秋号 - テレメータリング推進協議会

テレメ協ニュース
2011年
2011年秋号
目
次
■「エネルギー基本計画
エネルギー基本計画の
基本計画の見直しに
見直しに向
しに向けて」
けて」
・・・鈴木
・・・鈴木 正
2頁
・・・小川
・・・小川 悦男
7頁
■「ライフラインにおけるBCP
ライフラインにおけるBCPマネジメント
BCPマネジメント」
マネジメント」
■ 協議会行事の
協議会行事の報告・お
報告・お知
・お知らせ
1.IEEE沖縄
.IEEE沖縄会合
沖縄会合
・・・ 12頁
12頁
2.世界ガス
世界ガス会議
ガス会議(
会議(韓国・ソウ
韓国・ソウル
・ソウル)
・・・ 14頁
14頁
3.2011 ガス安全
ガス安全・
安全・安心・ソリューション
安心・ソリューション展
・ソリューション展
・・・ 17頁
17頁
4.原子力安全・
原子力安全・保安院講演概要
・・・ 20頁
20頁
5.直江前理事長の
直江前理事長の思い出
・・・ 21頁
21頁
・・・テレメータリングを社会
・・・テレメータリングを社会インフラに・・・
社会インフラに・・・
NPO
テレメータリング推進協議会
テレメータリング推進協議会
1
「エネルギー基本計画
エネルギー基本計画の
基本計画の見直しに
見直しに向
しに向けて」
けて」
-LPガスの災害対応と今後の役割についてー
鈴木 正*
我が国のエネルギー政策は、本年3月に発生した東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所
事故をきっかけとし、白紙に戻して議論するとされ、来夏に「新エネルギー基本計画」として策定さ
れることとなった。
現在、本震災におけるLPガス関連施設及び消費世帯における被災状況、復旧へ向けての取り組み、
今後の課題等、一連の検討が取り進められている中、今回も災害発生直後から分散型のガス体エネル
ギーであるLPガスはその特長を発揮し、復興に向けた重要な役割を担ったことが分かってきた。
これらの点を踏まえ、将来起こり得る都市直下型地震や東南海地震等をも視野に入れながら考える
とき、我々LPガス産業の果たすべき役割(貢献)等が明らかになってきた様に思う。今回はそれら
を(1)東日本大震災への対応、
(2)LPガスの特長及び現状の取組、
(3)今後のLPガスの役割、
の3点に絞り、主として元売り事業者の立場から、「エネルギー基本計画の見直しに向けて」-LP
ガスの災害対応と今後の役割について-と題して取りまとめてみた。
1.東日本大震災への対応
3月11日の「東日本大震災」を受け、日本LPガス協会では、同日17時に災害対策本部を設置
するとともに、会員各社のLPガス輸入基地、二次基地等の被害状況の把握を行なった結果、被災地
域の輸入基地4カ所及び二次基地6ヶ所はいずれも出荷停止の状態となったことが判明した。
そして15日には初めてとなる「災害時におけるLPガス供給に関する相互支援協定」の発動を決
定し、被災によって安定供給に不安をきたす恐れがある地域に対してLPガスの安定供給体制を確保
するため、会員会社相互の支援を開始した。
また翌16日には国に対し被災地域へLPガスを継続供給するために、国家備蓄石油ガスの放出を
要請した。現行備蓄法では、日本への供給途絶などによりLPガスが不足する事態に対応することが
基本となっており、国内の災害による供給不足を想定したものになっていないが、被災船舶座礁によ
る鹿島港への入港不可、福島原発事故による外航船寄港拒否問題等により輸入船受入れ見込みの目途
が立たないなど不測の事態に発展してきたため、国に対し柔軟な対応を要請したもので、4月4日、
国家備蓄LPガス(プロパンガス)は隣接する鹿島液化ガス共同備蓄㈱へ、民間在庫との交換という
方法で4万トンが放出されることとなり、継続供給に大きな役目を果たすこととなった。
被災地における復旧に向けた取組について目を向けると、まずLPガスの持つ災害に強い分散型エ
ネルギーとしての特長がクローズアップされることになった。つまり震災発生後道路等の破損、輸送
用燃料不足など様々な要因で、LPガスの配送が一次的に機能低下したが、各家庭の軒下にはガスボ
ンベが2本設置されており、一本を使い切っても2本目で約1ヵ月以上はガスを使い続ける事が出来、
ユーザーに安心感を与え供給不安からくるパニックを防ぐ役目を果たしたのである。
2
現地情報によると仙台の都市ガスエリア内で、LPガスを使用しているご家庭では、自身も被災を
されたがガスが切れなかった為、周りの都市ガス使用者やオール電化住宅の利用者に、お風呂を提供
し感謝されている。
加えて市町村との災害時協定に基づく避難所へのLPガス供給や仮設住宅の熱源としてのLPガ
ス供給、また災害対応バルクは、ご近所の皆様に暖かいおにぎりや味噌汁などの炊き出しを行い活躍
したことなどが報じられるなど、災害への対応力を遺憾なく発揮している。
また今回の震災の特徴の一つに、域内へ石油製品を供給していた製油所が被災したことによるガソ
リン、軽油の不足により運搬用車両の走行にも大きな支障が生じた事があげられ、一般の自動車も含
め、ガソリンスタンドには燃料を求める長蛇の列が出来ていたのは記憶に新しいとろである
この様な事態に対し、特にLPガスを燃料とするタクシーはその担い手として、人や荷物の運搬に
力を発揮した(全国乗用車連合会によるタクシー1台・1日当たりの走行距離数は、3月の前年同期
比で宮城県約107%~山形県約116%、また3月11日~月末の前年同期比では宮城県約11
0%~山形県約123%と特に震災直後から月末までの間は活動が顕著なことが分かる)事が明らか
になり、最終製品として備蓄、貯蔵してあるLPガス燃料の災害へのポテンシャルの高さが示される
こととなった。つまり、LPガスを燃料とするLPガス配送トラックは災害からの復旧、保安維持、
燃料配送の面でも大いに活躍する事が出来たのである。
さらに海外に目を向けると、サウジアラムコ社からは2,000万ドル相当のLPガスの支援が
寄せられ、本年6月末から再来年3月末まで、仮設住宅居住者のLPガス使用料金の一部(最大3万
円/世帯)を補助する「サウジLPガス災害支援基金」の運用も開始されている。
震災直後は全て出荷停止となっていた被災対象一次基地、二次基地は、4月末には仙台ガスター
ミナル、岩手県オイルターミナルを除いて復旧しているが、残された両ターミナルとも本年11
月上旬には出荷が再開されることとなり、これで全ての基地が復旧することとなった。
また現在、震災後の諸対応として、
「高圧ガス部会」、「液化石油ガス部会」などの国の審議会にお
いて東北地方太平洋沖地震後の高圧ガス分野における地震、津波対策の在り方や液化石油ガスの保安
の在り方についての取りまとめ、資源エネルギー庁石油流通課の「東日本大震災を踏まえた今後のL
