キリスト教の基礎 担当者一覧(政治学科) ※授業計画は多少変更される場合もあります。入学後必ず大学ホームページ上のシラバスを確認してください。 植木 献(ウエキ ケン) 春学期 授業概要 この授業で扱うテーマ 1)神は存在するか、2)聖書とは何か、3)キリスト教における愛と性、4)キリスト教は誰の宗教か x 体系的 ○トピック的 客観的な知識を憶えることよりも、まず「私はこう思う」という自分自身の考えを言葉で表現することを 重視。 授業は上記のテーマを中心に行うが、関心に応じて時間を多くとったり、テーマ自体を省略・変更 することもある。毎回授業の最後にコメントシートを書いて提出してもらう。また、テスト以外に 2 回の 小レポートを予定している。 学習目標 キリスト教とは私にとって何か。否定的・肯定的を問わず、この問題に対して、受講者それぞれが自 分の考えを説得的に表現できるようになることがこのコースの目標である。これはキリスト教が投げ かける思想的課題に、現代に生きる私たちがどう応答するのかということでもある。 授業計画 【第1回】ガイダンス 【第2回】神は存在するか1 【第3回】神は存在するか2 【第4回】神は存在するか3 【第5回】神は存在するか4 【第6回】聖書とは何か1 【第7回】聖書とは何か2 【第8回】聖書とは何か3 【第9回】聖書とは何か4 【第 10 回】キリスト教における愛と性1 【第 11 回】キリスト教における愛と性2 【第 12 回】キリスト教における愛と性3 【第 13 回】キリスト教における愛と性4 【第 14 回】キリスト教は誰の宗教か 1 【第 15 回】キリスト教は誰の宗教か 2 授業に関する注意事項 批判的なものの見方、考え方を大切にして欲しい。それがキリスト教の理解を深めることになる。 教科書 教科書は使用しない。『聖書』を随時参照するため、持参すること。訳は何でもよい。聖書はすでに 持っているものがあれば、新たに買う必要はない。ただし旧約・ 新約の両方があるものを用意。 参考書 授業内で随時指示 成績評価の基準 配点は、テスト 50 点、レポート 30 点(15 点 x2 回)、コメントシート 20 点(提出ごとに 1 点、特によいも のは 2 点、最大で 20 点まで)の計 100 点。 またこれ以外に自主的なチャペルレポートを歓迎する(提出ごとに 1 点、特によいものは 2 点、最大 で 10 点まで成績評価に加算)。 秋学期 授業概要 否定的・肯定的を問わず、キリスト教とは私にとって何か?という問いに対して、受講者それぞれが 自分の考えを説得的に表現できるようになることを引き続きこのコースの目標とする。この目標は決 して簡単なことではないが、言葉にしにくいものを言葉にしていく作業こそが、新たな文化を生み出 す原動力となるはずである。 学習目標 キリスト教は 2000 年の歴史の中で、様々な矛盾・葛藤を通して多様な文化を生み出してきた。この 文化形成のプロセスを追体験することが目的である。 授業計画 【第1回】ガイダンス 【第2回】フィルム・アナリシス1 【第3回】フィルム・アナリシス2 【第4回】フィルム・アナリシス3 【第5回】フィルム・アナリシス4 【第6回】キリスト教は戦争の原因か1 【第7回】キリスト教は戦争の原因か2 【第8回】キリスト教は戦争の原因か3 【第9回】キリスト教は戦争の原因か4 【第 10 回】イエス・キリストとは誰か1 【第 11 回】イエス・キリストとは誰か2 【第 12 回】イエス・キリストとは誰か3 【第 13 回】イエス・キリストとは誰か4 【第 14 回】文化形成とキリスト教1 【第 15 回】文化形成とキリスト教2 授業に関する注意事項 客観的な知識を憶えることよりも、まず「私はこう思う」という自分自身の考えを言葉で表現することを 重視。 授業は上記のテーマを中心に行うが、関心に応じてテーマ自体を省略・変更することもある。毎回 授業の最後にコメントシートを書いて提出。また、テスト以外に2回のレポートを予定している。 教科書 教科書は使用しない。