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ZL テクノロジーズ - eDiscovery 侵害に対する制裁措置
米国での訴訟判決で電子データの重要性を再確認
米国の司法制度は、米国で事業を行うすべての企業に対し、訴訟に関連する電子文書を保存し提出することを
要求しています。外国企業も例外ではありません。例えば、連邦民事訴訟規則 26 条(b)(1)は訴訟に関連する情
報がすべて証拠開示の対象となると規定しています。
この義務は多くの企業、とりわけ外国企業にとっては大きな負担ですが、米国の裁判所は企業が迅速かつ効率
的に文書を保存し提出できる能力を持っていると想定しています。ここでは電子情報(Electronically Stored
Information:ESI) を保存することの重要性およびデータを破棄してしまった場合にどのような結果をもたらすか、
最近の事例を基にご紹介します(2010 年 6 月現在)。
事件名
背景
制裁
Magana 対 Hyundai Mortor
America 社
原告が被った損傷のタイプに関するデータを被告である
Hyundai 社が提出しなかったために、原告に 8 百万ドルの賠
償金が与えられたケース。判決は控訴審で覆されたが、最終
的にワシントン州最高裁にて上記内容で結審した。最高裁
は、Hyundai 社は法務部の文書のみ検索したことに対して、
企業は組織内の全部署で関連のある書類を検索しなければ
ならないと述べた。そして「Hyundai 社は誠意を持って証拠開
示に対応する義務のみならず、原告の要求に対応できる文
書抽出システムを維持する義務を負う。Hyundai 社は一流の
多国籍企業で、訴訟の分野でも豊富な経験を有しているは
ず」と結論付けた。
ワシントン州最高裁は原告の弁護士費用
の支払いを命令し、さらに控訴審で発生し
た原告の弁護士費用も Hyundai 社が支払
うよう判決を下した。最高裁は、高額な賠償
金の支払いは、被告の不法行為が理由で
はなく「本件を通して証拠開示の要求に対
応しなかった Hyundai 社の悪質な態度」が
理由であるとした。
Global Power Equipment
Group 社
原告 Maasvlakte 社(オランダ企業)が電子情報(ESI)はフラ
ンス企業(ALE) が保有しているため、証拠開示はハーグ証
拠収集条約に従い行われるべきであると主張したケース。
Maasvlakte 社はフランスのプライバシー法を引用し、データ
を保有しているフランス企業の許可なしではデータにアクセス
できないと主張した。裁判所はそれに対し、ALE 社が保有す
る情報は Maasvlakte 社が管理しているものとし、連邦民事
訴訟規則(FRCP)に従いフランス法は「障害」にはならないと
判断した。
証拠提出の申立てが認められ、原告(外国
企業)はハーグ証拠収集条約ではなく
「FRCP に従い」、証拠開示要求に応じるよ
う命じられた。
Sonomedica 社 対 Mohler
第三者らが提出を命じられたハードドライブに保存された電
子情報(ESI)を破棄し、法廷侮辱罪に問われたケース。裁判
所はファイルが変更されないようにシャットダウンする以外に
コンピュータを触ってはならないと命じた。それにも関わらず、
法医学的検査で 22,600 ファイルが変更され、556 ファイルが
手動で消去されたことが判明した。
裁判所は原告の弁護士費用として総額
$108,212.15 の損害賠償の支払いを命じた
上で、刑事制裁の捜査を行うため、ケース
を連邦検事に送った。
Doppes 社 対 Bentley
Motors 社
被告である Bentley 社が英国 Bentley Motors 社が所有する
提出必要書類(提出要求に対して関連性のある書類)を適時
に提出せず、関連性のある電子メールを破棄するなど、証拠
開示に違反したケース。第一審裁判所は隠蔽された証拠が
(被告にとり)不利なものであったとしながらも棄却、制裁*を
与えなかった。控訴裁判所は第一審裁判所がその裁量権を
濫用したとして、第一審裁判所に対し被告の回答を排除して
欠席裁判とすることを命じた。控訴裁判所は「金銭的および
事実認定制裁**にも関わらず、被告が甚だしく証拠開示を濫
