事 業 計 画 - 学校法人聖母女学院

2010年度
事 業 計 画
学校法人 聖 母 女 学 院
2010年度 学校法人聖母女学院 事業計画
はじめに
本学院は,教育事業の推進及び改善に大きく寄与することを目的に,①施設リニュ-アル
5カ年計画(藤森・香里両キャンパス整備計画)の実施,②記念事業の実施,③奨学制度の
充実を3本柱とした創立 90 周年記念事業を展開している。
2年目に当たる本年も,創立 90 周年記念事業資金として総合募金を継続して募り,本学院
の教育の充実や施設リニューアル(校舎等耐震補強及び改修,キャンパス整備など)を図る。
また,短期大学の学科改組,小学校における学童保育事業の充実や課外教室の開講,幼稚
園の給食サービスや通園バスを検討することで,教育環境を充実させ,より良質のサ-ビス
を提供する予定である。加えて,受動喫煙による健康被害から非喫煙者や学生,生徒児童,
園児を守るため,喫煙と受動喫煙が引き起こす多くの病気の予防とタバコの害についての正
しい知識認識のために,学校敷地内の全面禁煙を 2010 年4月1日から実施し,クリーンな聖
母女学院を学内外にPRする。
なお,聖母チャンネル(京都 KBS ラジオ)出演と第3回クリスマスチャリティコンサ-ト
の実施に加え,第2回絵画コンテストを開催し本学院を広く社会に広報する。
学生生徒数の減少,私学助成金削減等のため私学を取り巻く状況が年々厳しいものとなっ
ている。そのため,2010 年度もさまざまなコスト削減,希望退職制度の継続や賞与の削減等
による人件費抑制を予定しており,これらの施策をとおして財政の建て直しを図る。また,
不断の教育改革は募集を回復する要因となり,それが最大の財政改革と成り得る。
予算編成においては,2009 年度に引き続き,すべてゼロベースで予算編成を行い,学生生
徒等納付金収入予測の上で収支バランスを重視した配分を行った。しかし,財政が悪化して
いる中では,支出超過の予算を組まざるを得なかった。また,大型の保守及び修繕に係る予
備費は,法人事務局で一括管理とした。従って,大型工事計画も法人事務局で優先順位を検
討のうえ,実施する予定である。
これらの取組をとおして,長期的に財政基盤を安定化させ,本学院の今後の維持継続と発
展の実現を図るものである。
Ⅰ.学校法人
1.施設大規模改修(耐震補強等)工事プロジェクトに伴う募金事業の推進
2013 年の創立 90 周年を目前にし,2009 年度から5カ年計画で耐震補強工事を含む校舎等
の大規模改修を行い,学院全体のリニューアルを図る予定である。2009 年度は学院幼稚園園
舎,学院小学校体育館の耐震補強工事及び大規模改修工事,正門と本館前広場整備工事を実
施した。2010 年度は,学院中学校・高等学校の南館・東館・体育館の耐震及びリニューアル
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工事を実施する。
2.管理・運営財政
(1) ガバナンスの強化
教育研究機関として社会的責任(Social Responsibility)を果たすべく,法令遵守
(Compliance)や社会的倫理を重んじ,必要な情報開示と説明責任(Accountability)
を強化していくことが重要であると考える。そのために,規程の整備及びそれに則った
運用を確固たるものにし,組織全体の見直しを図る。
(2) 健全な財務運営及び財務情報の公開
計画的に予算を執行できるよう予算執行制度の改善を図る。収入に応じた適正な支出
を行うという積み上げ方式により,予算配分を適正に行うと同時に,財務状況をホーム
ページに随時開示することで,説明責任(Accountability)を明確にする。
(3) 施設設備の適正管理及びコスト削減の実施
香里キャンパスのセミナーハウスの運用方法を今後検討し有効利用を図る。また,所
属ごとに別々だった納入業者等を一本化することにより,スケールメリットを活かした
コストの削減を行う。また,支払業務等の集中管理を行うことで,業務を効率化する。
(4) 組織の改編
①短期大学
事務室の組織を現状に合わせて変更するものである。
短期大学の事務室に総務課(総務係・入試広報センター),学務課(教務係・学生係・
保健室),キャリアセンター(実習)
,図書館をおく。
②募集対策室の設置
新たに常任理事会直属の組織として募集対策室を設置し,各所属の募集活動を把握分
析することで課題を発見しその対策を検討する。また,必要なサポ-トを適宜実施し
ていく。
3.広報活動・卒業生との連携事業
(1) 広報活動の充実・強化
昨年に引き続き,京都 KBS ラジオ「聖母チャンネル」の出演と第3回チャリティコン
