ビジネス文書の基礎知識

ビジネス文書の基礎知識
1. 受信者名(宛名)につける敬称
受信者には必ず敬称を付けます。一般には次のように使い分けます。
官庁・企業などの団体名
職名、役職名
個人名
不特定多数
→ 御中
→ 殿・様
→ 様・殿
→ 各位
例)山田商事御中
例)人事部長殿
例)吉田真二様
例)社員各位、お得意様各位
2. 頭語と結語
頭語と結語は対応しています。どのような場合に、どの言葉を使えばいいか、
覚えておきましょう。
拝啓
拝復
謹啓
前略
→
→
→
→
敬具
敬具
敬白(または敬具)
草々
一般的によく用いる
返信のときに用いる
「拝啓」よりもあらたまった場合に用いる
前文を省略する場合に用いる
3. 前文の構成
前文は、頭語と挨拶文(時候の挨拶や日頃の感謝の言葉)で成り立っています。
基本パターンは次のとおりです。
拝啓 初秋の侯、ますますご清栄のこととお慶び申しあげます。
平素は、格別のご愛顧を賜り厚くお礼申しあげます。
4. 時候の挨拶
時候の挨拶には数多くの言葉があります。ここでは代表曲なものをまとめてみました。
月
時候の挨拶
月
時候の挨拶
1月
厳冬の候・仲冬の候・極 寒の候
7月
盛夏の候・炎暑の候・酷暑の侯
2月
晩冬の候・余寒の候・残雪の侯
8月
猛暑の候・残暑の候・晩夏の候
3月
春冷の候・早春の候・春暖の侯
9月
初秋の候・新秋の候・新涼の候
4月
陽春の侯・彩霞の侯・薫風の候
10月
錦秋の候・仲秋の候・秋冷の候
5月
初夏の侯・新緑の候・青葉の侯
11月
晩秋の候・初冬の候・向寒の侯
6月
梅雨の候・仲夏の候・薄暑の候
12月
寒冷の侯・厳寒の候・歳晩の候
5. 相手の繁栄や幸福を祝う挨拶
相手への敬意を表すものとして、「相手の繁栄や幸福を喜ぶ」言葉を入れます。
差し出す相手によって内容は変わってきますが、一般的に次のような文書が使われます。
ますます
個人宛
ご健勝
会社宛
ご隆盛
ご隆昌
ご繁栄
ご発展
共
ご清栄
ご清祥
通
のことと
の段
の由
お喜び申しあげます。
お慶び申しあげます。
何よりと存じます。
大慶に存じます。
慶賀の至りにございます。
6. 相手に対する感謝をあらわす挨拶
日ごろお世話になっていることに対して感謝を表すものです。
平素は
日頃は
毎々
格別の
ひとかたならぬ
多大な
お引き立て
ご愛顧
ご高配
ご支援
を賜り
にあずかり
をいただき
のほど
厚くお礼申しあげます。
感謝にたえません。
誠にありがとうございます。
左 余 白
上 余 白
右 余 白
東商 25 号
平成10年4月30日
前
付
株
主
各
位
本
別
発信者名
語
文
記
第62回株主総会開催のお知らせ
標
題
拝啓 陽春の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、恒例により、今期第62回株主総会を下記のとおり開催いたします。
ご承知のとおり、日本経済界全般の厳しい状況下にて、当社の今期成績は
一応の成果を収めておりますが、今後の対応には決断を必要とする重大な時
期ですので、ご多忙とは存じますが、ぜひご出席くださるようお願い申し上
げます。
敬 具
前
文
主
文
末
文
記
結
1.日
時
2.場
所
3.付議事項
平成10年5月30日 午前10時
産業会館 第1ホール
(1)第62期決算報告承認の件
(2)平成10年度業界動向の報告の件
(3)新人事に関する承認の件
以 上
付
発 信 日
受信者名
東京通商株式会社
取締役社長 田 辺 昭 夫
頭
文書番号
記
なお、お手数ながらご出席の有無を同封はがきにてご一報いただければ
幸いです。
下 余 白
語