農山村地域における地域活動の現状とコミュニティ維持に向けた検討

農山村地域における地域活動の現状とコミュニティ維持に向けた検討
-大分市竹中校区における居住意向及び他住民の受け入れ意識をふまえて-
李
相
侖
An analysis on Future Sustainable Communities Based on Self-help Activities and
Residence/Settlement Intention in Mountainous Area
at Oita city, Japan
Sangyoon Lee
キーワード 農山村地域,地域活動,居住意向,他住民の受け入れ意識
Ⅰ
序論
少子化による若年人口の減少や平均寿命の延伸による高齢者の増加は,人口構造の変化
に伴う地域社会へ影響をもたらしている.特に農山村地域では,その基幹産業である農林
業の衰退と,次世代の都市地域への流出の進行等による過疎化・高齢化が進み,都市と農
山村地域における地域間格差の拡大が懸念されている.それに伴い,地域社会の維持に支
障が生じる可能性のある地域は増加し,2003 年のデータによると人口の減少と財政力の低
下によって定義される過疎地域 1 は,全国の市町村の約 4 割に達し, 3 年前に比べで増加
傾向であることが報告された(総務省,2003)
.また,国土交通省の「過疎地域等における
集落の状況に関するアンケート調査」
(2006)によると,65 歳以上の高齢者が半分以上を占
める集落は 7,878 集落(12.7%)であり,そのうち 10 年以内に消滅の可能性のある集落が
423 集落,
「いずれ消滅」する可能性のある集落が 2,220 集落,合わせて 2,643 集落であるこ
とが報告された.このような消滅可能性のある集落の特徴として,集落規模の小ささ,高
齢化の進行,そして山間地域に多いことが指摘されている(国土交通省, 2006)
.
農山村地域においては,水道や道路などの生活環境(インフラ)の維持のため,住民の
共同作業による管理が必要な場所が多いが,集落機能の低下により地域での共同作業,ひ
いては冠婚葬祭など社会的共同生活の困難な地域が増加している.また,高齢者人口の増
加につれ,一人暮らし高齢者の支援など様々な課題があげられている.このような地域の
課題における担い手を探るためには,現在,地域における活動の実態や,地域住民が何を
必要としているかを把握することが重要である.それと同時に,消滅や衰退化など集落単
位で大きな格差が生じる可能性があり,集落によって異なる現状や課題を把握する必要が
ある.
国土交通省の調査(2008)によると,人口減少と高齢化が進んだ集落に居住する住民の
1
約 9 割は,将来も移転せずに住み続ける意向を持っているとされている.地域での生活を
支援するため,近年,地域活動の担い手としてボランティアを推進する事業や定住住民の
増加における事業が多くみられるようになった.農山村地域と都市地域における大きな違
いとして,近所づきあいの強さが言われているが,Portes(1998)の研究によると,つきあ
いの強いグループは集団内の結束のために,自分ら以外の他グループ,集団外の人に対し,
排他的である可能性が指摘されている.このように二律背反的な性格を持つ農山村地域に
おいて,地域住民の外部からの住民の流入に関する意識について現状を把握することは,
今後,農山間地域における各種事業を進めていくために重要である.
本研究は,高齢化率 5 割弱である大分市内の農山村地域である竹中校区と上戸次校区の
一部地域を対象とし,
1 地域住民による、自助を中心とした地域活動の現状と課題
2 地域住民の居住意識や他住民の受け入れ意識の把握と,性別,年齢別,地域別によ
る把握
について検討することを目的とした.
Ⅱ 方法
1
対象地域
大分市役所と竹中校区の管轄支所である大南支所でのヒアリングを行い,高齢化が進ん
でいる農山村地区である竹中校区を選定した.行政上の校区の区域と自治会組織の活動上
の区域に相違があったため,本調査では竹中校区と上戸次校区の一部地域の 18 町(以下,
自治区という)を「竹中校区 2」とし,調査対象地域とした.なお,大字竹中の 5 自治区を
はたのぼり
「竹中地区」
,大字河原内と大字安藤の 7 自治区を「河原内地区」
,大字端 登 の 6 自治区を
「端登地区」とここでは呼ぶことにする.
竹中校区は市内中心部から約 10~15km 南に位置し,大野川沿いの狭い平地と山間部から
なる.集落は校区内に点在しており,道が険しいところも多い.公共交通機関としては,
鉄道は竹中・端登地区に豊肥本線が走り,端登地区に駅はあるものの地区の中心からは離
れており,河原内地区の中心までは車で約 40 分を要する.また,校区内を走る路線バスは
廃止され,現在はふれあいタクシーが唯一の公共交通機関となっている.公共施設は河原
内,端登地区には病院,学校などはなく,3 地区とも商店はほとんどない.