用するとともに、棄却制裁という最終制裁措置を下すことを余
儀なくした」と述べた。
訴訟停止制裁は陪審員による Bentley 社
に有利な判定を覆した。損害賠償額はまだ
決定されていない。
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ZL テクノロジーズ - eDiscovery 侵害に対する制裁措置
*
証拠開示を濫用した当事者の弁論や行為を排除したり却
下する。またはその当事者に対する欠席裁判と認定する制
裁
**
違法な証拠開示方法によって不当に損害を蒙った当事者
側が主張する事実をそのまま認定するという制裁
Arista Records 社 対
Usenet.com 社
被告がコンピュータシステムのもつ自動操作機能とその機能
的限界をインターネットユーザーデータが消去された理由とし
て挙げたケース。裁判所は被告の主張に対して、「原告がデ
ータを要求してるという通知を受けた時点で、被告に当該デ
ータを保存する義務が生じる」と結論付けた。
裁判所は陪審員に対して消去されたデータ
は訴訟に関連していたと推測するのが妥当
であるとの指示を与えた(adverse inference
instruction)。裁判所は原告が提出した統計
的証拠がユーザーデータ破棄前の情報を
正確に反映していないという理由で、統計
的証拠を除外しようする被告の主張を認め
なかった。裁判所は被告が原告の弁護士
報酬と費用を支払うことを命じた(金額は未
定)。
Metrokane 社 対 Built, NY
社
特許侵害ケースにおいて BNY 社が Metrokane 社が自社に
とって極めて不利な一連の電子メールを提出しなかったこと
を理由に制裁を求めたケース。非当事者が当該電子メール
を提出したことで、電子メール存在が明らかとなった。裁判官
は BNY 社の主張に同意し、BNY 社は Metrokane 社が証拠
開示を濫用し偏見を招いたことを十分立証したと結論付け
た。
裁判所は陪審員に対して消去されたデータ
は訴訟に関連していたと推測するのが妥当
であるとの指示を与えた(adverse inference
instruction)。Metrokane 社は BNY 社に対
し、制裁要求の申立てで生じた弁護士報酬
の相当額を支払うことを命じられた。
Atlantic Recording 社 対
Howell
被告である Howell が KazaA ファイル共有プログラムを使用
し、主要レコード会社の音楽ファイルをダウンロードし配信し
たことで訴えられたケース。裁判所は、被告が訴訟通知を受
領した直後にコンピュータから KazaA プログラムを削除し、
共有フォルダ内のコンテンツを消去したことを認めた。この
「証拠破棄」は本訴訟の健全性を著しく損ない、事実の真価
によって判定を下すことを不可能にした。そのような行為に対
する抑止効果、また原告に対する偏見を改めるためには欠
席裁判のみが適切な制裁である、と決断を下した。
裁判所は被告に対する欠席裁判との判決
を下し、40,500 ドルの法廷損害賠償を命じ
た。
ZLソリューション
ZL Unified Archive™は、より複雑化する企業の情報・コンテンツ管理、そしてeDiscovery・コンプライアンスに対応できる高性能でスケーラブルな
次世代アーカイブソリューションです。ZLのスケーラブルで汎用的なアーキテクチャにより、何十億という電子メール・ファイルを一元的にアーカイ
ブし管理することが可能となり、データの取り込み、保管、検索や結果のエクスポート等においてハイパフォーマンスな処理を提供します。また、
ZLのアーキテクチャはクラウドの環境にも対応しており、様々な企業の環境で導入することが可能となるだけでなく、ZL 独自のグリッドアーキテ
クチャーと仮想化対応でTCOの大幅削減を実現します。ZL Unified Archive™の優れたアーキテクチャとスケーラビリティにより、企業は確実な情
報管理を実現することが可能となります。 また、システム環境においてもあらゆるOS、データベース、メールサーバ、ファイルサーバをサポート
しています。
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