サ-ト,第2回絵画コンテストを開催し,地域社会に広く学校法人聖母女学院を広報す
る。
①京都 KBS ラジオの出演は,春・夏・秋の3回シリ-ズとし,放送回数を増加するとと
もに,生出演に加え,教員・保護者・卒業生への取材も実施し,放送内容の充実を図
る。
②第3回クリスマスチャリティコンサート (会場:京都コンサートホール) は,梯氏の
演奏とし,視覚障害者の関係団体への募金などを通して社会貢献に寄与する。
③絵画コンテストは,京都市在住の小学生,京都市の小学校,絵画教室等にかよう小学
生を対象に「京都市の未来」をテーマとした絵画を募集し,作品展と表彰式を実施す
ることで,京都市の未来に希望を持つ小学生の育成に寄与する。
(2) 保護者会・卒業生との連携事業
香里・藤森両キャンパス保護者会評議員,短大後援会役員,各所属同窓会,監事,学
外理事,学外評議員との交流を深め連携強化を図るとともに,同窓生とのネットワーク
強化,卒業生の聖母女学院への理解を深めていただくことを目的に「新春の集い」など
を実施する。
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4.聖母教育支援センター
(1) 特別教育支援室
特別教育支援室は,藤森キャンパス・香里キャンパスに設置されている「カウンセリ
ング・ルーム」,「箱庭療法室」,「特別支援室」
,「教育相談室」などの活動を引き続き継
続していく。各所属の校内特別支援委員会と連携を図り,保護者,児童生徒からの要請
に応え,学校生活や家庭生活をスムーズに行えない子どもたちや,それに伴う不安を抱
えた保護者たちと関わり,助言や治療を行い,子どもたちが本来もっている精神的な力
を引き出し,スムーズな学校生活・家庭生活を送ることができる手助けとなるよう,各
自教育支援活動を行う。
今年度は,各担当者が,曜日を決めて両キャンパスを分担し,教育的配慮が必要な園
児・児童・生徒・学生を積極的に支援していくと同時に,教職員,保護者,卒業生たち
の相談にも応じていく。
(2) 地域・家庭支援室
地域・家庭支援室では,毎月,学内だけではなく,地域の方々にも呼びかけて,
「聖書
の集い」,
「ボランティア講座」,
「子育て支援講座」を開催する。その他,預かり保育「て
んしぐみ」(週に2回),地域サークルとの交流などを通して,地域支援活動をより充実
したものにする。その他,5月には「マリア祭記念講演会」(5月 27 日・講師渡辺和子
氏に決定),10 月には「ロザリオ祭記念講演会」(日時・講師等は未定)を開催する。
ボランティア部には,現在,藤森キャンパスでは,ぶどうの会,藤の会,かめの会(点
字・点訳・絵本製作),ペンギンの会(視覚障害者のための朗読)が所属しており,それ
ぞれの活動を通して学外との交流及び地域支援に引き続き貢献していく。香里キャンパ
スでは,主に桜樹会が,老人ホーム訪問,小学校でのスクールボランティア(児童たち
のための紙芝居・図書室の手伝い・参観日預かり保育など),パッチワークの集い(エイ
ズ孤児にパッチワークキルトのおくるみを送る活動),手芸部(聖母祭バザー作品制作),
教会日曜学校のお手伝いなどを通して,学内及び地域のために活動を継続していく。
Ⅱ.聖母女学院短期大学
1.教育事業
(1) 学科・コースの再編
生活科学科生活福祉専攻は 2010 年度募集停止,生活科学専攻に心理福祉コースを設
ける。
(2) 教育充実のための取組
建学の精神に則り,学生一人ひとりの将来の目標や適正にあわせて専門的な知識や
教養を身につけ,十分な能力を発揮できる人材を育成することを目指す。また,学生
サービスの,より一層の向上を引続き実施する。
①全学共通
広い教養とカトリック精神を学ぶため,一般教養科目(語学教養科目,キリスト教
学科目等)を充実させる。京都橘大学との包括協定を行い,充実させる。
②生活科学科
ア.インターンシップを充実させ,卒業後の進路を見通し,学びの目的意識を高め
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る。
イ.生活科学科必修科目「生活科学基礎演習」(通年)の教材見直しと,教育方法
を検討し,FD活動を活発に行い教育力の向上と教育の質を高める。
ウ.文章力の低下が際立っており,各教科で文章作法を積極的に取り入れる。
エ.ハローワーク紹介の社会人入学生増加を見込み,現役学生との交流を積極的に
進め,幅広い人材教育を展開する。
オ.社会人力を高めるため,開講中の食物栄養専攻「ボランティア活動」に,生活
科学専攻生も積極的に受講させ,地域のボランティア活動に参加し,社会性を高