『聖書』を随時参照するため、持参すること。訳は何でもよい。聖書はすでに 持っているものがあれば、新たに買う必要はない。ただし旧約・ 新約の両方があるものを用意。 参考書 授業内で随時指示 成績評価の基準 配点は、テスト 50 点、レポート 30 点(15 点 x2 回)、コメントシート 20 点(提出ごとに 1 点、特によいも のは 2 点、最大で 20 点まで)の計 100 点。 またこれ以外に自主的なチャペルレポートを歓迎する(提出ごとに 1 点、特によいものは 2 点、最大 で 10 点まで成績評価に加算)。 工藤 宜延(クドウ ヨシノブ) 春学期 授業概要 春学期はキリスト教に初めて触れた学生に焦点を当て、キリスト教全般の基礎的理解に努める。特 に旧約聖書の読み方(その背景をなすユダヤの民の自然観・神観・歴史など)と新約聖書(当時の ユダヤの時代背景・イエスの根本思想・福音書の記述内容など)を中心に学習する。あわせて、ユ ダヤ人の始祖ともいうべきアブラハムから枝分かれしたイスラム教世界の理解をも、まさに今日的な 緊急問題として見て行くことにする。 学習目標 キリスト教の学習を進めていく中で、自己の世界観を広める 他文化との接触に際しての自己のありかたを考えてみる 本をきちんと読んでいくこと・自らの考えを表現することをこころがける(新たな自己発見の旅) 授業計画 【第1回】この授業へのガイダンス(1 年間の方針・コメントなど) 【第2回】旧約聖書というものの基礎理解・世界の中のユダヤの民 【第3回】創世記(神・世界・人間) 【第4回】ユダヤ人の始祖たち(アブラハムの系譜) 【第5回】モーセ(人と思想) 【第6回】映画『十戒』鑑賞(前編) 【第7回】映画『十戒』鑑賞(後編) 【第8回】新約聖書というものの基礎的理解 【第9回】イエスの生涯と思想① 【第 10 回 イエスの生涯と思想② 【第 11 回】イスラム教の歴史と思想 【第 12 回】パレスチナ紛争 【第 13 回】日本のキリスト教の歴史 【第 14 回】明治のキリスト者(内村鑑三ほか) 【第 15 回】平常試験と春学期の振り返り 授業に関する注意事項 授業にたいするマナー(そのつどこちらから示唆)を守る。 春学期に 1 回はチャペル・アワーに出席し、レポート提出をすること。 教科書 工藤宜延著『キリスト教の基礎』(出帆舎) 補助資料としてプリントを随時配布する。 参考書 新共同訳『聖書』(日本聖書協会発行) 成績評価の基準 授業への参加姿勢はもとより、レポート(チャペル・アワー、映画鑑賞後のレポートなど)の評価2 0%、小テスト10%、学期末の筆記試験の成績70%による総合評価 秋学期 授業概要 秋学期の授業は、春学期の知見を踏まえ、さらに踏み込んだ展開をおこなう。初期のキリスト教会 成立後、いかなる理由でイエスとその集団の教えは世界的な伝播をなし、ヨーロッパ地域での権威 を確立して行ったのかを、まず扱う。そして裏付けに映画『クオ・ヴァディス』を鑑賞する。そしてアウ グスティヌス、パスカル、ニーチェなどの思想家を取り上げる。 学習目標 われわれの足もと(日本人と日本文化)をもういちど見つめてみる。 他文化との接触に際しての自己のありかたを再考する。 文章による自己表現を高める。 授業計画 【第1回】秋学期の方針・映画『シンドラーのリスト』(部分) 【第2回】キリスト教の歴史①(原始キリスト教の成立、そのローマ世界への浸透、カトリック教会の成 立) 【第3回】キリスト教の歴史②(宗教改革) 【第4回】映画鑑賞『クオ・ヴァディス』① 【第5回】映画鑑賞『クオ・ヴァディス』② 【第6回】キリスト教の歴史③(西洋近代化とキリスト教、M.ウェーバーの資本主義成立論) 【第7回】イギリス・アメリカとキリスト教① 【第8回】イギリス・アメリカとキリスト教② 【第9回】アウグスティヌス・人と思想 【第 10 回】アウグスティヌスの『告白』を読む 【第 11 回】パスカル・人と思想 【第 12 回】20 世紀の思想家たち(精神分析・マルクス主義など) 【第 13 回】ニーチェ・人と思想 【第 14 回】日本人と宗教心 【第 15 回】平常試験と 1 年間の振り返り 授業に関する注意事項 チャペル・アワーに出席し、レポートを提出すること(1 回) 授業のマナーを守ること。 