FUTURE Report 病院経営と医療の質の「見える化」

Future Architect
病院経営管理システム
FUTURE
Report
課題
●病院の経営改革を実現する
●医療の質・経営情報の
「見える化」
病院経営と医療の質の
「見える化」
が
病院の経営改革を強力にサポート
株式会社ヘルスケアシステムズ
病院経営支援サービスを手がけるヘルスケアシステムズは、病院経営管理システム「Mil-Feel(ミ
ル・フィール)」をフューチャーアーキテクトと共同で開発した。Mil-Feelは、BSC(バランスト・スコア
カード)ベースの独自手法に基づき、5つの視点で病院経営数値や医療の質等を可視化するツー
ル。ヘルスケアシステムズは、病院経営の責任者と位置づけるマネージングディレクターなどの派遣、
Mil-Feelの導入、再生支援サービスを組み合わせて、病院の経営改革を支援するサービスを展開
していく。
成果
成 功 のポイント
● 病 院 経 営 管 理ツール「 M i l Feel」
の完成
●経営管理と経営分析について
の経験とノウハウ
●独自の5つの視点で病院経営
と医療の質を
「見える化」
●BSCおよびKPIについての経
験とノウハウ
●病院の状況を本部から随時把握
●フューチャーコンポーネント
(独
自の開発フレームワーク)
等の
活用による短期開発
●問題発生時の対応を迅速化
●経営分析に基づく確実な経営
計画の立案
株式会社ヘルスケアシステムズ
■事業内容
病院及び医療施設への経営コンサルティング
病院経営の支援およびマネージングディレクターの派遣
■所在地
東京都千代田区神田錦町3-18 寿ビル8階
■資本金
4,600万円
Mil-Feel
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年々厳しさを増す経営環境
病院の経営改革は待ったなし
顧客病院に対し、
ビジョンや戦略に沿った
意思決定をスムーズかつ迅速に行えるように
し、
病院の経営改革を進めていく――これが、
「少子高齢化の進行や医療保険財政の悪
ヘルスケアシステムズの提供する病院経営
化など、病院経営を取り巻く環境は年々厳し
支援サービスである。そして、それを支える病
さを増しています。2006年4月には診療報酬
院経営管理システムが、BSCベースの独自
の大幅改定も実施され、病院の経営改革は
手法で病院経営と医療の質を可視化する
待ったなしの状況にあります」
と、株式会社ヘ
●ヘルスケアシステムズ
企画開発本部 営業部 部長
渡部泰寿氏
「Mil-Feel」
である。
ルスケアシステムズ
(以下、ヘルスケアシステ
Mil-Feelの原型となったのが、健育会向け
ムズ)企画開発本部 営業部 部長の渡部泰
情報管理システム。ヘルスケアシステムズと
寿氏は、日本の医療業界の現状を総括する。
フューチャーアーキテクト株式会社
(以下、
フ
ヘルスケアシステムズは、医療法人健育
ューチャー)
の共同チームでプロジェクトを推
会(以下、健育会)
を母体として、1996年に
進した。このシステムを構築するにあたって、
設立された病院経営コンサルティング会社。
健育会はグループ病院の経営管理をするた
特徴的なのは、単に病院経営のコンサルテ
めの 機能を盛り込むことを強く要望した。
ィングをするだけでなく、財務や人事などの
「我々の要求に対して、
フューチャーは長期ビ
実務に精通した病院経営スペシャリスト
(マ
ジョンを検討する段階から参画してくれただ
ネージングディレクター)の派遣も手がけて
けでなく、医療の現場にも足を運んで実情を
いること。
「『病院経営の改革は医療と経営
よく把握してくれました」
と渡部氏。その姿勢
の分離から』
が、ヘルスケアシステムズの基
が、Mil-Feelの開発にフューチャーがパート
本的なコンセプトです」
と渡部氏は言う。
ナーとして参加することにつながった。医療
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●ヘルスケアシステムズ 企画開発部
吉田敬太氏
FUTURE
Report
と病院経営に関する領域はヘルスケアシス
健育会でのシステム構成図
テムズ、経営分析全般とITの領域はフューチ
ャーという分担である。
グループ本部
財務システム
グループ病院
情報管理システム
医事システム
日次データ連携
日次データ連携
日次データ連携
BSCをベースに独自の5つの視点で
病院経営と医療の質を「見える化」
Internet
病棟
VPN
診療科
汎用的な病院経営管理システムとして、
