2A4. 加圧内部循環流動床ボイラ(PICFBC)

Clean Coal Technologies in Japan
2A4. 加圧内部循環流動床ボイラ(PICFBC)
研究開発者
事業の種類
開発期間
(財)石炭利用総合センター、
(株)荏原製作所
石炭生産・利用技術振興補助事業
1992∼1998年
技術概要
1.概要
基盤となる技術は前項で述べた内部循環流動床燃焼技術
であり、圧力容器内にICFBCを設置したものである。
2.特徴
ICFBCの技術をそのまま適用して加圧型内部循環流動床ボ
の問題が軽減されるので、流動媒体に硅砂を使うことができ、
イラ
(PICFBC)
を構成しており、流動層高を変化させることな
石灰石は炉内脱硫に必要な最小限の量とすることができるた
く負荷制御を行うことが出来、
しかも負荷制御の際に層内伝
め、灰の発生量も抑えられる。さらに、主燃焼室に層内伝熱管
熱管の層上露出がないので燃焼ガスの冷却が避けられるため、
がないため、層内伝熱管による粒子阻害がなく、
アグロメレー
CO2の発生を最小限に抑えることができるとともに、
ガスタービ
ション(溶融媒体の固化)の発生が防止できる。
ン入口温度の維持が容易である。また、層内伝熱管の磨耗
3.技術概要
PICFBCの概略図を図-1に示す。円柱形の圧力容器内に円
混ぜスラリー状で供 給する
柱形のICFBCを設置している。流動媒体にはICFBCと同様
CWP(石炭水ペレット)
ミキシ
に硅砂を使用し、流動層内を主燃焼室と熱回収室とに傾斜
ングシステムの2系統を有して
仕切壁にて区分し、主燃焼室内の旋回流、主燃焼室と熱回
いる。燃焼ガスは、
セラミックス
収室の間の循環流を形成している。図-2に袖ヶ浦で実施した
製高温バグフィルターによって
ホットモデル試験プラントのフローシートを示す。石炭供給設
除塵されるようになっている。
備としては、塊炭で投入できるロックホッパーシステムと、水と
図-1 PICFBC概略図
4.実施場所・利用分野
千葉県袖ヶ浦市中袖の出光興産(株)石炭研究所横の敷
燃料電池発電
地でPICFBCのホットモデル試験を実施した。利用分野として
等使用される水
は、発生蒸気による蒸気タービン発電と燃焼排ガスによるガス
素製造プラント
タービン発電が可能であることから、石炭焚き火力発電所で
として利 用でき
のIGCCが考えられる。写真-1にPICFBC 4MWthのホットモ
る。2003年に昭
デルの据付時の写真を示す。写真-2に廃プラスチック処理
和電工(株)川
量として30t/dの加圧2段ガス化実証試験プラントの外観写真
崎に廃プラスチック処理量195t/dの商用プラントが稼動して
を示す。加圧2段ガス化技術は、石炭からアンモニア合成や、
いる。
写真-1 据付時のPICFBC 写真-2 加圧2段ガス化プラント外観写真
5.実施期間
P1992∼1997年に、ICFBCホットモデル試験を実施。本プロジ
宇部興産(株)
と共同開発し、2000年1月から廃プラスチック処
ェクトは、通産省の石炭利用技術振興補助事業として、
(財)石
理量30t/dプラントでの実証運転を実施し、2001年1月から商用
炭利用総合センターと共同で実施した。加圧2段ガス化技術は、
運転を行ったものである。
6.これまでの経過と今後の課題
石炭焚きのPICFBCとしては、袖ヶ浦でのホットモデル試験ま
いる。加圧系のプラントとして、燃料供給系のロックホッパー
でであるが、
この技術から加圧流動床での熱負荷やロックホッ
システムの信頼性の向上、低温腐食対策等が今後の課題と
パーシステムを応用展開した加圧2段ガス化技術に発展して
して考えられる。
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