フォント タイトルは(MS ゴシック),本文は(MS 明朝体), 10.5 ポイントで

フォント タイトルは(MS ゴシック)
,本文は(MS 明朝体)
,
対
象
学
齢
授業のタイトル
10.5 ポイントでお願いします。
中学生
心の防災教育「いじめを理解して,いじめを防ごう!」
授業のポイント
●
いじめを単に「いけないこと」と指導するのではなく,いじめの構造を理解させ,
加害者,被害者,傍観者からの視点に立って「いじめ」を考えさせる。
●
一人一人に,いじめ問題について,加害者,被害者,傍観者それぞれの視点から考
えを表現させ,それを集団で共有し,問題に対する解決案によって表現に蓋をし,さ
らに表現の場に壁を作ることによって,問題が外に漏れ出させないという体験を,物
理的な活動を通して体験させる。
授業の展開
1
主
題
名
道徳の内容
2
いじめの構造を理解して,いじめを防ごう!
中学校
主として人との関わりに関すること
[相互理解,寛容]
授業の目標
いじめについて加害者,被害者,傍観者の立場から考え,自分の考えや意見を伝え合
うことで,さまざまな出来事や考え方,気持ちがあることを知る。
自分の周りにいじめが生じた際に,自分の立場や行動や考え,感情をふり返ることが
できるような強さと寛容な心や態度を育む。
3
評価の方法と規準および,ポイント
評価の方法
授業観察およびワークシートへの記入による。
[評価規準]
関心・意欲・態度
思考・判断・表現
知識・理解・技能
・グループ活動に参加でき
・ い じ め の 被 害 者 , 加 害 ・い じ め の 構 造 を 理 解 で き る 。
る。
者,傍観者の立場で思考
・正誤に関わらず,多様な
で き ,そ れ を 表 現 で き る 。 を 考 え る こ と が で き る 。
考えを表現できる。
・取組が仮想の課題であ
・いじめ解決に向けた多様な
・他者の発言を傾聴し,肯
り,実際の問題ではない
方法を知ることができる。
定できる。
ことを判断できる。
・いじめの解決に向けた方法
[評価のポイント]
関心・意欲・態度
思考・判断・表現
知識・理解・技能
・自分の考えを表現してい
・多様な視点で考えを表
・授業を通して,多様な考え
たかどうか。
現していたかどうか。
方を身につけたかどうか。
・他者の表現に関心を向け
・解決に向けた具体的な
・自らの行動や考え,感情を
ていたかどうか。
方法をワークシートに記
ふり返り,授業前後で変容し
述したかどうか。
たことを記述したかどうか。
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授業の展開
過
時
程
間
学習内容・活動,発問等
①
目的の提示
教職員の発言,指導上の留意点等
形態は班ごと
「今日は,強いストレスを引き起こ
す“いじめ”から身を守るための授
業 を 行 い ま す 」。
「 今 日 の 授 業 は , BIG: Bulling
Imagination Game
いじめ解決大作
戦 で す 」。
「災害に備えた訓練をしますね。災
害では,色んな災害についてどうい
う危険が生じるか,事前に考えて,
訓練し心構えをつくることが大切で
す。それと同じように,今,いじめ
導
10
もなく心地の良い生活を送っている
入
分
けれども,進学したり,あるいは社
会に出てからそういう問題に出会う
かもしれない。その時に,自分がど
うしたらいいか,あらかじめ考えて
おくことは,とてもいいことです。
心 の 防 災 訓 練 で す 」。
②
ルール説明
「といっても気むずかしい授業では
ありません。みなさんの想像力,イ
マジネーションを豊かに発揮してゲ
ームのように楽しく取り組んでもら
いながら,
“ い じ め ”に つ い て 考 え て
い く た め の 授 業 で す 」。
以下
③
省略
多様ないじめ(5分) 「では,最初にみなさんのしってい
るいじめを黄色い付箋に書いてみて
ください。みなさんが体験していな
くても,ニュースや事件で知ってい
展
る い じ め や , TV や 映 画 , マ ン ガ や 小
開
説などでもこんないじめ知っている
よ,というものです。○○いじめと
