情報端末の使用について中学校としての考え方

平成28年6月10日
保護者 様
情報端末でのトラブルを防ぐために
城北中学校長 小林芳裕
1
家では家族優先
家に帰ったら家族の一員。家族との時間を第一に考えてほしい。家に帰ってまでも情報端末を使って学
校でのつながりを持ちたがる(優先してしまう)ことは,必ずしも学校の仲間関係がうまくいっていると
いうわけではありません。今の関係がいつ崩れるかわからないから,家に帰ってからも情報端末で常に仲
間同士であることを確認しあっている=不安の方が大きいこともあります。LINEでの「既読無視」=
「読んだのに返事・書き込みを返さない」ことぐらいでイジメにつながってしまうのはまさにこの点の現
れです。仲間関係がうまくいっているなら,返事をかかないだけではイジメにはなりません。
また,直接対面していないので,発声して言うことができないようなことでも,思ったことをダイレク
トに書き込みできてしまう恐ろしさもあります。一時の自分の感情を書き込んだことで仲間が同調してく
れる=自分の感情を正当化できてしまうことで間違った思考回路が定着してしまいます。
仲間関係の維持にとって大切なのは,情報端末でつながっているという安心感ではなく,相手を信頼す
る気持ちです。相手を信頼していれば「さようなら」してから翌朝「おはよう」まで,話なんかしなくて
も平気なはずです。トラブルのない仲間関係を維持している人は情報端末に左右されません。
トラブルのない仲間関係を維持している人は情報端末に左右されません。
家庭では情報端末に頼っての外部との時間ではなく,家族との内部の時間を大切にしてほしい。
2
どのようなものかを大人が知る。
LINEやツイッター,フェイスブックなどを子どもに使わせる前に,大人が使ってみましょう。どん
な機能があって,どんな危険性があるかを大人が知った上で,使わせてよいか良くないかを判断したい。
仕事をする大人にとって便利な機能でも,善悪の判断基準が甘い子どもたちにとっては危険なツール
善悪の判断基準が甘い子どもたちにとっては危険なツールにな
善悪の判断基準が甘い子どもたちにとっては危険なツール
ってしまうこともあり得ます。また,利用規約を隅々までよく読む
利用規約を隅々までよく読むことも大切です。たとえばユーチュー
利用規約を隅々までよく読む
ブの利用規約には明確に年齢制限が記述されています。また,“無料になる代わりに,端末に保存されて
いる個人情報を収集させていただきます”のような記述がある場合もあります。
3
約束を作り守らせる
親の判断で,情報端末を子どもに使わせると決めたなら,正しく使わせるのは持たせた親の責任
正しく使わせるのは持たせた親の責任で,使
正しく使わせるのは持たせた親の責任
い方を必ず約束させましょう。約束は親からの一方的なものではなく子どもと一緒になって話し合って決
めてください。その際,あいまいなものではなく,数値などで具体的に判断しやすい約束にしましょう。
そして例外を認めないこと,時々子どもと一緒に守っているかを確認しましょう。
例:自分の部屋ではやらない。
4
トラブルは自己解決が基本
もし,情報端末を使ったトラブルが起きてしまったら,本人に責任を負わせましょう。情報端末は大人
情報端末は大人
のためのツールです。本来子どもには必要のないものです。それでも使いたいというのであれば,何かあ
のためのツールです。本来子どもには必要のないもの
ったら自分で責任をとってもらうことを十分理解させてからにしてください。それでもトラブルは起こっ
てしまうかもしれません。その時は必ず本人に責任を取らせてください。もちろん持たせた親にも責任は
あります。親子で一緒にトラブル解決に向けて全力で
親子で一緒にトラブル解決に向けて全力で取り組んでください。
親子で一緒にトラブル解決に向けて全力で取り組んでください。
万が一トラブルが起きてしまったら,その証拠(メールやチャットの文章や写真)を記録しておきまし
ょう。子どもは自分に不利なものは予め消してしまうこともあり得ますので,その記録が100%事実と
なることはないにしても,解決のためのひとつの情報になります。
5
スマホで撮った写真から簡単に住所が特定されます
携帯やスマホで撮った写真にはGPS情報が含まれます。自宅で撮影した写真をネット上に送信したり
SNSに掲載したことでストーカー被害にあうことはめずらしくありません。(特定のツールを使えば,
写真に埋め込まれているデータから簡単に住所を特定することができます)情報端末の仕組みや裏側のシ
ステムを知った上で,正しく安全に使う理性を養いたい。情報端末のシステムの仕組みを知れば知るほど
恐ろしくなるはずです。
6
情報端末は以下のことをクリアした人のみが利用できるツールです
・善悪の正しい判断ができ,いかなる時もそれを実行できる
・利用規約を読んで,内容を理解できる
・トラブルが起きたとき,自己解決できる(法的な責任能力がある)
・自分と同じように相手の個人情報も守る
・端末の向こう側には全世界に開放されていると意識する
以上のことから,
城北中学校では『中学生が個人的な情報端末を所持
『中学生が個人的な情報端末を所持・使用
『中学生が個人的な情報端末を所持・使用することは不要』
・使用することは不要』と考えます。
することは不要』
ただし,各家庭の事情によって保護者の判断で所持させることを制限するものではありませ
んが,所持させる場合は保護者の十分な監視の下,正しい使い方をさせるとともに,トラブ
ルが起きないように日頃からご家庭での継続的な指導をお願いします。