々な苦悩の生い立ち (3)韻律(レトリック)
05 「お才」「やれだいこ」
(1)淡い女性憧憬と純真さ (2)筑波山と小貝川の土手の詩碑について (3)旅情について (4)リフレイン
06 「森の家なる」「沼にて」
(1)暗喩(レトリック) (2)当時の結婚について (3)大宝沼の心象風景
07 「堰の戸」「尺五ほし」
(1)田園豊かな秋の光景 (2)叙情的作品 (3)星座について (4)感想文の提出(横瀬夜雨のまとめ)
08 清水橘村「風」「村の鍛冶屋」 (資料展観) 常陸野の詩人
(1)課題小レポート提出(清水橘村の人と作品について事前に調査しておく) (2)私製スライド「清水橘村」
(3)自叙伝「筑波紫の終わりに」を参照(プリントを配布し課題とする) (4)風土的特色(データー:百里の風力)
(5)村の風景 (6)勤勉な鍛冶屋
09 「筑波なる山の小鴉」「ユダヤ乙女」
(1)風土性 (2)暗喩(レトリック) (3)観念的な象徴
10 「柏木」「小黒女」
(1)開拓士族 (2)豊かな自然描写と回顧の情 (3)村への帰郷 (4)巴川下吉影河岸風景
11 「空間」「雲雀」
(1)若者へのエール (2)回顧と後悔 (3)因果応報 (4)オノマトペ (5)感想文の提出(清水橘村のまとめ)
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野口雨情「船頭小唄」「シャボン玉」 (資料展観)
(1)課題小レポート提出(野口雨情の人と作品について事前に調査しておく)
(2)雨情自筆資料から「野口雨情̶水戸から東京へ」 (3)自叙伝詩「己の家」を参照(プリントを配布し課題とする)
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「四丁目の犬」「蜀黍畑」
(1)心象風景 (2)擬人法(レトリック) (3)詩の主題を把握 (4)水戸市の詩碑について
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「十五夜お月さん」「七つの子」
(1)隠喩法(レトリック)から主題へ (2)オノマトペ (3)漸層法(レトリック)
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「青い目の人形」「人買船」「赤い靴」
(1)時代背景 (2)隠喩法(レトリック)から主題 (3)雨情の童謡鑑賞(VTR)
(4)感想文の提出(野口雨情のまとめ̶各自の幼児期の童謡との出合いや愛唱歌についても触れる) ※前期レポート提出
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山村暮鳥「いのり」「春の河」 (資料展観)
(1)課題小レポート提出(山村暮鳥の人と作品について事前に調査しておく) (2)私製スライド「山村暮鳥」
(3)自叙伝「反面自伝」を参照(プリントを配布し課題とする)
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「老漁夫の詩」
(1)構成(レトリック) (2)漁村の生活風景 (3)老漁夫の人生
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「雲」「梅」
(1)大洗町の詩碑建立の由来と内 (2)水戸市の詩碑につい (3)感想文の提出(山村暮鳥のまとめ)
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多田不二「愛燐」「野に立ちて」「雨」「悩める森林」「無題の詩」「山火事」
(資料の展観)
(1)課題小レポート提出(多田不二の人と作品について事前に調査しておく)
(2)DVD「結城が生んだ詩人多田不二」(結城市文化センターアクロス制作 (3)多田富雄について
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「夜の一部」「未来」「過去」「半月」
(1)故郷の結城 (2)多田家 (3)反望郷的とは
21
「春」「新春頌歌」「山霧」「宿坊にて」「思ひ出」「山河」
(1)未来志向 (2)筑波山陰の風景 (3)紫峰筑波と鬼怒川風景 (4)室生犀星との交友
(5)感想文の提出(多田不二のまとめ)
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澤ゆき「孤独の愛」 (資料展観) 牛久沼の詩人
(1)課題小レポート提出(澤ゆきの人と作品について事前に調査しておく) (2)私製スライド「澤ゆき」
(3)孤独への愛とは
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「夜の面ざし」
(1)暗喩(レトリック) (2)擬人法(レトリック) (3)夜への思い
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「水かげろう」
(1)相沢家 (2)祖母のこと (3)風習
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「葦の葉ずれ」「森のためいき」
(1)牛久沼の風景 (2)自然環境 (3)自己省察
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「永遠の初恋」「沼にきく」「メダカの浴衣」「君いずこ」
(1)沼の三部作 (2)牛久沼を巡る環境 (3)結婚・女性の社会的地位 (4)我が子の戦死と戦争
(5)感想文の提出(澤ゆきのまとめ)
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大関五郎「毬」「渚にて」「砂丘」(資料展観)
(1)課題小レポート提出(大関五郎の人と作品について事前に調査しておく) (2)写真と資料に見る大関五郎
(3)新・旧水戸の地図 (4)大洗町の祝町について (5)大洗町の詩碑について
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「愛の風景」「メダカ」「小雀」「とんぼ」
(1)作品の舞台旧旭村上大田 (2)小沼家 (3)田園風景 (4)大谷川 (5)リズム(レトリック)
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「昼」「川のむこうの」「夜のうた」「ある日」
(1)童心清し (2)生母との生き別れ (3)母への思い
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「雪の夜」「雪」「謎」「おまん狐」
(1)新民謡詩の運動に力を尽くす (2)水戸の上市と下市 (3)水戸市銀杏坂の文学碑について
(4)感想文の提出(大関五郎のまとめ)
※後期レポート提出
備考
この授業はFD(ファカルティ・ディベロップメント)の対象教科として開講し、5年目に入ります。
仮題として「FD より良い教授法を求めて̶「シラバスB」の試み̶」として、様々な試みを実施します。
学生の皆さんの積極的な授業参加を期待します。
作家作品鑑賞IV
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 4
担当教員:小林 和子
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
近現代の散文,主に短編小説を中心に幅広く取り上げて,その作家の生涯や文学的特徴や文学史的な知識
なども十分おさえながら,その取り上げる作品の特徴や従来の評価なども学びつつ,作品の読みを深めるこ
とを目的にしたい.その中で,漢字や語句の意味などにも留意して,国語的知識の充実も同時にはかってい
く.そして,二年次の卒論の基礎ともなるように,作品分析の身につけられるように配慮したい.
2 授業の内容、 (1)テキストを使って主要な作家の作品を季節感にあった形で取り上げていきたい.
学習活動 (2)授業計画は学生の希望によって変更されることもあることを付け加えておきたい.
評価方法
授業中の読み,期末テスト,夏期休暇および冬期休暇等の課題レポート,学習態度などを総合的に判断す
る.
