複写機・プリンタ用3層定着ベルト

昭 和 電 線 レ ビ ュ ー
新
製
品
紹
Vol. 53, No. 1 (2003)
59
介
複写機・プリンタ用 3 層定着ベルト
Fixing Belt Consisted of 3 Layers for Copier and Printer
ら懸濁重合や乳化重合による重合トナーが開発され,切替
1.概 要
えが進行しているが,上記定着ベルトは,これにも適合す
オフィスにも電子写真方式のフルカラー複写機・プリン
るものである。
タの普及が急速に進行中である。市場の要求として,画像
2.用 途
のテカリの低減,両面コピーへの対応,メンテナンスの容
易さ等に応えるため,これまでのカラー画像定着技術の主
電子写真方式の複写機・レーザープリンタの熱定着部品
流であったオイル塗布方式の定着システムからオイルレス
3.特 長
定着方式へ切替えが進行中である。
更には,電子写真方式の複写機・レーザープリンタが消
費するエネルギーの 60 %以上が,熱定着部で消費されると
いわれる中,この熱定着部を中心に省エネに向けた検討が
進んでいる。
(1) ウォーミングアップ時間の短縮が図れる
(2) 寸法精度が高く,均一な定着と用紙の安定走行が
可能
(3) 一体成形法により高耐久性を実現
各事務機器メーカーは,熱定着部の省エネ設計の一つで
あるウォームアップ時間短縮へのアプローチとして熱定着
(4) ポリイミドをベースとした 3 層定着ベルトは,弊
社独自の技術として特許取得済み
部品の一つである熱定着ローラの大幅な小熱容量化を図っ
ている。その究極の形態の一つとして,剛体である金属軸
を金属スリーブや耐熱性の薄い樹脂フィルムに置換え,弾
性層の厚さをこれまでの数 mm 単位から 0.1 mm 単位とし,
表 1 構造と代表寸法
トナー汚れを防ぐために設ける最外層のフッ素樹脂厚さを
数 10 μm としたものが 3 層定着ベルトである。
前段の,オイルレス複写機向けに,従来の粉砕トナーか
層
材料例
厚み例
基 層
ポリイミドスリープ
金属スリーブ
40 ∼ 90 μm
弾性層
シリコーンゴム
200 μm 以上
離型層
フッ素樹脂
20 ∼ 100 μm
外 径:φ 60 mm
長 さ: 325 mm
基 層:ポリイミド 70 μm
弾性層:低硬度シリコーンゴム 300 μm
離型層: PFA チューブ 30 μm
離型層
弾性層
基層
問合せ先:〒 105-8444
昭和電線電
東京都港区虎ノ門 1−1−18(東京虎ノ門ビル)
譁 精密デバイスユニット
営業課
図 1 定着ベルト構造図
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