Pガス安定供給の在り方に関する検討会」や「国家備蓄LPガス活用に関する勉強会」、また協会で
実施の「LPガスサプライチェーン検証班」や「保安実態調査班」など様々な観点からの震災実態の
把握と対策に向けた課題の整理が行われている。
ちなみに石油流通課の調査委員会である「東日本大震災を踏まえた今後のLPガス安定供給の在
り方に関する検討会」、ではLPガスの安定供給体制強化に向けた官民共有の行動指針や工程表の策
定に向けた議論がおこなわれており、
(1)LPガスサプライチェーンにおける災害対応能力強化としての①基地の出荷機能強化 ②充填
所の対応機能強化 ③国家備蓄の機動的な放出、
(2)二次災害を引き起こさない為の災害時の保安体制の円滑化としての①早期の保安点検体制の構
築支援 ②流出容器回収の円滑化 ③基地保安における法令順守と防火対策、
(3)市町村等地域における連携の強化としての①防災協定等の情報伝達網の整備 ②仮設住宅への
LPガス供給体制の整備
③公共施設での平時からのLPガス利用促進
3
④地域団体との連携
の強化
(4)今後起こり得る都市直下型地震や東南海地震等を視野に入れた検討としての①とくに首都圏等
LPガス供給インフラがそもそも存在していない地域での課題など、検討会での中間とりまとめが
行われており、国との連係のなかで、今後の震災への対応を図るべく課題解決に向けた取組が行われ
ており、LPガスの活躍の場は一層広がるのではないかと感じている。
2.LPガスの特長及び現状の取組
LPガスは、都市ガス、石油、石炭などと各燃料のLCI(ライフサイクルインベントリ―:各エ
ネルギーの原産地から受入・生産基地を経て、消費者に消費されるまでの過程全体のCO2排出量を
分析する方法)によるCO2排出係数で比較すると、指数表示で1.00、0.96、1.13、1.
45となっており、CO2排出の割合が低くクリーンであることが分かる。また加えて可搬性のある
分散型のエネルギーで災害に強いという特長を合わせ持っている。
協会ではLPガスのCO2排出原単位が低い特長を活かしながら、LPガスが我が国のエネルギー
政策の一翼を担い、低炭素社会の実現に向けて貢献しながら将来のLPガス産業の発展を期していく
ためには、中長期に向けてのLPガス産業の姿を示し、その実現に向けて取り組んでいくことが必要
とし、昨年3月、2030年に向けた将来像を「LPガス産業の中長期展望」として策定した。
我々はその目指す姿として「LPガス産業は、我が国のエネルギー政策が脱石油から再生可能エネ
ルギーなど非化石エネルギーへの傾斜を一層強め、低炭素社会の実現を目指す中、LPガスのCO2
排出原単位が低い環境特性を活かし、地球環境に貢献しながら需要拡大を目指す」とし、CO2削減
量で1,200万t~1,500万tと低炭素社会に貢献することで、結果として総需要量が2,0
00万t~2,300万tと増加するとした。
そのためには、上述した特長に加え税制・法的規制・政策的支援などガス体エネルギーとしての明
確な位置付けの獲得及び「燃料転換」、「燃料電池などのコージェネレーション」、「高効率ガス機器」、
「先進型LPG車の普及促進」、
「熱と電気のベストミックス」、
「太陽エネルギーなど再生可能エネル
ギーとの共生」等の取組が必要であるとし、その課題解決のため(1)需要拡大を目指す主な用途別
の克服すべき課題・再生可能エネルギーへの取組(2)顧客ニーズに応える技術開発(3)LPガス
の供給安定性確保(4)LPガス産業の環境目標設定・達成等の努力(5)保安体制の強化と災害時
の対応(6)次世代に向けた事業領域の拡大、の6つの取組方針を掲げその対応にあたることとした。
これらの考え方を示すことで、現エネルギー基本計画では、産業部門の基本的視点として高効率設
備によるガスへの燃料転換が低炭素型成長を可能とすると明記され、石油系燃料からLPガスへの燃
料転換を推進する補助事業もスタートすることになるなど、LPガスはその活躍を期待されるエネル
ギーとしての位置付けを得られるようになった。
3.今後のLPガスの役割
国は、震災後の5月より今後のエネルギー政策の基本的方針を検討するべく、「今後のエネルギー
政策に関する有識者会議」、「政策推進指針(閣議決定)」、「新成長戦略実現会議」とそれに基づき革
4
新的エネルギー・環境戦略を策定する「エネルギー・環境会議」、原子力政策大綱の見直しを検討す
る「新大綱策定会議」などを取り進め、「エネルギー基本計画」の見直しについては「基本問題委員
会」を立ち上げ検討に入った。
「政策推進指針」においては、当面の基本方針を震災からの早期立ち直りとし、電力の需給対策、
サプライチェーンの復旧・再構築、今後3年程度では新たな成長の芽として、省エネ・新エネビジネ
ス、分散型エネルギーシステムの展開を行う事で自律的成長の土台作りとする基本方針を打ち出した。
(3)ー7 エネルギー
エネルギー政策見直
政策見直しのポイント
視点から~)
から ~)
政策見直しのポイント (~環境
(~環境・
環境・ 安定供給及び
安定供給及びLPガスの
LPガスの視点
ガスの視点から
省エネルギー・省
エネルギー・省CO2
CO2の推進
(グリーン・イノベーションの実現)
新しいエネルギーベストミックスの実現
しいエネルギーベストミックスの実現
(エネルギー間での棲み分け)
(ネットワーク型と分散型の合理的な活用)
(LPガスの視点から)
①再生可能エネルギーとの
再生可能エネルギーとの共生
エネルギーとの共生
②噴射方式先進型LPG
噴射方式先進型LPG車
LPG車の普及促進(LPG車)
(震災前より)
低炭素社会実現政策の
低炭素社会実現政策の
堅持
③電気とガスの
電気とガスの役割分担
とガスの役割分担
(調理や給湯などガスで出来る事はガスで行う)
④燃料転換の
燃料転換の促進
(化石燃料の徹底した効率的利用による節電及び低CO2化)
(電気多消費型炉からの転換による節電)
(震災後)
⑤GHPの
GHPの普及促進
(電力負荷の平準化及び省CO2)
短・中期の
中期の電力対策とし
電力対策とし
ての節電
ての節電
⑥分散型電源の
分散型電源の普及促進
(最大電力値のピークカット)
(需要量の削減)
(家庭用燃料電池・業務用、産業用コジェネ等)
⑦国家備蓄の
国家備蓄の役割・
役割・見直し
見直し
(震災後)
(災害対応機能の目的化)
災害に
災害に強いエネルギー供
いエネルギー供
給体制の
給体制の構築
⑧コジェネ等
コジェネ等の自立運転化
⑨公的避難所等への
バルクシステム等の設置
公的避難所等への災害
への災害バルクシステム
災害バルクシステム等
⑩輸送用燃料の
輸送用燃料の多様化(LPG車)
34
また、「新成長戦略実現会議」では国のエネルギー政策変更の動きとして、今までの、3E(エネ