テキスト
近代文学鑑賞会編 「近代の短編小説」 おうふう(桜楓社)ISBN 4-273-00965-x
《授業内容》
01 (1)この授業の目的と方針 (2)テキストの使い方(歴史的仮名遣いについて)(3)作品の選び方について討議
02 坂口安吾について
(1)無頼派とは(2)その破天荒な生涯(3)「桜の森の満開の下」という作品について
03 坂口安吾「桜の森の満開の下」を読む
(1)日本における桜の伝統(2)戯作的文体について(3)梶井基次郎「桜の樹の下には」との関係
04 坂口安吾「桜の森の満開の下」を読む
(1)男にとって桜とは何だったのか(2)女の正体は何だったのか(3)桜と女の関係は(4)解説を読む
05 太宰治について
(1)安吾との関係(2)その生涯と死について(3)桜桃忌について
06 太宰治「桜桃」を読む
(1)私小説について(2)茶の間の幸福(3)夫婦喧嘩とは何か
07 太宰治「桜桃」を読む
(1)「太宰という作家は」の部分の解釈(2)息子の障害ということ(3)最後の部分をどう読むか討議
(4)解説を読む
08 (1)映画「桜の森の満開の下」,舞台野田版「贋作・桜の森の満開の下」,もしくは映画「ピカレスク」鑑賞
(2)映画,舞台について討議
09 芥川龍之介について
(1)その生涯と死(2)漱石との関係(3)「帝国文学」と「新思潮」について
10 芥川龍之介「羅生門」を読む
(1)漢字の読み語句の意味(2)蟋蟀と面皰について(3)物語の背景について
11 芥川龍之介「羅生門」読む
(1)映画の手法(2)動物的表現の意味(3)老婆の論理について
12
芥川龍之介「羅生門」を読む
(1)末尾の改稿(2)原典「今昔物語」との違い(3)下人の行方と「偸盗」との関係
(4)黒澤映画「羅生門」について(5)解説を読む
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志賀直哉について
(1)白樺派について(2)その生涯とその強靱な精神について(3)「小説の神様」と呼ばれた理由
14
志賀直哉「焚火」を読む
(1)私小説と心境小説(2)「きもちいい」という表現に着目(3)怖い話し
15
志賀直哉「焚火」を読む
(1)テレパシーと親子愛(2)志賀的ヒューマニズム(3)解説を読む
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(1)まとめテスト(2)夏期休暇中の課題提出(夏目漱石「こころ」予定)
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樋口一葉について
(1)その薄幸の生涯と死(2)何故一葉は小説家になったのか(3)渋谷一郎と半井桃水
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樋口一葉「十三夜」を読む
(1)擬古文体の読み方(2)物語の状況設定(3)漢字の読みや語句の解説
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樋口一葉「十三夜」を読む
(1)お関と原田との夫婦関係(2)母親の怒りと結婚のいきさつ(3)父親の説得
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樋口一葉「十三夜」を読む
(1)お関と録之助の関係(2)録之助との邂逅の意味(3)解説を読む
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夏目漱石と「こころ」について
(1)たらい回しにされた生い立ちとロンドン留学中のひきこもりについて
(2)名作「こころ」をどう読むか。多様な読みの紹介と主人公達の「淋しさ」について
22
川端康成について
(1)その孤独な生涯と死(2)掌の小説について(3)文体の特徴について
23
川端康成「地獄」を読む
(1)主人公達の自殺の理由(2)本当の地獄とは何なのか(3)解説を読む
24
三島由紀夫について
(1)祖母の病室で育つということ(2)その生涯と死(3)三島事件について
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三島由紀夫「百万円煎餅」を読む
(1)戦後の浅草について(2)健康的な若夫婦の着実な生活設計(3)新世界ビル
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三島由紀夫「百万円煎餅」を読む
(1)この若夫婦の商売は何か(2)作品のオチを読み取る方法とシニカルということ(3)解説を読む
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横光利一について
(1)新感覚派の文体的特徴(2)その生涯と妻の死(3)病妻物としての系譜
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横光利一「春は馬車に乗って」を読む
(1)ダリアの意味(2)療養生活と看護(3)夫婦の会話
29
横光利一「春は馬車に乗って」
(1)死の宣告と聖書(2)最後のスイトピーの意味(3)解説を読む(4)真の愛についての討議
30
(1)まとめのテスト(2)作品を読むと言うことの意味について
基礎漢文
担当教員:小野 春江
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 4
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
日本は古来中国の文化・思想・漢字等を取り入れ、日本文化の在り方に大きな影響を受け発展してきた。
そこで中国文学を代表する漢詩・漢文から読解力や知識を養い、中国思想の「教え」となることを学び、素
養をつけることを目的とする。
2 授業の内容、 漢詩・漢文の基本的読解力を修得するため、随時、補助プリントを使用して句法を説明し、訓読の向上を
学習活動 させる。又、音読や応用書写もする。適宜視聴覚教材も使用する。随時、確認のための小テストや朗唱等を
行う。
評価方法
確認小テストや朗唱及び提出物等と授業態度を含めて総合的に評価する。
テキスト
『朗唱漢詩漢文』全国漢文教育学会編 東洋館出版社発行 ISBN4-491-01911-8 プリント使用
参考文献
『唐詩選通解』清雅堂 『岩波文庫・唐詩選』 高校で使用の『国語便覧』
《授業内容》
01 年間講義内容について 漢文を学習するにあたって ノート使用方法について
02 漢文の訓読法及び句法について 高校での漢文の復習
03 「春暁」 孟浩然 (五言絶句)
04 「春夜喜雨」 杜甫 (五言絶句)
05 「静夜詩」 李白 (五言絶句)
06 「送元二使安西」 王維 (七言絶句)
07 「早発白帝城」 李白 (七言絶句)
08 「望廬山瀑布」 李白 (七言絶句)
09 「黄鶴桜送孟浩然之広陵」 (七言絶句)
10 「雑詩」王維 (五言絶句)
11 「春夜洛城聞笛」李白 (七言絶句)
12
「絶句」杜甫 (五言絶句)
13
「春望」杜甫 (七言絶句)
14
「秋浦の歌」李白 (五言絶句)
15
「鹿柴」王維 (五言絶句)
16
「大学」より
17
「易経」より
18
「論語」より (1)
19
「論語」より (2)
20
「論語」より (3)
21
「論語」より (4)
22
「論語」より (5)
23
「孟子」・「荀子」・「老子」より
24
「列女伝」より プリント使用
25
「史記」より (1) プリント使用
26
「史記」より (2) プリント使用
27
「二十八史略」より プリント使用
28
「蘭亭序」王義之 (1)
29
「蘭亭序」王義之 (2)
30
まとめ
演習II
担当教員:武田 昌憲
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 2
区分: 選択
授業方法:
講義
演習
実技
実習
随筆『徒然草』を読み解く。平成22年度のテーマは「無常観を自覚する」である。作者兼好法師は、人間
観察にかけては本邦第一の定評ある人物である。そのゆえんが本書である。本書はまた、日本人に最もよく
読まれ、親しまれてきた古典作品である。そこには限りある人生を有効に、また有意義に使う方法が書かれ
ていて、これから社会に巣立つ者には最適の作品と言える。人生の指針にしてほしい作品を、じっくり鑑賞
していきたい。
2 授業の内容、 前期には中世文学を支えた思想。特に兼好法師に影響を与えた思想について解説。鴨長明『方丈記』にも触
学習活動 れる。次に『徒然草』の概要に触れた後、指定した章段を中心に、演習形式で担当者(複数)が発表しても
らう。これについての討論も行う。
