Press Release

J.D. パワー アジア・パシフィック報道資料:
欧州車モデルの購入検討割合が大幅に増加する一方で、日本車モデルの検討が減少
消費者の購入検討対象となるには車両品質と安全性が不可欠な要素
※本報道資料は、日本時間6月 29 日午前 10 時に中国で発表された資料の翻訳版です
上海: 2012 年6月 29 日-欧州車モデルの新車購入の意向を示している中国の消費者が、2009 年
の 25%から今年は 35%と大幅に増加していることが、 J.D. パワー アジア・パシフィック 2012 年
中国新車購入意向者調査 SM(New-Vehicle Intender Study、略称 NVIS)によって明らかになった。
今年で4回目となる本調査は、今後1年以内に新車を購入する意向のある中国の消費者を対象に、
購入前の意識と検討状況を調べたものである。本調査はブランド認知、購入検討、検討中止理由、
メディア利用状況を調べることに加え、新車購入意向者の各車両モデルに対する意識を明らかにし、
消費者の主要な動向を提供することを目的として設計されている。今回の調査では、11 の車両セグ
メントに分けられた 52 ブランドの 171 モデルが調査対象となった。
中国の新車購入意向者の間では、ドイツのブランドを中心に欧州車モデルの購入を検討した割合の
増加率が最も高く、11 セグメント中7セグメントで、ドイツ車モデルを検討している人が最も多か
った。ドイツ車モデルは、他の欧州ブランドのモデルに比べて特にティア1の都市(北京、上海、
広州、深圳)で人気があり、新車購入意向者の 32 パーセントがドイツ車モデルを検討していた。
ドイツ車モデルの購入を検討する主な理由は安全機能、仕上がりの品質、耐久性、不具合の少なさ
である。
本調査で、ブランドの購入検討率と実際の購入が高い相関関係があることがわかった。LMC オート
モーティブ1によると、2012 年1月から5月の中国でのドイツ車モデルの売上は 221,000 台で、前
年から 22 パーセント増加した。
エントリー・ミッドサイズ、ミッドサイズ、アッパー・プレミアム・ミッドサイズ、SUV・セグメ
ントではフォルクスワーゲンのモデルの購入検討率が最も高く、エントリー・ラグジュアリー、ラ
グジュアリー、ラグジュアリー・SUV・セグメントではアウディのモデルの購入検討率が最も高か
った。
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J.D. パワーと LMC オートモーティブは戦略的提携を結んでいる。LMC オートモーティブは英国のオックス
フォードを拠点とする LMC グループの傘下にある。
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ローワー・プレミアム・ミッドサイズ・セグメント、プレミアム・コンパクト・セグメントでは、
それぞれ中国国産車の荣威(Roewe)・550 と第一 欧朗(FAW Oley)・B30 の購入検討率が最も高
かった。
一方で、日本車モデルの購入を検討した割合は 2009 年の 32 パーセントから今年は 24 パーセント
に低下した。
各車両セグメントで最も購入検討が多かったモデル:
 コンパクト:シボレー スパーク
 アッパー・プレミアム・ミッドサイズ:フォ
ルクスワーゲン ニュー パサート
 プレミアム・コンパクト:第一 欧朗 B30
 エントリー・ミッドサイズ:フォルクスワー
ゲン ポロ
 ミッドサイズ:フォルクスワーゲン ラヴィ
ータ
 ローワー・プレミアム・ミッドサイズ:栄威
550
 エントリー・ラグジュアリー:アウディ A4L
 ラグジュアリー:アウディ 6L
 SUV:フォルクスワーゲン
ティグアン
 ラグジュアリー・SUV:アウディ Q5
 MPV:ホンダ
オデッセイ
自動車メーカーにとって、モデルの購入検討率を上昇させることは激しい戦いであり、これには多
大なマーケティング費用が必要となる。2012 年5月の中国の自動車市場には、消費者の注目を集め
ようとする 287 モデル2が市場に出ていたが、新車購入意向者の平均検討モデル数は僅か 2.6 モデル
に過ぎない。ある1つのモデルが新車購入意向者の検討車種に入る可能性は、約 0.9 パーセントで
ある。
中国の新車購入意向者は、安全性と品質を最も重要な基準としている。プレミアム・セグメントの
新車購入意向者の5分の3(66%)以上が、プレミアム・セグメント以外では 72 パーセントが品
質と安全性の評判の良さからモデルを検討している。品質と安全性に関わる仕上がりの品質、耐久
性、不具合の少ないことが検討理由の上位に挙がった。
J.D. パワー アジア・パシフィック・上海のシニア・オートモーティブ・アナリストであるスコ
ット・ルーは「車両の購入意向者が最初に思い浮かべることを知ることが、自動車メーカーが何を
マーケティング・メッセージとして焦点を当てるべきかに役立つ。メーカーは、ターゲットとする
市場により深くアピールできるようにそれぞれのセグメントで具体的に検討のきっかけとなるもの
に重点的に取り組むべきである」と述べている。
