スポット FX 部 ド - トウキョウフォレックス上田ハーロー株式会社

2012-10 月 マンスリー・レポート
トウキョウフォレックス上田ハーロー(株)
スポット FX 部
ドル円≪市場・相場の動き≫
レンジ 77 円 79 銭(10/1 TKO)∼ 80 円 38 銭(10/26 TKO)
1 日、今月のドル円相場は 78 円はさみで始まったあと、欧州通貨に対するドル売りの流れ
から 77 円 79 銭まで値を下げ、今月の安値をつけた。しかし米 9 月 ISM 製造業景況感指数
が 4 ヶ月ぶりにいい数字だったことで 78 円 15 銭まで上昇し、3 日の米 9 月 ISM 製造業景況
感指数が 4 ヶ月ぶりに上回ったことでまた 78 円 58 銭まで値を上げ、4 日には 78 円 72 銭ま
で上昇した。その後、ユーロドルのドル売りが波及して値を下げ始め、5 日には日銀金融政
策決定会合で政策金利の据え置きと資産買い入れ基金の据え置きが決定したが、一部で
追加金融緩和を予想する向きが出ていたため 78 円 27 銭まで値を下げた。その後一旦、米
9 月雇用統計の数字が良かったことで 78 円 88 銭まで買い戻されたが 8 日、世界銀行が日
本とインドを除く東アジアの経済成長率見通しを下方修正したことで 78 円 10 銭付近まで下
落した。その後、78 円台前半で膠着していたが 11 日、海外投機筋によるドル売りから 77 円
94 銭まで値を下げた。
しかしソフトバンクが米携帯電話 3 位のスプリント・ネクステルを買収する報道が流れ、ド
ル買いが発生するとの思惑から 78 円 59 銭まで値を戻した。15 日、米 S&P が、日本の長期
信用力に関するリポートで、「徐々に低下し続ける」との見解を示したことや米 9 月小売売上
高が強い数字だったことから 78 円 86 銭まで上昇し、16 日には 78 円 97 銭まで、17 日には
じり高歩調が続き、79 円 06 銭まで値を上げた。18 日、10 月フィラデルフィア連銀景気指数
が市場予想を大きく上回る好調な数字だったことで 79 円 47 銭まで上昇した。ただ、オプショ
ン取引に絡む防戦のドル売り・円買い注文が意識されるなか、19 日は欧州主要株価の下落
を背景としたクロス円の円買いが波及し 79 円 18 銭まで一時値を下げた。その後、ドル円は
じり高となり、22 日、日銀の追加緩和に対する思惑や、本邦 9 月貿易収支が市場予想を上
回る赤字だったことから 79 円 96 銭まで値を上げるなど堅調に推移した。上値の抵抗線 79
円 40−50 銭を上抜けしロスカットオーダーを巻き込んだことも、上昇に弾みをつけた。23 日、
日銀が大胆な追加緩和を実施するとの観測が高まり 80 円 01 銭まで上昇し、25 日には、日
本経済新聞電子版が「日銀は 30 日の金融政策決定会合で、国債など資産買い入れ基金の
規模を 10 兆円積み増す案を軸に検討する」と報じたことを受け 80 円 10−15 銭水準へ値を
上げ、26 日も底堅い推移した流れが引き継がれ 80 円 38 銭まで上昇し今月の高値となった。
しかし利益確定や持ち高調整のドル売りで 79 円台後半に水準を切り下げ、米長期金利
の低下や、10 月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値の弱い数字を背景に、79 円 49 銭
まで下落した。その後 30 日、日銀金融政策決定会議で追加緩和決定が発表され、80 円 16
銭まで上昇した。しかし大胆な追加緩和を予想する向きが多かったことで失望感が広がり、
79 円 28 銭まで急落した。その後は 31 日、欧州主要株価の上昇やギリシャの次回融資をめ
ぐる進展期待から 79 円 97 銭まで上昇したが、米長期金利の低下や NYK ダウ平均株価の
失速を背景に上げ幅を縮小、結局 79 円 70−80 銭水準で今月の取引を終了した。
財務省が発表した外国為替平衡操作額によると、9 月 27 日∼10 月 29 日の為替介入は
13 ヶ月連続で介入額ゼロ円となった。
ユーロドル ≪市場・相場の動き≫
レンジ 1.2804(10/1 TKO)∼1.3140(10/17 NY)
今月のユーロドルは、1 日に東京市場 1.28 ドル台前半で始まり今月安値となる 1.2804 ド
ルをつけた。しかし欧州各国の予想を上回る製造業 PMI の結果や米 9 月 ISM 製造業景況
感指数の良好な結果を背景に 1.29 ドル台前半まで上昇した。4 日、ECB 理事会後のドラギ
総裁は定例記者会見で「ユーロはあと戻りできない」「国債購入の用意はできている」との発
言により 1.30 ドル台前半まで、翌日は強い米失業率の結果を受けて投資家心理が改善し、
相対的に金利水準の高いユーロに買いが入り 1.30 ドル台後半まで上昇した。8 日、東京市