ルギーセキュリティ、経済効率性、環境への適合)に加えS(安全・安心)を加えた「S+3E」を
基本としたエネルギー政策を推進することとしている。特に震災後の電力不足に対し「エネルギー・
環境会議」においては、当面のエネルギー需給安定化策として計画停電や電力の使用制限を行うので
はなく、3次補正などの政策支援や規制・制度改革により、エネルギー構造そのものを抜本的に改革
していく方向性などを示すなど、革新的エネルギー・環境戦略の実現に向けた中間整理等が示され始
めてきている。
この様な国のエネルギー政策見直しの動きを受け、我々がLPガスの視点からその果たすべき役割
(貢献)について考えてみると大きく3点あるのではないかと考える。
つまり震災前より変わらないものとしての(1)低炭素社会実現政策への貢献、また震災後新たに
加わったものとして(2)短・中期の電力対策としての節電(最大電力値のピークカット及び需要量
の削減)及び(3)災害に強いエネルギー供給体制の構築、などが考えられるのではないか。
5
(1)独自の貢献としては①「再生可能エネルギーとの共生」つまり、太陽光発電で不足する電力
量をエネファームで補ったり、太陽熱給湯システムで発生させた温水を、エコジョーズで再加熱する
など再生可能エネルギーを使いやすいものにする事。また②「噴射方式先進型LPG車の普及」では、
LPガスをインジェクターで噴射する方式のエンジンを持つ先進型LPG車は、同規模のガソリンエ
ンジンに比べCO2の排出量が低く、全国には約1,600ヶ所のスタンドが整備されており、自家
用車での利用を普及させることで即戦力として低炭素社会に貢献できる。
また(1)
(2)の両方に貢献できるものとして③「電気とガスの役割分担」④「燃料転換」⑤「G
HPの普及促進」がある。系統電力は消費地から離れた大規模な発電所で作られ、送電線により各家
庭に届けられるため、大変手間のかかったエネルギーで、発電時及び送電によるロスで、その約6割
近いエネルギーを既に失っており、大変高級なエネルギーであると考えられるため、電気しか出来な
い事は電気で行い、調理や給湯などガスで出来る事はガスで行う事が必要なのである。
従ってSiセンサーコンロやエコジョーズなど、高効率で安全なガス機器の利用を推進することが
必要であり、また石油系燃料からLPガスへの燃料転換を実施することや電気多消費型炉からLPガ
ス炉への転換を推進することも重要となる。また冷暖房にGHPを使用することで、電力負荷の平準
化及び省CO2化を図る観点からも重要となる。
(1)
(2)
(3)の全てに貢献できるものとしては⑥分散型電源の普及促進がある。
電源についても、災害に強いエネルギー供給体制を構築していくためには、ネットワーク型と分散
型エネルギーとのベストミックスを図ることが必要で、エネファーム、エコウィル、業務用及び産業
用のガスエンジンコジェネなど分散型電源を普及させることで、最大電力のピークカットや電気の需
要量を下げるとともに、送電ロスがなくなることで、省CO2化につながるのである。
最後に(3)単独の貢献として、⑦「国家備蓄の役割・見直し」による災害時における国家備蓄の
放出を目的化、⑧「コジェネ等の自立運転化」として系統電源が喪失してもバッテリーなどを内蔵す
ることで自立運転可能となる分散型電源(エネファーム、エコウィル、業務用・産業用ガスタービン
コジェネ)の開発、⑨国の防災システムとして「公的避難所等への災害対応バルクシステム等の設置」
を行うことで災害発生時に避難所に対して迅速で円滑なエネルギー(電気、熱)供給が出来る体制を
予め整備しておくこと、⑩「輸送用燃料の多様化」として、災害時における輸送手段を確保するため、
特に地方自治体など公共機関においては災害に強いLPG車の導入・普及を行い、自動車燃料にかか
るリスク分散を図ることなどが挙げられる。
上述した①~⑩は日本のエネルギー政策を見直す中で、我々LPガスが果たす役割(貢献)として、
新エネルギー基本計画の中でしっかりと位置づけて欲しいと考える重要なポイントであり、その実現
に向けて広く理解を得ていきたいと考えている点である。
*日本LPガス協会 調査役
6
ライフラインにおけるBCP
ライフラインにおけるBCPマネジメント
BCPマネジメント
小川
悦男*
1.BCPリスクマネジメントについて
あの未曾有の震災から8カ月が経とうとしていますが、今頃なお、今回の地震津波に付いて「想
定外」という地震学者や原子力関係者のお話しをよく耳にします。
では想定内とは何なのか、そもそも何を基準に想定していたのかと議論が空回りしている様に見え
て仕方がないのです。私の様な一般の人間が「予想外だった」と言うぶんには自由だと思いますが、
専門の学者や、有識者、更には関係官僚が想定外と一言で済まされてしまうと安全対策の観点から考
えても、一抹の不安を持たざるをえません。
「リスク」に対する備え、これはすなわち想定外の脅威から未来の個人あるいは企業を守るシステ
ムを予め構築しておくことではないでしょうか。
われわれエネルギーの世界に身を置くものはなおさらのこと、普段からの備えが必要であと先達か
ら教えられてきたはずですなのですが、世界有数の地震立国の日本でありながら、危機管理のシステ
ムやリスクマネジメントへの取組みが何故か希薄なのです。
そこで「BCP」という概念を取り上げてみたいと思うのですが、「BCP」という言葉は日本で
はあまり知られておらず、数年前から特に大企業の中でようやく取り入れられる様になった危機管理
処方です。
「BCP
business continuity plan
事業継続計画」とは、企業が自然災害、大火災、サイバ
ー攻撃などの緊急事態に遭遇した場合、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継
続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための
方法、段などを取り決めておく計画を意味します。
BCPとは2000年問題を控えた米国で銀行・電力・電話など公的な部門がコンピューの不具合
発生を予測して、米国銀行協会が取り決めた公式の標準です。しかし、その後米国での同時多発テロ
やリーマンショック後の世界同時不況などを経て米国や英国ではマネジメントの手法として定着し
つつあります。
しかしながら日本ではBCPがなかなか理解されず個々の対応に限定されていました。
それは何故かと言うと、たとえば典型的な事態としてビル火災の様なローカルな事態、地震や洪水
のような地域的な事態、または世界的伝染病の流行のような国家的事態とリスクの概念が広範囲に渡
っている事、また供給元の喪失、機密情報の漏えいなど突発的リスクや景気変動、円高などの社会現
象のようなものまで、事業が依存しているあらゆる事態を含んでいる為、対策に焦点が絞りにくく有