いう名前のついたことでもいいし,
こういうことするのもいじめだ,と
い う も の で も 何 で も 構 い ま せ ん 」。
資料等
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「付箋に書く時間は2分間にしま
す。その後,グループで順番にこの
枠 (「 い ろ ん な い じ め の 枠 」) 内 に 自
分の書いたものを読み上げながら貼
り付けましょう。もし同じ内容だっ
たり,似ている内容だったら,その
場で一緒に貼り付けてもいいです
よ。時間は5分で終わりにします。
で は , 始 め ま す 」。
30
分
④
つぶやき(8 分)
「今度は,いじめをする人,される
人,観ている人それぞれについて,
それぞれの立場の人になったつもり
で 考 え て も ら い た い と 思 い ま す 」。
「赤いゾーンを観てください。それ
ぞれに向けて矢印が書いてありま
す。ここにはそれぞれのエリアにい
る人が,他のエリアにいる人をどう
いう風に思っているか,どんなこと
を言いたいか,心の中でどんなこと
をつぶやいているか,ということを
赤 い 付 箋 に 書 い て く だ さ い 」。
「もちろん。誰に対して,というこ
と で は な く て も い い で す よ 」。
「いじめる人,いじめられる人,観
ている人になったつもりで書いてみ
るんですよ。いじめにあったことが
なくても,みなさんが観たり聴いた
り し た ニ ュ ー ス や TV や 本 な ど か ら 想
像して,イマジネーションを働かせ
ていろんなものを書いてみましょ
う。酷いつぶやきや暗いつぶやきも
でてくるかもしれません。正しい答
えはありませんから,発想豊かに書
い て み ま し ょ う 」。
「 書 く 時 間 は 4 分 に し ま し ょ う 」。
留意点
4分待つ。
「では,その言葉やつぶやきを言っ
た人のエリアの中に貼り付けましょ
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う。では,最初にいじめる人のこと
ば や つ ぶ や き か ら ,い じ め ら れ る 人 ,
傍 観 者 の 順 で 貼 り 付 け ま し ょ う 」。
留 意 点:箱 を 回 し て 視 点 を 工 夫 す る 。
⑤
背景(7 分)
「今度は,それぞれのエリアの人達
がどんな人,どんな人達なのかを想
像して黄色い付箋に書いてくださ
い 」。
「それぞれのエリアの中には,
『この
人達のむかし,今,これから』と書
いてありますね。それぞれのエリア
の人達がどんな人達か,昔はこうだ
った,今はこう,将来こうなるだろ
うということを想像して書いて欲し
いのです。発想豊かに,良いこと,
悪いこと,いろんなことを書いてみ
ましょう」
「 時 間 は 3 分 と り ま し ょ う 。そ の 後 ,
順番にそれぞれのエリアの中に読み
上げながら貼り付けていきましょ
う 」。
「ボードは赤や黄色のいじめの付箋
で一杯になりましたね。これをしば
ら く 眺 め て み ま し ょ う ( 1 分 )」。
⑥
予 防 ( 10 分 )
「 さ あ , こ こ か ら が ま と め で す 」。
「周りには青いエリアがあります
ね。ここには,それぞれのエリアに
いる人や人達が
できること,大切
なもの,必要な人と書いてあります
ね。最後にそれぞれのエリアの人達
にとって,いじめをなくしたり解決
したりするためにできることや大切
なもの,必要な人をたくさん考えて
欲 し い の で す 」。
「ただその前に。最初にこのエリア
を折り曲げて箱を作ってください。
これはいじめが起こっても決して広
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が ら な い た め の シ ー ル ド で す 」。
「できましたか。それぞれのエリア
にいる人達が,いじめを防ぐために
できること,大切なもの,必要な人
を考え,思いついたことを青い付箋
に 書 き ま し ょ う 」。
「できるだけたくさん,思いつくと
いいのですが,できれば箱の中の赤
と黄色の付箋が青い付箋で見えなく
