「バドミントンにおける体幹強化と競技力向上に関する一考察」 ~コア

「バドミントンにおける体幹強化と競技力向上に関する一考察」
~コアパフォーマンス・トレーニングの導入について~
バドミントン専門部
山形市立商業高等学校
大
山
孝
光
1
はじめに
3年ほど前の冬、当時本校の部員のプレーを見ながら、トレーニングや基本的なスキルについて
改善の必要性を感じていた。一言で表せば、全体的に「体のキレ」がないのである。例えば、ネッ
ト前で有利に攻撃しているはずが逆に相手のリターンで揺さぶられてしまう者、上半身が折れ曲が
ってしまい低いフライトのシャトルを安定した体勢でとらえられない者など、いわば「打ちっぱな
し」
「取りっぱなし」の状態が目立っていたのである。特に女子選手は速くて重いショットを出すこ
とが困難なため、決めきれずにラリーが長くなる傾向にある。ジュニア期にはスマッシュ力があり、
相手に対するディセプション(=フェイントと言われることが多い)が効いていれば、ある程度のレ
ベルまで勝ち上がることができる。しかし高校以上のレベルでは限界がある。すなわち、ラリーす
る力が求められるのである。ところが正確なストロークのスキルと、コート内を粘り強く移動し続
けるような持久力を強化する練習だけでは何かが足りず、
「体のキレ」を作るために何が必要なのか、
とにかく考えあぐねる毎日であった。以前、走ることで「体のキレ」を作るのが良いと聞いたこと
がある。しかし、(それ自体は否定しないが)何かが足りないと強く感じていた。
そのような折、筑波大学バドミントン部の練習に参加させていただく機会を得て、監督の吹田真
士氏(同大学体育科学系助教)の指導を仰ぐこととなった。それから何回か練習に参加させていただ
く中で、「体幹」を鍛えることの重要性について考えるようになった。「体のキレ」を作るために有
用だと感じたからである。私自身もその当時初めて触れるトレーニング理論であり、フィジカルを
鍛えるトレーニングのほか、バドミントンの専門的トレーニングにも応用できる練習方法を多く学
ぶことができた。しかし実際のところは高校生アスリートはもちろんのこと、高校運動部を指導す
る我々にとってもなかなか簡単に理解できるトレーニング理論ではないと感じている。また、体幹
を強化することで得られる効果を検証することや、個々の競技の専門的トレーニングにどのように
応用していくのかが課題となってくるであろう。
本稿では、吹田氏に示唆を受けた体幹強化のトレーニング理論をベースとして、日常の練習の中
に様々な形で採り入れながら実践した経過について報告する。
2
研究の方法
(1)対
象
(2)研究期間
(3)指導手順
本校バドミントン部員(女子)17 名
平成 23 年 1 月~平成 24 年 1 月
①書籍、雑誌、インターネット等による基礎的知識の習得
②簡単な講義等を通してトレーニングの目的や方法について共通理解の構築
③各種トレーニングの実践(体幹を鍛えることを重視したフィジカルトレーニ
ングの実施)
④バドミントンのスキルに関わる専門的なトレーニングの実践(バドミントン
コートにおけるオンコート・トレーニングの実施)
⑤トレーニング効果の検証
3
具体的指導の実践
(1)筑波大学バドミントン部における取り組み
①コアパフォーマンス・トレーニングとの出会い
平成 23 年 1 月に 4 日間にわたり、筑波大学バドミントン部の練習に参加させていただい
た。参加した生徒は 17 名の部員のうち、前年に行われた県高校新人大会の学校対抗戦メン
バーとなった選手 6 名である。この練習参加の目的は、関東大学リーグ1部で戦うトップレ
ベルの選手達のプレーに触れることで生徒達に刺激を与えること、吹田監督の様々なレクチ
ャーや指導を受けることで生徒の知的好奇心を喚起させ、「バドミントンについて考える姿
勢」を構築させることであった。大学がシーズンオフ的な時期だったこともあり、吹田監督
には敢えて様々な要望はせず、学生が通常行っている練習に参加させていただくこととした。