教科書 工藤宜延著『キリスト教の基礎』(出帆舎) 補助資料として随時プリントを配布 参考書 新共同訳『聖書』(日本聖書協会発行) その都度の指示をする 成績評価の基準 授業への参加姿勢(出席回数も重視)はもとより、レポート(チャペル・レポート、映画鑑賞後のレポ ートなど)の評価20%、小テスト10%、学期末の筆記試験の成績70%による評価。 下村 優(シモムラ マサル) 春学期 授業概要 1年かけて「愛の書簡」「喜びの書簡」と呼ばれる「フィリピの信徒への手紙」を読みすすめながら、 旧約・新約聖書を読む際の基本的な知識をできるだけわかりやすく教会暦を反映しながら紹介し、 聖書を読む際の基礎力を養う。 学習目標 「フィリピの信徒への手紙」の内容理解。聖書に関する基本的知識の取得。十字架の逆説、関係性 ("Do for Others”)、現代社会とキリスト教の課題等の探求。 テキスト「フィリピの信徒への手紙」(新共同訳 P.361-367) 授業計画 テキスト「フィリピの信徒への手紙」(新共同訳 P.361-367) 【第1回】オリエンテーション。フィリピ書について。(旧約聖書・新約聖書の構成と開き方) 【第2回】フィリピ1章1ー2節(他者への祈り)(十字架と復活・イースター) 【第3回】フィリピ1章3ー6節(喜びをもって祈る)(祈り、教会) 【第4回】フィリピ1章7ー8節(キリスト・イエスの愛の心)(福音書1) 【第5回】振り返り 【第6回】フィリピ1章9ー11節(愛がゆたかに)(福音書2) 【第7回】フィリピ1章12ー14節(苦難と福音)(聖霊降臨・ペンテコステ) 【第8回】フィリピ1章15ー17節(愛と喜び)(福音書3) 【第9回】フィリピ1章18ー19節(救い)(福音書4) 【第 10 回】フィリピ1章20ー21節(生きるとは)(パウロ書簡1) 【第 11 回】フィリピ1章22ー26節(信仰を深め喜びを)(パウロ書簡2) 【第 12 回】フィリピ1章27ー30節(生活)(パウロ書簡3) 【第 13 回】フィリピ2章1ー2節(思いを一つに)(黙示録) 【第 14 回】フィリピ2章3ー5節(他者) 【第 15 回】振り返り 授業に関する注意事項 聖書にはじめて触れる学生を前提に、できるだけわかりやすく説明します。 新共同訳聖書を購入いただくか、チャペルで限定数無料で配布されるギデオン協会「新約聖書」 の入手をお勧め致します。 平日お昼のチャペルアワー、および教会での日曜礼拝に参加されることをお勧めします。 (講師は「単立 明治学院教会」の牧師。毎週日曜午前10時から横浜キャンパス内チャペルで礼拝 を守っています) 予定は前後する可能性があります。 教科書 教科書の指定はありませんが、授業では日本聖書協会「新共同訳聖書」を毎回使います。プロジェ クターを使って、本文を表示しながら授業を進めます。 参考書 「フィリピの信徒への手紙」に関する説教集や註解書は下記関連 URL を参照ください。 授業サイト http://www1.meijigakuin.ac.jp/~simomura/ 「単立 明治学院教会」サイト http://www.meigaku-kyokai.com 成績評価の基準 授業への参加度(含リアクションペーパー)50%、レポートあるいはプレゼンテーション50%。 秋学期 授業概要 1年かけて「愛の書簡」「喜びの書簡」と呼ばれる「フィリピの信徒への手紙」を読みすす めながら、旧約・新約聖書を読む際の基本的な知識をできるだけわかりやすく教会暦を反映 しながら紹介し、聖書を読む際の基礎力を養う。 学習目標 「フィリピの信徒への手紙」の内容理解。聖書に関する基本的知識の取得。十字架の逆説、 関係性("Do for Others”)、現代社会とキリスト教の課題等の探求。 