な る く ら い 考 え て 欲 し い の で す 」。
「もしそれができたらゲーム終了。
みなさんの作戦は大成功。勝利で
す 」。
(時間は残り時間を鑑みて設定)
⑦
まとめ(5 分)
「みなさん,難しい課題に良く取り
組みました。箱が青で収まっていま
す ね 。 お 疲 れ 様 で し た 」。
「深呼吸をしましょう。そして,し
ばらくの間箱の中を眺めてみましょ
う 」。
⑧
ワークシートへ記入
「それでは,ワークシートへの記入
しましょう。授業を通して,自分の
考えや感じたこと,変わったこと。
ま
と
め
また,友達の意見を聞いて感じたこ
5
と考えたこと,気づいたこと。書い
分
て み ま し ょ う 」。
⑨
メッセージ
「これから,もしクラスや集団の中
でいじめが起こった時,自分がどこ
かのエリアに立っていると感じたら
ま ず 青 を 求 め ま し ょ う 。ま た 普 段 は ,
こんな風に箱を眺めている所に立っ
ていられるようにして欲しいと思い
ます。そのために今あなたができる
こと,しようと思うことを最後に想
像 し ま し ょ う 」。
「 ど う も あ り が と う ご ざ い ま し た 」。
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授業の資料
授 業 で 使 用 し た 教 材 は ,「 い じ め 解 決 大 作 戦
BIG: Bullying Imagination Game」( 以 下 ,
「 い じ め 解 決 大 作 戦 BIG」と い う 。)と 名 付 け ら れ た オ リ ジ ナ ル な ボ ー ド 教 材 で す( 左 図 )。
「 い じ め 解 決 大 作 戦 BIG」の 進 め 方 は ,ま ず 数 名 の グ ル ー プ を つ く り ,そ こ に 森 田( 1986)
の い じ め の 構 造 で あ る ,い じ め る 児 童 生 徒 や 観 衆( 以 下 ,加 害 者 ),傍 観 者( 以 下 ,傍 観 者 ),
いじめられる生徒(以下,被害者)が共存しているボード(場)を与えます。
最初に,自分の知っているいじめ・暴力の問題を付箋などに明記させ,その付箋をボー
ドの中の「いろんないじめ」と記された領域に貼り付けさせます。児童生徒が問題を具体
的にイメージする段階です。
次 に ,加 害 者 ,観 衆 や 傍 観 者 ,被 害 者 ,そ れ ぞ れ の 立 場 か ら ,自 他 に 対 す る 思 考 や 感 情 ,
行動や身体感覚などを想像させ付箋に明記させます。その後,場の中のそれぞれの立場の
領 域 に 貼 り 付 け さ せ ま す 。こ れ は ,
「 子 ど も の 暴 力 的 な 表 現 を 引 き 出 し ,問 題 を 生 じ さ せ る
側面もしっかりと扱う」ための作業であり,児童生徒がいじめ・暴力を主体的に捉える段
階と考えています。この段階で,場に多様ないじめ・暴力の様相が立ち現れます。こうし
た段階を踏ませた後に解決策を
考えさせ付箋に明記させますが,
この時,より有効な解決策を考
えさせるのではなく,児童生徒
には「質より量」と提示し,ブ
レーンストーミングのようにで
きるだけたくさんの解決策を付
箋に書かせるのがポイントです。
いじめ・暴力の様相で覆われ
た場を解決の付箋で覆わせるこ
とを競うゲームのような感覚で
取り組ませるのがねらいです。
最後に場の四方に壁をたて,
あたかもコンテナ容器のような
場に変形させます。これは,い
じめ・暴力の問題が場に存在す
るが,問題は収まっており,自
分たちの智恵で抑えこんでいる。
またその状態が,決して崩れる
ことなく,漏れ出すこともない
場の在り様を無意識的に体験す
ることをねらった作業なのです。
BIG教材
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授業の背景にある考え方
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※道徳の内容やストレスマネジメントとの関連について示す。
この授業案は,