調査実施の 2009 年 8 月時点での世帯数および人口構成を【表 1】に示す.竹中校区の総
人口は 1,798 名,高齢化率は 46.1%である.地区別の高齢化率は竹中地区 46.3%,河原内地
区 51.8%,端登地区 41.5%である.自治区別でみると,高齢化率が 5 割を超えた自治区は 6
か所で,世帯数が 10 以下の自治区は 3 か所である(大分市人口統計,2009)
.
2
表 1.竹中校区の世帯数および人口構成
世帯数
人口合計
(人)
人口構成(人)
15才未満
15~64才
割合(%)
65才以上
15才未満
15~64才
65才以上
0.0
43.8
56.3
黒岩
6
16
0
7
9
樫原
13
33
1
18
14
3.0
54.5
42.4
4
8
0
2
6
0.0
25.0
75.0
黒仁田
河 高城
原
内 中野
中無礼
弓立
小計
48
107
3
52
52
2.8
48.6
48.6
34
79
6
39
34
7.6
49.4
43.0
28
56
0
22
34
0.0
39.3
60.7
16
41
2
12
27
4.9
29.3
65.9
149
340
12
152
176
3.5
44.7
51.8
上竹中
250
388
1
133
254
0.3
34.3
65.5
上冬田
48
142
19
79
44
13.4
55.6
31.0
竹 下竹中
中 中竹中
52
146
28
82
36
19.2
56.2
24.7
63
150
9
78
63
6.0
52.0
42.0
冬田
小計
68
160
11
89
60
6.9
55.6
37.5
481
986
68
461
457
6.9
46.8
46.3
32
79
8
45
26
10.1
57.0
32.9
河原
佐渡川
9
29
7
15
7
24.1
51.7
24.1
伊与床
33
72
2
37
33
2.8
51.4
45.8
47
111
9
59
43
8.1
53.2
38.7
舟戸
50
97
3
41
53
3.1
42.3
54.6
端
花香
登
岩上
31
84
1
49
34
1.2
58.3
40.5
小計
202
472
30
246
196
6.4
52.1
41.5
校区総計
832
1798
110
859
829
6.1
47.8
46.1
大分市HPの人口データの年齢別人口・世帯数(2009年8月末日)をもとに作成.
2
調査対象と方法
1) インタビュー調査
質問紙を用いたアンケート調査を行う前段階として,調査地域や調査対象者における予
備的知識を得るため,自治会を通じ,地域の活動に関わっている住民を対象としたグルー
プインタビューを行った.調査期間は 2009 年 5 月 7~11 日で,3 地区の公民館で 1 回ずつ
実施した.口頭で了解を得た後に録音し,逐語録を作成し分析を行った.インタビューの
参加者は各回 11~17 名,60 歳代が半数以上で,インタビュー時間は平均 78.3 分であった.
2) アンケート調査
住民基本台帳により竹中校区居住者のうち 20 歳以上の在宅男女 1,481 名を対象とし,自
記式調査票による全数調査を行った.8 月 5~7 日の 3 日間に渡り,3 地区の自治会員の協
力を得て直接配布した.回収期限は 9 月 5 日であり,地理的な不便性を考慮し直接訪問も
しくは郵送による回収とした.訪問時,配布できなかった人は 47 名であり,その内訳は,
理由不明(26 名)
,不在・拒否(11 名),入居・転居(6 名),死亡等であった.
分析方法としては SPSS による統計手法を用い,名義尺度は χ 2 検定,順位尺度にはウィ
3
ルコクスンの順位和検定,そして間隔尺度の検定はt検定を行った.
3
調査項目
1) インタビュー調査
地域で行われている活動や地域組織,買い物や通院など日常生活上の移動手段,地域に
居住する高齢者への支援活動,地域の課題などについて,半構造化したインタビューを実
施した.
2) アンケート調査
① 居住意向:将来,竹中校区に住み続けたいかどうかについて「できるだけ竹中校区の今
の家(場所)に住み続けたい」
「竹中校区内でもう少し便利な家(場所)に転居したい」
「子
どもの家またはその近くに転居したい」「老人ホームや高齢者用マンションに転居したい」
「便利な中心部に転居したい」
「その他」
「分からない」の 7 つのカテゴリーで質問した.
性,年齢,地区の検討の際には,
「住み続けたい」
「転居したい」の 2 群に分け,検討を行
った.
② 他住民の受け入れ意識:居住する地域に竹中校区以外の方の転入,来訪が増えることに
ついてどのように考えているかを質問した.「校区住民の子や孫などか戻る」
「子育て世帯
など若い世代が転入する」
「校区外から様々な世代が転入する」
「校区外の人が一時的に来
て趣味,スポーツなどの活動を行う」
「校区外の人が一時的に来てボランティア活動を行う」
の 5 つの質問に対し,
「歓迎する」~「歓迎しない」まで 5 段階を設定した.性,年齢,地
区の検討の際には,
「歓迎する」
「どちらともいえない」
「歓迎しない」の 3 群に分け,検討
を行った.
