三菱自動車ディーラーメカニック、今年も健闘

三菱自動車ディーラーメカニック、
今年も健闘
『三菱自動車ディーラーメカニック魂』は健在だった。昨年
PWRC 33
PWRC 35
PWRC 32
奴田原文雄/D.バリット
G.ポッゾ/D.スティロ
M.リガト/R.ガルシア
PWRC優勝/グループN優勝(総合8位)
PWRC2位/グループN2位(総合9位)
PWRC3位/グループN3位(総合10位)
72
73
82
大庭誠介/高橋浩子
福永 修(CMSC大阪)/奥村久継
大嶋治夫/井手上達也
のラリージャパンで田口勝彦のグループN首位快走を支え
グループN7位(総合15位)
グループN8位(総合16位)
グループN10位(総合18位)
た5人のメカニックたちが再び十勝に集結。1年ぶりのラリ
in
チームPIAAラリーアート
ラリージャパン
藤林 義孝
京都三菱自動車販売
ーながらも的確なサービス作業を展開した。
そんな彼らの努力に応えるべく、KATSUは今年のラリー
ジャパンでも快走。序盤からグループN総合のトップ争いを
繰り広げた。残念だったのは、第1レグ終盤のSS7で予想
外のアクシデントに襲われ、
スーパーラリーでの復活もかな
わぬほどのダメージをマシンに受けてしまったことだった。し
71
68
76
69
90
75
石田雅之/安東貞敏
増村 淳/渡辺孝次(CMSC道北)
丹羽浩道(CMSC千葉)/安江照明(CMSC千葉)
荒井信介(CMSC群馬)/坂木裕之
山内伸弥(CMSC浜松)/小田切順之
永由元人/吉持達郎
グループN12位(総合20位)
グループN13位(総合21位)
グループN14位(総合22位)
グループN15位(総合23位)
グループN16位(総合24位)
グループN17位(総合25位)
かし5人のディーラーメカニックたちは「これも勝負ですから
吉村 禎晃
東京三菱自動車販売
久野 太志
川崎三菱自動車販売
鶴見 隆司
愛知中央三菱自動車販売
石川 大悟
北海道三菱自動車販売
仕方ありません。それに僕らは、2年連続でWRCに参加で
きるという、
とても貴重な経験をさせてもらいました。限られ
た時間の中で的確な作業を行わなければならないラリーメ
カニックを経験することは、
ものすごくためになります。後輩
たちにも参加してもらいたいので、ディーラーチームの活動
はぜひ今後も続いていってほしいですね」と、悔しさはにじま
ラリー中のサービスは1回に終わってしまったが、KATSUは「職場での経験と高い技術を持つメカ
ニックたちですし去年の経験もありましたから、彼らには何の不安もありませんでした」と評していた
せながらも晴れ晴れとした表情を見せていた。
88
74
83
81
65
102
吉谷久俊/山北研二
三好秀昌/市野 諮
天羽桂介/竹薮英樹
工藤幸弘/大塚早苗
ドスコイ水野/木原雅彦
田口盛一郎/廣田幸子
グループN18位(総合26位)
グループN20位(総合28位)
グループN22位(総合30位)
グループN23位(総合31位)
グループN25位(総合33位)
グループN26位(総合34位)
FIAアジア・パシフィックラリー選手権 FIA ASIA-PACIFIC RALLY CHAMPIONSHIP
中盤戦を迎えたAPRCだが、
チームMRFタイ
100
20
95
中田裕二/菊池正佳
鎌田恭輔(CMSC道北)/鎌田千詠子
箕作有俊/長谷川倫子
馬場宏治(CMSC札幌)/女屋光弘(CMSC札幌)
グループN27位(総合35位)
グループN28位(総合36位)
グループN30位(総合39位)
グループN31位(総合41位)
103
ラリージャパン
田口勝彦、ラリー北海道APRC3位でフィニッシュ
にとっては以前5年にわたって住み込んで国内
ヤからシリーズ参戦している田口勝彦には悔し
選手権を転戦した第2の故郷。得意の熱帯ア
い戦いが続いている。大会2連覇を狙った7月
ジアでの一戦で全14カ所のSSのうち6カ所でト
の第4戦ラリー北海道からチームは最新鋭のラ
ップタイムを刻むなど、
ランキング首位を行くスバ
ンサーエボリューションIXのグループN仕様を投
ルのコディ・クロッカーを終始上回る速さを見せた。
入。
しかし今回のコンディションにセッティングが
しかし第1レグ前半のSS3で喫したパンクによっ
合わず、KATSUは我慢の走りを続けてAPRC3
て約4分を失い、
これが最後まで響いて2戦連続
位でのフィニッシュに。チームメイトのヤルコ・ミ
のAPRC3位に。この結果にもKATSUは「チャ
エティネンも苦戦したが、
それでもAPRC4位に
ンピオン争いでは苦しくなりましたが、
シリーズラ
入って初完走を果たした。
ンキングは依然2位。残り2戦とも勝てるよう全
続く8月の第5戦マレーシアラリーは、KATSU
力で頑張ります」と語っている。
ランサーWRカーの登場はかなわなかった今年のラリージャパンですが
ワークスの不在を補って余りある計40台もの三菱ランサーエボリューションが
数多くのプライベーターのみなさんの手により出場しました。
十勝の大地でそれぞれのドラマを演じ、戦ったランサーエボリューションたちの勇姿をご覧あれ!