この時期、大学では部員全員が、マーク・バーステーゲンが著わした『コアパフォーマン
ス・トレーニング』(2008 大修館書店)を常にラケットバッグの中に携行し、内容を参考に
しながら各自トレーニングに取り組むとともに、監督の指示によっていつでも必要なページ
を開ける状況にしてあった。吹田監督によれば同書に基づいたトレーニングは 10 週目に入
っており、前年秋のリーグ戦終了後から継続的に取り組んできたということであった。本校
から参加した生徒も見よう見まねで参加させていただいたが、結果的にこれらトレーニング
を経験したことにより、本校の練習にも積極的に導入していく契機となった。
②大学生のトレーニングに学ぶ
同部の部員は理論的な学習に対する姿勢も意欲的で、バーステーゲンのトレーニングにつ
いても、部活動の場のみならず、時に練習前に吹田監督によってトレーニング理論の講義が
行われていた。学生はこれら理論を理解した上で取り組んでいるため、効果も自分で検証す
ることが可能かと思われる。本校の部員も基礎的な知識がないままに参加させていただいた
わけであるが、経験したフィジカル的なトレーニングや専門的トレーニングについては大学
の練習を模倣するだけでは不十分であることが予測されたため、学生と同水準とまではいか
ないものの、ある程度の基礎的な知識を得て実施することで効果を高められるものと考えた。
③プレーの中に生かすための理解づくり
吹田監督からは、関連して「軸脚を活かしたセンターへの戻り」についても重点的にご教
授いただいた。ラケットを握る利き手と同じ側の脚を「ラケットフット」とよぶ(右利きな
らば右脚)が、特にネット前やサイドへの移動にあたっては最後の1歩がラケットフットと
なるケースが多い。このムーブメントの中で多くのプレーヤーは体勢を崩すことも多くなり、
併せて、不安定な動きからいわゆる「手打ち」や「打ちっ放し」の状態にも陥りやすい。そ
こで自分の体勢を戻して効果的に次のプレーに移行するため、通常は見逃されやすいラケッ
トフットの逆脚(=ノン・ラケットフット)の動きに着目することについて考えるものであ
る。以前は上体を安定させるために、ラケットフットでしっかり踏み込み、ノン・ラケット
フットでしっかりとブレーキを効かせることに指導の重点が置かれていた。しかし最近は、
戻りのスピードを重視してノン・ラケットフットを体にむしろ引きつけ気味にし、コート内
の移動スピードを向上させようとするプレーヤーも増えている。同時にラケットフットへ負
荷をかける「プレ・ローディング」の理念も指導に導入されるようになり、コート内の移動
スキル向上について多くの工夫と試行錯誤が行われているなか、従来の練習方法にとらわれ
ない姿勢が求められるのである。
「軸脚」とは、ノン・ラケットフットのことを指す。体をシャトルの方向に持って行くた
めの起点がまさに「軸脚」であり、次のプレーの局面に移行するために「戻り」を意識する
ことが必要となってくる。我々指導者は、ラケットフットの出足のスピードには注視するが、
「戻り」についてはなかなか有効な指導ができていないと感じられる。そこで、この「軸脚」
という意識を強く持たせることにより、まさに体の動きの方向を変化させるための軸として、
ノン・ラケットフットを効果的に用いるきっかけとなる練習を行い、実際のプレーへの導入
を図っていく過程を作っていくこととした。そして、ラケットフットの出足、体勢の戻し、
プレーイング・センターへの戻りなど、様々な部分で「軸脚」が次の動きの起点となるケー
スが多いことを常に考えることにより、移動スピード向上を目指すものである。
ここで注意したいのは、前述した「体のキレ」の問題である。この「軸脚」に関わる動き
を向上させるためには、
「体のキレ」と「動きをスタートさせるための起点」を鍛える必要が
ある。フィジカル的土台を作らなければ練習の効果も出にくいため、基礎的なトレーニング
と組み合わせて実施していくこと、つまり、
「軸脚」を効果的に用いるためには体幹の強化が
重要な要素となること、不安定な動きを改善していくことを目標にするために体作りが不可