③ 個人属性:年齢は連続変数や「20~44 歳」
「45~64 歳」
「65~74 歳」
,
「75 歳以上」の 4
つに分け,性別は「男性」0,
「女性」1を与えた.地域は行政区分に応じ「竹中地区」,
「端
登地区」
,
「河原内地区」の 3 カテゴリーに分類した.集落の規模による検討を行うため,
2009 年 8 月基準の 18 の自治区の世帯数を調べ,校区全体の平均値を求めた.農林水産省の
小規模・高齢化集落支援モデル事業によると,農家戸数 19 戸以下としているが,小規模集
落における定まった定義はない.そこで,本稿では校区全体の平均世帯数を算出し,平均
46.2 世帯以下を「平均世帯数以下集落」
,平均超を「平均世帯数超集落」と操作的に定義し,
2 群に分類した.
4
倫理的配慮
インタビュー調査においては,事前に市役所と自治会に調査の目的と趣旨の説明を行
い,協力を求めた.インタビュー結果の示し方として,インタビュー時には実名であった
固有名詞を本論文では記号化した.
アンケート調査においては配布するにあたり,自治委員を対象として説明会を実施し,
4
調査の背景および目的について説明した.調査対象者に対しては,説明文とアンケート票
を配布した.
5
結果
1) インタビュー調査
各地区におけるインタビュー内容からみられた課題や対応に関し,まとめたものを【ス
キーム 1】に示す.インタビュー内容に関してはゴシック体で記載し,発言者の参加したイ
ンタビュー地区名と性別,所属団体が分かる場合は地域での活動している所属について記
した.
各地区共通の問題として,地域の高齢化と若年世代の流出による維持困難な組織が発生
し,地域活動の担い手が不足する状況であった.また,生活に関わる簡易水道や道路の維
持管理の困難化,日常の移動手段の問題,耕作放棄地の増加が挙げられた.
婦人会ですが,聞くところによりますと,河原内地区のなかで婦人会組織としてあるのは,A 自治区だけだ
そうです.A 自治区も年々会員数が減少しましてね,…70 歳になると自動的に老人会に加入するシステムに
なっている.そうすると,みんな歳をとっていきます,かといってその後婦人会員になる方がいないのです.
人がいないのです.だから婦人会として組織だった活動はできない状況になっているんですね.昔は地区の
行事とかやっておりましたが,それが不可能になりまして,5,6年前には敬老会自体も地区の方にお世話を
していただくように返上いたしました(河原内地区,女,婦人会).
もうそろそろ人数がいなくなってきてますね.…高年齢者ばかりだから,草を切るのも難しいし,健康のた
めに年に 1 回タンクの中を検査しますけど,それも危なくなっている(河原内地区,男,自治委員,消防団).
B 自治区では,2 キロくらいの距離を地元住民が年 2 回草刈りしているが,あと 5 年もすると維持できない
のではないかと思う(端登地区,男,自治委員).
地域に住んでいる一人暮らし高齢者への支援としては,近所や民生委員による定期的な
見守り活動,そして配食や昼食会があった.活動参加者の高齢化と人数の不足から,地区
内や地区間の組織で連携を行い,活動を継続していた.
(見守りのための)訪問が主な仕事ですね.・・・地区の行事は社協やボランティアと一体となって行っていま
す.ふれあい昼食会とかお年寄りへの配食,婦人の会もボランティアも民生委員も一緒に.(竹中地区,男,
自治委員)
「ふれあい昼食会」1 月末に一人暮らしの方を公民館にお招きして(3 地区一緒に:筆者注)お昼ご飯を差し
上げるんです.70 歳以上全てを対象にした「いきいきサロン」はここと河原内地区の2ヶ所が一緒に,それと
端登地区の3ヶ所でしていますね. (竹中地区,男)
バスはないし…交通は民生委員や自治委員の方に協力していただいています.(竹中地区,女)
5
行政による支援としては,送迎関連の「ふれあいタクシー」
,道路管理,補助事業金等が
あげられていた.「ふれあいタクシー」は自動車を運転しない人の買い物や通院のために,
市で実施されている事業であり,2 人以上の利用者がいる場合に前日まで予約をすれば利用
可能である.週 2 回(月・木)
,午前午後 1 回ずつ運行しており,最寄りのバス停まで送迎
を行っている.
地域内や行政以外の支援として,竹中校区出身の他地域で居住する子(以下、他出子)
による手伝いやボランティア活動者の訪問があった.道路整備や駐車場の不足問題,ボラ
ンティア活動者の訪問による問題や活動への不満が見られた.