効なツールも存在しないという理由であると思われます。
7
BCPはあまり知られていない
国土交通省資料抜粋
企業経営を取り巻く関連法案も商法・会社法・独占禁止法はもちろんのこと労働法・PL法・外為
法へと広がり最近では不正競争防止法・災害特措法など多岐に亘っていることも企業での定着を阻害
する要因であったと思います。
これらの目に見えない制約がリスクを分かりやすく捉える活動の阻害要因となりしいては企業の
自由な活動や成長戦略を阻む要因となっているのも事実です。
われわれは今こそ事業継続に向けた未来志向のリスク対策に自ら取組み、企業においてはマネジメ
ントシステムとして基盤を構築していく必要があると提言します。
政府も2005年に「事業継続計画策定ガイドライン」なるものを経済産業省で作成し規格化を進
めており、その推進ガイドラインは以下に示す様な内容です。
1
1.事業に著しいダメージを与えかねない重大被害を想定し、
2
2.中核事業のオペレーションを速やかに回復することができるよう
3
3.直接の被害だけでなく、ライフラインやサプライチェーンにも目を配ったうえで
4
4.情報の流れや指揮命令系統のあり方も含めて、計画を立てておくことであり、また、
5
5.被害が発生するような事態が起こるたびに、それを「学びのサイクル」として活用するプロ
セスを構築しておく
8
2.内閣府の
内閣府の事業継続ガイドライン
事業継続ガイドライン第二版
ガイドライン第二版・・・などによる
第二版・・・などによる
①
ライフラインを守る
想定外のもう一つの事態は、福島原発からはるか300km離れた首都圏の電力が完全に消滅し
てしまった事実です。
わずか1日で東京電力管轄の1000万kwが消失し、400万戸が停電し、300万人とも言わ
れる帰宅難民が生じました。電力一辺倒の社会神話は音を立てて崩れ始めました。
日本の電力は、現在、火力発電が61%、原子力発電が29%、水力発電が9%、太陽光発電ほか
の自然エネルギーが1%となっており、太陽光発電をよほど急いで普及でもさせない限り電力事情は
危機的な状態を迎えます。
しかも現在54ヶ所の原子力発電所も稼働中の11ヶ所が法定点検を迎え、来年の春には全機停止
状態になるのです。政府はストレステストを完了しないと再稼働は認めないと明言しているからです。
たとえば、原子力発電1基分の電力を太陽光発電で発生させる為には、何と山手線の内側全部に太
陽光セルを敷き詰めないと同等の電力は得られないそうです、
政治家や官僚は、来年間違いなく訪れる電力危機も「想定外」で済ませるつもりでしょうか。
たとえば代替エネルギーとしてガスをどう活用するかといった問題ですが、太陽光発電+エネファ
ーム+蓄電池などのベストエネルギーミックスをわれわれガスの業界に従事する企業や環境関連機
器メーカーが手を組んで自給自立できるエネルギーシステムを広げて行くことが最も大切なことで
はないかと考えます。
その為にはそれぞれの機器コストがあまりにも高すぎるということに加え、国の補助金制度と今後
どの様に相互補完して行くか、またエネファームや蓄電池はまだまだ完成された技術ではなく、企業
努力により安定した商品の早期市場投入が待たれるところです。
食べ物を地域で生産し消費する「地産地消」と同じ次元でエネルギーを自分で創り自分で蓄える「自
給自立」型社会の実現を目指す方向に大きく舵を切る時だと思います。
われわれの社会は電線やガス管や水道管で全て繋ぐことを目的にライフラインを整備してきたの
です。それはあたかもギリシャ時代の中央集権国家の街づくりの如くです。
しかし効率至上主義の近代社会でリスクを無視した社会インフラの構築は愚の骨頂と揶揄されて
も仕方ないのではないでしょうか。
東北の避難所でいち早く活躍したのはプロパンガスではなかったでしようか。
また仮設住宅のエネルギーはプロパンガスが大きく貢献していることは皆様もご存じのことと思
います。プロパンガスが自給自立型社会には最適のライフラインだと言っても過言ではありません。
ガスが電気に取って代わるなどとは考えていませんが、電気を補填するエネルギーは今のところガ
スしか存在しないのは事実です。
そのうち太陽光が戦力に加わった時には、すなわちベストミックスなエネルギーインフラが構築さ
れると思うのです。とは言いましてもプロパンガス業界の現状を考えますと一概に「ガス復権」とい
う訳にはいかない様々な諸課題も存在するのは事実です。
以下の課題を克服する為のマネジメントが必要不可欠だと思われます。
9
わたしどもシステムアンドリサーチ社は現在、プロパンガス業界における集中監視や業務管理のシ
ステム企業として、日頃から想定される自然災害に対する危機管理対策の簡易ツールをはじめ、液石
法に基づく保安管理などの法令順守に関わるノウハウを蓄積することで、業界に少しでも貢献して参
りたいと考えております。
ガス会社様の直面する課題
②
原材料高騰
少子・高齢化
世代交代
新規事業参入
通信インフラ
環境対応商品
CS顧客管理
法規制の強化
テクノストーリーの実現
先月末に世界の人口が70億人を突破したニュースが流れました。また同じ日に日本の人口が初め
て減少に転じたことも報じられました。
これは何か矛盾した現象の様に思われますが、意味するものは世界が確実に住みにくくなり、日本
は確実に経済が衰退していくことを示唆しているのではないでしようか。
日本の持つ最大の武器は技術力です。人口が減少しようが世界経済が混迷に向かおうが絶えず新し
い発想と英知で様々な需要を掘り起こして行くことにより経済は活性化すると信じています。
そこで最後に「テクノストーリー」という考え方をお話ししたいと思います。
われわれはシーズを持っています、お客様はニーズを持っています、それを融合することで何か新
しい需要が創造できないかというのがテクノストーリーの考え方です。
そうすればリスクもニーズのひとつと考えられ、それを克服するシーズが開発され新しい市場が創造
されるのではないでしょうか。
10
新しい仕組みへの取組み
テクノストーリー
お客様
相互参画
ニーズ
シーズ
顧客サービス
顧客サービス
商品開発
新規市場開拓
市場戦略
こんなことで
困っている
システムアンドリサーチ
お互いのメリット追求
いのメリット追求
解約削減
水消費拡大
ビジョンの共有化
ビジョンの共有化
こんな技術
こんな技術を
技術を
持っています
WinWin-Win Partnership
今回の震災で「想定外」の事態が起きたのであれば、このリスクを克服して日本が「想定外」の成
長を遂げる可能性も否定できないのではないかと考えます。
電力の「スマートグリッド」に対し、われわれは「スマートガスグリッド」で新しい市場を創造し
て参りたいと思います。
今後とも皆様方のご支援を何卒宜しくお願い申し上げます。