プレミアム・ブランドでは、品質と安全性、性能と形状、ブランドとイメージが購入検討段階で非
常に重要な要素となる。プレミアム・ブランド以外では、品質と安全性、性能と形状、価格が主な
検討理由となっている。メーカーの販売促進は車両購入意欲を喚起させる決定要因である一方で、
モデルの購入検討においては大きな役割を担っていない。
各セグメントのモデルのメーカーは、具体的な特徴に焦点を当てて、新車購入意向者を効果的に狙
うべきである。例えば、小型車を検討している新車購入意向者には価格と燃費が重要な要素である
一方で、高級車を検討している新車購入意向者はブランドとイメージを重視する。
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データソース:LMC オートモーティブ。注記:輸入モデルは含まれていない。
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J.D. パワー アジア・パシフィック・上海のリサーチ・サービスのジェネラル・マネージャーで
あるメイ・ソンリン博士は「消費者を販売店に引き付けるためのマーケティング・メッセージをメ
ーカーが作れば、販売店は効率的に販売契約を結ぶことができるようになる。価格や燃費などター
ゲット意向者が持つ具体的な懸念を取り除くことにも注目するべきだ」と述べている。
さらに本調査では、新車購入意向者に影響を与える最も有効な手段がインターネットと TV である
こともわかった。特に、インターネットは引き続き最も有力なコミュニケーション手段であり、新
車購入意向者の3分の2(69%)以上がインターネットからブランドに関する情報を得ており、58
パーセントが TV コマーシャルから情報を得ていた。
本調査では、中国の新車購入意向者の自動車ブランドに対する親近度と好感度も調べている。ブラ
ンド影響度のスコアを算出した結果、新車購入意向者が所有を希望している上位3ブランドは BMW、
メルセデス・ベンツ、アウディであることがわかった。BMW のブランド影響度スコアは 705 ポイン
ト(1,000 ポイント満点)で、メルセデス・ベンツ(696)、アウディ(664)が続く。
2012 年中国新車購入意向者調査は 2012 年2月から3月にかけて実施され、59 都市の新車の購入意
向のある 5,319 人から回答を得た。
新車購入意向者調査は、J.D. パワーが中国で実施している消費者を対象とした8つのベンチマー
ク調査のうちの1つである。2012 年に J.D. パワー アジア・パシフィックが実施するその他の調
査は以下のとおりである:
 中国自動車顧客満足度(CSI)調査は自動車のアフターサービスにおける顧客満足度を
調べるもので、7月末に発表。
 中国自動車セールス満足度(SSI)調査は新車の購入過程での満足度を調べるもので、
8月中旬に発表。
 中国 OE タイヤ顧客満足度調査は新車に装着されたタイヤの満足度を調べるもので、9
月に発表。
 中国自動車初期品質調査(IQS)は新車購入後2~6ヶ月における車の初期品質を調べる
もので、10 月下旬に発表。
 中国自動車商品魅力度(APEAL)調査は新車購入後2~6ヶ月における車の性能やデザ
インに関する商品魅力度について新車所有者の評価を調べるもので、11月下旬に発表。
 中国自動車耐久品質調査(VDS)は新車購入後13ヶ月~36ヶ月における車の耐久品質に
ついて調べるもので、12月中旬に発表。
 中国サービスロイヤルティ調査(SLS)は新車購入後13~36ヶ月における新車所有者の
正規販売店に対するロイヤルティを調べるもので、12月が第1回目の発表となる。
*J.D. パワーが結果を発表する調査はすべて J.D. パワーが第三者機関として自主企画により実施したもの
です。
<株式会社 J.D. パワー アジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D. パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990 年に設立された。
自動車業界を始め通信、IT、金融、保険、トラベルなど様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを
実施している。尚、J.D. パワーではシンガポール、北京、上海、バンコクに拠点をもち、日本、オーストラリア、中国、
インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムで調査を実施している。会社概要や提供サービ
スなどの詳細は当社ウェブサイトwww.jdpower.co.jpまで
<J.D. パワー・アンド・アソシエイツについて>
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門である J.D. パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウ
ェストレイク・ビレッジ)は、パフォーマンス改善、ソーシャル・メディア、顧客満足に関するインサイトとソリューシ