める教育を推進する。
カ.京都橘大学との連携を深める(教員の出講等)。
③児童教育学科
ア.「教職実践演習」導入にともなう新教育課程開始年度となるため,各授業科目
の教育内容の見直しと充実を進めるとともに,個々の学生の履修カルテ作成に着
手する。
イ.昨年度から着手した「総合演習」のシラバス改善をさらに進め,初年次教育の
充実を推進する。
ウ.「保育課題実践」を核にして,学生の学習スキルと社会的実践能力を高める教
育を推進する。
エ.「保育実習」「教育実習」と各授業科目との有機的関連性を高めるとともに,
実習先である校園や諸機関との連携を深め,実践現場に根ざした教育を推進し,
更なる就職率向上をめざす。
オ.「聖母こどもフェスティバル」を,学生の学習成果発表の場として生かすとと
もに,さらに地域に根ざした行事にするため,地域の関係諸機関との連携を深め
る。
カ.来年度からの「職業指導」導入の準備に着手する。
キ.京都橘大学をはじめ,他大学との連携をすすめる。
(3) 研究活動
文部科学省研究費の交付を受けた研究や,本学の特定研究,研究紀要の研究論文,
学術研究発表,学術講演会を開催し研究公開の機会を設け,研究活動の活性化と充実
を図る。
(4) 自己点検と評価
昨年度,新委員会としてスタートしたFD委員会の更なる充実を図り,教育の向上,
キャリア教育の推進を実施する。自己点検・評価は継続実施する。
(5) 学修支援の推進
学期初めの教務ガイダンスで,学生の目標に合わせた履修指導を徹底。授業評価ア
ンケートを,2回実施(授業期間の中間と終了時),学生情報を把握,早期に対応す
る。単位取得状況を学科会議等を通じて教員にフィードバック,共有できる体制を構
築し学生指導に反映させる。
2.学生支援事業
(1) キャリア教育の推進
①1回生前期から教員が中心となりキャリアデザインの講義等就職に対する動機付け
を行い,後期からはキャリアセンター職員が中心となり進路別ガイダンス等実践的
ガイダンスを行う。
②随時,教員,実習指導員,キャリアセンター職員等が相談に応対する。
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③上記ガイダンス,相談を繰り返すことによって,就職に対するモチベーションの高
揚と目標達成を支援する。
④集中講義科目「キャリアフォーメーション」を「キャリアデザイン演習」に名称変
更し,通常の授業期間内に開講する。
⑤これらに加えて,インターンシップ制度を立上げ,より実践的な就職支援を充実さ
せる。
(2) 学生生活の支援
①開講諸行事にある様々なガイダンスによって,新しい大学生活を支援する。
②学友会活動,課外活動,大学祭等学生の自主的活動のサポートを図る。また,悩
み,苦しむ学生に対して学生相談室,保健室との連携を強化し意欲をもった学生
生活を支援する。
(3) 奨学金制度の充実
従来の「日本学生支援機構奨学金」「後援会奨学金」と「同窓会奨励金制度」学校
法人聖母女学院「ベルナデッタ奨学金」,そのほか介護福祉士養成奨学金制度等を含
め支援していきたい。
(4) 保護者の方々との協力関係の構築
保護者会で配付の「進路の手引き」で本学の就職状況説明で理解を依頼する。その
他,年間数回の保護者会で意思の疎通を図る。
3.教育環境の整備
(1) 整備計画
学舎の耐震補強工事の計画を進める。補強工事の進行と同時に学舎内のリニューア
ル整備の計画の検討を進めていく。
(2) システムなどの導入
コンピューター教室のシステム更新を検討する。
4.社会連携・貢献事業
(1) 地域貢献の推進
ア.地元伏見での「介護予防サロン」「生活福祉講演会」「聖母こどもフェスティ
バル」「親支援プログラム ノーバディーズ・パーフェクト」など本学各学科
の特色を生かし,今年度も地域に貢献する。
イ.地元自治会の夏祭り,地蔵盆等の協力を実施する。
(2) 生涯学習の支援
恒例となっている秋の公開講座「伏見学」が 12 年目に入る。本年度も 10~12 月に
かけて実施する予定である。
5.学生募集・入試に係る事業
(1) 学生募集活動の強化
2010 年度の募集活動においては,インターネット進学サイトへの参画や,受験生 用
媒体への掲載に関して非常に手薄であったため,大きく資料請求者数が減少し, そ
れがそのまま募集の結果に結びついてしまった。その反省点を踏まえ,2011 年度は,
インターネットを始めとする募集活動を強化し,資料請求者数及び本学のホームペー
ジへのアクセス数を増加させたい。それと同時に,オープンキャンパスの運営を学生
主体にシフトするなど,より活気のあるイベントを目指す計画である。