C 自治区では,倒れた木を切る作業したが,とても暑くて大変だった.法面だから足場が悪く大変.地区の
住民と,市内に住んでいる若い人が 3 人くらい戻ってきてやってくれた.(端登地区,男,自治委員)
ボランティアも結局,交通路,道がないと来れんのです.山の中の狭い道を通ってきても山の斜面にある
道を中心に両サイドに家があって暮らせるところはまず駐車場がないんです.その車が上がってきて,そん
な狭い道を渋滞を起こしたら通れません.山の斜面に普段,平地を歩いている人が来ても何もできません.
下手すると怪我するだけです(河原内地区,男,自治委員,消防団).
3 地区それぞれの現状について質問したところ,竹中地区では子育て支援のための市営住
宅に 10 世帯が入居し,子ども祭囃子等で地域活動が活性化してきたこと,河原内地区では
活性化事業として設置されたプール等に来る他地域の者によるゴミの不法投棄に困ってい
ること,端登地区では他出子を核に地域外在住者が地域の青年団活動を担っていることが
明らかになった.
去年から…収穫祭をしようということで,年寄りが多いんですが,若い人が入ってきて地域が非常に明るく
なった.我々の世代60後半で主体となって無理をしない程度にいろんな事業をやって,それは非常に喜ば
れています.特に,お祭りを私たちが復興して27年ぐらいになるんですが,子どもの祭囃子というのがです
ね,…過去最高の賑わいで,…そういう意味では,よくなった.明るくなったと思っています.(竹中地区,男,
自治会員).
(陶芸館とプールができましたけど)経済的な利益はないが,地元に迷惑はかかっている.幅が狭いでしょ,
車がどんどんつっこんでくるです(河原内地区,男)
むしろ迷惑ですね.例えば,ゴミだとか,紙おむつだとかその辺にポンポン捨てている.それに空き瓶空き
缶,そんなのも平気で川や山に捨てている(河原内地区,女,婦人会).
お祭りに参加したり,県道のゴミ,草木拾い,木の手入れ,カーブのところに木があれば木を切ったりとか
の行事をさせてもらいながら.青年団といいながら,地元に住んでいる人は1割程度しかいません(端登地
区,男,青年団).
地域を維持するために,外部からの訪問,転入が必要である意見がみられた.他住民の
6
訪問における意見では地区によって差がみられ,市街化調整区域であることを原因とする
問題も指摘された.
外から人が来てもよいと思う.遊休農地を活用してくれる人が来てくれれば(端登地区,男,自治委員).
(他地域からの訪問で:筆者注)一時的な賑わいはあるかもしれませんけど,生活している住民からしてみ
ると,被害的な部分の方が大きいということ(河原内地区,男).
草きりを手伝ってくれるとか,地区でいろいろと飲み水も水道がきていませんから,水道をひねると確かに
水は出ますけど,自分たちで湧き水をタンクに溜めてモーターを回す,そういう仕事なんですけど,そういう
事も全部請け負ってくれる,家の中の生活レベルに馴染んでくれるか・・・それは多分無理だろう.外からくる
と(河原内地区,男,自治会員,消防団).
建築許可の問題もあるんですよ.ここが市街地調整区域であるということが非常に大きいんですよ.土地
はいっぱい空いているんだけど,家を勝手に建てられないという大変な問題がある(竹中地区,男)
スキーム 1.地域活動の現状,およびコミュニティの実態と課題
一人ぐらし高齢者の生活不安
交通手段の乏しさ
化に水道や道路の維持管理困難
運転をしない者の移動困難
伝統行事の維持困難
耕作放棄地
住民による活動・支援
行政による活動・支援
近所・民生委員等による見守り
ふれあいタクシー
地域住民による簡易水道の清掃、草刈り
基盤助成金
地区内、地区間の地域活動を行う組織間の連携による活動
担い手の不足
地域組織の維持困難
流入人口
地域外からのボランティア
定住人口:市営住宅による新住民の流入(竹中)
補助事業金
交流人口:地域活性化施設(河原内)、
他出子を核とした青年団(端登)
他地域住民の受け入れに対する意識の違い
課題
市街化調整地域による住宅建築の制限
対応
7
アンケート調査
2)
表 2. 調査対象者の特徴
配布実数 1,434 名のうち,有効回答
n
%
男
435
43.9
女
557
56.1
44歳以下
151
15.4
中地区が 47.1%,端登地区 33.4%,河
45-64歳
354
36.1
原内地区 19.5%であり,世帯数からみ
65-74歳
196
20.0
ると平均値 46.2 世帯以下の地域は
75歳以上
279
28.5
竹中地区
477
47.1
で最も多く,75 歳以上 28.5%,65~
河原内地区
197
19.5
74 歳 20.0%で,平均年齢は 62.2 歳で
端登地区
338
33.4
平均46.2以下
363
35.6
平均46.2超
658
64.4
者は 1,022 名(71.3%)であった.調
性
査対象者の特徴を【表 2】に示す.対
象者は男性が 43.9%,地区別には竹
35.6%であった.