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ョンを提供している国際的なマーケティング情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客
満足度に関する調査を毎年行なっている。
<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
2011 年 9 月 12 日にマグロウヒルは、国際的な金融市場に情報・分析サービスを提供する世界有数のビジネス情報サービ
ス企業であるマグロウヒル・フィナンシャルと、世界規模でのデジタル教育サービスに特化した教育事業のマグロウヒ
ル・エデュケーションの 2 社に分割すると発表した。マグロウヒル・フィナンシャルの主なブランドはスタンダード&プ
アーズ・レーティング・サービス、S&P Capital IQ、S&P Indices、プラッツ・エナジー・インフォメーション・サービス、
J.D. パワー・アンド・アソシエイツである。
世界 40 カ国に 280 カ所以上の拠点、約 23,000 人の従業員を有し、2011 年の売上高は 62 億ドルにのぼる。詳細はウェブ
サイト www.mcgraw-hill.com まで。
<当調査に関するお問合わせ先>
(株)J.D. パワー アジア・パシフィック
コーポレート コミュニケーション
住 所:
東京都港区虎ノ門 5-1-5 虎ノ門 45MT ビル(〒105-0001)
電 話:
03-4550-8060
FAX:
03-4550-8152
e-mail:
[email protected]
<ご注意>
本紙は報道用資料です。(株)J.D. パワー アジア・パシフィックの許可無く本資料に掲載されている情報および結果を
広告または販促活動に転用することを禁止します。
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J.D. パワー アジア・パシフィック
2012年中国新車購入意向者調査SM
セグメント別トップ3 購入検討率
0%
10%
20%
30%
セグメント中の
コンパクト・セグメント
シボレー スパーク
奇瑞 QQ3
比亜迪 F0
コンパクト・セグメント・カー平均
合計モデル数
31%
23%
12%
10%
10
プレミアム・コンパクト・セグメント
第一 欧朗 B30
シボレー セイル
スズキ スイフト
プレミアム・コンパクト・セグメント・カー平均
30%
20%
12%
11
9%
エントリー・ミッドサイズ・セグメント
フォルクスワーゲン ポロ
ホンダ フィット
フォルクスワーゲン ジェッタ
エントリー・ミッドサイズ・セグメント平均
12%
7%
7%
26
4%
ミッドサイズ・セグメント
フォルクスワーゲン ラヴィータ
シボレー クルーズ
フォルクスワーゲン ボーラ
フォルクスワーゲン サギター
ミッドサイズ・セグメント平均
6%
5%
5%
5%
44
2%
ローワー・プレミアム・ミッドサイズ・セグメント
荣威 550
32%
プジョー 408
MG 6
ローワー・プレミアム・ミッドサイズ・セグメント平均
13%
11%
10%
10
アッパー・プレミアム・ミッドサイズ・セグメント
フォルクスワーゲン ニュー パサート
ビュイック リーガル
ホンダ アコード
アッパー・プレミアム・ミッドサイズ・セグメント平均
11%
9%
9%
19
5%
エントリー・ラグジュアリー・セグメント*
アウディ A4L
BMW 3シリーズ
エントリー・ラグジュアリー・セグメント平均
30%
25%
41%
4
ラグジュアリー・セグメント*
アウディ A6L
BMW 5シリーズ
ラグジュアリー・セグメント平均
30%
19%
13%
8
SUV・セグメント
フォルクスワーゲン ティグアン
スバル フォレスター
ホンダ CR-V
SUV・セグメント平均
14%
11%
10%
20
5%
ラグジュアリー・SUV・セグメント
アウディ Q5
ポルシェ カイエン
アウディ Q7
ラグジュアリー・SUV・セグメント平均
21%
14%
12
10%
8%
MPV・セグメント
ホンダ オデッセイ
第一 吉林 セニア M80
フォルクスワーゲン トゥーラン
MPV・セグメント平均
21%
18%
18%
14%
7
*セグメント平均を超えて購入が検討されたブランドが他になかったセグメント。
**本プレスリリースでは、1パーセント未満の購入検討率を四捨五入している。
注記:セグメント平均=100 / セグメント中の合計モデル数
出典:J.D. パワー アジア・パシフィック 2012年中国新車購入意向調査SM
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シフィック 2012年中国新車購入意向者調査SM)を明記してください。ランキングは数値スコアに基づいており、必ずしも統計上の有意
性に基づくものではありません。
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