後期は前期の発表の続きに次いで、各自(個人)が選んだ章段を発表してもらう。発表内容について討論
もしてもらう。
また発表過程で中世語・故実・人物等について、基本的かつ具体的な研究・調査方法を身に付けてもら
い、卒業論文の作成や編入学に備えた基本習得にも生かしてもらいたい。
評価方法
前期・後期のレポート。演習発表。小レポート。討論内容。出席状況等を加味して総合的に評価する。特に
本人発表時の欠席は厳禁とする。
テキスト
徒然草(角川文庫)今泉忠義訳註 660円 ISBN-04-400801-9
参考文献
授業中に指示
《授業内容》
01 はじめに。1演習の説明・方法について。2テキストの確認
3中世文学の思想について(1)
ー仏教。詠嘆的無常観と自覚的無常観。無常「感」の文学か、無常「観」の文学かか。
西方極楽浄土。念仏。出家。禅。
02 中世文学の思想について(2)
1ー神道。中世の常識事項、神仏習合思想。2本地垂迹思想と反本地垂迹思想。3神国思想。蒙古襲来の影響。伊勢神
道。
03 中世文学の思想について(3)
1ー儒教。孟子,孔子。道教。老荘思想。遁世。2その他の思想。3わが国在地の神々。祖先崇拝と故実・格式。
04 1徒然草の特質と発表(前期演習)の手順および分担。2演習発表の章段については下記の授業内容を参照のこと。
3章段確認
05 1基本文献・資料の紹介と解説。2系図関係。故実関係。地名関係。人物関係。作品関係の確認。
3図書館での所蔵場所確認。
06 鴨長明と兼好法師
1両者の共通項と独自の路線。2方丈記と徒然草。3歌人としての人生。4兼好の事歴について
07 序段についての実演・発表
1プリント(資料)を配布しての発表の一見本。2序段の考え方を理解。3質問・討議。
08 演習発表、第9段。
1仏教事典、人名辞典の確認。2世の無常を探る。3質問・討議。
09 演習発表、第19段(1)
1詠嘆的無常観と人間について。2方丈記 3平家物語
10 演習発表、第19段(2)
1自覚的無常観の目覚めを人間として自然の美から観る 2徒然草の本質 3太平記
11 演習発表、第41段
1日本の年中行事の面白さ。2季節感の享受の仕方を探る。3「年中行事絵巻」の見方。
12
演習発表、第52段。
1仁和寺、2石清水八幡宮について。3人間の心理と思いこみの面白さ。
13
演習発表、第53段。
1稚児と法師。2元服か出家か、人生の分かれ道。3構成と描写のすばらしさを探る。
14
演習発表、第54段。
1様々な「法師」の存在。2真言宗と密教。3双びが丘と兼好法師。
15
1前期のまとめとレポート提出。
2卒業論文経過報告 3夏期課題研究に向けての諸注意。
16
1卒業論文経過報告書の提出。
2演習発表、第175段(1)。酒と人間から人生を探る。
17
演習発表、第175段(2)。
1人間の醜態 2酒の功罪 3酒は万病の元。兼好の人生観。
18
演習発表、第175段(3)。
1理想的な酒の飲み方 2人間として美しく飲む 3兼好と175段の問題を探る。中世美(室町ごころ)の問題。17
5段のまとめ。
19
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
20
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
21
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
22
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
23
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
24
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
25
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
26
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
27
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
4卒業論文作成最終報告。
28
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
29
演習発表(個人の部)
1作成資料配布 2発表 3質疑・討論
4これまでのまとめと兼好の人生観、人間観。
30
後期のまとめとレポート提出。
レポート課題「徒然草論ー副題は未定ー」400字原稿用紙5枚以上。
演習IV
期間: 通年
1 授業の目的
担当教員:小林 和子
単位: 2
区分: 選択
授業方法:
講義
演習
実技
実習
近代・現代の代表作家の短編小説を各自がゼミナール形式で自由に取り上げて毎週担当し,全員がディス
カッション形式で参加していく.これによって,作品分析の方法を学ぶと共に,自己表現の方法も身につ
け,最終的に卒論作成の基本を身につける.
2 授業の内容、 (1)各週の担当者は前週までに作品を決め,事前にプリントを用意して,司会進行を担当する.各自はその
学習活動 作品を必ず読んできて問題点を考えてくる。
(2)全員が毎週必ず一回は発言し、自由にデスカッションし、教官は補足・まとめを行う.
(3)授業計画は学生自身が希望の作品を取り上げるので,ここでは過年度のもの参考例としてあげておく.
(4)前期は担当者は卒論に関係する短編を取り上げ,後期は卒論に取り上げる作品を主にとりあげるのが望
ましい.
評価方法
担当の発表内容と方法,ゼミへの参加度や学習態度、およびレポートなどを総合的に評価する.
テキスト
特に使わない.
《授業内容》
01 (1)演習の方法と作品分析の基本について
(2)演習の進め方とレジメの作り方や作品の問題点の見つけ方などについて
(3)卒論にむけての引用の仕方,参考文献の記述の仕方など
(4)発表者の年間予定決定
02 教官による見本演習(芥川龍之介「蜃気楼」を使って)
(1)芥川先行作品「海のほとり」との比較(相似点と相違点の区別)
(2)芥川の作品執筆時の状況把握(日記,書簡,年譜などを参考)
(3)芥川の作品執筆同時期の評論「文芸的な,余りに文芸的な」を参照
03 (1)芥川龍之介と志賀直哉(2)志賀「焚火」との比較ー相似点と相違点
(3)最後の部分の解釈と先行文献(従来の評価)紹介(4)次週の発表者による作品提示
04 (1)太宰治「走れメロス」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足(3)全員による討議と教官によるまとめ
(4)次週の発表者による作品提示
05 (1)芥川龍之介「鼻」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足(3)全員による討議と教官によるまとめ
(4)次週の発表者による作品提示
06 (1)宮沢賢治「注文の多い料理店」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足(3)全員による討議と教官による
まとめ(4)次週の発表者による作品提示
07 (1)夏目漱石「夢十夜」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足(3)全員による討議と教官によるまとめ
(4)次週の発表者による作品提示(5)次週の発表者による作品提示
08 (1)森鴎外「高瀬舟」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足(3)全員による討議と教官によるまとめ
(4)次週の発表者による作品提示(5)次週の発表者による作品提示
09 (1)志賀直哉「城之崎にて」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足(3)全員による討議と教官によるまとめ
(4)次週の発表者による作品提示
10 (1)芥川龍之介「蜘蛛の糸」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足(3)全員による討議と教官によるまとめ
(4)次週の発表者による作品提示
11 (1)川端康成「夏の靴」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足(3)全員による討議と教官によるまとめ
(4)次週の発表者による作品提示
12
(1)宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足
(3)全員による討議と教官によるまとめ(4)次週の発表者による作品提示
13