年齢は 45-64 歳 36.1%
あった.
年齢階級
居住地域
世帯数
将来の居住意向に関し,
「できるだけ竹中校区の今の家(場所)に住み続けたい」が 70.7%
で最も多く,次いで「便利な中心部に転居したい」が 11.3%で多くみられた.住み続けたい
かどうかを 2 群に分け,性,年齢,地域別に検討してみた.その結果,転居したいと思っ
ている人は男性より女性で(p<0.001)
,年齢が若く(p<0.001)
,端登地区で(p=0.004)多
くみられた.世帯数でみると,平均世帯数以上の自治区のほど今の地域に住み続けたいと
答えた人が多くみられた(p=0.005)【表 3】
.
表 3. 住み続けたいかどうかにおける性,年齢,地域,世帯数による検討
住み続けたい
転居したい
p
性
年齢
居住地域
世帯数
n
%
n
%
男
338
90.4
36
9.6
女
379
78.3
105
21.7
(64.6
16.1)
(54.3
18.1)
0.000
竹中地区
365
87.5
52
12.5
0.004
河原内地区
147
85.0
26
15.0
端登地区
223
78.2
62
21.8
平均46.2以下
243
78.6
66
21.4
平均46.2超
496
86.3
79
13.7
(m SD)
8
0.000
0.005
他住民の受け入れについては,項目別の「歓迎する」
「どちらかと言うと歓迎する」をみ
ると,どの項目も歓迎する割合が高かった.項目の内容として,
「校区住民の子や孫が戻る
(なら歓迎する)
」が 91.2%で最も多く,次いで「子育て世代等若い世代が転入する(なら
歓迎する)
」が 86.0%,
「様々な世代が転入する(なら歓迎する)
」が 67.3%で多くみられた
【表 4】
.
表 4.他住民の受け入れ意識に関する回答分布
歓迎する
(%)
どちらかといえば どちらとも どちらかといえば
歓迎しない
歓迎する
いえない
歓迎しない
住民の子や孫が戻る
79.6
11.6
7.6
0.5
0.6
若い世代が転入
67.1
18.9
11.7
1.3
1.0
様々な世代が転入
47.3
20.0
26.2
4.2
2.4
ボランティア等のための
訪問
35.8
24.7
33.4
2.7
3.4
趣味等のための訪問
31.2
26.4
31.7
5.5
5.2
各項目において性,年齢,地域別にみると,性別では統計的有意な差は見られなかった.
年齢でみると,
「住民の子や孫が戻る」
「若い世代が転入」に関し,どちらとも言えない人
より歓迎する人ほど高齢の傾向があった(それぞれ,歓迎する 61.6 歳>どちらともいえない
56.0 歳,p=0.036;60.7 歳>56.0 歳,p=0.036)
.
「趣味などのための訪問」に関しては,歓迎
しないと答えた人より歓迎すると答えた人ほど若い傾向が見られた(歓迎する 58.7 歳>歓迎
しない 63.8 歳,p=0.048)
.
「ボランティア等のための訪問」に関しては,歓迎しない人より
歓迎する,またはどちらともいえない人ほど若い傾向があった(歓迎しない 67.9 歳>どちら
ともいえない 59.5 歳,p=0.009;歓迎しない 67.9 歳>歓迎する 59.0 歳,p=0.003)
.
地域別の検討を行った結果,
「趣味等のための訪問」では地域差がみられ,他の地区に比
べ竹中地区で歓迎と答えた人が多くみられた(p<0.001)
.世帯数を用いた検討では,
「様々
な世代が転入」
「趣味等のための訪問」で,平均世帯数以上の自治区の方が歓迎する傾向が
みられた(それぞれ p=0.036,p=0.001)
【表 5】
.