授業計画 テキスト「フィリピの信徒への手紙」(新共同訳 P.361-367) 【第1回】フィリピ2章6ー11節(従順)(旧約聖書の構成と概要) 【第2回】フィリピ2章12ー14(なおさら従順で)(旧約聖書時代史1) 【第3回】フィリピ2章15ー18(喜びなさい)(旧約聖書時代史2) 【第4回】フィリピ2章19ー24節(テモテ)(預言書:イザヤ書) 【第5回】フィリピ2章25ー3章1節(エパフロディト)(旧約文学) 【第6回】振り返り、聖書日課。(ルターの宗教改革) 【第7回】フィリピ3章2ー11節(信仰による義)(教会史概要) 【第8回】フィリピ3章12ー16節(ひたすら走る)(収穫と分かち合い) 【第9回】フィリピ3章17ー4章1節(再臨の待望)(アドベント、ヘボンと明治学院) 【第 10 回】フィリピ4章2ー7節(二人の婦人)(教会の多様性と対話) 【第 11 回】フィリピ4章8ー9節(平和の神)(受難物語) 【第 12 回】フィリピ4章10ー14節(苦しみを共にする)(苦難と復活) 【第 13 回】フィリピ4章15ー20節(贈り物)(クリスマスの意味) 【第 14 回】フィリピ4章21ー23節(結びの言葉)改めて全体を読む。 【第 15 回】振り返りと補足("Do for Others”) 授業に関する注意事項 聖書にはじめて触れる学生を前提に、できるだけわかりやすく説明します。 新共同訳聖書を購入いただくか、チャペルで限定数無料で配布されるギデオン協会「新約聖書」 の入手をお勧め致します。 平日お昼のチャペルアワー、および教会での日曜礼拝に参加されることをお勧めします。 (講師は「単立 明治学院教会」の牧師。毎週日曜午前10時から横浜キャンパス内チャペルで礼拝 を守っています) 予定は前後する可能性があります。 教科書 教科書の指定はありませんが、授業では日本聖書協会「新共同訳聖書」を毎回使います。プロジェ クターを使って、本文を表示しながら授業を進めます。 参考書 「フィリピの信徒への手紙」に関する説教集や註解書は下記関連 URL を参照ください。 授業サイト http://www1.meijigakuin.ac.jp/~simomura/ 「単立 明治学院教会」サイト http://www.meigaku-kyokai.com 成績評価の基準 授業への参加度(含リアクションペーパー)50%、レポートあるいはプレゼンテーション50%。 手塚 奈々子(テヅカ ナナコ) 春学期 授業概要 「キリスト教の基礎A」では、イエス・キリストの背景である旧約聖書の教えとイスラエル民族の歴史を 概観し、新約聖書の福音書に書かれているイエス・キリストの生涯とその教えを中心的に講義する。 イエス・キリストの生活の座、状況、背景を交えてわかりやすく具体的に講義する。 学習目標 「キリスト教の基礎A」では、「キリスト教の源流—イエス・キリスト—」として、学生がキリスト教の源であ るイエス・キリストの生涯とその教えを的確に把握することを目的とする。 授業計画 【第1回】全講義のアウトライン 【第2回】キリスト教の神観 【第3回】イスラエル民族の歴史 【第4回】旧約聖書の教え 【第5回】新約聖書の構造 【第6回】イエス・キリストの誕生について 【第7回】イエス・キリストの思想と生涯(その1;愛の教え) 【第8回】イエス・キリストの思想と生涯(その2;譬え話) 【第9回】イエス・キリストの思想と生涯(その3;山上の垂訓) 【第 10 回】イエス・キリストの思想と生涯(その4;安息日問答) 【第 11 回】イエス・キリストの思想と生涯(その5;最後の晩餐) 【第 12 回】イエス・キリストの思想と生涯(その6;ゲツセマネ) 【第 13 回】イエス・キリストの思想と生涯(その7;十字架) 【第 14 回】復活について 【第 15 回】教会の成立 授業に関する注意事項 定期試験は、持ち込み不可。授業の内容で定期試験を行うので、学生は授業時によくノートを取る こと。全講義の3分の2以上出席すること。 教科書 文庫サイズの『新約聖書』(新共同訳、日本聖書協会発行、420円位)を使用する。受講者は新約 聖書を毎回授業時に持参すること。なお旧約聖書に関しては授業時にプリントで配布する。 