場が休場で取引参加者が限られたなか 1.30 ドル台を割り、9 日には IMF の世界成長見通し
の下方修正や NY ダウ平均株価の下げ幅拡大を受けて、ユーロ売り優勢の展開となり 1.28
ドル台半ばまで急落した。11 日、東京市場で前日 NY 市場終盤に発表された S&P のスペイ
ン格下げを受けて 1.28 ドル台前半まで下落した。しかし、短期筋によるショートカバーや米新
規失業保険申請件数が予想外の大幅減少により好感され 1.29 ドル台半ばまで値を戻し、翌
日には 1.29 ドル台後半をつけた。
15 日、一時 1.28 ドル台後半まで売られたが、欧州主要株価の上昇やギリシャ 10 年債利
回りが債務再編後の最低水準に低下したことを受け 1.29 ドル台後半へ回復した。16 日、独
10 月 ZEW 景況感指数が市場予想を上回り、スペインの金融支援要請が近づいているとの
観測から 1.30 ドル台半ばまで上昇した。17 日、ムーディーズがスペイン格付けを据え置きと
したことが好感され、NY 市場で今月高値 1.3140 ドルをつけた。しかし 18 日、米フィラデルフ
ィア連銀製造業景気指数が市場予想を上回ったものの、金や原油の商品相場が軟調な動
きとなる中でリスクオンにつながらずドル買いが優勢となり 1.30 ドル台後半へ、翌日には NY
ダウ平均株価の大幅下落を受けて、1.30 ドル台前半まで下落した。23 日、ムーディーズがス
ペイン5州を格下げしたことや NY ダウ平均株価が一時 250 ドル超えの大幅安となったことも
相俟って 1.29 ドル台半ばまで、翌日には 1.29 ドル台前半まで下落した。しかしその後、トロイ
カとギリシャの協議で「対ギリシャの支援条件で目標達成期限は 2 年間延長される」との報
道により 1.29 ドル台後半まで買い戻された。
25 日、1.30 ドル台前半まで上昇するも NY 市場の終盤に S&P が仏銀 3 行の格下げを行っ
たこともあり 1.29 ドル台前半まで、26 日にはスペイン失業率が過去最悪の水準まで上昇した
ことによりユーロ売りが強まり 1.28 ドル台後半まで下落した。30 日、スペイン 7∼9 月期 GDP
が市場予想を上回ったことを受け 1.29 ドル台後半まで上昇した。31 日、ギリシャ支援の期待
感やスペイン国債利回り低下を背景に 1.30 ドル台前半まで上昇したが、利益確定目的のユ
ーロ売りや月末企業による実需のドル買いも入り 1.29 ドル台半ばまで下落して今月の取引
を終えた。
ユーロ円 ≪市場・相場の動き≫
レンジ 99.80(10/1 TKO) ∼104.58(10/23 TKO)
99 円台後半で始まった今月のユーロ円は、1日に一時 99 円 80 銭の今月安値を付けたも
のの、独・仏・ユーロ圏の製造業 PMI が良好な数字だったことからユーロが反発、101 円台
乗せまで上昇した。さらに翌日になると、スペイン政府が支援を要請するとの見方が強まり、
ユーロ円は 101 円台前半まで上昇した。しかし、スペインのラホイ首相が「支援要請は差し
迫っていない」と発言、100 円台後半まで下落した。4 日の ECB 理事会では政策金利を予想
通り 0.75%で据え置いた。理事会後のドラギ ECB 総裁会見では、「ユーロは逆戻りできない」、
「国債購入計画は十分な防護策をユーロ圏に与える」などと発言、欧州債務危機収束に向
けての期待でユーロが買われ、ユーロ円も 102 円台前半まで上昇した。翌 5 日に発表された
米 9 月雇用統計は失業率が大幅に改善、これを好感した NY ダウの上昇でユーロ円は 102
円台後半まで上昇した。
翌週は、先週末の NY 市場で米雇用統計が強かったにも関わらず、その後の米株式市場が
伸び悩んだ流れを引き継ぎ、アジア株式市場も下落して始まった。そのため翌週のユーロ円
は軟調な展開に。さらに翌 9 日、IMF が 2012 年の世界経済成長見通しのユーロ圏の成長予
想を大幅に引き下げると、ユーロ円は 101 円台後半から 100 円台半ばまで急落した。その後
も米格付け会社がスペイン国債の格付けを引き下げたことからユーロは売られ、100 円台前
半まで続落した。しかし、ラガルド IMF 専務理事から「ギリシャ財政目標達成にはあと 2 年必
要」と時間的猶予を考慮する見解が伝えられたことでユーロは買われ、101 円台半ばまで反
発した。その後は翌週に予定されている EU 首脳会議でスペインやギリシャの債務危機解決
に向けて何らかの進展が見られるとの期待からユーロ円は堅調に推移、101 円台後半まで
値を伸ばした。
翌週になると、スペイン政府が救済支援要請を見送るとの思惑からユーロが再び売られ、ユ
ーロ円は一時 101 円割れ寸前まで下落した。しかし、欧州株価の上昇やギリシャ 10 年債利
回り低下等を好感して 102 円台前半まで上昇した。さらに 16 日、独 10 月 ZEW 景況感指数