9
表5. 性,年齢,居住地域,世帯数を用いた他住民の受け入れ意識の検討
住民の子や孫が戻る
どちらとも
歓迎しない
いえない
性
男
1.0
女
年齢
m
a
居住地域
世帯数
9.4
若い世代が転入
p
歓迎する
89.6
どちらとも
歓迎しない
いえない
0.209
3.1
世帯数
どちらとも
いえない
歓迎する
85.1
0.402
6.7
24.2
69.1
6.5
28.1
65.4
61.9
59.9
59.8
6.4
92.2
1.7
12.0
86.2
56.0
61.6
1>2*
65.8
56.0
60.7
1>2*
0.098
0.663
竹中地区
0.5
7.4
92.1
1.7
11.5
86.8
5.3
24.0
70.6
河原内地区
0.6
7.5
91.9
3.7
12.3
84.0
6.6
29.6
63.8
端登地区
2.6
7.2
90.2
2.5
11.0
86.6
8.6
27.0
64.4
平均46.2以下
2.4
6.4
91.1
平均46.2超
0.5
8.3
91.2
0.886
3.7
11.4
84.9
1.6
11.9
86.5
どちらとも
いえない
歓迎する
6.0
31.9
62.1
女
5.4
35.2
59.4
67.9
59.5
59.0
4.9
33.8
61.3
m
竹中地区
0.451
8.3
29.1
62.6
5.7
24.8
69.5
趣味等のため訪問
p
男
a
居住地域
11.7
p
歓迎しない
歓迎する
1.4
歓迎しない
年齢
様々な世代が転入
p
67.9
ボランティア等のため訪問
性
(%)
歓迎しない
0.591
どちらとも
いえない
p
歓迎する
9.2
31.9
58.9
11.3
31.8
56.9
1<3*, 2<3*
63.8
59.8
58.7
1<3*
0.683
7.9
26.6
65.5
0.000
河原内地区
5.3
33.6
61.2
15.1
36.2
48.7
端登地区
7.6
32.4
59.9
12.0
36.7
51.4
平均46.2以下
7.2
31.2
61.6
14.1
36.2
49.6
平均46.2超
5.5
34.6
59.9
9.0
29.4
61.6
0.796
0.606
0.001
a: 1 歓迎する, 2 どちらともいえない, 3 歓迎しない.
*p< .05
Ⅲ
考察
1) インタビューとアンケート調査結果からみた 3 地区別の課題と意識について
インタビューの結果から,地域における多くの課題は 3 地区共通であり,地域活動の担
い手不足の解消のために,3 つの各地区内または地区間組織の連携が行われていた.しかし,
地区内の連携だけでは地域活動の担い手が足りず,他地域からのボランティアの受け入れ
に関しても 3 地区共通して行われていた.地区別の相違点として,竹中地区では市営住宅
の建設により地域活動の活性化ができたこと,河原内地区では地区内の施設への訪問者に
よるゴミの不法投棄に困っていること,端登地区では他出子を核となり地域の青年団活動
を担っていることが明らかとなった.他住民の受け入れに関する意識についても 3 地区別
に差がみられ,河原内地区では他住民の訪問,受け入れに関し消極的である傾向がみられ
た.
アンケート調査の結果では,他住民の受け入れの意識は全般的に肯定的であった.年齢
や居住地域,地区別の分析を行った結果,地区による統計的に有意な差は見当たらなかっ
たが,意識に関する項目の一部は自治区の世帯数により有意な差がみられた.
10
0.444
0.251
0.036
以上のことから,両調査の結果から 3 地区の多くの課題は共通しており,地域で行われ
ている事業や施設における地域活動への住民の関わり方,自治区の集落規模などにより起
因する他の地域住民に対する受け入れ意識の差が存在することが推察される.
2) 地域における共同活動について
地域の様々な共同活動に関し,担い手が不足しているため,家族だけではなく地域住民,
行政や他地域住民からの支援が行われていることが明らかとなった.担い手不足である状
況を解決するためには,他地域からの支援が必要であることが示唆された.しかし,イン
タビュー調査からは,ボランティア活動者の訪問に対する不満の意見も見られた.竹中校
区の場合,地形的に斜面が険しい場所が多く,ボランティア活動内容によっては専門性を
要する活動も生じる.ボランティア活動を行う側における安全のためにも,どこまでをボ
ランティア活動として進めることが可能か,活動の範囲や専門性について再考する必要が
あるだろう.
自治区によっては,他の地域に住んでいるが竹中校区が出身地である人によって様々な
地域活動が行われていた.他出子が自分の出身地の地域とのつながりを持つ理由として,
地域への愛着,介護など個人レベルの問題,キーパーソンの存在などが考えられるが,本
調査ではその理由を明らかにすることは難しい.今後,他出子による活動を維持,促進す
るために何が必要なのかを検討する必要がある.
3) 他住民の受け入れ意識について
他住民の受け入れに関する意識を図るため,竹中校区に在住する住民に行った調査票結
果では,
「若い世代が転入」
「様々な世代が転入」に関しては 7 割程度の人が歓迎すると答
え,世帯数が多い地域のほど,その傾向がみられた.
竹中校区には,実際に子育て支援を目的とする市営の賃貸住宅が建てられた自治区があ
り,インタビュー調査では,市営住宅により地域が活性化したという意見がみられた.三
須田(2005)の調査によると,新規移住者が土地や家屋を確保し,担い手不足の農山村を
活性化していたことが報告されている.この結果から,他住民の転入,特に若い世代の転
入は地域活性化につながる可能性が示唆された.また,農山漁村への滞在に関する調査に
よると,農山漁村地域に定住してみたいという願望がある人の場合,
「医療機関(施設)の
整備」
(43.8%)
,
「農山漁村地域の居住に必要な家屋,土地を安く入手できること」
(43.3%)
が定住のため必要であると答えた人が多くみられ(内閣府,2005)
,I ターン者の居住とし
て住居・土地の所有が大きな規定要因である可能性が考えられる.市営住宅の住民がどの
ような目的で居住を決めたのか,その意思決定プロセスは不明であるが,定住住民の増加
や担い手不足の解決のため,居住規定要因やプロセスを把握する必要性が推察される.