参考書 授業時適宜指示する。 成績評価の基準 授業への参加度(短いレポート含む)50%。試験の点数50%。 秋学期 授業概要 「キリスト教の基礎B」では、キリスト教の歴史と文化を講義する。1世紀から21世紀の現在に至るま でのキリスト教の歴史を振り返り、どのようにキリスト教が伝わり生きられてきたかそして生きられてい るかを考察する。具体的には、修道制、教会と国家の関係、キリスト教の各教派の特徴、様々な霊 性、キリスト教芸術、日本のキリスト教について講義する。時々ビデオを使用する。 学習目標 「キリスト教の基礎B」では、「キリスト教の展開—その歴史と文化—」として、学生が1世紀から21世紀 に至るまでのキリスト教の歴史と文化を的確に把握することを目的とする。 授業計画 【第1回】全講義のアウトライン 【第2回】原始教会 【第3回】殉教 【第4回】ミラノ寛容令 【第5回】修道制の始まり 【第6回】砂漠の修道制 【第7回】イコン崇敬 【第8回】イコンの種類 【第9回】ベネディクト会と中世のキリスト教 【第 10 回】フランチェスコ会 【第 11 回】ルネサンス 【第 12 回】宗教改革 【第 13 回】近代キリスト教 【第 14 回】日本におけるキリスト教の歴史と文化 【第 15 回】現代キリスト教 授業に関する注意事項 定期試験は、持ち込み不可。授業の内容で定期試験を行うので、学生は授業時にノートをよく取る こと。全講義の3分の2以上出席すること。 教科書 文庫サイズの『新約聖書』(新共同訳、日本聖書協会発行、420円位)を使用する。『新約聖書』以 外については授業時にプリントで配布するので、学生は『新約聖書』を授業時に持参すること。 参考書 授業時適宜指示する。 成績評価の基準 授業への参加度(短いレポート含む)50%。試験の点数50%。 豊川 慎(トヨカワ シン) 春学期 授業概要 講義前半部において、キリスト教の「基礎」である「聖書」(旧約・新約聖書)をもとに、キリスト教の神 観・人間観・世界観・歴史観などに関して講義し、講義後半では、キリスト教教理と思想の歴史的展 開を軸に、古代から中世そして宗教改革へと至るキリスト教の歴史とその社会・文化思想について 講義する。 学習目標 本講義では聖書の時代から 17 世紀イングランド・ピューリタニズムの時代までのキリスト教の歴史と 思想を概観することによって、キリスト教の教理に関する基本的な知識の理解とともに、キリスト教が 歴史的に果たしてきた社会的・文化的意義について幅広く理解することを学修目標とする。 授業計画 【第1回】イントロダクション 【第2回】旧約聖書の思想(1) 【第3回】旧約聖書の思想(2) 【第4回】旧約聖書の思想(3) 【第5回】新約聖書の思想(1) 【第6回】新約聖書の思想(2) 【第7回】新約聖書の思想(3) 【第8回】古代キリスト教思想(1) 【第9回】古代キリスト教思想(2) 【第 10 回】中世キリスト教思想(1) 【第 11 回】中世キリスト教思想(2) 【第 12 回】宗教改革の思想(1) 【第 13 回】宗教改革の思想(2) 【第 14 回】宗教改革の思想(3) 【第 15 回】まとめ 授業に関する注意事項 授業出席を重視し、単位修得には 3 分の 2 以上の出席を必要とします。 教科書 教科書は使用しません。授業ごとに配布するレジメに沿って講義します。 参考書 参考書については授業時に指示します。 成績評価の基準 リアクション・ペーパーによる授業への参加度(40%)、期末レポート(60%) 秋学期 授業概要 初めに、日本のキリスト教の歴史を概観し、信教の自由や戦争罪責の問題など日本におけるキリス ト教倫理の課題を明らかにする。その後、聖書における平和の概念や平和主義や正戦論などにつ いて講義し、キリスト教における戦争と平和の問題を考える。また、「赦し」と「和解」というキリスト教的 概念に注目して平和を実現する道を探求する。講義後半では「人権とキリスト教」という問題につい て現代の具体的な諸課題を取り上げながらキリスト教倫理思想の観点から講義することにしたい。 