「 い じ め は 絶 対 に や っ て は い け ま せ ん 」と い う メ ッ セ ー ジ を 伝 え る 内 容 で
はありません。むしろ,児童生徒の内在するいじめを生じさせるような心情をあえて表現
させ,それを収めさせることをねらった授業案です。
いじめは何処にでも生じる可能性がある出来事であることを前提に,それを未然に防ぐ
にはどうしたらいいか,また,生じた場合に被害を最小限にするにはどうしたらいいか,
を教育的に阿考える取組は,防災教育とも通じます。
学校でのいじめや暴力の防止教育を「心の防災教育」として取り組みたいと考え,防災
教 育 で 取 り 組 ま れ て い る 「 災 害 図 上 訓 練 D I G : Disaster
Imagination Game」 の 手 法 を
参考に教材を作成しました。
ま た ,こ れ ま で 暴 力 や い じ め の 防 止 に 向 け て ,児 童 生 徒 の 自 由 な 表 現 活 動 を 行 わ せ る と ,
いじめや暴力を容認したり,正当化してしまう意識や態度を高めてしまうという現象が見
られていました。
こ う し た 背 景 か ら , A. Guggenbühl( 2004) の 手 法 を 参 考 に し ,「 良 い こ と も 悪 い こ と も
心に収まっている状態」や「私には,いじめや暴力をする心がある。でも,しないでいら
れる心がある」という心を育てることが,いじめ防止に役立つのではないかと考え,この
教材を作成しました。
道 徳 の 内 容 の[ 相 互 理 解 ,寛 容 ]は ,
「 自 分 の 考 え や 意 見 を 相 手 に 伝 え る と と も に ,そ れ
ぞれの個性や立場を尊重し,いろいろなものの見方や考え方があることを理解し,寛容の
心をもって謙虚に他に学び,自らを高めていくこと」です。グループ活動により様々な視
点からの味方や考えを想像し,それを表現し,他者の考えを聴くことは,道徳の内容と合
致しています。また,ただ単に「いじめは絶対にダメ」とステレオタイプ的な価値判断を
するのでは問題の本質を理解することはできず,真に道徳的価値判断はできないと考えら
れます。もし自分が問題の当事者になった時,自らの在り方に寛容で謙虚でなければ,問
題の解決や高い人格形成へ結びついていかないのではないかと考えられるのです。
[他の内容や教科への応用]
こ の 授 業 案 は ,道 徳 の 内 容 の「 C
主 と し て 集 団 や 社 会 と の 関 わ り に 関 す る こ と 」の「 よ
りよい学校生活・集団生活の充実」として扱うことができると考えられます。
こ の 場 合 ,・ ・ ・ ・( 省 略 )
授業の実践例
※チェックリスト等を使った授業前後の変化などを示すと良いでしょう。
生徒は付箋に自由な考えを書きました。的を射た内容からふざけた内容まで,鋭いこと
から漠然としたことまで,さまざまでした。ここでそのことを詳しくお伝えできないのが
残念ですが,難しい問題に向き合いつつも,楽しく取り組んでいる様子が印象的でした。
成果としては,
「 い じ め の 被 害 を 受 け る と ,た と え い じ め が な く な っ て も 苦 し む の だ 」と
か,いじめによるストレス反応など,被害者への理解が進みました。また,いじめや暴力
を容認してしまうような意識は,全体的には高まりましたが,それが強い子どもが下がる
結 果 が 確 認 で き ま し た 。つ ま り ,こ の 取 組 は 望 ま し く な い 態 度 を 強 め る と い う 悪 い 側 面 と ,
望ましい態度を生み出すという良い側面の両方兼ね備えていると考えられます。良いと悪
いと共に存在し得る取組であると言えるかもしれません。
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参考文献
・ Allan Guggenbühl( 2004) 安 島 智 子 監 訳 ( 2005) 暴 力 の 魔 力 子 ど も た ち の 攻 撃 性 と
残忍性に対処するための示唆 このはな子ども学研究所
・ 森 田 洋 司 ・ 清 水 賢 二 ( 1986)
「いじめ」教室の病い
金子書房