(1)中島敦「山月記」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足
(3)全員による討議と教官によるまとめ(4)次週の発表者による作品提示
14
(1)梶井基次郎「檸檬」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足
(3)全員による討議と教官によるまとめ(4)次週の発表者による作品提示
15
(1)レポートの作成(2)夏休みの卒論準備についての諸注意(3)前期演習のまとめ
16
(1)夏目漱石「こころ」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足
17
(1)全員による討議と教官によるまとめ(漱石「こころ」)(2)次週の発表者による作品提示
18
(1)森鴎外「舞姫」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足
19
(1)全員による討議と教官によるまとめ(鴎外「舞姫」)(2)次週の発表者による作品提示
20
(1)太宰治「人間失格」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足
21
(1)全員による討議と教官によるまとめ(太宰「人間失格」)(2)次週の発表者による作品提示
22
(1)宮沢賢治「銀河鉄道の夜」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足
23
(1)全員による討議と教官によるまとめ(賢治「銀河鉄道の夜」)(2)次週の発表者による作品提示
24
(1)川端康成「伊豆の踊子」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足
25
(1)全員による討議と教官によるまとめ(康成「伊豆の踊子」)(2)次週の発表者による作品提示
26
(1)芥川龍之介「羅生門」と「偸盗」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足
27
(1)全員による討議と教官によるまとめ(芥川「羅生門」と「偸盗」)(2)次週の発表者による作品提示
28
(1)中島敦「李陵」演習発表(2)発表内容不足分の教官による補足
29
(1)全員による討議と教官によるまとめ(中島敦「李陵」)(2)論文の基本(原稿用紙の使い方など)
30
(1)レポートの作成と点検(2)後期演習のまとめ
日本語表現法
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 4
担当教員:小野 孝尚
区分: 選択
授業方法:
講義
演習
実技
実習
日本語での表現について、文章表現と会話表現を中心に理論を学習し、実際に文章を綴ったり、会話やス
ピーチを実践しながら表現力の向上をめざす
2 授業の内容、 (1)毎日の生活の中で、新聞や雑誌等の活字による情報を収集(「スクラップ帳」)
学習活動 (2)「私のノート」の制作 (3)名作を文庫本等で読む(視聴覚室を利用した映像による名作鑑賞も取り入れる)
(4)卒業論文や就職小論文に重点を置く (5)実用的な手紙、葉書にも触れる (6)話す心構え (7)面接試験(模擬面接)
(8)スピーチ(3分間スピーチ等を通して実践的な表現力を獲得) (9)3分間スピーチとその評価票の作成そして相互評価
(10)大学の行事に合わせた小レポートの提出と発表
評価方法
小レポート 課題レポート スピーチの評価 授業中の質疑応答 最終レポート
テキスト
文章表現と会話 小野孝尚著 双文社出版 及びプリントを使用
《授業内容》
01 文章を書くにあたって
(1)問題意識を持つ (2)話し言葉と書き言葉 (3)文章を書く心構え (4)文章を書く効用
(5)良い文章を書くための心得3ヵ条
02 近代の美文と現代の美文
(1)近代の美文 (2)現代の美文 (3)機能的な文章の習練
03 諸符号の基礎知識
(1)叙述にさいして活用する諸符号の基礎知識 (2)諸符号のルールを守る (3)身近な所にもある符号について
04 原稿用紙の基本的な使い方
(1)原稿用紙に縦書きで書く (2)基本的な使い方について (3)表記上の諸注意
05 文章表現の手順
(1)目的を明確にする・題材を探す・主題を考える (2)材料を集める・構成を考える (3)表現に注意して下書
(4)推敲と清書
06 文章表現上の技術
(1)何をどう書くか・模範とすべき文章 (2)レトリックとは何か・構成の型 (3)一般的な修辞法について
07 新聞における気になる表現
(1)新聞を読む (2)新聞の中から気になる表現を含めたいくつかの例を見る (3)新聞のスクラップ帳について
08 論説文を書くにあたって(1)
(1)論説文とは何か (2)論説文のしくみ (3)論証の方法
09 論説文を書くにあたって(2)
(1)論説文と批評文 (2)レポートの注意点 (3)卒業論文を書くにあたって
10 論説文を書くにあたって(3)
(1)卒業論文の書き方 (2)能動的な行為 (3)題目にうちこむ
11 手紙に関する基礎知識(1)
(1)前文について (2)本文について (3)後付けについて (4)心に響く手紙あれこれ
12
手紙に関する基礎知識(2)
(1)往復葉書について (2)一枚の葉書から (3)字手紙の味わい (4)Eメールの利便性
13
手紙に関する基礎知識(3)
(1)手紙に関する常識について (2)文学者の手紙 (3)画家の手紙
14
手紙を書く
(1)実際に手紙を書く (2)友人に近況を知らせる葉書を書く (3)恩師に近況を報告する手紙を書く
15
名作鑑賞
(1)課題提出(「私のノート」「スクラップ帳」) (2)日本文学の作品の中から数点を選んで読書したことを報告する
(3)推薦図書として長塚節の「土」 (4)四百字原稿用紙で三枚以上とする
16
就職のための作文・小論文(1)
(1)就職試験と作文・小論文について (2)作文と小論文の違い (3)小論文の対策
17
就職のための作文・小論文(2)
(1)作文・小論文の評価について (2)基本的なこと (3)内容・構成・表現
18
就職のための作文・小論文(3)
(1)作文・小論文に強くなる秘訣 (2)知的生活 (3)構想メモ(レジュメ)
(4)「私のノート」「スクラップ帳」の活用 (5)実際に書いてみる
19
編集に関する基礎知識(1)
(1)構想について(あなたが編集長) (2)企画の立て方について (3)実際にB4用紙で新聞制作
20
編集に関する基礎知識(2)
(1)実際にB4用紙で制作(あなたが編集長) (2)取材の仕方について (3)要点先述法
21
編集に関する基礎知識(3)
(1)整理をする (2)印刷の手順 (3)校正は三校まで (4)重要な場合は念校
22
話すにあたって
(1)生活と言葉 (2)言葉は人なり (3)聞き上手
23
話し方の基礎知識
(1)短文で話す・音声 (2)間を取る (3)表情・視線・あいづち
24
話し方の諸形式
(1)会話と対話 (2)会議 (3)一対多の場合 (4)好感度の極意
25
敬語の使い方
(1)正しい敬語の使い方 (2)敬語とは (3)敬語の使い方の原則
26
自己紹介
(1)自己紹介の仕方 (2)一対一の場合 (3)一対多の場合
27
三分間スピーチ(1)
(1)スピーチの心得 (2)各自がそれぞれ発表 (3)スピーチを聞く (4)評価票による相互評価
28
三分間スピーチ(2)
(1)各自が自由なテーマで発表 (2)スピーチを聞く (3)評価票による相互評価 (4)質疑応答
29
面接のうけ方
(1)面接試験の対策 (2)事前の準備・面接にあたって (3)模擬面接の実施
30
名作鑑賞
(1)日本文学の作品の中から数点を選んで読書したことを報告 *推薦図書として「こころ」「人間失格」「塩狩峠」
(2)課題提出(「私のノート」「スクラップ帳」)
(3)身近な郷土文学についての報告 (4)卒業論文への糸口
備考
書道I
担当教員:小野 春江
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 4
区分: 選択
授業方法:
講義
演習
実技
実習
芸術はいつの時代にも人の心を豊かにし、さまざまな文化を形成します。
中国の先人の言葉に「文字は書いた人の心が現れたものである」とあります。書は心の学問で、文字を素
材にして筆者の心象や、人間性を表現する造形芸術です。書には筆者の人間性や精神が深く関っています。
2 授業の内容、 (1)現代社会に対応できるような書の基本を授業展開とします。
学習活動 (2)身近にある文字に関心を持ち、実用性と芸術性の双方をふまえのす。