欠であることを強く意識づけた。それらを通して、生徒にはフィジカルトレーニングとバド
ミントンの専門的なトレーニングがどう関連づけられ、そしてどのようにプレーに活かされ
ていくのかを理解させることができたと考える。単なる流行を追ったトレーニングに終わら
せないために、選手の理解を構築していく指導を疎かにしてはならないと感じた。
(2)本校におけるトレーニング実践
①練習環境の準備その1(映像資料の効果的活用)
実際のプレーと結びつけるため、多くの選手の試合を映像で検証しながら、体幹強化の効果
について選手それぞれが目で見て確認する作業を行った。特に有用であったのは男子シングル
スの世界トップランクにある、リン・ダン(中国)とリー・チョンウェイ(マレーシア)の試
合映像であった。吹田監督が独自に編集した映像資料をいただき、それらを繰り返し見ること
でトレーニングに対する理解を深めさせた。彼らの実際の試合では直接対決の戦績に大きな差
はないが、提示した映像では、ショット後の戻りが早いことでコート内を「動かされている」
印象が薄いリン・ダンと、対戦相手の巧みな配球でコート内を「動かされている」リー・チョ
ンウェイの差を際立たせた編集がなされていた。リー・チョンウェイは戻りがわずかに遅れる
ことでアウト・オブ・ポジション(ホーム・ポジションから常に外されてポジショニングしな
ければならない)の状態となり、結果的に体勢が崩されたままコート内を「動かされている」
印象が強く見受けられる。オープンスペースが作られることで、リン・ダンは強烈なショット
で決めることが可能となっていた。また、リン・ダンは常に上体が安定しており、十分な体勢
からラケットを出すことが出来ている。編集されている効果があるとは言え、こちらが意図す
ることを視覚的に理解できたと思われる。
なお、これら映像を提示するために体育館にスクリーンとプロジェクターを準備した。選手
の印象の新鮮なうちに練習に入ることができることを意図し、また、理解が深められなかった
者は、その場で納得できるまで映像資料を繰り返し見直すことができる効果もある。
②練習環境の準備その2(参考書籍等の活用法)
前掲したマーク・バーステーゲン『コアパフォーマンス・トレーニング』は高校生にそれぞ
れ持たせるには高価であるため、トレーニング前には指導者からトレーニングの概要説明は行
うが、同書を練習場所に1冊常備し、不明な場合や疑問が生じたときには常に閲覧できるよう
にした。また、同書の理論的な部分やトレーニング内容が重複するようなトレーニング・マニ
ュアル本を何冊か置き、オンコート練習から外れた時などに手軽に開けるようにした。また、
1 人に1冊ずつクリアーファイルを持たせ、体幹に関わる基礎的知識をまとめたレジュメや、
トレーニングに関わる説明プリント、メモ類を保管させ、あわせてバドミントンに関わる様々
なペーパー類を自由にファイルできるようにし、それぞれのオリジナルファイルを作らせた。
③トレーニング計画および経過について
基本的にトレーニングは『コアパフォーマンス・トレーニング』を参考にして行うこととし
た。この中でマーク・バーステーゲンは日常の食生活や生活習慣まで含めて、様々な観点から
トータルなトレーニングを提案しているが、著者自身は「プロのアスリートのためにつくられ
たプログラム」であると述べている。現実的にも高校生が日常生活を送っていく中ですべてを
忠実に実践して行くことは難しいと考えられ、また、トレーニング機器が十分に整備されてい
ない環境も踏まえて、本校では「コア・ワークアウト」とよばれるトレーニングについて重点
をおいて実践し、「スーパーセブン」として 7 つのユニットに分類されたもののうち、ムーブ
メント・プレパレーション、プリハブ、バランスボール・エクササイズ、弾性エクササイズ、
リジェネレーションの 5 ユニットに重点を置くこととした。
大会等の行事
実践の主な内容
筑波大学合宿
全国選抜東北予選
(合宿・大会終了後)
○「体幹」についての理解、トレーニング理論