*株式会社 システムアンドリサーチ 営業部
11
協議会行事の
協議会行事の報告・お
報告・お知
・お知らせ
1.IEEE802
.IEEE802 沖縄会合
沖縄会合の
会合の概要について
概要について
土屋 十萬紀*
はじめに
9 月 19 日(月)から 23 日(金)に、沖縄県宜野湾市沖縄コ
ン ベンシ ョンセ ンターに おいて 、IEEE802 Wireless
Interim meeting(以下、沖縄会合)が開催され、世界各
国より約 280 名の研究者や技術者が参加し、活発な議論
が行われました。
沖縄コンベンションセンター
テレメータリング推進協議会では、集中監視システム新バージョンの検討・標準化研究部会にお
ける仕様とりまとめ、及び、新通信仕様環境整備部会におけるテストベッド等の整備が完了したこと
から、沖縄会合においてチュートリアルセッションでのプレゼンテーション、並びにデモ展示を実施
し、世界に向けてテレメータリング推進協議会の取り組みを発信しました。
(1)チュートリアルセッション
19 日(月)PM6:30 からのチュートリアルセッションにおいて、東京ガス株式会社の古沢肇理事が、
「 What Japan Utility Telemetering Association (JUTA) has done and will do on the
next-generation gas metering system in Japan」と題して、テレメータリング推進協議会のこれま
での取り組みや、集中監視システム新バージョン(U バス・U バスエア)の仕様標準化等に関するプ
レゼンテーションを行いました。会場には、多くの参加者が聴講し、プレゼンテーション終了後は、
電力メーターへの適応性等に関する質疑がなされました。
また、チュートリアルセッション終了後には、IEEE802.15.4g タスクグループの議長であるフ Phil
Beecher 氏とテレメータリング推進協議会の沖縄会合参加メンバーと意見交換会兼懇親会を行い、楽
しいひと時を過ごすことが出来ました。
(2)デモ展示
会場に併設された展示ブースで、沖縄会合の期間中、U バスエアと超音波式ガスメーターを用いた
遠隔検針のデモンストレーションを行いました。現在、標準化活動中の IEEE802.15.4g/e に基づく電
池駆動の超低消費電力無線の実機が展示されたこともあり、多くの参加者がデモンストレーションを
見学した。研究者や技術者が参加している会議ということもあり、見学者からは無線性能や消費電力
等、多くの技術的質問がなされ、活発な意見交換を出来ました。
12
パネル(テレメ協紹介・集中監視システム新バージョン標準化)
検針デモンストレーション
(3)IEEE802.15.4g/e の標準化検討状況
沖縄会合の開催前に実施されたd5ドラフトに対するスポンサー投票はともに 90%以上の賛成で
可決され、会議ではこの際に出されたコメント解決が実施されました(それぞれ、IEEE802.15.4e
は、547 件中 479 件、IEEE802.15.4g は、262 件中 162 件のコメント解決を実施した)。その後も、
電話会議等を通じてコメント解決を実施しており、今後は、再度、スポンサー投票を行い
IEEE802.15.4g/e ともに 2012 年 3 月末までに標準化が完了する見込みです。
終わりに
沖縄会合では、IEEE802.15.4g/e の両規格の標準化活動が佳境に入る中、IEEE802.15.4g/e を使用
した日本発の無線通信端末である U バスエアと、その国内標準化を行ったテレメータリング推進協
議会について、タイムリーな情報発信を行い、世界の関係者に存在を印象付けることができ、有意義
な取り組みを行えたと考えております。
最後に、沖縄会合の取組みに関しまして、関係者の皆様には事前準備や期間中の対応等、多大なる
ご協力をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
*
13
当協議会専務理事
2.世界ガス
世界ガス会議
ガス会議コンファレンス
会議コンファレンス(
コンファレンス( IGRC 2011 Seoul )への出展報告
への出展報告
古沢 肇*
はじめに
IGRC(International Gas Union Research Conference)は、3年に1回の頻度で開催される世界の都
市ガス業界の研究開発成果を相互に発表して情報交換を行うとともに、ガス業界を取り巻く課題につ
いてタイムリーな意見交換を行う場ともなっており、世界中のガス事業者、関係業界から多数の参加
者が詰め掛ける盛大なコンファレンスとなっています。
テレメータリング推進協議会では、2009 年度に開始した集中監視新バージョンの通信仕様(Uバス、
Uバスエア)のとりまとめを 2010 年度末に完了したことから、先の IEEE802 Inter RIM 会合(9月
@沖縄)における展示・デモに続けて、IGRC においても展示・デモを企画し、会員の皆さまのご協力
を得て、ソウルにおけるPRを成功裏に終了することができました。
今後も、当協議会がとりまとめた集中監視新バージョンの通信仕様(Uバス、Uバスエア)につい
て、日本国内はもちろんのこと、グローバルなスマートメーター化における超低消費電力型の通信仕
様として普及促進を図り、お客さまの安心・安全・快適な生活のインフラとしての活用を図って行く
ための活動を推進したいと考えますので、会員の皆様のご支援をよろしくお願い申し上げますととも
に、展示へのご協力、ご支援について御礼申し上げます。ありがとうございました。
(1)開催概要
IGRC2011 は、以下の通りソウル市内の COEX コンベン
ションセンターにて、世界のガス事業者からの参加者を中
心に 500 名を超える参加者が集い、盛大に開催されました。
日程:2011 年 10 月 19 日(水)~21 日(金)
場所:韓国 ソウル
COEX コンベンションセンター
内容:
・講演発表
77 件(19session)
・ポスター発表
202 件(4 分野)
・関係者特別展示
42 件
(2)テレメータリング推進協議会の特別展示概要
テレメータリング推進協議会の関係者特別展示ブースを確保し、会員企業各社のご協力のもと、以
下の展示を実施した。展示ブースにおける説明員としてパナソニック様、東邦ガス様等のご担当の皆
様に交代で詰めていただき、丁寧な説明を実施できたことから、参加者の反応も好意的であり、テレ
メータリング推進協議会の活動についての周知、日本企業の商品・サービスの普及へ向けた一助とな
ったものと考えられます。
14
【テレメータリング推進協議会・展示内容】
・テレメータリング推進協議会の紹介パネル
・集中監視新バージョン(Uバス、Uバスエア)の説明パネル