(3)人間形成に役立つ書道文化の基本的な臨書や創作及び書作品の鑑賞を行ないます。
(4)前・後期共に講義を8回、演習を7回とします。
評価方法
(1) 課題による提出物
(2)創作の提出(半切及び篆刻)
(3)授業態度
テキスト
(4)出席状況
新訂書写教育概要 日本教育大学協会 第二部書道部門会 ぎょうせい
《授業内容》
01 講義 授業に当たっての心得
(1)書は文字を素材とする造形芸術 (2)筆者の人間性をより豊に表現するための書法
(3)中国の書の流れと日本の書の流れ
02 講義 文字書写の基礎技能
(1)明窓浄机 (2)一字を書くには一筆一筆の基本をふまえる (3)伝統書法
03 講義 情操の陶冶
(1)倫理的道徳的要素を加味する (2)表現技術の向上 (3)美的感覚の育成
04 講義 楷書の基本
(1)点画の特徴をとらえる (2)書に品格があること (3)筆勢と正しい形態
05 講義 楷書の基本
(1)中国古典を中心として、構築的な美や整斉な美 (2)古典を中心として、静的な美の表現
06 講義 日本古典
(1)三筆・三跡による書と美
07 講義 現代書道
(1)芸術性と実用性
08 講義 臨書とは
(1)臨書の三形態について
09 臨書
(1)九成宮醴泉銘 (2)整斉な書の特徴をとらえる臨書
10 臨書
(1)孟法師碑 (2)のびやかで穏やかな書の特徴をとらえる
11 臨書
(1)雁塔聖教序 (2)軽快な書の特徴をとらえる
12
臨書
(1)高貞碑 (2)静的な力強さの書風を臨書する
13
臨書
(1)高貞碑 その2 (2)静的な力強さの書風を臨書する
14
臨書
(1)張猛龍碑 (2)躍動的な書風を臨書する
15
臨書
(1)顔氏家廟碑 (2)重厚な書の特徴を臨書する
16
講義
(1)篆刻 その1 (2)書との共通を理解 (3)造形と線の美を追求 (4)落款印の創作
17
創作 その2
(1)書との共通を理解 (2)造形と線の美を追求 (3)落款印の創作創作
18
創作 その3
(1)篆刻 (2)書との共通を理解 (3)造形と線の美を追求 (4)落款印の創作
19
講義 行書の基本
(1)行書の筆順 (2)行書の字形 (3)楷草中間の書
20
講義 臨書
(1)蘭亭序 その1 (2)内蔵されるさまざまな行書の筆使いや字形の変化
21
臨書
(1)蘭亭序 その2 (2)内蔵されるさまざまな行書の筆使いや字形の変化を臨書する
22
講義
(1)興福寺断碑 その1 (2)気脈の連なり (3)のびやかで不自然を感じさせない特徴
23
臨書
(1)興福寺断碑 その2 (2)気脈の連なり (3)のびやかで不自然を感じさせない特徴
24
講義 創作の前に
(1)半切掛軸について
25
創作
(1)半切掛軸を書く
26
創作
(1)半切掛軸を書く
27
創作
(1)半切掛軸を書く
28
講義
(1)創作した篆刻と掛軸を鑑賞 (2)創作の相互評価 (3)創作の反省点
29
講義 かなの基本を学ぶ
(1)近代詩文を書く (2)字形の基礎的表現 (3)自己表現の創意工夫
30
講義 百人一首
(1)書風の変遷 (2)変体仮名の読み方と連綿について (3)読み手となり、とり手となる (4)鑑賞
備考
書道の講義と演習を通して中国と日本文化のすばらしさを学びます。
皆さんの積極的な授業への参加を期待します。
創作による提出作品は、学園祭に展示します。
卒業論文研究
期間: 通年
単位: 4
担当教員:武田・小林
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
1 授業の目的
課題探求能力の育成を国文科で2年間学んだことの集大成となります。
2 授業の内容、
卒業論文の作成の目的 卒業論文の作成は大学生活の総決算とも言うべきものであり、国文科として最も重要かつ有意義な科目です。各自の興味・テーマに沿っ
て、指導教員のもとでしっかりと研究して立派な論文を作成して提出してください。
学習活動
研究内容・研究活動 1月のオリエンテーションによるゼミ分けに従って指導の先生の指示に従ってください。まず前期中に少なくとも5回以上の個人卒業論文
面接指導を受け、指導面接票に指導を受けた月日を記入し、指導教員の印を押してもらってください。
夏期期間中に京都研究旅行を行います。強制ではありませんが伊勢・伊賀・奈良方面も廻る予定です。国文学研究に有益な旅行なので、全員参加することを勧
めています。(個人卒業論文面接指導も含めてもいます)
後期の始業に合わせて卒業論文中間報告書(400字 5枚以上)を提出してもらいます。これを提出しなければ、卒業論文の提出資格を失います。
前期中に5回以上、前期・後期合わせて10回以上の個人面接指導を受け、月日と印を面接票に押してもらってください。
最終的には1月に面接票をつけた卒業論文を提出していただきます。
論文の内容による評価。
評価方法
《授業内容》
01 個人卒業論文面接指導
02 個人卒業論文面接指導
03 個人卒業論文面接指導
04 個人卒業論文面接指導
05 個人卒業論文面接指導
06 個人卒業論文面接指導
07 個人卒業論文面接指導
08 個人卒業論文面接指導
09 個人卒業論文面接指導
10 個人卒業論文面接指導
11 個人卒業論文面接指導
12
個人卒業論文面接指導
13
個人卒業論文面接指導
14
個人卒業論文面接指導
15
京都研究旅行
8月末から9月初め(4泊5日)の予定。事前(4月、7月)にオリエンテーションを行います。
8月の成績発表時にも質疑を受け付けます。
16
卒業論文中間報告書の提出
17
卒業論文中間報告書の点検と返却
18
個人卒業論文面接指導
19
個人卒業論文面接指導
20
個人卒業論文面接指導
21
個人卒業論文面接指導
22
個人卒業論文面接指導
23
個人卒業論文面接指導
24
個人卒業論文面接指導
25
個人卒業論文面接指導
26
個人卒業論文面接指導
27
個人卒業論文面接指導
28
個人卒業論文面接指導
29
個人卒業論文面接指導
30
卒業論文の提出 (400字 30枚以上)提出期日は1月中旬の予定
備考
指導教員が卒業式までに各自の卒論の後ろに批評を書いて後日返却します。充実した学生生活の思い出として大切に保管してください。
図書館概論
期間: 前期
担当教員:中山 愛理
1 授業の目的
単位: 2
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
公共図書館は、デジタル・ネットワーク時代の市民の情報アクセスの拠点であり、地域文化創造施設でもあ
る。その公共図書館の社会的意義と具体的な役割について理解することを目的とする。その上で、望ましい
図書館像について考える。
2 授業の内容、 公共図書館を中心に、図書館の意義と役割、舘種、機能と課題、そして動向について述べる。図書館の発展
学習活動 の過程をたどりつつ図書館とは何かという本質的な問題について検討する。あわせて高度情報化社会におい
て果たす図書館政策を学び、図書館関係法規や図書館と類縁機関との連携・協力のあり方についても解説す
る。
評価方法
定期試験(60%)、課題(20%)、小テスト(10%)、平常点(10%)等を総合的に評価する。
テキスト
藤野幸雄ほか著『図書館情報学入門』有斐閣,1997 (ISBN 4-641-12042-0)
参考文献
今まど子『図書館学基礎資料』第8版,樹村房,2009(ISBN 978-4-88367-150-2)
《授業内容》
01 図書館とは何か
02 図書館の意義と役割
03 図書館の歴史
04 図書館の機能と種別
(1)国立国会図書館
(2)公共図書館
(3)学校図書館
(4)大学図書館
(5)専門図書館
05 国立国会図書館
(1)納本制度
06 公共図書館
07 学校図書館
(1)学校教育法
(2)学校図書館の仕事
08 大学図書館
09 専門図書館
10 図書館活動
11 図書館と著作権
12
図書館の自由
13
図書館の相互協力
(1)ネットワーク
(2)図書館コンソーシアム
(2)類縁機関との連携・協力
14
諸外国の図書館事情
15
まとめ
情報サービス概説
期間: 後期
1 授業の目的
単位: 2
担当教員:中山 愛理
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
この授業は、図書館で提供されるレファレンスサービスをはじめとする各種情報サービスに関する基本的知
識を身につけてもらい、関係する紙媒体とデジタルコンテンツを取り扱う技術についてのイメージを理解し
てもらうことを目的とする。
2 授業の内容、 図書館によせられる利用者のニーズの把握とその対応方法とともに、図書館で扱われる情報源としてのレ
学習活動 ファレンス・トゥール(レファレンスブック等)の選定、収集、活用について中心に解説する。
評価方法
