教育#3 (人事権)

教 育 #3
(人 事 権 )
平 成 14 年 10 月 10 日 決 算 委 員 会
◆ 上島
新 学 習 指 導 要 領 の方 針 も、半 年 もたたないうちに路 線 を転 換 するというなど 混 迷 を
続 けており、日 本 の教 育 は今 、実 に厳 しい状 況 にあると思 います。これは、まさに確 固 たる教 育 理
念 を確 立 できない文 科 省 はもちろんのこと、国 の進 むべき道 を示 すことができていない国 の政 治 そ
のものが問 題 であると私 は思 っております。
こういうときだからこそ、世 田 谷 区 が未 来 への責 任 と信 念 を持 って教 育 に当 たるべきと思 います。
既 に我 が区 ではさまざまな取 り組 みをしているところですが、地 味 であっても理 念 ある活 動 の積 み
重 ねが、学 校 や教 育 をよりよくしていくものと私 は確 信 しています。まだまだ課 題 はありますが、地
域 に開 かれた学 校 づくりへの取 り組 みに特 に力 を入 れていることは高 く評 価 しているところでありま
す。
しかし、さまざまな区 の教 育 方 針 や、もしくは教 科 書 、もしくは地 域 の協 力 などが幾 らすばらしくて
も、直 接 教 育 に当 たる教 師 がどうであるかが重 要 であることは 言 うまでもありません。そこで、我 が
区 が進 めている開 かれた学 校 や地 域 との協 働 に関 して考 えてみたいと思 いますが、そういった世
田 谷 区 の人 と人 との関 係 を基 盤 とした教 育 が今 の人 事 制 度 で十 分 機 能 するかどうか、私 は疑 問
を持 ちつつあります。
そこでお聞 きしますが、教 員 の人 事 、異 動 等 について概 略 をお教 えください。
◎ 教育指導課長
現 在 、区 立 の小 中 学 校 の管 理 職 、校 長 、教 頭 の異 動 につきましては、通 常
三 年 から五 年 間 在 職 いたしまして、人 事 異 動 しております。管 理 職 の人 事 異 動 につきましては、区
教 育 委 員 会 の内 申 に基 づき、東 京 都 が最 終 的 に決 定 しております。
教 員 の人 事 異 動 でございますが、東 京 都 の定 期 異 動 要 綱 によりまして、区 市 町 村 間 で教 員 構
成 に格 差 が生 じないよう、方 針 、方 法 が定 められてございます。大 ざっぱに申 しますと、都 内 をA、
B、C、Dの四 地 域 に分 けまして、その中 から異 なる三 地 域 にそれぞれ三 年 以 上 勤 務 するということ
を原 則 といたしております。その勤 務 経 験 のない者 は、同 一 地 域 での異 動 は認 められておりません。
通 常 、一 つの学 校 に三 年 以 上 勤 務 しませんと異 動 することはできず、八 年 の勤 務 で異 動 の期 間
になります。また、初 任 者 、新 規 採 用 教 員 につきましては別 途 でございまして、四 年 の勤 務 で必 ず
異 動 することになり、一 回 目 の異 動 先 としましては、D地 域 、すなわち島 嶼 地 域 への異 動 も含 めて
考 えてございます。
一 般 教 員 の人 事 異 動 につきましては、本 人 の希 望 を考 慮 し、校 長 の具 申 に基 づき区 教 育 委 員
会 が東 京 都 へ内 申 し、東 京 都 が全 域 的 に人 事 交 流 を促 進 するように進 めてございます。
◆ 上島
ただいまご答 弁 があったんですが、そういった人 事 異 動 の決 定 と教 員 の評 価 というの
は多 尐 関 係 しているんでしょうか。
◎ 教育指導課長
教 員 の評 価 につきましては、人 事 考 課 制 度 が平 成 十 二 年 度 から 始 まりまし
た。人 事 考 課 制 度 の流 れでございますけれども、四 月 に教 員 が自 己 申 告 を行 いまして、その結 果 、
九 月 の終 わりに中 間 申 告 がございます。異 動 の希 望 を聞 く時 期 は十 一 月 でございます。そういう意
味 で、人 事 考 課 制 度 の業 績 評 価 がそのまま異 動 に直 接 的 に影 響 するということはないと考 えてお
ります。
◆ 上島
時 間 がありませんので概 略 で質 問 を進 めていきますが、今 のお話 ですと、まず校 長 、