・超音波メーターの説明パネル、実機(矢崎様、東洋GM様、愛知時計様)
・マイコンメーター・超音波メーター用デバイスの説明パネル(パナソニック様)
・多段中継無線システムの説明パネル、デモ(富士電機様、TG)
また、講演発表・最終日の招待講演においては、「日本におけるスマートメーター化の現状」と題
しまして、2010 年度のスマートメーター制度検討会(経済産業省)の報告書概要に加え、3.11 東日本
大震災以降の取り巻く環境について概要を説明の上、20年におよぶガスのテレメータリングの歴史、
その実績をベースとした本協議会における通信標準化の状況等について解説を行いました。
ポスター発表の部においても、超音波ガスメーター、Uバス、Uバスエアを含めたユビキタスメー
タリングシステムのポスター展示と説明を実施し、多くの技術者の方々に興味を持って質問を受ける
と同時に、テレメータリング推進協議会の展示ブースでのデモ見学に誘導することも含めて、相乗効
果を発揮したPRが実現できたと考えます。
テレメータリング推進協議会 展示ブース(写真)
展示内容の概要
説明員の皆さま(ブース前にて)
おわりに
2010 年度に策定を完了した集中監視新バージョンについては、日本国内はもちろん、グローバルな
市場展開を意識したPRを進めることが、政府の掲げる新産業政策にも適合しており、短期的には導
入促進のための支援や補助にも結びつけられる可能性もあります。
また、長期的には、グローバルなビジネス展開を進める関係メーカー各社の事業戦略から見ても、
国内のユーザー企業の事業基盤を安定的に調達する市場環境の整備にも結びつくものであると考え
15
ます。短期的な成果が見えにくいという側面もあり、個別企業としての取組みがなかなか容易ではな
い海外 or 海外向け展示会(今回の IGRC2011 への出展、先の IEEE802 Inter Rim 会合での発表・展示)
等の取組みでありますが、前述の通り会員企業・メンバーにとっての長期的なメリットに結びつくも
のと考えます。
政策誘導、長期的な普及促進策を含めて、協議会のミッションに直結するものであることから、今
後も、このような活動をテレメータリング推進協議会が主体となり、鋭意取り組んで行くことに期待
しております。
IGRC2011 の展示にご協力いただいた皆様に御礼申し上げると同時に、今後の展開へ向けた一層の連
携をお願い致します。ありがとうございました。
*当協議会理事 東京ガス㈱技術開発本部
商品開発部ITサービスグループマネージャー
16
3.2011 ガス 安全・
安全・安心・
安心・ソリューション展
ソリューション展の報告
事務局
当協議会の年間最大イベントである表記の展示会・セミナーが、9月13日に東京(都立産業貿易
センター)
、11月8日に大阪(伊丹シティーホテル)で開催された。例年のとおり、業界12団体
の協賛、石油産業新聞社、東京都エルピーガス協会(東京)
、LPガス事業研究会(大阪)のご協力
をいただき、出展者は東京25社、大阪は22社、プレゼンテーション(セミナー)はそれぞれ10
社、11社で、いずれも熱心な来場者、聴衆で溢れた。
今年のソリューション展は、展示とセミナーを併設する現在の形式になって以来7回目を迎えるが、
来場者の低迷や内容のマンネリ化への危惧への懸念から、昨年秋に理事会より「活性化」に向けた検
討を要請され、会員企業を燃焼機器、システムなど5グループに分けそれぞれから代表を出していた
だいて「展示会活性化委員会」を作り、様々なアイディアを出して検討を進めていた。
その結果を反映すべく、今年の展示会では以下の策を講じ、また、3・11の東日本大震災に鑑み、
「安全・安心・ガス復権」というサブタイトルを付けた。
活性化の試みとして、ダイレクトメールの増加(従来の 2,500 通を 1,000 通増加)や、来場者に 4
色に分けた業種別カードを下げてもらい対応を容易にする、さらに東京会場では展示台のシーツの色
を「機器(赤)
・システム(緑)
・その他(黄)
」に分け、来場者がお目当て企業を探し易くするなど
具体策を実施した。
次に、内容的には基調講演を 3 本とした。すなわち、従来恒例となっている原子力安全・保安院に
よる基調講演に加えて、大震災を背景に、日本LPガス協会による基調講演「LPガスの災害対応と
今後の役割について」をお願いした。同協会では、大阪会場のテーマを「エネルギー基本計画の見直
しに向けて」と変更して、さらにタイムリーな講演をしていただいた。
また、当協議会として、昨年度の総務省の補助事業として採択された「集中監視新バージョンの標
準化」を講演を行った。
以上の結果、入場者数は東京会場 280 名で昨年とほぼ同じ、大阪会場は 300 名以上と昨年を上回っ
た。例年は、東京会場の入場者数が大阪を上回るのが常であったところから、東日本では大震災が影
響したものと推測している。
【実施概要】
(1)実施日
東京:平成 23 年 9 月 13 日
大阪:平成 23 年 22 月 8 日
(2)場 所
東京:都立産業貿易センター
大阪:伊丹シティーホテル
(3)基調講演
時
間
講
演 内 容
10:00~11:40
集中監視新バージョンンの標準化
13:00~14:00
(東京)LPガスの災害対応と今後の役割について
(大阪)エネルギー基本計画の見直しに向けて
16:20~17:00
最近のLPガス保安行政について
17
発
表 者
当協議会
日本LPガス協会
原子力安全・保安院
(4)セミナー(東京―第 1 会場)
時
間
内
容
発
11:10~11:40
電気を喪失した日―BCPの先にあるもの
11:50~12:20
ガス機器の新しい販売会社「アイレックス㈱」
14:10~14:40
電子請求・電子決済「e ガスチケット」
14:50~15:20
FRP製LPガス容器のモニター試験
15:30~16:00
クラウドAZタワーの災害対策
表 者
㈱システムアンドリサーチ
リコーエレメックス㈱
東洋計器㈱
日本LPガス団体協議会
高木産業㈱
(東京―第 2 会場)
時
間
内
容
発
表 者
11:10~11:40
業務用換気センサー
ガス警報器工業会
11:50~12:20
温度補正機能付自記圧力計「セーバープロ」
㈱桂精機製作所
14:10~14:40
パーソナルセキュリティー「SH24」
松江ガス供給㈱
14:50~15:20
災害対応バルク供給システムのご紹介
矢崎総業㈱
15:30~16:00
超音波式E型保安ガスメーター
東洋ガスメーター㈱
(大阪―第 1 会場)
時
間
内
容
発
表 者
11:10~11:40
Wev 会員サイトで顧客密着サービスの提供
パーパス㈱
11:50~12:20
災害対応バルク供給システムのご紹介
矢崎総業㈱
14:10~14:40