(2) 入試制度
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学校法人 聖 母 女 学 院
入試日程の他大学との関係を検討し,連日の入試を行うことによって,入試日の選
択を可能とし,受験者増をねらう。AO入試においては,Ⅰ~Ⅲ期まで全学的に行う
ことによって,よりわかりやすくし,受験の機会を増やす。また,センター試験利用
入試においても,出願期間をより長くし,一人でも多くの受験生を確保できるように
配慮する。
(3) 指定校制度の推進
内部高校及び外部高校の指定校推薦基準を見直し,より多くの受験生を確保する。
それとともに,指定校制度は地方の高校生にとって,本学の知名度を上げる絶好の機
会ととらえ,受験の可能性のある指定校を検討し,校数の大幅増加を図る。
Ⅲ.聖母学院中学校・高等学校
1.教育事業
(1) 教育充実のための取組
①Ⅰ類Ⅱ類に分けての新コース制度2年目,いずれの類にも満足感を感じさせられる
よう,各類の特色を更に色濃く打ち出しかつ類型間での不公平感のない学習への取
組を行う。
②学校力・教育力・指導力・チーム力を充実・向上させる為の取組を具体的に推進す
る。
③朝の時間の見直しを図り,有効利用する。
④自学する力を養成するため,8時までの居残り学習実施に取り組む。
(2) 自己点検と評価
①授業評価(自己評価,公開授業時に保護者からの評価)を活用する。
②教育力アップのための,教員研修を実施する。
(3) 学習支援の推進
①学習能力の高い生徒にも遅進者にも満足のいくきめ細やかな授業を展開する。具体
的には,補習,習熟度別授業,夏季講習,考査復習などである。
②一時的に教室へ行きにくくなった生徒にも学習の機会を与え,評価できるよう制度
化する。
(4) 教員のレベル向上
①互いの授業を見学し評価する取組を制度化して実施する。
2.生徒支援事業
(1) 生活の支援
①登校下校時を中心に大きな声で教員による声がけを行い生徒を温かく見守る。“先
生方から愛されている”という気持ちを実感させる。
(2) 保護者の方々との協力関係の構築
①生徒・保護者一人ひとりをお客様として大切に考える姿勢をもつ。
②生徒・保護者からの信頼感を得ることができるよう努める。
③公開授業の持ち方を工夫する。
④家庭との連携を図れるように,学内の教育活動に関する広報に力を入れる。
3.教育環境の整備
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(1) 耐震改修工事による教育環境の整備を実施する。
(2) 補修箇所の速やかな改善をはじめ校内環境の安全と美化に努める。
4.社会連携・貢献事業
(1) 大学との協定・連携関係の中で,多様化する進路に対する知識・興味・関心をもた
せる。
(2) 特別養護老人ホーム,養護学級,授産施設などでの福祉体験を通して,奉仕の喜び
と協力の重要さを学ばせる。
(3) 合唱コンクールやクラブの定期演奏会,チャリティーコンサートなど外部施設での
活動を通し,広く聖母学院中高の元気な良き取組を広報する。
5.生徒募集・入試に係る事業
(1) 生徒募集活動の強化
①悪いイメージを払拭でき新しい“聖母学院”を知ってもらいつつある現状をふまえ,
更に強力に広報活動を行う。
②高校入試に関して,新しい地域の発掘を心がける。
③高校入試に特待制度を導入するなど,募集活動の工夫を行う。
(2) 関係各所との連携
①学内小学校との相互理解を深め良好な関係を構築する。
②塾回りの質量をともに高め,塾との良好な関係を築く。
③公立中学校への広報活動を質量ともに高め,中学校との良好な関係を築く。
Ⅳ.聖母女学院中学校・高等学校
1.教育事業
(1) 教育充実のための取組
①カトリック学校の教職員としての自覚と実践を基本に教職員の資質向上と,教師とし
ての教育力・指導力の向上を図り,分かる授業ならびに信頼される授業を目指して授
業を工夫し改善する。
②学校行事,宗教行事,ボランティア活動などの推進によって豊かな人間性を育てるこ
とに努める。
(2) 自己点検と評価
自己申告・自己評価・業績評価・外部評価の実施により授業評価と学校評価の公表を
行い学校の教育力を高める。また,授業研究と公開授業の実施に努める。
(3) 学習支援の推進
①補充・補習及び聖母ゼミナールなどによってより高い進路実現を目指す。
②土曜講習と学習アシスタント(卒業生OG)による生徒学習支援を実施する。
(4) 教員のレベル向上
「礎」を基に輪読会形式による教職員研修を行い,カトリック学校の教職員として
の資質の向上を図る。
2.生徒支援事業
事業計画 2010