上記のように大分市では,2008 年度に子育て中の家庭を支援することを目的として,小
学校,中学校に就学している子と同居している者を優先入居対象者とした地域特別賃貸住
11
宅を竹中地区に建設した.しかし,居住期間は 5 年間であること,卒業後の世帯がその地
域に定住しようとした場合の対応などの課題があり,今後,一時居住住民の定住化を図る
ための既存の体制検討が必要である.また,定住するためには旧住民との信頼関係の構築
が必要と思われ,他地域からの住民であっても居住意向がある場合,その地域で住み続け
るために新住民と旧住民との交流など,さらなる工夫が必要であると考える.
さらに、新住民を、校区関係者(例:他出子やその子)やそれ以外に分けてみると、
「校
区住民の子や孫が戻る」に関しては,9 割の人が「歓迎する」と回答し,
「歓迎しない」と
した回答は 1.1%であった.本調査は受け入れ側である竹中校区住民を対象とする結果であ
り,受け入れられる側である他出子の将来の定住可能性を言及することは難しい.例えば,
地域活動に参加しているなど,地元とのつながりを保つこと(人)が将来定住に繋がるか
に関する議論は今後の本研究の課題としてあげられる.本調査から他出子に関する受け入
れ側の意識が高いことから,U ターンを希望する他出子に対しては,出身地域に U ターン
しやすい環境づくりが必要と思われる.
一方,他住民の受け入れ意識に関する項目のうち,一時滞在者に対しては, 1 割程度の
人が「歓迎しない」と回答しており,中でも河原内地区では 15.1%が「歓迎しない」と回
答した.
「歓迎する」とした人との比率でも,竹中地区は歓迎する:しないの比率が 8.3 対
1なのに対し,河原内地区は 4.3 対1,端登地区は 5.5 対1と,地区により歓迎の度合いが
異なっている.
居住環境研究においての個人の発達や適応,地域社会との関連に注目している領域性
(territoriality)では,個室,居住空間,地域等いくつかのレベルごとに区別して考えられる.
例えば,領域空間が個室の場合,他の家族成員との関係であり占有・排他性は高くないが,
居住空間とした場合は,領域を宣言する相手は家族以外の相手となり,占有・排他性が強
くなる可能性がある(小俣,2007)
.また,ソーシャルキャピタルの観点からみると,集団
内の強いつきあい(social relationship)や結束は自分たち以外の他グループや集団外の人に
関し,排他的となる可能性が高まる(Waldinger, 1995; Portes, 1998)ことが指摘されている.
定住する可能性を持つ一時滞在者に対する受け入れ意識のため,他の地域や住民との緩い
つながり,交流による相互理解が必要であろう.
他の地域住民を受け入れ意識の一部の項目に関しては,高齢になるほど,歓迎しない傾
向があり,属性による差がみられた.高齢による頑固性(robust)の可能性や母集団が小さ
いために結果が統計的に不安定である可能性が考えられ,さらなる検討が必要である.
4) 将来,居住意向について
竹中校区に居住している住民に対する調査から,
「できるだけ竹中校区の今の家(場所)
に住み続けたい」と答えた人は 7 割で,多くの人が居住意向を持っていることが明らかと
なった.居住意向に関する理由として,場所や家への愛着,転居が難しいなど物理的条件
に関わる理由が考えられる.
12
Brown ら(2003)によると,場所への愛着は,家などの重要な社会・物理的場面と,人と
の間の動的で持続的な肯定的結びつきと捉えられている.場所への愛着は居住地域への誇
り,心理的 well-being を生み出し,地域の人々などとの社会的交流,それを維持管理するこ
とにつながる.しかし,場所への愛着に「正の感情」だけではなく,
「負の感情」までも含
めるとかどうかに関しては一致した知見は得られていない(Low & Altman, 1992)
.今回の
インタビュー結果からみると,道路,水道など生活関連のインフラの不整備による不満の
意見があった.保健医療サービスをみると,農村地域などでは,医療機関までの距離がサ
ービス利用における最も大きな阻害要因となり(Joseph & Bantock, 1982),高齢化していく
自治区が必ずしも住みやすい地域であるとは限らない.今回の調査は,居住する場所や住
宅に着目した将来の居住意向について質問しているため,その差異を検討することは難し
いが,竹中校区の場合,
「負の感情」までを含む場所や家への愛着から,将来の居住希望の
人が多い可能性が推察される.竹中校区では,地域における不便な点として,公共交通機
関の利用,道路の整備が多く挙げられていることからも現在,住んでいる地域に居住意向
のある住民にとって,地域で住み続けるために何が必要とされているかを把握した支援策
が必要と考える.