学習目標 キリスト教を含む「宗教」は時に暴力と憎しみの連鎖の原因と言われることもある。過去の宗教戦争 から現代における宗教原理主義の問題などなど。では 21 世紀において、キリスト教は愛と和解を特 徴とする平和と共生の文化をはたして創り出すことができるのだろうか。このような問題意識のもと、 本講義では「平和」と「人権」という 21 世紀の大きな課題をキリスト教倫理思想の観点から考え理解 を深めることを学修目標とする。 授業計画 【第1回】イントロダクション 【第2回】日本のキリスト教の歴史(1) 【第3回】日本のキリスト教の歴史(2) 【第4回】日本のキリスト教の歴史(3) 【第5回】戦争と平和(1) 【第6回】戦争と平和(2) 【第7回】赦しと和解(1) 【第8回】赦しと和解(2) 【第9回】人権とキリスト教(1) 【第 10 回】人権とキリスト教(2) 【第 11 回】人権とキリスト教(3) 【第 12 回】キリスト教における「愛」の思想-クリスマスの真の意味 【第 13 回】人権とキリスト教(4) 【第 14 回】人権とキリスト教(5) 【第 15 回】まとめ 授業に関する注意事項 授業出席を重視し、単位修得には 3 分の 2 以上の出席を必要とします。 教科書 教科書は使用しません。授業ごとに配布するレジメに沿って講義します。 参考書 明治学院大学キリスト教研究所編『人権とキリスト教』(教文館、1993 年) 他の参考図書については授業時に指示します。 成績評価の基準 リアクション・ペーパーによる平常点(40%)、期末レポート(60%) 永野 茂洋(ナガノ シゲヒロ) 春学期 授業概要 キリスト教は、長年にわたって大学における学術知と、市民社会における実践的エートスを形作っ て来ました。それはキリスト教についての学びに、知的で良心的な人格主体の形成と、平和を求め る民主的な市民社会の形成に不可欠な「問い」がいくつも含まれているからだと言えます。この授 業では、「聖書」と「キリスト教の歴史」を通して、その「問い」を各自が受け止めるために必要な、キリ スト教についての基本的な知識と思想を学びます。春学期は『旧約聖書』と『新約聖書』から、創造、 契約、律法、預言者、知恵、福音、十字架、復活、贖罪、終末など、キリスト教に特有の概念や考え 方について理解を深めて行きます。また、このクラスでは、生きたキリスト教の姿を知るための校外 体験学習として、半期に2回教会での日曜礼拝に参加し、簡単なレポートを提出してもらいます(信 教の自由については配慮されますので心配はいりません)。成績評価は平常点と学期末レポート によって評価します。 学習目標 キリスト教とはどのような特色をもつ宗教であるかを理解する。そのために、既存の「宗教」について の先入見や理解の枠組みをはずして、キリスト教が本来問うている「問い」を各自ができるかぎり明 晰に捉えていく。聖書についての基礎知識を得る。生きたキリスト教の姿を体験的に知る。 授業計画 【第1回】オリエンテーション「キリスト教の基礎」は何を学ぶ授業なのか 【第2回】現代日本における「宗教」と宗教:”Religio”まで遡って考える 【第3回】旧約聖書とはどのような書物か 【第4回】「創造」:自然と共に生きる人間 【第5回】「契約」:多文化多民族世界を生きる人間 【第6回】「律法」:法によって生きる人間 【第7回】「預言者」:法を越えて生きる人間 【第8回】「知恵」:時代の閉塞状況を生きる人間 【第9回】中間考察・リアクションペーパーへの応答 【第 10 回】新約聖書とはどのような書物か 【第 11 回】「ナザレのイエス」:宗教アイデンティティの乗り越え 【第 12 回】「十字架」:パウロの「福音」の理解 【第 13 回】「ガリラヤ」:福音書の「福音」の理解 【第 14 回】「教会」:偽パウロ書簡とパウロ主義批判 【第 15 回】まとめ・価値の転倒を生きる人間 授業に関する注意事項 聖書をほぼ毎回参照しますので必ず持参してください。この科目は、自分と異質なものの考え方、 思想に触れる機会でもあります。