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(1) 生活の支援
①遅刻の徹底指導など生徒指導に一貫性を持たせて,基本的生活習慣の確立を目指す。
②生徒の多様化に応じたカリキュラムや授業形態の工夫により,先取り学習等中高一貫
校の特色を生かす。
③生徒の進路希望別説明会,ガイダンス,講演会の実施等により特別支援指導組織の充
実と体制強化を図る。
④特待生制度の実施とともに,保護者会・同窓会との連携を強化して奨学金制度を検討
する。
(2) 保護者の方々との協力関係の構築
保護者会・同窓会とより一層連絡を密にし,協力関係を強化し,ニーズに応じた教育
を推進する。
3.教育環境の整備
校舎の耐震調査を含めた大幅な耐震補強・大規模改修工事を前提に設計を実施する。
4.社会連携・貢献事業
(1) タイ国際ボランティアへ派遣する。
(2) 吹奏楽部やコーラス・ハンドベル部による慰問ボランティア活動を実施する。
(3) 「からしだね部」を中心にボランティア活動を継続する。
5.生徒募集・入試に係る事業
(1) 生徒募集活動の強化
①小学校と中学校・高等学校との連携による内部進学を推進するとともに,藤森キャン
パスとも連携して「聖母」イメージ・ブランドの再構築を目指す。
②教職員の入試対策への取組に対しての意識改革を図る。
(2) 関係各所との連携
ホームページの充実を図ると共に塾及び中学校に対し積極的に情報提供・募集活動を
行い,連携を強化する。
Ⅴ.聖母学院小学校
1.教育事業
(1) 教育充実のための取組
①カトリックの自然観・人間観に基づいた建学の精神を基盤にした教育を進める中で,
「創造性豊かな子ども」「誠実な子ども」「人を大切にし,奉仕の喜びを知る子ども」
の育成を目指す。
②教員が「職務に関する自己申告」を実施することで教員の意識改革を行い,自己研鑽
の機会として授業研究に重点を入れ教育の充実を図る。
③人権尊重の精神を尊び,学ぶ意欲や思考力・判断力・表現力・コミュニケーション能
力やたくましく生きるための健康や体力など,
「生きる力」の基礎・基本を確実にはぐ
くむ教育活動を展開する。
④子どもたち一人ひとりを大切に,その能力を最大限に開花させるために組織をあげて
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事業計画 2010
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取組,児童が「通いたい」「学びたい」「共に過ごしたい」と感じる学校を目指す。
(2) 自己点検と評価
①保護者の学校に対する評価を実施すると共に,教職員の自己点検を行う。
②校務分掌組織部会ごとに点検表を使って活動状況を定期的に評価する。
③各部の会合に管理職が出席し,活動状況の確認,指導助言を行う。
(3) 学習支援の推進
児童一人ひとりの可能性を最大限に開花させるため,教師の専門性を生かした専科制
をはじめ小集団指導・習熟度別指導など,より一層効果的に授業を展開する。
①合同授業,交換授業など指導体制の工夫を行う。
②週案の記載を確実に行い計画・実施・自己評価し授業時数を確かなものにする。
③教材の開発・活用と実践の成果を教員間で共有し日常の教育活動に生かす。
(4) 教員のレベル向上
①教育指導自己点検表に基づいて個々の教員が自己点検を行い,自己の職務上の課題を
認識するとともに努力目標を明確にする。
②自己の努力目標及び児童の実態に基づいた学級経営案や教職員自己申告を提出させ具
体的な努力目標を明確にする。
③管理職による継続的な授業観察及び自己申告提出時の面接,日常の職務遂行状況の観
察等により個々の教育職員の職務に対する評価を行う。
④授業研究を中心に互いに授業を見せ合う校内研究を推進することにより,一人ひとり
が培ってきた指導技術を学びあう。
⑤教科別研究グループを設置するとともに学年合同研究会の充実を図る。
⑥教育推進校への教員を派遣するなど公立・私立学校の研修会へ積極的に参加させる。
2.児童支援事業
(1) 生活の支援
少子・核家族化・都市化による交流の希薄化などから,現代の子どもの「人とかかわ
る力」の伸長に影響を及ぼしている。そのため,一人ひとりに自己肯定感・自己有用感
をもたせるとともに,社会性・規範意識・コミュニケーションなど「人とかかわる力」
を育む。教師と児童との信頼関係を構築し,一人ひとりの児童のよさや可能性を見つけ,
それを発揮できるようにするため,児童の内面の理解を深めたかかわりを大切にする。
特に,人権尊重の精神を基盤にした個性の伸長に努めることを重視した教育活動を行う。