FRP製LPガス容器のモニター試験
日本LPガス団体協議会
14:50~15:20
BCP支援を始めとする GAS-21LM,RT のご紹介
北国コンピューター株
15:30~16:00
ガス機器の新しい販売会社「アイレックス㈱」
アイレックス㈱
(大阪―第 2 会場)
時
間
内
容
発
10:20~11:00
超音波式E型保安ガスメーター
11:10~11:40
業務用厨房における電化対策「涼厨」機器導入
11:50~12:20
電子請求・電子決済「e ガスチケット」
14:10~14:40
電気を喪失した日―BCPの先にあるもの
14:50~15:20
業務用換気センサー
15:30~16:00
温度補正機能付自記圧力計「セーバープロ」
表 者
東洋ガスメーター㈱
柳澤製作所(リンナイグループ)
東洋計器㈱
㈱システムアンドリサーチ
ガス警報器工業会
18
㈱桂精機製作所
東京会場風景
同左
日本LPガス協会調査役
鈴木
正氏
テレメ協ブース(集中監視標準化モデル)
盛況の大阪会場
その1
(両会場でご講演頂くとともに、本号巻頭に論文を
寄稿していただいた)
。
原子力安全・保安院福田課長の講演(大阪)
盛況の大阪会場
その2
19
4.「最近の
最近のLPガス
LPガス保安行政
ガス保安行政について
保安行政について」
について」―講演要旨―
福田
敦史*
以下の4点についてお話ししたいと思います。
1.最近のLPガスの事故発生状況について、2.LPガス事故への対応に
ついて、3.法令遵守状況について、4.政府、業界団体の対応方針につい
て。 まず、1.については、マイコンメーターやガス漏れ警報器の普及で、
事故件数は昭和 54 年の 793 件をピークに平成 22 年度は 204 件まで減少しま
したが、平成 18 年度以降は年間 200 件前後で高止まりしています。
事故の原因者別にみると、消費者によるものが 22 年 83 件と高止まり、
販売店等の原因は 33 件と減少傾向にあります。CO事故は、21 年が山口県のホテル事故等により
突出して多いのですが、今年もすでに 10 件発生しています。10 月末現在の業務用厨房での都市ガス
を含めたCO中毒事故 10 件のうちLPは 4 件、7 件はCO警報器又は業務用換気センサーがついてい
ません。業務用は、お客を含む多数の人が被害を受ける恐れがあり、換気の徹底や警報器の設置など
について重点的な対策が必要です。業務用については 22 年に監督省庁から業界へ注意喚起しましたが、
今年も 10 月、1 月に新聞、業界誌等で注意を呼びかけているほか、業務用厨房マニュアルを作成しダ
ウンロードできるようにしています。
また、この 6 月、原子力安全・保安院長から業界団体に対して食品工場等を対象に換気の実施、使
用前後の消費設備機器の点検、警報器の設置促進について、要請文書を出したところです。
次に、LPガス事故への対応ですが、事業者に対しては、事故の 4 割を占める消費者に粘り強く啓
発を行うとともに、自らに起因する事故は撲滅を目指して取り組んでほしいと思います。
販売事業者については平成 8 年の法改正時に、「認定販売事業者制度」を導入し、集中監視システム
を使った保安の高度化促進に力を入れ、現在認定事業者は全国の販売事業者 22,047 社のうち 291 社
です。さらに、KHKとの共同開発で、集中監視によってガスの流量変化から燃焼器を自動識別した
り、不適切な使用を判定するLPガス燃焼機器の自動識別システムの開発を進めており、現在、与論
島で実証実験を行っています。さらに、平成 24 度年までの予定でバルク貯槽の 20 年後の検査体制導
入についての調査研究を行っています。バルクは平成 34 年には 2 万件を超えると想定しています。
3 点目の法令遵守状況です。平成 8 年の法改正で大幅な規制緩和がなされ、規制は最低限とし自主
保安により高い保安レベルを競うという方向に転換しました。しかし、残念ながら立入検査の結果を
みると法令違反をしている事業者が後を絶ちません。検査結果はホームページに掲載しているので、
重要な参考事例としてそれぞれの社内の保安教育に活用していただきたいと思います。
4点目、政府、業界団体の対応方針については、当省から「平成23年度液化石油ガス販売事業者
等保安対策指針」を出しています。重点対応3項目として、① 業務用施設等のCO中毒事故防止、
②
一般消費者起因事故防止、③ LPガス販売事業者起因事故防止、を挙げています。
また、日液協、近液協、エルピーガス協会がそれぞれ共同宣言や臨時対策として事故半減緊急対策
を掲げていますが、いずれにしても実施するのは販売事業者及び保安機関であり、しっかり取り組み
を続けてほしいと思います。
*原子力安全・保安院 液化石油ガス保安課長
20
5.追慕、
追慕、故直江重彦前理事長の
故直江重彦前理事長の足跡
村岡 清男*
前理事長で顧問の直江重彦氏が逝去されたことは当協会にとっても
大変なショックであり残念であった。享年 70 歳。
まだまだ働き盛りで、身体的には頑健そのものに思えたがさすが
の直江先生も声帯部に潜んだ病魔には勝てなかったようだ。
2004 年、ドイツの研究留学から帰国されたころ、
「声がかすれた」
ことから喉頭がんの初期であったことが分かり、早々に外科手術を
された。しかし完全恢復にはいたらずその後 2 回にわたる手術でも
完治せず、声帯全摘まで行ったがついに力尽きてしまったという
悔しい人生の終わりであった。
直江先生と当協会のかかわりは、1986 年(昭和 61 年)のLPガス安全機器普及運動のはしり、今
から 25 年前のころである。ガス事故防止に加えて合理化対策の切り札として「テレコンシステム」
(集中監視システム)が開発されたが、その中心、リーダー格に直江先生がおられた。
先生は当時、情報通信総合研究所の経営経済研究部長をしており、東大、京大、電気通信大、明大、
千葉工大、放送大学等の非常勤講師としても活躍していたが、ガス、水道関係者を中心とする独自の
研究会活動も行っていた。
1987 年に京都大学経済学部助教授に転出するが、当協会の前身である「LPガスOA推進協議会」
「LPガスIT推進協議会」の会長、そして現在のNPO法人テレメータリング推進協議会の初代会
長として 20 年余にわたり活躍し、斯界の発展に多大の貢献をされた。
先生本来の専門分野は、公共経済学、情報通信経済学である。これらの専門分野の活動でも多くの
実績を挙げてこられた。公共財の経済分析、高速道路の費用対効果分析、鉄道事業の料金原価算定方
法の基本原則、電気通信サービスの経済分析等を行うとともに、情報通信産業の研究に取り組んでこ
られた。
1974 年、イギリスの国際会議で通信産業への競争原理の導入を世界ではじめて提言し、その後は