「コア・ワークアウト」に関するガイダンス
(顧問による講義形式 2~3 時間程度)
○「コア・ワークアウト」の実践
(毎週月・木・土 練習開始から 1~1.5 時間)
○「体幹」強化を意識した専門トレーニング(ノック等)
(週 3~4 日 1.5~2 時間)
実施 5 週間
3月
考査による中断
震災による中断
※中断期間
4月
全国有力校合宿
県外遠征
○「コア・ワークアウト」の実践
(毎週月・木・土 練習開始から 0.5~1 時間)
○「体幹」強化を意識した専門トレーニング(ノック等)
(週 3~4 日 1~1.5 時間)
実施 5 週間
5月
強化合宿
地区高校総体
県高校総体
国体地区予選会
東北高校選手権
平成 23 年 1 月
2月
6月
2 月下旬から 3 週間程度
○「コア・ワークアウト」の実践
(トレーニング時間は各自で設定)
7月
国体県予選会
8月
強化合宿
インターハイ
東北総体
9月
10 月
地区リーグ戦
地区高校新人大会
全日本ジュニア
強化合宿
11 月
県高校新人大会
12 月
平成 24 年 1 月
4
強化合宿
(国体県予選会終了後)
○「コア・ワークアウト」の実践
(毎週月・木・土 練習開始から 0.5~1 時間)
○「体幹」強化を意識した専門トレーニング(ノック等)
(週 3~4 日 1~1.5 時間)
実施 7 週間
○「コア・ワークアウト」の実践
(トレーニング時間は各自で設定)
(県高校新人大会終了後)
○「コア・ワークアウト」の実践
(毎週月・木・土 練習開始から 1~1.5 時間)
○「体幹」強化を意識した専門トレーニング(ノック等)
(週 3~4 日 1.5~2 時間)
実施 9 週間
結果と考察
(1)トレーニング導入に関わる意図と課題
①トレーニングの時期、時間およびトレーニング量の設定について
バランスボールやミニハードルなどトレーニング器具の数的な問題もあったため、大会直
前以外の時期は別表のようにあらかじめ全体練習の中で時間設定をして、定められた時間の
中で各自が種目の順序を調整しながら実施するようにした。また、大会直前はそれぞれの状
況に合わせ、出場する選手はバドミントンの専門的トレーニングを中心に行わせるようにし、
出場しない選手については各自でゲーム練習等の時間にコートから外れたタイミングを見計
らうなどし、各々でトレーニング量を設定させた。
全体練習に組み込んだ目的としては、全員が一斉に行うことでトレーニングの成果を他者
と比較が出来るようにしたことが挙げられる。また、コートの制約があるため平素の練習で
はオンコート練習の機会が少ない選手もいるが、全員がすべて同じタイミングで実施するこ
とで、大切なトレーニングであることを強く意識させる意味もあった。
「コア・ワークアウト」を終了した後すぐにバドミントンの専門トレーニングに移行し、
ノックなどの手法を用いて「体幹」を意識させる練習を積極的に組み込んだ。これによって、
「体幹」の強化が競技力向上にどう活かされるか実感することが出来たと考えられる。
②トレーニング実施に関わる課題
この取り組みを行っている間に東日本大震災という不測の事態が発生した。この中断期間
を経て、トレーニングを再開した際に、生徒達はそれまでに得た安定したボディバランス、
著しく向上していた柔軟性などが激しく失われていることを図らずも知ることとなった。試
合期が近づいていたことで震災後はシャトルを打つ練習が増えたため、特に 3 年生は「コア・
ワークアウト」に取り組む時間が激減し、結果として継続して取り組むことの重要性を認識
するきっかけとなった。
効果的なトレーニングを実施するためには、数値目標の設定、トレーニング結果の記録な
どを本来行うべきであると考える。今回の取り組みでは、それがほとんど出来ていなかった
ことが大きな反省点である。また、練習する時間や場所、トレーニング機器などの環境が限
られているため、実施できるトレーニングにも制約が生じた。本校では多くの部が近隣のス
ポーツジム等でトレーナーによってフィジカル面の指導を受けているが、女子バドミントン