①集団生活を行う上で必要な約束やきまりの重視
児童一人ひとりに「きまり」の必要性を理解させ,守ることが出来るようにする。個々
の職員によって対応が異なることのないよう全教職員が共通認識し同一指導を行う。
守るべき最小限のきまりは,家庭と協力して徹底する。
②規律と居場所のある学級集団
きまりを守る態度,個人差を認め尊重する態度,互いのよさに気付く感性を重視する。
③宗教を基盤にした心を育てる環境の整備
児童一人ひとりの存在を認める教員の言葉かけ,清掃活動の充実,掲示物等教室の工
夫・整備,花壇や池などの整備を行う。
④あいさつがしっかりできる子の指導を徹底する。
⑤校内特別教育支援委員会の機能充実
特別な支援の必要な児童に対しては,聖母教育支援センタ-内特別教育支援室と連携
し支援内容の充実を図る。
(2) 保護者の方々との協力関係の構築
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学校法人 聖 母 女 学 院
①学校での取組の周知を徹底し,家庭との信頼関係を構築し連携を図る。
②保護者会主催の「夏祭り」に学校も共催として同一歩調で取り組む。
3.教育環境の整備
(1) 老朽化している1.2階の冷暖房設備の計画的な改修
(2) 中運動場の天然芝生化
4.社会連携・貢献事業
(1) ルワンダ・レスキュー隊は,ルワンダで地雷被害者や戦争被害者のために義肢作りを
しているルダシングワ・ガテラサン,ルダシングワ・真美さんの支援を継続する。また,
ルワンダ畑で栽培した野菜を保護者に買ってもらい、その売り上げを世界各国で地雷被
害者の支援をしている「難民を助ける会」に寄付する。
(2) 毎月「米一握り運動」を継続実施し,大阪の支援団体に送付する。
(3) ウォーカソン活動に参加し,募金を日本国際民間協力会と連携して取り組んでいく。
5.児童の募集・入試に係る事業
(1) 児童募集活動の強化
①ホームページのリニューアルを行うことにより資料請求をしてくる保護者の増加を目
指す。
②ホームページに学校訪問を随時行っていることを保護者に周知し来校を促す。
③入試説明会時に他所属の学校案内を配布することにより他所属への連携を図る。
④夏祭り,運動会,クリスマス会など学校行事を見学希望する保護者に対応すべく,門
戸を開くことを検討する。
⑤京阪電鉄の 100 周年行事に協力し,広く本校をアピールする。
(2) 関係各所との連携
①本校の教育活動への理解を深めてもらうため,今後も塾や幼稚園出張して説明会を開
催するなど積極的な募集活動を行う。
②塾や幼稚園への訪問を頻繁に行うことにより募集活動を活性化するとともに,新たな
塾や幼稚園での出張説明会の機会を増やし,直接保護者に語りかけができる募集活動
を実施する。
Ⅵ.大阪聖母学院小学校
1.教育事業
(1)教育充実のための取組
本校の教育活動の2本の柱である,カトリック教育を基盤とした心の教育の徹底と中
学校受験を目指した高い学力の養成に全力を尽くす。これらの取組の基盤となるものは,
言うまでもなくお互いを尊重し合い支えあえる学習集団の育成である。管理職のリーダ
ーシップのもと,校務分掌における宗教教育部,生徒指導部,人権教育部,研究部の4
部門が常に連携しながら,この基盤作りに向けて徹底して校務にあたる。
①宗教教育部の取組
本校の宗教教育を支えるのは,一人ひとりの教員であり,特に日々宗教の授業を担当す
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学校法人 聖 母 女 学 院
る担任は,宗教教育がより子どもたちの日々の生活に密着した指導となるように努力
しなければならない。そのために宗教教育部を中心に神父様による研修を定期的に行
うとともに,教材研究の充実を計る。またそれ以上に,子どもと過ごす時間を大切に
して,深い児童理解に基く子どもたちとの信頼を築いていくことが何よりも大切なこ
とと考えるので,日々の学校生活のなかでお互いを大切にすること,ルールを守るこ
と,奉仕の気持ちで行動すること,弱者をいたわることを徹底する。
②生徒指導部の取組
昨年度から「学級作り」をテーマに研鑽を重ねてきた。学級集団の様相を診断する心
理テストであるQ-Uテストも年に2回(4月・11月)実施し,子どもたちが意欲
を持って楽しい学校生活が過ごせるように取り組む。ルールの徹底は大切なことであ
るが,所属意識を高めることで少しでも自治の意識を育てること,また特に異学年の
交流を意図的・計画的に行い,下学年をいたわる意識を育てることの2点を徹底する。
③人権教育部の取組
