資料 - JWPA 一般社団法人日本風力発電協会

風力発電を対象とした
環境影響評価制度に関して
2010年10月29日
一般社団法人 日本風力発電協会
http://jwpa.jp/
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一般社団法人 日本風力発電協会(JWPA)
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沿革
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2001年12月17日:任意団体設立
2005年 7月 4日:有限責任中間法人設立
2009年 5月27日:一般社団法人へ移行
2010年 4月 1日:風力発電事業者懇話会と合併
会員構成
– 風力発電に係る全ての業種 183社(2010年10月20日現在)
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風力発電事業者、風車メーカー、風車代理店、部品メーカー
土木建築、電気工事、輸送建設、メンテナンス、コンサルタントなど
– 国内風力発電設備容量の約80%を会員企業でカバー
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組織
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日本と世界の風力発電導入実績
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アメリカ、中国の導入量が急増
2005年時点で日本より下位であったフランス、ポルトガル、カナダも増加
日本は、世界第13位(約1.6%)で1位アメリカの約1/13
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風力発電の導入意義-1

環境保全
– 地球温暖化対策
– 低炭素社会の実現
火力(石炭)
864
火力( 石油)
695
火力( LNG/汽力)
476
火力( LNG/複合)
エネルギーの安定供給
123
376
原子力
20
水力( 中規模ダム水路式)
11
地 熱
13
98
設備・ 運用
燃料
太陽光
38
風 力
25
0

79
43
200
400
600
LC‐CO2排出量 [g‐Co2/kWh]
800
1,000
出典:今村・長野(2010)電力中央研究所報告
各資源の確認可採埋蔵量と利用可能な年数
(エネルギーセキュリティー)
– エネルギー政策の強化
– 戦略的な資源・エネルギー外交
– 石油・天然ガスの安定供給
11,886億バーレル=40年間
石油
180兆m3 =66年間
天然ガス
9,091億トン=164年間
石炭
0
50
100
150
200
(年)
出典:経済産業省資源エネルギー庁「日本のエネルギー2006」
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風力発電の導入意義-2

経済成長

– 産業育成
– 雇用促進
– 技術開発
風車生産は既に「兆円産業」
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風車生産は世界で約5.8兆円/年 (2009年時点)
日本企業は世界シェア3%≒約1.7千億円/年
部品産業も含めると、約5千億円/年
成長率は+30%/年(5年で3.7倍、10年で13.8倍)
日本からの風車輸出も急増中。
出典:財務省貿易統計

風車工業の特長
風車は約2万点の部品による組立て産業
(参考:ガソリン車は3万点、電気自動車は1万点)
 日本の「ものづくり」の能力が活きる。
 特に機械部品は自動車の下請企業と重なる。


歯車
大型軸受
風車による雇用確保
□
□
日本では、風車メーカの直接雇用は1千人以上、
部品メーカも含めると約1万人の雇用がある。
今後、風力発電の導入促進に伴って雇用が拡大
する。
5
風力発電の導入フロー

東京、中部、関西以外は、抽選または入札で系統連系候補者を決定
出典: NEDO風力発電
導入ガイドブック
(改訂第9版)に加筆
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環境影響評価法への懸念

迅速な風力発電の導入促進への影響
– 手続き完了までの期間の長期化
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
NEDOマニュアルおよび【風力発電の環境影響評価規程】:14~21ヶ月
条例アセス:24~36ヶ月
法令アセス:36ヶ月以上?
事業の実現性が不透明な段階での調査費増加
– 風況精査⇒事業性評価(事業性ありの場合は、基本設計、環境影響評価の実施)
– 基本設計結果に基づく事業性評価(事業性なしの場合は、事業中止)
– 電力会社の抽選⇒当選⇒連系協議実施(落選の場合は、事業延期または中止)
– 連系協議結果に基づく事業性評価(事業性なしの場合は、事業中止)
– 補助金申請⇒交付決定(不採択の場合は、事業延期または中止)


火力、水力:事業費100億円以上・・アセス費用:事業費の 1%未満
大規模風力:事業費約100億円・・ ・アセス費用:事業費の 1%以上
(条例アセス実施事例)
– 参考:NEDOマニュアルによる大規模風力・・事業費の0.2%程度
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環境保全に向けて(JWPAの取り組み)
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風力発電環境影響評価規程(JWPA自主規制)を策定中
– 背景
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

殆ど全ての事業者は、NEDO発行の『風力発電のための環境影響評価マニ
ュアル』または地方公共団体の条例に基づき環境影響評価を実施している。
2010年3月末現在:401風力発電所、 1683台の風車が稼動中である。
2009年3月末時点で、環境影響評価を実施していなかったのは、1万kW未満
の2発電所のみである。(出典:環境影響評価制度総合研究会報告書資料編 資料30
環境影響評価等の実施状況:平成21年7月30日)

一方、NEDOマニュアルによる場合でも、一部不明確な記述により事業者の
解釈差がみられる。
– 目的

自主規制の実施徹底により、現在の状況改善を図る。
– JWPAは、風力発電団体による自主規制ルールを広く公開し、事業者に対して
風力発電団体として指導を行うと共に、必要に応じて改善するように指示する。
– 自主規制の基本方針