教 頭 ですと三 年 から五 年 ということで、一 般 の教 員 になりますと四 地 域 を三 年 以 上 勤 務 で、最 大
八 年 のスパンで必 ず異 動 をしなければいけない、すべて通 らな きゃいけないという状 況 ですから、最
低 十 六 年 はいろいろ転 々としている状 況 といいますか、自 分 がどこに定 まるのかというのがよくわから
ない状 況 でやっているところだと思 います。
そこで、世 田 谷 区 がまさに独 自 の方 針 を持 って教 育 を進 めているのならば、その教 員 にやっぱり
教 育 方 針 というのを理 解 していただくことは重 要 でありますが、それは簡 単 ではないと思 います。つ
まり、研 修 などを通 して理 解 を求 めていくのではなくて、何 年 もその学 校 で子 どもや保 護 者 、また
地 域 と触 れ合 うことで理 解 できることも大 きくあろうかと思 います。また、それ以 上 に 人 との信 頼 関
係 を築 くことも大 変 重 要 でありまして、かつ多 くの時 間 を要 します。そして、その教 師 に、その地 域
を好 きというレベルではなくて、愛 してもらうという、そういうようなところまで世 田 谷 区 の教 育 の要
素 として必 要 になってくると私 は思 うんです。いつ異 動 してしまうかわからないような状 態 で、本 当
に地 域 に根 差 した、世 田 谷 区 に根 差 した教 育 ができるわけがないと思 います。
もう一 つ、教 員 の評 価 でございますけれども、これは時 間 の関 係 で、後 日 また別 の機 会 にさせて
いただきますが、教 員 は教 師 、先 生 であって、本 来 、特 別 な存 在 だと思 いま す。しかし現 実 は、サ
ラリーマン化 しているということがしばしば言 われますが、こういったことも、私 はこの人 事 制 度 という
ものが大 きく要 因 していることだというふうに思 えてなりません。世 田 谷 区 は、みずからの教 育 方 針
を考 えたとき、また照 らしたとき、現 在 の人 事 制 度 をどのように考 えるか、お答 えいただきたいと思
います。
◎ 教育政策担当部長
委 員 ご指 摘 のとおり、世 田 谷 区 では他 の区 や市 に見 られない政 策 がご
ざいます。例 えば、各 学 校 におきまして置 かれている学 校 協 議 会 、それから尐 人 数 教 育 の推 進 、
あるいはBOP、STEP、そのような独 自 の施 策 を推 進 しています。このように、世 田 谷 区 の特 色 を
理 解 して世 田 谷 区 の地 域 と学 校 と子 どもを愛 し、情 熱 を持 って教 育 に当 たる教 職 員 を確 保 するた
めには、いささか現 在 の人 事 制 度 には課 題 があるというふうに考 えております。制 度 的 には、区 教
育 委 員 会 は教 職 員 の異 動 等 に関 しまして、都 教 育 委 員 会 に対 して内 申 権 を持 つわけでございま
すけれども、それが形 骸 化 されて、内 申 できる内 容 すら都 の教 育 委 員 会 に指 示 されているような
状 況 がございます。
具 体 的 に言 いますと、任 用 につきまして、例 えば今 のご指 摘 の異 動 なんですけれども、異 動 が義
務 づけられまして、地 域 に根 差 した継 続 的 な職 務 の遂 行 が行 えないというような状 況 も生 まれてお
りまして、例 えば世 田 谷 区 に多 大 に貢 献 されている教 職 員 が世 田 谷 区 の外 へ出 ざるを得 ないとい
うようなこともございます。
現 在 、この教 職 員 の人 事 制 度 につきましては、世 田 谷 区 だけの問 題 ではございませんので、二
十 三 区 共 通 の課 題 として、都 への要 請 を含 めて検 討 している段 階 でございます。
◆ 上島
ただいま、都 への要 請 を検 討 しているということでございますが、私 は教 育 の本 質 とい
うものをしっかりととらえて、信 念 を持 ってやっていただきたいと思 う中 で、教 師 の人 事 のあり方 とい
うのは、すごく重 要 な課 題 だと思 います。ぜひこの世 田 谷 区 としてしっかりと示 していただくようお願
いしまして、質 問 を終 わります。