定期試験(50%)、課題・提出物(20%)、小テスト(20%)平常点(10%等を総合的に評価する。
テキスト
大串夏身編『情報サービス論』改訂版,理想社,2005(ISBN4-650-00555-8)
参考文献
小田光宏編著『情報サービス概説』 日本図書館協会, 1997 (ISBN978-4-8204-9716-5)
《授業内容》
01 情報サービスとは何か
(1)情報サービスの意義 (2)情報サービスの種類 (3)情報サービスの特徴
02 図書館における情報サービス
(1)情報提供機能 (2)情報サービスの多義性 (3)図書館で扱う情報 (4)情報サービスの構造
03 情報サービスの種類(1)
(1)レファレンスサービス (2)レファレンスサービスの定義と特徴 (3)利用案内
04 情報サービスの種類(2)
(1)レフェラルサービスの定義と特徴 (2)カレントアウェアネスサービスの定義と特徴
05 情報サービスの種類(3)
(1)インターネット情報源 (2)データベース(電子ジャーナル) (3)CD-ROM
06 情報サービスの種類(4)
(1)読書相談サービス (2)学習情報提供サービス
(3)地域における情報サービス (4)案内・紹介サービス(I&Rサービス)
07 情報源の種類
(1)図書館情報源の種類 (2)印刷メディアと電子メディア (3)館内で作成する情報源
08 情報源の構築と評価
(1)構築 (2)評価
09 レファレンスプロセス・情報ニーズの理解
(1)レファレンスプロセス (2)レファレンス質問 (3)レファレンスインダビュー
10 情報の検索と回答
(1)検索戦略 (2)情報源の選択 (3)検索語の選定 (4)検索の実行と評価
11 事実検索の情報源
(1)辞典 (2)事典 (3)便覧 (4)年表等 (5)統計
12
文献検索の情報源
(1)書誌 (2)目録 (3)記事索引
13
オンライン情報源
(1)データベース (2)インターネット
14
情報サービスの管理
(1)情報サービスの組織化 (2)担当者の資質と能力
15
まとめ
レファレンスサービス演習
期間: 後期
1 授業の目的
単位: 1
区分: 必修
担当教員:中山 愛理
授業方法:
講義
演習
実技
実習
レファレンスサービス、各種レファレンス・トゥールの種類と特性についての基礎的な知識や技術を実践的
に身につける。受講者は、授業中に解説した各種レファレンス・トゥールを用いた演習を通して、レファレ
ンス質問への回答処理の実践的な力を修得する。
2 授業の内容、 情報サービスの基本となる、レファレンスブックその他の情報源を理解するとともに、適切なレファレンス
学習活動 回答のためのプロセスを学ぶ。そのため、具体的なレファレンスの課題により、質問受付とそれの設問とし
ての確定、検索計画と実施、回答の方法、利用者との対応についての演習を行う。
評価方法
定期試験(40%)、毎回の課題(40%)、授業中の報告(20%)等により総合的に評価する。
テキスト
山本順一編著『レファレンスサービス演習』改訂版 理想社 2005年(ISBN978-4-650-00556-1)
参考文献
必要に応じて講義内で紹介します。
《授業内容》
01 レファレンスサービスとは
(1)図書館におけるレファレンスサービスの位置づけ (2)レファレンスサービスの基本
02 レファレンスコレクションの構築
(1)図書館におけるレファレンス・トゥール (2)レファレンス・トゥールの選定
03 レファレンス・トゥールの評価
(1)レファレンス・トゥールの評価をしてみる (2)学生の報告
04 インターネット上の情報探索(1)
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
05 インターネット上の情報探索(2)
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
06 図書に関する情報探索
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
07 出版社、書店、電子出版の情報源に関する情報探索
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
08 新聞、雑誌に関する情報探索
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
09 文字、言葉に関する情報探索
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
10 事物、概念に関する情報探索
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
11 政府情報、統計情報の探索
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
12
人物、組織に関する探索
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
13
地理情報の探索
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
14
歴史情報の探索
(1)情報源の特徴を解説 (2)レファレンス課題演習に取り組む (3)学生の報告
15
まとめ
(1)レファレンスサービスを担当するために (2)レファレンスサービスの対応能力
資料組織概説
期間: 後期
1 授業の目的
単位: 2
担当教員:中山 愛理
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
資料情報(メディア)の主題分析の方法と処理結果の表現について、分類・目録・件名の諸相から学習す
る。
2 授業の内容、 資料情報の組織化について、主題分析と表示形式(分類・件名)および書誌記述(目録)の作成方法等を習得する。これ
学習活動 は、情報処理の基本として重要な方法であり、長い歳月を費やして形成されてきたものであり、今後も進化すると予想さ
れるものである。
主題分析とその表示は、日本の標準規則である、日本十進分類法と基本件名表目標によって学習する。
書誌記述に関しては、こちらも標準規則の、日本目録規則に基づいて学習する。はじめは、カードに記述する方法をと
るが、理解が深くなった時点で、端末から直接入力を行う電子目録を実施する。さらに、国立国会図書館のJAPAN
MARCや、その他のWebOPAC等とのデータとの比較を実施して、技術の精度を高めていきたい。
評価方法
定期試験(50%)、小テスト、提出物(30%)、平常点(20%)等により総合的に評価する。
テキスト
「日本十進分類法 新訂9版」日本図書館協会 (ISBN4-8204-9510-0)
「日本目録規則 1987年改訂3版」日本図書館協会 (ISBN4-8204-0114-9)
参考文献
「基本件名標目票 第4版」日本図書館協会 (ISBN4-8204-9912-2)
「日本著者記号法 改訂版」日本図書館協会
《授業内容》
01 資料組織とは
(1)図書館における資料組織の役割
02 知識分類と主題分類
(1)分類法(主な分類表の種類と特徴) (2)件名法(主な件名標目表の種類と特徴)
03 日本十進分類法とは
(1)歴史 (2)体系 (3)構成 (4)記号 (5)階層性
04 日本十進分類法とは 2
(1)本表 (2)補助表 (3)相関索引
05 日本十進分類法とは 3
(1)分類作業 (2)分類規程
06 基本件名標目表
(1)全体像 (2)音順標目標 (3)階層構造標目標 (4)分類記号順標目標 (5)件名規程
07 目録とは
(1)目録の歴史(共同目録作業、集中目録作業) (2)目録の役割 (3)目録の形態
08 日本目録規則とは
(1)歴史 (2)特徴 (3)全体像 (4)書誌階層
09 日本目録規則とは 2
(1)タイトル (2)責任表示 (3)版
10 日本目録規則とは 3
(1)出版に関する事項 (2)形態に関する事項
11 日本目録規則とは 4
(1)シリーズに関する事項 (2)注記に関する事項 (3)標準番号(ISBN)
12
アクセスポイントと標目
(1)標目の役割 (2)標目の形 (3)標目の記載
13
コンピュータ目録とは
(1)MARC (2)コピーカタロギング
14
目録作成の実際
15
まとめ
(1)資料組織の世界
資料組織演習
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 2
担当教員:中山 愛理
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