世界の通信産業の民営化、電話からインターネットへの転換に伴う構造改革の作業問題に取り組むな
ど国際的な活動に参画された。1980 年代は、NTTの民営化に関する政府委員会の委員を歴任し、
通信の自由化を推進してきた。また、日本の国際協力事業にも取り組み、アジアを中心とする国々の
通信網整備への援助プロジェクトの発掘やその実現にも努められた。
1990 年代は、アジアの通信近代化のための国際会議を組織し、その日本委員会の座長代理として
情報通信技術の移転にも努力、中国の通信改革にはさらに深くタッチすることとなり、中国郵政省企
画院の高級研究員にも就任、同国の通信近代化の政策顧問として政府関係者の指導も行ってきた。
国内では、移動通信の高度化委員会の委員長として、携帯電話のデジタル化を推進し通信産業の変
革に対応した光通信ネットワークの普及と高度化に取り組んだ。
2000 年以降は、米国の電気通信政策会議(TPRC)や欧州のEURO・TPRCや世界フォーラ
21
ムなど各種国際会議の中核メンバーとして活躍してきたことから、日本での情報通信の経済研究を志
す研究者の育成にも力を注ぎ、NTTやトヨタ等からの資金協力を得て研究会の開催や若手研究者へ
の資金援助、海外国際会議の参加、研究発表への支援などにも努められた。
しかし、最近では研究活動で日本人の国際会議への参加が激減していることや、中国、アジア等の
進出とあいまって日本のプレゼンスの低下、若手研究者の置かれてる状況等について憂慮しておられ
たが、その思いを抱いたまま帰らぬ人となった。
直江重彦氏のプロフィル
生年月日:1941 年(昭和 16 年)3 月 5 日
出身地 :東京
学 歴 :1964 年 国際基督教大学 教養学部卒
1966 年 同大学院行政研究科修士課程卒
職
歴 :1966 年 同大学教養学部 助手
1971 年 アテネオデマニラ大学経済学 講師
1973 年 電気通信総合研究所 研究員
1984 年 同上 経営経済学部 部長
1987 年 京都大学経済学部 助教授
1989 年 情報通信総合研究所研究室 室長
1994 年 中央大学総合政策学部 教授
2011 年 同大学定年退官
この間、総務省情報通信審議会委員のほか、各種研究会等の委員長、座長、中立委員としても活躍
された。直江先生は、施策審議会等の場でも一刀両断、歯に衣着せず正論を吐き、自説を曲げること
はなかった。いわゆる御用学者ではなかったので関係者から干されたこともかなりあったが、無視で
きない存在の専門家、学識経験者としてたびたび復活を果たし、周囲を驚かせた人であった。
心から、ご冥福をお祈り申し上げる。
*当協議会監事 石油産業新聞社取締役会長
22
協議会行事の
協議会行事の報告・お
報告・お知
・お知らせ等
らせ等
8/25
テレメ協ニュース 2011年夏号発行
8/31
新通信仕様(22年度総務省補助事業)運営委員会
場所:東京ガス千住テクノステーション
時間:9:30~11:30
8/31
第3回HEMS研究会
場所:尚友会館
時間:13:00~15:00
9/1
第5回展示会実行委員会
場所:当協議会
時間:13:00~15:00
内容:東京展示会の役割分担等
9/13
2011LPガス安全・安心・ソリューション展-東京(別項で概要報告)
場所:東京都立産業貿易センター
時間:10:00~17:00
9/13
第3回理事会
場所:弥生会館
時間:18:00~20:00
9/15
第12回スマートメーター研究会
場所:高圧ガス保安協会
時間:14:00~16:00
9/18
IEEE セッション(沖縄県宜野湾市)
~19
当協議会特別行事として参加
9/27
第4回HEMS研究会
場所:尚友会館
時間:13:00~15:00
10/6
第6回展示会実行委員会
場所:当協議会
時間:13:00~17:00
内容:活性化のための検討、大阪展示会のDMの発送等
10/13
第3回集中監視システム新バージョン運営委員会
場所:NTTテレコン㈱会議室
時間:15:30~17:30
23
10/25
第5回HEMS研究会
場所:尚友会館
時間:13:30~15:30
11/8
2011LPガス安全・安心・ソリューション展-大阪(別項で概要報告)
場所:伊丹シティーホテル
時間:10:00~17:00
11/13
欧州スマートコミュニティー視察(パリ・トリノ・ミュンヘン)
~20
(石油産業新聞社との共催事業)予定参加者22名
11/24
第4回集中監視システム新バージョン運営委員会
場所:NTTテレコン㈱会議室
時間:15:30~17:00
11/24
テレメ協ニュース2011年秋号発行
11/29
第6回HEMS研究会
場所:尚友会館
時間:13:30~15:30
12/6
第 13 回スマートハウス研究会
場所:日本LPガス協会
時間:14:00~16:00
12/9
理事会・研究会・忘年会
・定例研究会
定例研究会(見学会)
定例研究会
テーマ:『暮樂創ハウスの見学』
場
所:東京ガス千住テクノステーション402会議室
時
間:13:00~15:00
・理事会
理事会
場
所:東京ガス千住テクノステーション
時
間:15:50~17:30
・忘年会
忘年会
12/未
場
所:多加(南千住)
時
間:18:00~
第6回HEMS研究会
場所:尚友会館時間:
13:30~15:30
24
(編集後記)
本号は、ここ1~2 年では記憶にないほど事務局からの報告記事が山盛りとなった。
それだけ行事の多い年であったのだろう。9 月の IEEE沖縄セッション、10 月の世界ガス会議、
恒例の東京・大阪ソリューション展に加え、11 月にはフランス・ドイツ・イタリアのスマートメータ
ーの現状を視察する「欧州スマートコミュニティー視察団」が派遣された。この視察団の報告は次回
の新年号になる。
さて、3 月に長年事務局を務められた阿部理事が亡くなり、今度は前理事長の直江先生が逝去され
た。阿部さんも、先生の歯に衣着せぬ正論、直言に傍でハラハラしたした経験を語っていたことがあ
る。このご時世、先生の硬骨を懐かしく思い出す方も少なくないだろう
テレメ協としてのひとつの時代が終わった感がある。東日本大震災を受けて、国の根幹である「エ
ネルギー基本計画」も白紙から再検討とのことだ。時代の行く先を冷徹に見通す目が欲しいものであ
る。「それは君、普段の勉強だよ」という直江先生の声が聞こえるようだ。
事務局
会報名:
テレメ協ニュース
発
NPO 法人
行:
2011 年秋号(2011 年 11 月 24日発行)
テレメータリング推進協議会
〒105-0001
東京都港区虎ノ門 2-6-13
電話 03-3591-9686
URL:http://www.teleme-r.or.jp
発行人
薦田康久
三木虎ノ門ビル
FAX03-6240-4664
E-mail:[email protected]
25