柔軟な姿勢で授業に臨んでくださればと思います。質問は大歓迎 です。学期を通して、それぞれ授業テーマとその課題に取り組み、学期末のレポートに備えてくだ さい。 教科書 授業用のレジュメと資料を使用します。また、『新共同訳聖書』(日本聖書協会、旧約聖書と新約聖 書の両方が入っているもの)を教科書の代わりに用います。『新共同訳聖書』以外の聖書を持って いる場合にはそれでも構いません。「新約聖書」のみのものは不可とします。 参考書 武藤一雄・平石善司編『キリスト教を学ぶ人のために』世界思想社、1985 年。 秋田稔『聖書の思想―キリスト教思想の根柢』 (塙新書 23)、塙書房、1968 年。 リチャード・ボウカム『イエス入門』新教出版社、2013 年。 ドロテー・ゼレ『ナザレの人イエス』日本基督教団出版局、2014 年。 青野太潮『最初期キリスト教思想の軌跡—イエス・パウロ・その後』新教出版社、2013 年。 本田哲郎『釜が崎と聖書』岩波現代文庫、2015 年。 成績評価の基準 リアクションペーパー等の授業時の提出物 20%、礼拝レポート 40%、学期末レポート 40% 秋学期 授業概要 新約聖書時代から現代に至るキリスト教の歴史の中で、キリスト教という宗教の思想的特色がよく現 れている事柄を取り上げて、春学期に追求した「問い」についての議論を深めていきます。市民社 会の形成とキリスト教との関わりを一貫したテーマとしたいと考えています。春学期と同じく、このクラ スでは、学期中に2回教会の日曜礼拝に出席し、説教、祈り、讃美歌や教会音楽、教会建築など に直に接することを通して、現在の日本のキリスト教のあり方についての体験的な理解を深めてい きます(信教の自由については配慮されますので心配はいりません)。成績評価は平常点と学期末 レポートによって評価します。 学習目標 キリスト教が近代社会の形成に果たした役割と現在キリスト教が直面している問題から見えてくる、 私たちが考えるべき現代世界と人間の課題について理解を深める。キリスト教主義大学としての明 治学院大学が拠って立つ価値観とは何かをキリスト教の歴史の流れの中で理解する。 授業計画 【第1回】秋学期オリエンテーション:キリスト教の歴史から何を学ぶのか 【第2回】古代におけるキリスト教の急速な拡大とキリスト教教義の形成 【第3回】中世における修道院運動と禁欲のエートス 【第4回】俗権と教権の対立とその遺産 【第5回】宗教改革:ルターの罪理解と聖書理解 【第6回】宗教改革:カルヴィニズムと再洗礼派 【第7回】17-18 世紀のキリスト教:啓蒙主義とキリスト教 【第8回】19 世紀のキリスト教:キルケゴールの思想とキリスト教批判 【第9回】19 世紀のキリスト教:ドストエフスキーの文学とキリスト教 【第 10 回】20 世紀のキリスト教:バルトとボンヘッファー 【第 11 回】アジア・日本のキリスト教:カトリック教会の対抗改革と日本伝道 【第 12 回】アジア・日本のキリスト教:プロテスタント諸教派の海外伝道と日本伝道 【第 13 回】戦後日本のキリスト教と平和思想 【第 14 回】戦後日本のキリスト教と戦責告白 【第 15 回】まとめ・グローバルエキュメニズム:アジア・アフリカ・南米のキリスト教との対話に向けて 授業に関する注意事項 聖書を毎回持参ください。質問を歓迎します。学期を通じて、講義で取り上げたテーマや課題の中 から、自分の関心が喚起されたものについて、各自主体的に取り組み取り組み、学期末のレポート に備えてください。 教科書 授業用のレジュメと資料を使用します。また、『新共同訳聖書』(日本聖書協会、旧約聖書と新約聖 書の両方が入っているもの)を教科書の代わりに用います。『新共同訳聖書』以外の聖書を持って いる場合にはそれでも構いません。新約聖書のみのものは不可とします。 参考書 武藤一雄・平石善司編『キリスト教を学ぶ人のために』世界思想社、1985 年。 小田垣雅也『キリスト教の歴史』講談社学術文庫、1995 年。 坂口ふみ『個の誕生—キリスト教教理を作った人々』岩波書店、1996 年。 