経営層
本部職員
Webブラウザからのアクセス
Webブラウザからのアクセス
Mil-Feelには財務・患者満足・教育研修・組
織管理・医療の質という独自の5つの視点で
病院経営と医療の質を可視化する機能が備
わっている。
「仕様を決めるにあたっては、導
入先病院の規模やニーズに応じて、視点の
これらのデータを元にした緻密な経営計画を
病院の状況をいつでも把握
経営のスピード感が高まる
組み合わせや具体的な評価指標(KPI)
を柔
提出できれば、資金調達もそれだけしやすく
なることは言うまでもない。
十分な効果が得られることを確認したヘル
軟にカスタマイズできるよう配慮しました」
と
プロジェクトの成果を、渡部氏は
「Mil-Feel
スケアシステムズは、2006年内に5か所程度
語るのは、ヘルスケアシステムズで戦略企画
が出来上がったことで、病院経営支援サービ
の病院でMil-Feelを本格稼働させる事業計
を担当している企画開発部の吉田敬太氏。
スのスピード感は飛躍的に高まりました」
と評
画を立てている。また、ヘルスケアシステム
KPIの選択には、経営分析の領域でフュー
価する。
「病院経営で重要なことは日々の運
ズとフューチャーのパートナーシップは、本格
チャーが培ってきた経験とノウハウが役立っ
営状況を把握して次の一手を素早く打つこ
稼働を迎えた後も続く。
「我々のビジネスのひ
ている。
「フューチャーは、
これまでにも、経営
と。指標としては、外来患者数、入院患者数、
とつの目標は、3年後にIPO
(新規株式公開)
管理や経営分析の機能を含むシステムを数
日当点などがあります。以前は各病院から数
を実現すること。フューチャーと共同開発した
多く開発しています。Mil-Feelプロジェクトで
字のみFAXで情報をとりよせるというレベル
Mil-Feelは、
この目標を実現するための強力
は、実際の財務諸表や管理レポートを拝見さ
でしたので詳細の分析にまで至ることはあり
な武器になると確信しています。世の中に医
せていただいたうえで、病院の経営分析に必
ませんでした。Mil-Feelを導入したことで、診
療コンサルタントはたくさんありますが、マネ
要と思われる指標を過去の類似案件から選
療科別、医師別の患者数なども日々把握で
ージングディレクターを派遣し、経営そのもの
び出し、KPIの候補としてご提案しました」
と、
きるようになり、次の一手が素早く打てるよ
に関わることまでやっているところはありませ
プロジェクトの責任者を務めた栗田潔は振り
うになりました」
ん。その意味で、我々はこの業界でのオンリ
再生支援サービスのパートナーとなってい
ーワン企業だと自負しています。医療業界に
Mil-Feelプロジェクトには、健育会向け情
る金融機関にも、Mil-Feelは好評である。こ
新しい風を吹き込むため、
フューチャーと一緒
報管理システムを担当した本山良人が引き
れまでに紹介した経営状況把握のほか、B/S
にがんばりたいと思っています」
と渡部氏。フ
続き参画した。
「ヘルスケアシステムズ様の
(貸借対照表)
とP/L(損益計算書)
をベース
ューチャーの経営分析ノウハウとシステム設
ビジネス・モデルは100床から200床規模の
とした財務分析、患者数や業務量などの業
計・開発能力は、国民の健康を守る病院の経
病院を想定していましたから、
それに合わせて
務分析、
原価計算機能なども注目されている。
営改革にも生かされている。
返る。
提供機能などを調整しました。また、導入先と
なる病院では様々なメーカーが提供する医事
●フューチャーアーキテクト
システムが稼働しているのが一般的です。そ
うした既存システムとMil-Feelの連携にはあ
らかじめ定義されたインターフェースを利用す
ることで、データ連携を含めて迅速かつ容易
に導入できるようにしました」
と、本山は語る。
原型となったシステムがフューチャー独自の
汎用開発フレームワーク
「フューチャーコンポ
ーネント」
をベースとして開発されていたため、
カスタマイズはスムーズに行えたという。
マネジャー
コンサルタント
栗田 潔
本山良人
フューチャーアーキテクト株式会社
〒141-0032 東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー
TEL:03-5740-5721 FAX:03-5740-5820
http://www.future.co.jp
文中における社名および製品名は各社の商標または、登録商標です。
本事例の内容および役職は、2006年6月時点のものです。