障害者理解や高齢者理解のためのボランティア体験を授業のなかで実践していくが,
その土台にはお互いを大切にする意識が無ければ何ら無意味なものとなるので,昨年
から子どもたちに自らが発する言葉に着目させ,人を勇気づける「フワフワ言葉」を
使う取組を始めた。今年度も引き続き取り組む。あわせて,教職員の人権意識の向上
を目指して研修を実施する。
④研究部の取組
学級が教科学習を通じて,本当に支えあう学習集団に育つときには,安心して自分の
意見を述べ友だちの意見を聞きあう力が育つはずであるとの仮説のもと,話し合いで
深め合う授業作りに取り組む。他校の先進的な実践にも学びながら,どの子どもにも
「わかる喜び」
「学びあう喜び」
「認められる喜び」を実感させられるように,研究を
行う。
(2) 自己点検と評価
教員一人ひとりには,
「教育職員自己申告」にて今年度の目標を設定させ,各学期ごと
にその進捗状況を自己点検させる。合わせて管理職が授業を参観し指導するなど,本人
とともにその達成を目指す。また昨年度から始めた学校評価を今年度も実施し,子ども
たちの視点で「学校が楽しい」とどの子どももが心から言える学校づくりを進める。年
度当初に掲げた学校教育目標が,どの程度子どもたちの学校生活において具現化してい
るか,年2度の児童アンケート(6月・2月)
,教員の自己点検アンケート(7月),保
護者へのアンケート(9月)等を実施し,その結果と改善に向けた取組を発表する。特
に支えあう学級集団を目指して,前述したQ-Uテストも教師自身の自己点検に生かし
ていく。
(3) 学習支援の推進
研究部を中心に,友だちと学ぶことが心から楽しいと感じられる授業を創るため,定
期的な研究授業及び公開授業を実施し研究を深める。特に新学習指導要領の移行や中学
受験をも見据えてカリキュラムを見直し,どの子にも着実な学力が保障できる指導を目
指す。そのためにも低学年より教科における基礎を身につけるのはもちろんのこと,特
に集団の中で友だちと学びあう力を鍛えていく。それをもとに高学年ではより友だちと
関わり合い支え合う学習を目指し,主体的に学習に取り組む力を身につけさせる。
(4) 教員のレベル向上
教員相互が,日常的に子どもの視線で話し合う機会をできるだけ多く持ち,子どもた
ちを育てるために個々の教師の体験や能力を,共有しあえる雰囲気を高めることに努め
る。それを土台として,常に進んだ実践や理論を自ら吸収するために校内の研修の充実
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学校法人 聖 母 女 学 院
はもちろんのこと,他校での研修にも積極的に参加するよう努める。そして,
「教育職員
自己申告」で掲げた目標に向かって資質向上に各々が取り組む。特に若い教師を職場を
あげて支援し育てる。
2.児童支援事業
(1) 生活の支援
担任はもちろんのこと,全教員が子どもと触れ合い,集団の中に入って,関わり続け
ていくなかで,その子どもをとりまく様々な情報を共有していくことが大切である。そ
のために教員の側からの挨拶や声かけを励行し,休み時間にも一緒に遊ぶことに努める。
これらの情報をもとに生徒指導の土台となる児童理解を深め,それぞれの子どもが健や
かに安心して楽しい学校生活が過ごせるよう支援する。
(2) 保護者の方々との協力関係の構築
保護者総会,学年懇談会,学級懇談会及び個人懇談会の場で,学校の方針や担任の考
えや意図をわかりやすく伝えることを心がける。学校が保護者の理解や信頼を得るため
には,何よりも個々の担任が,子どもたちの指導を通して保護者と信頼関係を深めてい
く以外に方法はないと考える。それぞれの子どもの状況をしっかりと把握し,その課題
の克服に向けて全力で取り組んでいく。そういった取組を理解していただく意味でも,
参観日や行事において,子どもたちの成長の様子がきちんと伝わるように努める。また
保護者の多様な願いや悩みなどに対しても,しっかりと受けとめて応えていくように努
める。
3.教育環境の整備
子どもたちにとって常に安全・快適であるように,教員による施設安全点検を月1回実施
して整備に万全を尽くす。また用務職員,教員が一体となって校内の整理整頓と美化に努め,
子どもたちの美化意識の育成をはかる。
また仕事をお持ちの保護者が急増していることから,昨年に引き続き,学童保育「プチパ」
及び配食事業の充実,改善に努める。さらに希望者ではありますが,1年生~3年生におい
ては放課後に「アフタースクール」としてサッカー,体操,そろばんなどの教室を開講し,
体験の拡充をはかる。
4.社会連携・貢献事業
何よりも礼儀正しい聖母の子どもとしての品格を備えた子どもを育て,日々の学校内外で
