「金持ちは汗をかかない?」、BMWのCMが中国で「危うく失敗」のワケ

「金持ちは汗をかかない?」、BMWのCMが中国で「危うく失敗」のワケ
2015年5月20日、ドイツ経済紙ハンデルスブラットは「金持ちは汗をかかない」と
題した記事を掲載し、中国と欧州におけるコマーシャルの受け止め方の違いなどについて
報じた。
健康的な肉体美や玉のような汗を流す様子を用いて高級ハイパワー車のコマーシャルを
制作すれば、欧州ではそれなりに評価されるだろう。
しかし、中国ではこの種の広告は失敗する可能性が高い。
BMWは、危うくこの失敗を犯すところだったが、中国人社員のタイムリーな
アドバイスによって難を逃れた。
広告会社の責任者は「汗は中国では往々にして低レベルの仕事と関係づけられる」
とその理由を説明し、「もしこのアイデアを使ってコマーシャルを制作していたら、
BMWの狙いとは完全に逆になり、高級車だと認識してもらえなかっただろう」と
指摘する。
中国とドイツでは消費者の習慣が異なるため、コマーシャルにおけるこうした間違いは
往々にして起こる。
中国では富裕層は通常、自分で食事を作らない。
そのため、ドイツ電器メーカーが中国での見本市で流したコマーシャルは、家主が
電器製品を使用するといったシチュエーションはほとんどなく、まるで芸術品のように
並べられているというものが多かった。
そうしたコマーシャルが来客に深い印象を与えた。
しかし、中国の習慣に合わせすぎても間違いが起きる。
自動車のコマーシャルの場合、中国ではカーチェイスの場面を使うなど、
ドイツに比べて過激なものが多い。
ドイツ車メーカーの中国人社員が、カーチェイスによるコマーシャルプランを
提案したものの、広告会社は採用しなかった。
その理由について、広告会社の責任者は「この種のコマーシャルは、あっという間に
中国以外へも伝わる。
ドイツでは『違法レースを奨励している』と誤解される可能性もある」と説明したという。