が市場予想を上回ると 103 円台前半まで値を伸ばした。その後も、米格付け会社がスペイン
国債格付けを投資適格級に据え置いたことが好感されてユーロ円は 103 円台後半まで続伸
した。しかし、19 日のEU首脳会議でスペインの金融支援要請に進展が見られなかったこと
が嫌気されて、ユーロ円は 103 円台前半まで下落した。
翌週、日銀が月末に追加金融緩和を実施するとの観測で円売りが強まるとユーロ円も 104
円台を回復、23 日には今月の高値となる 104 円 58 銭まで上昇した。しかし直ぐに、米格付
け会社がスペインの 5 自治州を格下げしたとの報道が伝わったことや NY ダウの大幅下落を
嫌気したユーロ売りで、ユーロ円も 103 円台前半まで急落した。さらに翌日には、独 IFO 景況
感指数やユーロ圏 10 月総合景気指数が市場予想を下回るとユーロはさらに下落、103 円割
れまで売り込まれた。25 日、「日銀は追加金融緩和へ、基金増額 10 兆円軸に検討」との報
道から円が売られ、ユーロ円は一時 104 円台を回復。しかし、米格付け会社がフランス 3 銀
行の格付けを引き下げたことやスペインの第 3 四半期失業率が過去最悪の水準まで上昇し
たことからユーロ売りが強まると、ユーロ円は 102 円台後半まで下落した。その後もギリシャ
の債務再編をめぐる先行き懸念やスペイン 9 月小売売上高が市場予想を大きく下回ったこ
とからユーロは軟調に推移、ユーロ円も 102 円台半ばまで下落した。しかし、スペインの 7-9
月期 GDP が市場予想を上回り、欧州株価が堅調に推移するとユーロ円も 103 円台を回復、
103 円台前半で今月の取引を終えた。
他通貨≪市場・相場の動き≫
レンジ
対ドル高値
イギリスポンド
1.6218(10/5 LDN・NY)
スイスフラン
0.9215 (10/17 NY)
豪ドル
1.0410 (10/18 LDN)
カナダドル
0.9735 (10/5 LDN&NY)
対ドル安値
−
−
0.9431 (10/10 NY)
−
−
シンガポールドル
1.2152 (10/17 LDN・NY)
タイバーツ
30.53 (10/5 TKO・LDN・NY)
韓国ウォン(SPOT)
1090.50 (10/30 SEOUL)
中国人民元(上海)
1.5914(10/23 LDN)
6.2372 (10/31 SHANGHAI)
1.0152(10/8 SYD)
1.0019(10/30 NY)
−
−
−
−
1.2335 (10/3 TKO)
30.88 (10/1 TKO)
1117.30(10/11 SEOUL)
6.2899 (10/9 SHANGHAI)
SIN$,THB,KRW,人民元
タイバーツ相場は 7 月から続いていた堅調相場が一服。7 月の 31.80 水準から大きく切り
上げた 30.53 を月初めに付けた後は、30.70 水準を挟んでの膠着相場となった。月半ばにタ
イ中央銀行の予想外の利下げ(3.00%から 2.75%へ)があってやや売られる場面もあったが引
続き海外からの投資意欲は衰えずにあるようだ。韓国ウォン相場は堅調で月初めの日韓通
貨協定拡充打ち切りの影響はほぼ無しと見られ、11 日の中銀の 0.25%の利上げ後も逆にポ
ジション調整とみられるドル売りがみられ、好調な輸出筋のドル売り圧力が高まりほぼ 1 年
ぶりの高値水準で越月した。シンガポールドル相場も 7 がつらい堅調推移が続いていたが、
MAS の半期に一度の通貨政策見直しにてややスピード調整を求めてくると観られていた見
通しが、小幅かつ緩やかとしながらも現状の SGD 高を誘導するスタンス維持が発表され、そ
のまま高値圏での推移が続いている。中国人民元相場は GDP の四半期の数字が 7 四半期
連続で伸び率が鈍化、13 年ぶりに年8%成長は下回ることがほぼ確実視されるものの、
着々と高値を更新しての越月となった。ちなみに香港ドル相場も月後半からペッグ下限にあ
たる 7.7500 へ張り付く形と成り 2009 年以来の香港ドル売り介入が始まり、11 月 1 日現在で
計 9 回にわたり継続されている。
AUD・CAD・STG
豪ドル相場は、月初めの予想外の RBA による利下げを受けて下落して始まったものの、そ
の後に続くインフレ指標が市場予測を上回り続けて、逆に次の早期利下げが遠のいたとの
見方が台頭し、底堅い動きが続いて越月した。カナダドル相場は失業率の改善に買われる
場面もあったが、カナダ中銀が成長予想を下方修正したことなどからか下落基調にて越月。
英国ポンド相場は月初めの購買関係の指数は低調であり、政府も今後の税収見通しが弱
いとの見通しと伝えられるが、月末には 7−9 月期の GDP 速報値がオリンピック効果もあり
市場予測の強めの数字をさらに上回る強めの結果になったことから先行きやや強めの期待
が続いてはいる。
以上