資料組織概説で履修した知識を前提として、主題の分析の方法と日本十進分類法(NDC)や件名標目表(BSH)を用いた資料組織化の実
践的な能力が身につくよう目指す。また、目録規則にしたがった記入の方法を中心に目録作成の実践的な能力が身につくことを目指す。
2 授業の内容、
本演習で行う分類作業は適切な主題把握に基づき、使用する分類表(NDC)記号や件名を付与するものである。また、目録規則に基づく
学習活動
目録作成を行うとともに、コンピュータ目録についても基礎的な知識を学ぶ。
評価方法
定期試験(60%)、課題(20%)、平常点(20%)等により総合的に評価する。
テキスト
「日本十進分類法 新訂9版」日本図書館協会 (ISBN4-8204-9510-0)
「日本目録規則 1987年改訂3版」日本図書館協会 (ISBN4-8204-0114-9)
参考文献
「基本件名標目票 第4版」日本図書館協会 (ISBN4-8204-9912-2)
「日本著者記号法 改訂版」日本図書館協会(ISBN 978-4820474029)
吉田憲一編「資料組織演習」新訂版,日本図書館協会,2007 (ISBN 978-4-8204-0624-2)
《授業内容》
01
資料組織とは
日本十進分類法
(1)NDCの基本 (2)NDCの構成
02
日本十進分類法に基づく主題の分析・把握と分類規程(1)
03
日本十進分類法に基づく主題の分析・把握と分類規程(2)
04
日本十進分類法(本表)の基礎演習と固有補助表
05
日本十進分類法の補助表(1)
(1)形式区分 (2)地理区分 (3)海洋区分
06
日本十進分類法の補助表(2)
(1)言語区分 (2)言語共通区分 (3)文学共通区分
07
日本十進分類法一般補助表の演習
08
日本十進分類法の演習各類のポイント
09
日本十進分類法の演習
10
言葉による主題組織法
(1)件名作業(基本件名標目表使用法を含む) (2)件名規程
11
12
13
14
15
16
件名演習(1)
17
18
記述総則
19
各書誌的事項(2)
(1)頒布 (2)形態 (3)シリーズ (4)注記 (5)標準番号
20
21
逐次刊行物
22
各種資料(2)
(1)地図資料 (2)マイクロ資料
23
標目と排列(1)
(1)著者標目 (2)件名標目
24
標目と排列(2)
(1)分類標目 (2)排列規則
25
26
27
総合演習(1)
件名演習(2)
著者記号表・別置記号
分類・件名総合演習
中間試験(分類・件名・著者記号表・別置記号)
目録規則とは
日本目録規則
各書誌的事項(1)
(1)タイトルおよび責任表示 (2)版 (3)出版
各種資料(1)
(1)録音資料 (2)映像資料
総合演習(2)
コンピュータ目録(1)
(1)コンピュータ目録の作成 (2)コピーカタロギング
28
コンピュータ目録(2)
(1)コンピュータ目録演習
29
コンピュータ目録(3)
(1)コンピュータ目録演習
30
総合まとめ
児童サービス論
期間: 前期
1 授業の目的
単位: 2
担当教員:吉嵜 三義
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
いつでも児童・子どもが目の前にいること子どもに語りかけるを想定しながら、図書館サービスとは何
か、児童サービスとは何かを考える。
2 授業の内容、 1・2年生共通の科目として開設されています。2年生は、1年次の「図書館サービス論」を基礎に、
学習活動 1年生は高校までの図書館体験を思い出しながら授業を受けてください。
評価方法
提出物及び定期試験、その他の結果による。
テキスト
講師作成のプリントを使用する。
参考文献
授業中に指示するが、特に購入する必要はない。
《授業内容》
01 児童サービスの意義­その1 児童サービスの文化的意義
02 児童サービスの意義­その2 児童サービスの教育的意義
03 児童サービスの意義­その1 児童サービスの社会的意義
04 児童サービスの内容と方法ーその1 児童資料の類型
05 児童サービスの内容と方法ーその2 児童資料の管理
06 児童サービスの内容と方法ーその3 行事、展示、
07 児童サービスの内容と方法ーその4 ストーリーテリング、ブックトーク
08 児童サービスの内容と方法ーその5 児童サービスとNIE
09 児童サービスの内容と方法ーその6 児童サービスと「総合的な学習」について
10 児童サービスの条件整備­その1 児童サービスが国の政策に求めるもの
11 児童サービスの条件整備­その2 児童サービスと自治体行政
12
児童サービスの条件整備­その3 児童サービス地域社会、住民運動
13
児童サービスを担う人­その1 児童サービス担当者の役割
14
児童サービスを担う人­その2 児童サービス担当者の研修
15
まとめ
図書館特論I
期間: 前期
1 授業の目的
担当教員:中山 愛理
単位: 2
区分: 選択
授業方法:
講義
演習
実技
実習
実習によって、図書館専門職員としての実務処理能力を身につける。
2 授業の内容、 定められた時期に「図書館実習・体験学習」を実施する。実習期間は、原則として2週間とする。
学習活動 実習において学習した図書館の現場における業務および活動について、間接サービス、直接サービス、運営
と環境作りの面から分析し討議する。
評価方法
実習受け入れ機関の評価、実習報告、授業態度、最終レポート
《授業内容》
01 実習・体験学習の総合的感想を述べ,その図書館の現在の印象をまとめ、さらに現場の特徴をまとめ発表する。
02 実習・体験したそれぞれの図書館等の、立地条件、建物、施設・設備等について、話し合う。その中で、共通するも
の、固有の特徴をもつものについて、意見の交換を行う。
03 それぞれの図書館の利用者の層、利用時間、利用の傾向についての現状と、印象的な事例、さらに問題点等について話
し合う。
04 指導を受けた方々の、あるいは勤務されていた方々の印象から、専門職員としての図書館員のあり方について、学んだ
点を話合う。また、自分の専門職員としての理想を話し合う。
05 利用者との接点、図書館のカウンターでの業務について、多面的に話し合う。うまくコミュニケーションできたか,反
省点は何かを話し合う。
06 図書館資料の収集と受け入れ・登録の方法、さらに、分類・目録等の組織化はどのように実施されていたかを話し合
う。
07 情報サービス・レファレンスサービスは、どのように実施されていたかを話し合う。専門の担当者が置かれていたかど
うか、回答の数量についても話し合う。
08 現在の社会生活と図書館のあり方について、自分の視点でまとめ、最終レポートとして、理想の図書館の姿を完成させ
る。
秘書学概論
期間: 前期
1 授業の目的
担当教員:磯 靖子
単位: 2
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
「秘書」というものの実像を明確にしていく。
2 授業の内容、 「秘書」というものに対し、人それぞれのイメージがあると思うが、誤解されている場合も多い。そこで、
学習活動 この授業では、「秘書」という言葉はいつ頃から使われはじめ、いつ頃から職業として確立したのか、「秘
書」とはどのような機能と役割を持っているのか、「秘書」であるためにはどのような資質や技能を備えて
いなければならないかなどについて解説していく。
評価方法
定期試験・授業態度
テキスト
田中篤子編「秘書学概論」嵯峨野書院(ISBN4-7823-0099-9)
《授業内容》
01 (1)秘書の定義
(2)上司と秘書の職能の違い
02 (1)組織の中の秘書の位置
(2)秘書は個人スタッフ
03 (1)組織体における4種類の秘書の形態
(2)秘書に求められる能力
04 (1)秘書の業務内容
(2)秘書のレベルによる業務内容の変化
05 (1)秘書の業務処理上の特徴
(2)組織人としての業務推進について
06 (1)秘書業務をよりよく処理するためのポイント
(2)練習問題
07 (1)日本と欧米の秘書の業務内容・執務体制の違い
(2)文化的背景
08 (1)日本的経営のしくみ
(2)能力主義
09 (1)諸外国の秘書の歴史
(2)日本の秘書の歴史
(3)歴史にみる秘書の役割
10 (1)専門職とは
(2)プロフェッションの条件とは
(3)秘書は専門職か
11 (1)一般事務職との業務の違いの有無
(2)秘書の情報処理の特殊性
12
(1)情報とは何か
(2)情報の収集・整理・活用
13
(1)優れた秘書とは
(2)秘書として働くための基本的な考え方
14
(1)秘書とパーソナリティ
(2)魅力的なパーソナリティの形成をするために
15
まとめ
秘書実務
担当教員:磯 靖子
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 2
