1 消費者支援機構福岡発 2016-121 号 2016 年 10 月 4 日 株式会社I

消費者支援機構福岡発 2016-121 号
2016 年 10 月 4 日
株式会社I.D.M.
御中
適
格
消
費
者
団
体
特定非営利活動法人消費者支援機構福岡
理 事 長
朝 見
行 弘
〒812-0011 福岡市博多区博多駅前 1 丁目 5 番 1 号博多大博通ビルディング 8 階
(本件に関するお問い合わせ先)担当者 司法書士 稲毛 翔平
TEL 092-517-4289 / FAX 092-215-1202
留学サポート等委託契約に関する申入れ
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
当機構は,消費者の権利確立を目指し,さまざまな消費者被害の調査,情報提供,救済活動等
を行うことを目的として,福岡県内の弁護士,司法書士,消費生活専門相談員など消費者問題に
取り組んでいる団体及び個人によって 2009 年 9 月に設立され,2010 年には福岡県知事より特定
非営利活動法人(NPO法人)としての認証を受けております。そして,2012 年 11 月 13 日には,
消費者に対する不当な勧誘行為や不当契約条項について差止請求訴訟を提起する権限を有する適
格消費者団体として,内閣総理大臣による認定を受けております。
当機構には,福岡県内の弁護士・司法書士・消費生活センター相談員をはじめ,消費者問題の
第一線で消費者の相談に応じている人材が多数在籍しておりますが,近時,消費者から寄せられ
る相談の中に,留学サポートに関する委託契約のトラブルに関するものがありました。
そこで,当機構において,消費者から提供された貴社の留学サポート等委託契約書(以下,
「本
件契約書」といいます。
)に関して検討を行った結果,消費者契約法に照らし,不適当と思われる
点があるものと判断いたしました。よって,当機構としては,貴社に対し,下記のとおり,本件
契約書につき後記のとおり申入れをいたします。つきましては,本申入れに対する貴社のご回答
を,2016 年 11 月 7 日までに,書面にて当機構事務局までご送付いただきますようお願い申し上
げます。
なお,本申入れは公開の方式で行わせていただきます。したがって,本申入れの内容及びそれ
に対する貴社のご回答の有無とその内容等,本申入れ以降のすべての経緯・内容を当機構のウェ
ブサイト等で公表いたしますので,その旨ご承知おきください。また,本申入れにおいて指摘の
ない条項につき,当機構において,当該条項が正当である旨承認する趣旨ではありませんので,
その点についてもご留意ください。
敬具
1
記
1
本件契約書第 2 条(留学プログラム費用)第 3 項について
①申入れの趣旨
本件契約書第 2 条第 3 項について,削除するよう求めます。
②申入れの理由
本件契約書第 2 条記載の留学プログラム費用 20 万円について,同条第 3 項の契約締結後「い
かなる場合であっても返金できません」との規定は,消費者契約法第 9 条により無効であると
いうべきです。前記文言は,契約を中途解約した際には違約金として機能し,解約時に一切返
金しないことは,消費者契約法第 9 条第 1 号の損賠賠償の額が「平均的な損害」を超える過大
なものとなります。
したがって,申入れの趣旨記載のとおり求めます。
2
本件契約書第 11 条(出発前の解約)第 2 項について
①申入れの趣旨
本件契約書第 11 条第 2 項について,削除するよう求めます。
②申入れの理由
本件契約書第 11 条では,出発前に解約した場合の損害賠償について,解約しても留学プログ
ラム費用 20 万円の支払い義務は残り,既に支払い済みの場合も返金しないと規定されています。
出発前にも関わらず解約後に全額返金しないことは,損賠賠償の額が「平均的な損害」を超え
る過大なものとなり,損害賠償の額が「平均的な損害」を超える部分については,消費者契約
法第 9 条第 1 号により無効であるというべきです。
また,違約金として 1 年分のサポート料の 70 パーセントを支払う旨規定されていますが,未
だ何らサポートを受けていない出発前の段階での損害賠償の額としては過大であり,同様に「平
均的な損害」
を超えるものとして消費者契約法第 9 条第 1 号により無効であるというべきです。
したがって,申入れの趣旨記載のとおり求めます。
3
本件契約書第 12 条(契約期間)について
①申入れの趣旨
本件契約書第 12 条について,削除するよう求めます。
②申入れの理由
本契約は,民法上準委任契約と考えられるところ,在学中一切の中途解約の余地を認めない
本規定は,消費者の解除権を制限し,信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものとい
うほかなく,消費者契約法第 10 条により無効であるというべきです。
また,消費者が解約の申し入れをした場合に,実際の損害額に関係なく在学期間中のサポー
ト料の支払いを求める第 2 項は,すなわち解約による返金を一切認めない規定と解されること
から,消費者に対して「平均的な損害」を超える損害賠償義務を課すものとして,消費者契約
法第 9 条第 1 号に基づき無効であるというべきです。
2
したがって,申入れの趣旨記載のとおり求めます。
4
本件契約書第 14 条(お客様からの解約事由)第 3 項について
①申入れの趣旨
本件契約書第 14 条第 3 項について,削除するよう求めます。
②申入れの理由
消費者が解約の申し入れをした場合に,実際の損害額に関係なく当該年度中のサポート料全
額の支払いを求める第 3 項は,すなわち解約による返金を一切認めない規定と解されることか
ら,消費者に対して「平均的な損害」を超える損害賠償義務を課すものとして,消費者契約法
第 9 条第 1 号に基づき無効であるというべきです。
したがって,申入れの趣旨記載のとおり求めます。
5
本件契約書第 16 条(直接契約の禁止)第 2 項について
①申入れの趣旨
本件契約書第 16 条第 2 項中,消費者に違約金 100 万円の支払いを義務付ける部分について,
削除するよう求めます。
②申入れの理由
本件契約書第 16 条第 2 項は,消費者が同条第 1 項の規定に違反して,本契約期間中又は終了
後に現地スタッフから直接サポートサービスを受けた場合に,事業者である貴社に対し,本契
約の他の条項に定めるサポート費用等とは別に違約金として金 100 万円を支払うものとされて
います。
しかし,貴社の利益は本契約に基づくサポート費用等の支払いをもって確保されており,そ
のサポート費用等の支払いに加えて,さらに消費者に別途違約金 100 万円の支払いを義務づけ
ることは,消費者の義務を加重するものであり,信義則に反して消費者の利益を一方的に害す
るものというほかなく,少なくとも違約金 100 万円の支払いを義務づける範囲では,消費者契
約法第 10 条に基づいて無効であるというべきです。
したがって,申入れの趣旨記載のとおり求めます。
以上
3