部は校内のトレーニングのみ実施している状況である。指導者と生徒がトレーニング方法を
独学して行うにも限界があり、実際に正しいトレーニングが行われているのか疑わしいもの
もあり、十分な成果を得るためにはやはり専門的な指導者との連携が望ましいと思われる。
当然のことではあるが、フィジカル強化を目的としたトレーニングは個々の課題や状況に
対応したものであるべきで、他者と安易な比較や競争が行われるのであれば、それは避けな
ければならない。選手一人一人の発達段階に応じて、それに見合った課題を指導者が設定し
てこそ効果を高めることが出来るはずである。今回はそのあたりが不十分であった。
③トレーニング導入の成果
○コート内移動の動きがスムーズになったこと。ネット前のシャトルを拾う際に頭が下がっ
たり腰が折れて極端な前傾姿勢になり、不安定な体勢になる選手が減ってきた。
○サイドライン方向への移動の際に重心がぶれなくなった者が多く、
「手打ち」や「ラケット
に当てただけ」というような安易なプレーを減らすことにつながっている。
○体がぶれにくくなったことでジャンプを入れたショットや、ラウンド・ザ・ヘッドなど体
勢が崩れやすいストロークに安定性が増している。
○指導する中で「もっとスピードを上げて」
「シャトルの下に早く入って」などといった抽象
的な指示ではなく、例えば「重心移動がぶれないように」
「軸脚を活かして方向を切り換え
る」などといったより具体的な指示に選手が反応できるようになっている。
大まかに示すと上記のような点が成果として挙げられる。結果として、特に意識しなくても
自然に安定した体勢をとることが可能になっている選手が増えた。数値には示しにくく効果が
わかりにくい点はあるが、何より様々な場面において選手自身が効果を実感していると考える。
このように拙いレポートとしてまとめる過程で、私自身も様々な情報や成果の整理を行って
きて感じ取ったこと、改めて考えさせられたことも多い。体幹強化については実際この取り組
みを行っている間にも多くの関連書籍が出版され続け、映像資料も多く見られるようになった。
従来はバドミントンの専門的トレーニングにどのように関連づけるのか、私たち指導者として
も手探りの状態であった。今後競技の特性を活かした指導のあり方がますます研究されていく
と予想されるが、日々の取り組みの中でも努力を継続していきたいと考える
写真①
写真②
写真①②は、
「インバーテッド・ハムストリングス」とよばれるトレーニングである。ハムスト
リングスの柔軟性を高めたり、片脚立ちすることでバランス調整能力を養う。これら選手はト
レーニングを開始して 10 週程度の段階であるが、バランス向上が見られる写真①の選手に対
し、写真②の選手は右脚のつま先がふらつくなど安定感を欠いていることがわかる。
<バドミントンの専門トレーニングへの応用>
写真③
写真④
写真⑤
写真⑥
写真③
シャトルをコート四隅に置き、選手はなるべく低い体勢を維持しながらコート
内を移動し、シャトルの上で軽くスイングを行う。スイングした後は必ずホーム
ポジションに戻ることを意識させる。体幹が安定しない選手は前傾姿勢が強くな
り、股関節が「閉じた」ような形になりがち。
写真④ シャトルをコートの 6 点に 5 個配置し、空いているポイントにいずれかのポイン
トからシャトルを持って移動させる作業を繰り返す。体幹が安定しない選手は、
写真③と同様に、シャトルを置いた時に前傾姿勢になりやすい。
写真⑤ ノック形式で行うラウンド・ザ・ヘッドの部分練習。多少負荷がかかるが、ラケ
ットフットを踏み出させ、「踏ん張らせた」状態を作らせて実施する。体が外側に
流れたり、上体が折れないよう注意させる。
写真⑥ J.P.S(ジャンピング・パワー・スマッシュ)から 3 歩でネット前に移動し
てプッシュで決めさせる練習。この写真はネット前でプッシュを打つ直前の写真
であるが、体勢は安定している。また、リアコートでスマッシュを打つ際も、そ
の場でジャンプしてスイングするため強い体幹力が求められる。