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
秘書の日常業務遂行上必要とされる知識の習得と技能を身につける。
実技
2 授業の内容、 テキストに沿って授業展開をしていく。秘書検定受験も念頭に練習問題に数多くあたる。
学習活動
評価方法
定期試験・授業態度・その他
テキスト
田中篤子編著「秘書実務実習マニュアル」嵯峨野書院(ISBN4-7823-0131-6)
《授業内容》
01 話し方と言葉づかい1
(1)コミュニケーションとは (2)コミュニケーションの障害点
02 話し方と言葉づかい2
(1)職場における言葉づかい (2)敬語の知識と接遇用語
03 話し方と言葉づかい3
(1)よりよい人間関係をつくる話し方 (2)よりよい人間関係をつくる聞き方
04 敬語・接遇用語練習問題
05 指示と報告1
(1)上司と秘書のコミュニケーション (2)指示の受け方・報告のし方
06 指示と報告2
(1)口頭による報告演習 (2)文書による報告演習
07 服装と身だしなみ
(1)職場に適した服装(2)好感を与える身だしなみ
08 接遇の要件1
(1)職場のマナーと執務態度(2)接遇者の役割と心構え
09 接遇の要件2
(1)アポイントメント (2)上座と下座
10 接遇の要件3
(1)来客の確認(おじぎ・相手や用件の確認・名刺の受け方) (2)取次ぎと案内
11 接遇の要件4
(1)応接室で(ドアの開閉・座席の示し方・お茶の出し方) (2)お見送り
12
接遇の要件その5
(1)練習問題 (2)ロールプレイング
13
電話応対1
(1)ビジネス電話のかけ方・受け方 (2)伝言票の扱い方
14
電話応対2
(1)練習問題 (2)ロールプレイング
15
前期のまとめ
16
前期の復習
17
上司のスケジュール管理1
(1)スケジュール管理の重要性 (2)計画と調整・事後処理
18
上司のスケジュール管理2
(1)スケジュール表の主な種類 (2)記入上の諸注意
19
上司のスケジュール管理3
(1)作表 (2)スケジュール管理の手順
20
慶弔業務1
(1)慶弔・贈答の処理 (2)慶弔・贈答の形
21
慶弔業務2
(1)慶弔・贈答の心配り (2)練習問題
実習
22
慶弔業務3
(1)弔事のしきたりと作法 (2)慶弔電報の打ち方
23
出張業務1
(1)上司の出張決定後の諸業務 (2)旅程表の作成
24
出張業務2
(1)仮払いの請求のための請求票の作成 (2)上司出張中の業務(随行しない場合)
25
出張業務3
(1)出張旅費清算書作成 (2)振替伝票への記入
26
会議・会合1
(1)社内外で行われる会議・会合の種類と内容 (2)上司主催の会議の諸業務
27
会議・会合2
(1)会議の開催通知状の作成 (2)会場設営・議席の配置
28
会議・会合3
(1)上司が出席する会議の出欠の回答・委任状の作成 (2)練習問題
29
秘書の業務遂行上関係する一般的な会計の知識
(1)数字に関する一般的注意事項 (2)会計伝票 (3)小口現金
30
まとめ
事務管理
担当教員:磯 靖子
期間: 前期
1 授業の目的
単位: 2
区分: 必修
授業方法:
講義
演習
実技
実習
事務管理を広義の情報の取り扱いと考え、特に書かれた情報を中心に見てゆき、秘書として求められるビジ
ネス文書の作成ができるようになる。また、文書の取り扱い方及び整理・保管のし方など、いわゆるファイ
リング技術を身につける。
2 授業の内容、 事務の概念、事務の改善・標準化ということについて概説する。秘書が取り扱う文書の中で手書きを求めら
学習活動 れる文書の作成を行う。その後、それらの情報を管理するために、四分の一のキットを使用し、ファイリン
グの演習を行う。
評価方法
定期試験・授業態度・その他
テキスト
「秘書実務」の授業で使用したものを兼用。
《授業内容》
01 事務管理とは
(1)事務とは、事務管理とは (2)事務の改善と標準化
02 環境整備
(1)上役室の整備(机上の整頓と備品の調整)
(2)上役室の管理(機密保持・照明・色彩・温湿度・防音・インテリア)
03 文書実務1
(1)文書の意義 (2)文書の種類 (3)文書の取り扱い
04 文書実務2
(1)話し言葉と書き言葉 (2)ビジネス文書の形式と作成の手順
05 文書実務3
(1)社外文書の中の営業用文書の作成の手順
(2)社外文書の中の営業用文書の作成
06 文書実務4
(1)社外文書の中の社交的な文書の形式と留意点
(2)社外文書の中の社交的な文書の作成
07 文書実務5
(1)社内文書の原則
(2)社内文書の例(回覧文・稟議書・報告書・議事録)
(3)簡単な社内文書の作成
08 文書実務6
(1)文書の送受信 (2)郵便の知識
09 文書実務7
(1)グラフの種類と特質 (2)グラフ作成の基本
10 文書実務8
(1)グラフの作成(線グラフ) (2)グラフの作成(棒グラフ)
(3)グラフの作成(円グラフ)
11 ファイリング1
(1)ファイリングの基本概念 (2)ファイリング用具 (3)管理方式
12
ファイリング2
(1)バーティカル・ファイリング及び分類法について
13
ファイリング3
(1)名前別分類法でのファイリング演習
(2)地域別分類法でのファイリング演習
14
ファイリング4
(1)主題別分類法でのファイリング演習
(2)その他の資料の整理
15
まとめ
秘書実務演習
期間: 通年
1 授業の目的
単位: 2
担当教員:磯 靖子
区分: 選択
授業方法:
講義
演習
実技
実習
「秘書実務」での授業内容をさらに掘り下げ、総合的な実務能力を身につけ、秘書の日常業務が確実に遂行
できるようにし、応用力も身につける。
2 授業の内容、 前期は、一年次の復習をしながら基本事項の確認をする。後期は、イン・バスケット1、2、3の課題を処
学習活動 理していく。演習シートは、授業終了時に提出する。なお、
提出用紙は所定のものしか受け付けないので、演習シートを忘れないようにする。
評価方法
提出物・授業態度・その他
テキスト
「秘書実務」の授業で使用したものを兼用。
必要に応じてプリント使用。
《授業内容》
01 話し方と言葉づかいについての復習
02 敬語、接遇用語に関する演習問題
03 来客応対の復習と各人の問題点の改善及び来客応対業務の演習
04 電話応対の復習と各人の問題点の改善及び電話応対業務の演習
05 アポイントメントの受け付けとスケジューリング演習
06 前回の続き
07 慶弔業務(弔事の一般的な段取り・不祝儀袋の表書きなど)
08 上司主催の会議の準備から終了までを通して演習(会場予約・日程表作成・案内状作成・会場設営・議事録作成)
09 前回の続き
10 上司の出張に伴う業務演習(旅程表の作成と旅費精算業務)
11 前回の続き
12
課題に基づきいろいろな文書の作成
13
前回の続き
14
ファイリング演習(名前別分類法・地域別分類法・主題別分類法)
15
まとめと質疑応答
16
秘書教育に用いられるイン・バスケットについての解説
17
招待状の作成(イン・バスケット1­A)
演習シート提出
18
1.前回の演習シート返却と解説
2.はがきによる会合の欠席回答と結婚式の祝電打電の演習(イン・バスケット1­B 1­E)
19
時刻表を使用し旅程表の作成(イン・バスケット1­D)
演習シート提出
20
1.前回の演習シート返却と解説
2.社外電話応対演習∼上司不在時の対応と、伝言票作成∼(イン・バスケット1­F)
3.社内電話応対演習∼問い合せ∼(イン・バスケット1­G)
21
問い合せの文書作成(イン・バスケット2­A)
演習シート提出
22
1.前回の演習シート返却と解説
2.旅費精算書の作成(イン・バスケット2­C)
演習シート提出
23
1.前回の演習シート返却と解説
2.社内文書の作成∼上司主催の社内会議の通知文∼(イン・バスケット2­D)
演習シート提出
24
1.前回の演習シート返却と解説
2.不祝儀袋の表書きと、電話による社内連絡∼依頼∼演習(イン・バスケット2­E 2­G)
25
電話応対演習∼上司不在時の対応とアポイントメントの変更をして欲しい旨の伝言票作成∼(イン・バスケット2­F)
26
1.お礼兼お知らせの社外文書作成演習(イン・バスケット3­A)
演習シート提出
2.ゴルフコンペの商品選び(イン・バスケット3­B)
次回演習シート提出
27
1.社外文書の演習シート返却と解説
2.会議に使用する資料作成(イン・バスケット3­C)
28
名刺の整理を名前別と会社名別で行う(イン・バスケット3­D)
29
電話応対の演習∼上司不在時の対応と折り返し電話が欲しいとの伝言票作成∼(イン・バスケット3­F)
30
1.FAX送付状書き込み(イン・バスケット3­E)
2.電話応対の演習∼レストランの予約∼(イン・バスケット3­G)
3.まとめ