臨床画像を用いた研究実施 - 医療法人友紘会 彩都友紘会病院

2014/12/25
受診者の皆様へ
Computed Tomography: CT の新たな撮像技術開発のための研究実施について
このたび,2014 年 12 月 19 日に開催されました彩都友紘会病院 倫理委員会にて過去の
Computed Tomography: CT の臨床画像を用いた以下の研究実施について承認を得,開始するこ
とになりました.過去の臨床画像を用いるにあたっては個人情報保護に充分注意し,また研究論
文等への臨床画像掲載時には完全な匿名化を実施します.
医療技術発展のためにご理解とご協力をお願いします.
研究課題名
サブトラクション Computed Tomography Angiography におけるマスク像撮影管電圧のミスレジストレ
ーション発生量への影響に関する検討
研究代表者
氏名
職名
所属
福西康修
診療放射線技師
医療法人友紘会 彩都友紘会病院
共同研究者(
共同研究者(研究分担者)
研究分担者)
氏名
職名
所属
中谷香澄
診療放射線技師
東海大学医学部附属病院
研究の
研究の目的
サブトラクション CTA においてマスク像撮影管電圧とミスレジストレーション発生量の関係を過去の
撮影画像を使用してレトロスペクティブに解析し,最適なマスク撮影管電圧を調査する.
研究の
研究の対象
開院(2007)以来,彩都友紘会病院の CT 装置で撮影された CTA の画像で,撮影管電圧を変更し
た症例画像(50 症例)
期待できる
期待できる成果
できる成果
サブトラクション CTA は,内頸動脈のように血管と骨部が隣接していて血管内の造影剤と骨部の
CT 値が近いために分離するのが困難な部分でも,骨部の除去に非常に有効な撮影法である.し
かし,サブトラクション法の問題点として,ベッドを移動させながら撮影することによるベッドの移動
精度による位置ずれや,マスク像とライブ像の X 線管球軌道の不一致,マスク像を撮影した直後に
ライブ像を撮影することによる焦点サイズの膨張がある.さらに,造影剤注入時の熱感による体動
や,呼吸による体動など,撮影者が念入りに説明や固定を行っても造影前後で完全に同一な環境
で撮影することは非常に難しい.これらが原因となり発生するミスレジストレーションを,通常はワー
クステーションを用いて消去するが,血管と骨部が隣接している部分では非常に難しく,またワーク
ステーションでは多種多様な処理が可能であることから作成者の違いによる画像の違いも生じる.
しかし,本手法は撮影時に管電圧を変えるという工夫をするだけで,診断可能な VR 画像に仕上げ
るための所要時間を大幅に短縮し,ワークステーションを使用することなく CT 装置本体のみでミス
レジストレーションが少ないサブトラクション画像ができるため,あらゆる施設で実践するこができる
と推測される.