アセス実施方法・内容・手順などの明確化(事業者の解釈を統一)
地域住民とのコミュニケーション徹底(事前の案内と意見聴取方法の改善)
有識者の選考方法改善(公平性の担保)
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環境影響評価法への要望-1
規模要件

– 風力発電の特徴を十分に加味して、規模要件を設定していただきたい。



大気や地下水への影響を与えない
実際に土地改変を要する面積は、敷地面積の約1/20
他発電設備の規模要件をベースにする場合
⇒火力発電所と同じく15万kW以上 (参考:水力3万kW、地熱1万kW)
– 上記規模要件未満の風力については、風力業界が定める自主規制で対応するものとする。
– 上記規模要件未満でも該当自治体に環境影響評価についての条例があり、対象となる風力発
電所の規模がこれに該当する場合は、その条例に基づき調査を行うものとする
評価項目と参考項目

– 地域特性などに応じて「参考項目」から絞り込む「評価項目」として、以下
の3項目は必須と考えていますが、環境影響が極めて軽微もしくは影響を
与えない項目は、参考項目に含めないでいただきたい。

評価項目
– 騒音
– 動物、植物、生態系
– 景観
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環境影響評価法への要望-2

調査が着手されている既存案件への対応
– 従来のNEDOマニュアルに沿っていると判断され、現在進行中の以下の
案件は、みなし措置をご配慮いただきたい。




自治体が自主アセスの方法書・環境影響評価書を受領している案件
補助金が交付されている案件
条例アセスとして審議が開始されている案件
細目の明確化
– 専門家との十分な検討を踏まえて、技術指針の中で細目を明確にして
いただいた上での施行を、お願いしたい。


平成18年改正(法律第92号)、平成19年6月20日に施行された建築基準法
の変更は、専門家との事前協議が不十分で「時刻歴応答解析工作物評価
業務方法書」の公表が大幅に遅れたため、全風力発電事業の大幅遅延を
招き、巨額なコスト負担を強いられる事になった。
今回の法改正により、風力発電事業の工程、コストに影響がないよう、ご配
慮いただきたい。
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実施事例:騒音-1

騒音予測結果と環境基準との比較による評価を実施。
– 一部の事業において、地域住民への説
明不足などに起因し、心理面などを含み
風車が受け入れられ難くなっている
⇒自主規制の実施で改善を図る

事後の説明責任
– ほとんどの事業では、事後の説明を実施
– 苦情が寄せられた事業では、説明責任を
果たすことや、家屋側あるいは風車側の
対策を行うことにより、苦情者が納得する
形にて解決が図られてきた
:等騒音レベル線(年平均風速:7m/s)
:等騒音レベル線(定格風速:12m/s)
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実施事例:騒音-2

課題に関する今までの反省も踏まえた事前対策
– 風車の配置を計画する際に、地形による騒音の伝搬状況を考慮する。
– 合成騒音レベルは環境基準値を超えていないものの、暗騒音レベルが
小さい地域では住民に対してきめ細かな説明を行う。

予期せぬ苦情が発生した場合の事後対策
– 説明責任の実施
– 実施済み、研究・開発中の発生源(風車側)対策例
低騒音型冷却ファンの適用
吸排気口の形状変更
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実施事例:動植物(鳥類)-1

文献調査結果・地元有識者などにより、鳥類への影響が危惧さ
れた場合は事前調査と事後調査を実施。
– 風車の建設前後において渡り鳥の飛翔ルートに変化が認められ、風車を避けて飛翔する
様子が確認されている。(伊方)
– 風車の建設後においても、風車を避けながら建設前と同様に飛翔している様子が確認され
ている。(磐田)
風車設置前
静岡県磐田市
愛媛県伊方町
風車設置後
風車位置
13
実施事例:動植物(鳥類)-2

様々な衝突防止策の検討・実施。
電動の案山子を設置し、鳥の接
近を回避させる。
鳥類が風車に近づかないように鳥避
けテープを設置する。
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実施事例:景観

景観への影響が危惧された場合はフォトモンタージュなどを
作成し、地域住民への説明を実施。
– 一般的に、稜線は好風況
– 主要な眺望点の定義の明確化
現況
当初計画850kW×10基案
モンタージュ
計画変更1,700kW×5基案
(愛知県田原市)
(熊本県小国町)
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まとめ

環境影響評価法への懸念事項
– 手続き完了までに要する期間の長期化と費用の増加

これまでのJWPAの取り組み
– NEDOマニュアルによるアセスの実施と自主規制への展開

環境影響評価法への要望
– 規模要件、評価項目、既存案件のみなし措置、細目の明確化
風力発電の幅広い認知に向けた努力
環境性・経済性などに優れた風力発電の導入促進のために、
環境との調和を図って、風力発電が国民に広く認知していだく
ように努める。
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地域との融和-1
東京都江東区 若洲公園
2008年4月30日:福島新報
青森県六ヶ所村
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地域との融和-2
北海道留萌市: 風車が景観にマッチ
しているとブログで度々紹介され、地
元でも景観が親しまれている。
山形県庄内町: 風車による町おこしで、
NHKのプロジェクトXでも取り上げられ、
全国的にも有名である。
秋田県秋田市: 平成14年10月秋田市
主催第18回「市民が選ぶ都市景観賞」を
受賞。
茨城県神栖市: 教育実習、ドラマのロケ
地、音楽のビデオクリップに良く利用され
ている。
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