6回目!
ラリー北海道では路面コンディションになかなかセッ
ティングが合わず苦戦したものの、十勝のグラベルス
テージ攻略のポイントは完全につかんだKATSU
優勝はならなかったが、マレーシアラリーではミエティネ
ンとKATSUでチームMRFタイヤが2-3フィニッシュ。
ここへきてミエティネンは安定感をかなり増してきた
田口勝彦 連載コラム
KATSUの
手応えは十分。しかし……本当にラリーってムズカシイ。
ラ
リージャパンは何とも言えない残念なラリーにな
すご∼く丁寧に、慎重に走ってたんですけどねぇ……。
APRC4位で終了。そして全開で攻めていった第2レグ
ってしまいました。去年は攻めたすえのコースア
それでも手応えはつかめましたね。SS3とSS4ではス
は、
コディを6秒差で押さえてレグ優勝を決めることがで
ウトでしたけど、今年は不可抗力でリタイア……悔しさ
ロットルにトラブルが出たり、セッティングができてない
きました。でも、総合優勝はまたも彼にさらわれて、チャ
1000%です。
んで思いきりアンダーステアを出しながら走ってたのに、
ンピオン争いはいよいよキビしくなってきたことは事実。
PWRC 40
87
PWRC 36
97
105
92
7月のラリー北海道からマシンがランサーエボリュー
タイムではそんなにトップから遅れることがなかった。
走りはいいのにどうも不運がつきまとってくるんですよ
S.マリーニ/T.サンドロニ
渡部洋三/池田 茂
M.バルダッチ/G.アグネス
斉藤 断/遠藤 彰
南野 保/P.サント
三谷義和/新井正和
ションIXになってトルクがものすごくなり、今回のラリー
PWRC勢がいる中で、去年はグループN全体でのトッ
ね僕は……こうなったら残り2戦ではコディも不運もま
PWRC6位/グループN32位(総合42位)
グループN33位(総合43位)
PWRC7位/グループN35位(総合46位)
グループN36位(総合47位)
グループN38位(総合49位)
グループN39位(総合50位)
ジャパンではタイヤも普段のAPRCで履いているものと
プを走れましたし、今年もクルマが仕上がってないわり
とめてチギってやるだけです!
違うなど、いろいろ変更点がありました。その仕様での
に遜色なかった。
「我ながらイケる」と改めて自信を持
ところで、
このたび僕の名前を冠したブランド『KATSU』
セッティングは事前にあまりできなかったので、第1レグ
つことができました。
がスタートすることになりました。もちろん商品企画の
66
80
93
98
86
94
岩下英一/高橋昭彦
田口幸宏(CMSC埼玉)/佐藤忠宜(CMSC福島)
青木光広/青木郁香
難波秀彰/関口 貴
堀川竜二/梶山 剛
中村 貢/藤嶋義孝
グループN42位(総合53位)
グループN45位(総合56位)
グループN49位(総合61位)
グループN50位(総合62位)
グループN51位(総合63位)
グループN55位(総合70位)
はクルマを仕上げていくのに使って、第2レグから勝負
ラリージャパンの2週間前に出場したAPRCマレー
段階から僕も関わっていきます。できるだけ普段の生
をかけていこうと考えてたんです。実際のドライビングで
シアラリーも悔しい一戦でした。ラリー北海道ではトル
活の中でも使ってもらえるようなデザインや機能性を追
も、北海道ではこれまで何度もパンクに泣かされてきた
クの上がったエボIXにいま一つ合わなかったセッティン
及したアイテムをライン
から、
目で見えるところにしかタイヤを乗せないようにして、
グもここではバッチリ仕上がって、第1レグ序盤は前の
ナップしていきたいと思
日に降った雨で滑りやすくなった路面に合
っていますので、どうぞ
わせて履いたMRFのマッドタイヤが大正解。
お楽しみに!
チャンピオン争いのライバル、コディ
(クロ
ッカー)
を30秒くらいチギることができました。
ところが、SS3でパンクしてしまって約4分
をロス。一気にAPRC7位まで落ちてしまっ
たんです。なんでいつもこ∼なるの?
それでも諦めずに追い上げて第1レグは
3
108
PWRC 34
126
61
77
99
福本正道/梅野英城
S.ベルトラン/R.ロヤス
福沢曜子/赤羽隆子(CMSC栃木)
田口勝彦/M.ステイシー
坂上哲司/原 信義
中村英一/宮部弘陽
グループN56位(総合72位)
PWRC10位/グループN59位(総合75位)
グループN60位(総合76位)
リタイア(SS7)
リタイア(SS8)
リタイア(SS24)
RALLIART JOURNAL
■田口勝彦公式サイト
http://www.ralliart.co.jp/katsu/
Profile:1972年2月7日、岡山県生まれ。22歳より海外に渡り、ランサー
エボリューションで国際ラリーの経験を積んできた。1999年にはAPRC総
合チャンピオンを獲得。株式会社ラリーアート社員
RALLIART JOURNAL
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