の生活において,人を大切にすることを実践できる子どもを育てることが,最大の 社会貢
献であり,本校のスクールミッションであると考える。このほか全校では,カトリック香里
教会の釜が埼での炊き出し支援と連携して,
「お米ひとにぎり運動」を年中実施する。またカ
トリック大阪教区のシナピス募金にも年中を通して連携・協力していく。
5.児童募集・入試に関わる事業
(1) 児童の募集活動強化
厳しくなる一方の募集状況であるが,以下の点を取組の重点とする。
①入試説明会やプレテストのほか,個別訪問を積極的に受け入れ,志願者が学校を訪問
する機会を増やす。
②積極的に塾・幼稚園での説明会を開催し,学校の取組と入試内容の説明を行う。
③従来の大阪方面に加え,京都方面へも広報活動を拡充する。
④差別化をはかるため,教員全員で募集増加につながる新規事業を検討する。
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⑤私立小学校への志願者の減少が予想されるなか,A・B・Cの3回の入試を実施し定
員確保に努める。
(2) 関係各所との連携
新設される法人入試対策室と連携して,より広範囲の幼稚園・保育園・塾・幼児教室
と連携そし公平な情報提供のもとに信頼関係を深めていく。また,言うまでもなく聖母
女学院中学校とは,全面的に協力を推し進め,内部中学校が存在することが女子志願者
確保の原動力となるよう努めていく。
Ⅶ.聖母学院幼稚園
1.教育事業
(1) 教育充実のための取組
カトリック校の使命として,また特色として,カトリック精神の根幹である「人を愛
する」ということを感得させなければならない。そのため,日常の園生活の中において,
子ども心にも他人を思いやる,他人にあたたかく接する,他人のやさしい心遣いに感謝
する等のことが言葉・行動をとおして実践できる保育・指導に努める。
(2) 自己点検と評価
日々の取組について,子どもの立場に立った園生活について,家庭との連携について,
日常普段の保育・指導を反省するとともに,保護者にアンケートによる回答を求めた「学
校評価」の結果と照らし合わせ,取組の見直し,子どもの思い・親の願いを受け止めた
園生活の充実を目指して保育・指導の改善を図る。
(3)学習支援の推進
①子どもが主体的に活動に臨めるよう,子どもの興味を引き出し意欲を高めるために,
働きかけを工夫するとともに教材,教具等の環境を整える。
②子どもの活動が個別に終始することがないように,褒め合ったり,支え合ったりして
互いに高め合う集団となるよう,小集団活動を意図した仲間づくりにも配慮する。
(4) 教員のレベル向上
①日々の保育・指導から共通の課題と考えられることがらについて,それぞれの実践を
交流するなど,事例を基にした研修を重ねる。
②外部で催される研修会に積極的に参加し,各自が研修するとともに,伝達研修により
研修の成果を全体に拡げる。
③時宜にかなった教育課題について理論研修の機会を設ける。
2.園児支援事業
(1) 生活の支援
①子ども一人ひとりの家庭環境・生活背景を把握し,子ども理解に努める。
②特別な支援を要する園児に対しては、聖母教育支援センタ-内特別教育支援室と連携
して,特別支援教育の充実を図る。
(2) 保護者との協力関係の構築
毎日の登園時・降園時にそのときどきに必要なことがらを連絡する,保育参観の機会
を増やすなど,園としての方針や取組の内容を十分に理解してもらうことを意図して,
園と家庭との連携を緊密なものとする。
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3.教育環境の整備
大型テレビやプロジェクターの導入により,有効なソフトを整備・制作し,視聴覚面での
保育・指導を充実させる。
4.社会連携・貢献事業
(1) 園の保護者に限定せず,広く地域の人々をも対象とした「子育て支援講演会」を企画
する。
(2) 公的機関や民間団体から地域に貢献できる事業への参加要請があれば積極的に参加す
る。
5.園児募集・入試に係る事業
(1) 園児募集活動の強化
①他園との違いや特徴を「口コミ」で拡げてもらえるように,在園児の保護者に具体的
な情報を提供する。
②ホームページの案内でセールスポイントを明確に示すとともに,お知らせやブログで
子どもたちの活動や保育・指導のようすをできるだけリアルに伝える。
(2)関係各所との連携
他園の特色ある取組を検討し参考にした上で本園の取組に活かし,募集の強化に資す
る。
以上
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