Ⅳ
結論と今後の課題
1. あげられた課題の大部分が 3 地区で共通しており,地域活動の担い手不足の解消のため
には,地域組織間の連携や他地域からのボランティア活動,支援が必要であることが明
らかとなった.ただし,ボランティア活動内容によっては専門性を要する活動もあり,
今後,活動の範囲や専門性について再検討する必要性が示唆された.
2. 他住民の受け入れに関しては,インタビュー調査では他住民による支援により共同活動
が維持している状況や地域を維持するために,外部からの訪問,転入が必要である意
見がみられた.同様にアンケート調査でも全般的に肯定的であり,転入については 7
割の人が歓迎すると回答した.しかしながら,地域に訪問する一時滞在者に対して,
インタビュー調査では訪問による問題や活動への不満がみられた.また,アンケート
調査では歓迎しない人が 1 割程度であり,地域別に検討した結果,歓迎する人としな
い人の比率は 4 対 1 から 8 対 1 とばらつきがあった.このような結果から,地区によ
り一時滞在者への歓迎の度合いが異なること,受け入れ体制に差がある可能性が明ら
かになった.
今後の流入住民の増加のため,他住民を受け入れやすい環境づくりが重要と考えら
れ,それぞれの地区の現状にあわせた環境構築が必要とされる.そのためには,地域
における活動や事業を把握し,どのような活動やかかわりが望ましいかを明らかにす
る研究が必要である。
また,旧住民の受け入れ意識と定住希望者の居住規定要因のバランスについての
13
検討が課題である.例えば,相互理解の前段階として旧住民と他地域住民との交流に
よる「緩いつながり」に対して,地域としてどのように取り組むかが,地域の将来像
に大きな影響を与えるものと推測される.
Ⅴ
謝辞
本稿作成において,ご助言いただいた椋野美智子教授,調査に協力してくださった竹中
校区の皆さまに感謝の意を表します.
14
注
総務省の資料によると,過疎地域の要件は,次の 1) ないし 2) のいずれかに該当する地
1
域である.
1) (1)かつ(2)に該当する地域
(1) 人口要件:以下のいずれかに該当すること
ⅰS35 年~H7年の人口減少率が 30%以上
ⅱS35 年~H7年の人口減少率が 25%以上,高齢者比率(65 歳以上)24%以上
ⅲS35 年~H7年の人口減少率が 25%以上,若年者比率(15 歳以上 30 歳未満)15%以下
ⅳS45 年~H7年の人口減少率が 19%以上
*ただし,
ⅰⅱⅲ場合,
S45 年~H7年の 25 年間で 10%以上人口増加している団体は除く.
(2) 財政力要件: 平成8年度~平成 10 年度の3ヶ年平均の財政力指数が 0.42 以下.かつ,
公営競技収益が 13 億円以下であること(施行令第1条第2項第1号)
.
2) (1)かつ(2)に該当する地域
(1) 人口要件:以下のいずれかに該当すること
ⅰS35 年~H17 年の人口減少率が 33%以上
ⅱS35 年~H17 年の人口減少率が 28%以上,高齢者比率(65 歳以上)29%以上
ⅲS35 年~H17 年の人口減少率が 28%以上,若年者比率(15 歳以上 30 歳未満)14%以下
ⅳS55 年~H17 年の人口減少率が 17%以上
*ただし,ⅰⅱⅲの場合,S55 年~H17 年の 25 年間で 10%以上人口増加している団体
は除く.
(2) 財政力要件: 平成 18 年度~平成 20 年度の3ヶ年平均の財政力指数が 0.56 以下.かつ,
公営競技収益が 20 億円以下であること(施行令第1条第2項第2号)
.
2
大分市の統計によると,校区は小学校を基準とした区域である.竹中校区は大字竹中,
大字河原内,大字端登,大字安藤の地域からなり,大字竹中は 5 町(上竹中・上冬田・下
竹中・中竹中・冬田)
,大字河原内は 6 町(樫原・黒仁田・高城・中野・中無礼・弓立),
大字安藤は 1 町(黒岩)
,大字端登は 3 町(岩上・河原・佐渡川)とされる.大字端登の区
分からみると上戸次校区のうち 3 町(花香・舟戸・伊与床)は,大字端登である.
本調査では竹中校区の管轄支所である大南支所へのヒアリングを基とし,自治会組織の
活動上の区別に沿って,合計 18 町を調査対象とした.したがって,本調査での「竹中校区」
は 18 町とし,大字竹中の 5 町を「竹中地区」
,大字河原内と大字安藤の 7 町を「河原内地
区」
,大字端登の 6 町を「端登地区」とした.なお,町名による合計 18 地域は「自治区」
と呼んだ.
15
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