菊地栄三・菊地伸二『キリスト教史』教文館、2005 年。 栗林輝夫他『総説キリスト教史 3 近・現代篇』日本基督教団出版局、2007 年。 成績評価の基準 リアクションペーパー等の授業時の提出物 20%、教会体験レポート 40%、学期末レポート 40% 渡辺 祐子(ワタナベ ユウコ) 春学期 授業概要 キリスト教国ではない日本で生活する限り、キリスト教を学ぶ必然性などないように思えるかもしれな い。しかし国境を越えた人の移動がここまで盛んになっている今、この社会はすでに日本人だけと つきあっていればいい社会ではなくなっている。キリスト教を知ることは、他者と多文化を理解し、異 なる価値観、異なる世界観を持つ人たちと共に生きるすべを学ぶことである。授業を通してそのた めの基本的な知見を養ってゆく。 学習目標 聖書やキリスト教の基本的教理やキリスト教が人類史に及ぼしてきた影響を、講義と映像資料を通 して学び取る。 授業計画 【第1回】オリエンテーション キリスト教を学ぶ意味 【第2回】キリスト教の基礎の基礎 【第3回】キリスト教は欧米の宗教か? 【第4回】創世記を読む1 【第5回】創世記を読む2 【第6回】出エジプトの歴史1 【第7回】出エジプトの歴史2 【第8回】映画『プリンス・オブ・エジプト』 【第9回】士師の時代 【第 10 回】イスラエル王の誕生 【第 11 回】サムエル記を読む ダビデ物語1 【第 12 回】サムエル記を読む ダビデ物語2 【第 13 回】映画『告発のとき』1 【第 14 回】映画『告発のとき』2 【第 15 回】まとめ 授業に関する注意事項 出席と授業態度を重視し、しばしば受講生を指名します。居眠り、内職も慎むように。私語に対して は非常に厳しく対処します。 教科書 教科書は指定せず、レジュメを配布します。 参考書 授業内で指示します。 成績評価の基準 出席と授業態度 30 パーセント、リアクションペーパーと中間レポート 30 パーセント、筆記試験 40 パ ーセント 秋学期 授業概要 キリスト教国ではない日本で生活する限り、キリスト教を学ぶ必然性などないように思えるかもしれな い。しかし国境を越えた人の移動がここまで盛んになっている今、この社会はすでに日本人だけと つきあっていればいい社会ではなくなっている。キリスト教を知ることは、他者と多文化を理解し、異 なる価値観、異なる世界観を持つ人たちと共に生きるすべを学ぶことである。授業を通してそのた めの基本的な知見を養ってゆく。 学習目標 聖書やキリスト教の基本的教理やキリスト教が人類史に及ぼしてきた影響を、講義と映像資料を通 して学び取る。 授業計画 【第1回】春学期のおさらい 【第2回】福音書を読む イエスの誕生 クリスマスってなんだろう? 【第3回】福音書を読む イエスの生涯 【第4回】福音書を読む イエスのたとえ話 【第5回】福音書を読む イエスの死とキリスト教の誕生 【第6回】イエスに倣おうとした人々 映画『グローリー 明日への行進』1 【第7回】イエスに倣おうとした人々 映画『グローリー 明日への行進』2 【第8回】キリスト教史1 カトリック世界の成立 【第9回】キリスト教史2 宗教改革 【第 10 回】キリスト教史3 キリスト教、日本へ 【第 11 回】キリスト教史5 プロテスタントの日本宣教 明治学院史のはじまり 【第 12 回】キリスト教史6 戦時下のキリスト教から何を学ぶか? 【第 13 回】戦時下の抵抗 映画『白バラの祈り』1 【第 14 回】戦時下の抵抗 映画『白バラの祈り』2 【第 15 回】まとめ 授業に関する注意事項 出席と授業態度を重視し、しばしば受講生を指名します。居眠り、内職も慎むように。私語に対して は非常に厳しく対処します。 教科書 教科書は指定せず、レジュメを配布します。 参考書 授業内で指示します。 成績評価の基準 出席と授業態度 30 パーセント、リアクションペーパーと中間レポート 30 パーセント、筆記試験 40 パ ーセント
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