月刊B-maga(2015年12月号)

4K SOLUTION REPORT
∼4K収録・編集から送出まで∼
注目の4Kトータルソリューション公開
収 録
ソニー 4Kカムコーダー「PXW-Z100」
「PXW-X70」
4K対応ネットワークカメラ「SNC-VM772R」
ケーブルテレビ局や制作プロダクションでも導入し
「PXW-Z100」
「PXW-X70」
が置かれた
シューティングブース
ブカメラとしても最適。
やすい4 Kカメラとして、ソニー「 P X W - Z 1 0 0 」
一方「SNC-VM772R」
も、
ネットワークカメラなが
「PXW-X70」
をシューティング可能な状態で展示。
ら1.0型 Exmor R CMOSセンサーを搭載。4K30p
「PXW-Z100」
は4K60p・4:2:2 10bit撮影が可能
をH.264コーデックで16Mbpsで伝送可能。
ブース
なレンズ一体型4Kカムコーダー。
「PXW-X70」は
では実際に窓際に設置された
「SNC-VM772R」
が
1.0型 Exmor R CMOSセンサーを搭載し、
4K30p
映した4K映像を4Kテレビに映し出すデモが行われ
の収録が可能。小型で取り回しもよく、4K収録のサ
ていた。
4K対応ネットワークカメラ
「SNC-VM772R」
編 集
「Revnes 4K」の本体基本価格は
約250万円となっている
共信コミュニケーションズ
4K60p対応ノンリニア編集システム「Revnes 4K(REV-4KST1)」
オリジナルのハードウェアにEDIUS Pro 7およびDaVinci Resolve
ルの書き出しや4K→HDへのダ
12をインストールした4K60p対応のターンキーシステム。XAVCやMXF
ウンコンバートも実時間+α程度
といったEDIUSで対応可能なファイルフォーマットだけでなく、各種カメ
の時間しかかからないため、現状
ラRAWもDaVinci Resolveから変換することで利用することができる。
システムドライブだけでなくデータドライブにもSSDを採用するなど、
のHD放送システムへの完パケ出力もストレスなく行える。会場ではア
ビッドテクノロジーの共有ストレージ
「ISIS 1000」
と組み合わせ、共有ス
作業の高速化にも力点が置かれており、4K映像ならばレンダリングなし
トレージ上の素材編集のデモも実施。同環境ならばネットワークストレー
で2ストリーム+1エフェクト程度の作業を行うことが可能。完パケファイ
ジ上でも、1ストリーム+1エフェクト程度のリアルタイム編集が可能だ。
送 出
ソニー 番組自動送出システム「SWEV-N100A」
マルチポートAVストレージユニット「PWS-4400」
4K試験放送チャンネル「Channel 4K」、
スカパー! 4Kチャンネルで
納入実績がある番組自動送出システム
「SWEV-N100A」
とXAVCサー
バー
「PWS-4400」の組合わせによる4K送出システムを展示。
ソニーでは、
ケーブルテレビ局の実運用に求められる4K/HDサイマ
「PWS-4400」
などで構成された
4K送出システムで、
ケーブルテレビ局制作映像などを映し出した
することで、4K/H Dサイマル放
送を実現することが可能だという。
ブースでは
「SWEV-N100A」
「P W S-4400」
を組み合わせ、
ル送出に対応するシステムも提案。4KおよびHDの送出サーバーと、
実際にケーブルテレビ徳島が撮影した阿波踊りの4K映像等を自動送
4KマトリクススイッチャーおよびHDマトリクススイッチャーを用意し、4K
出し、4Kテレビ画面に映し出していた。
映像とHD映像をアップコンバート/ダウンコンバートして両放送に利用
エンコード・視聴
イノコス Harmonic Ultra HDライブエンコーダ「Electra X3」
4K60pを低レートで
ライブエンコード可能な
Harmonic「Electra X3」
イノコスが展示したHarmonic製のUHDライブエンコーダ「Electra
すデモを実施。4Kデコーダを4K
X3」
は、H.265/HEVCで4K60pをエンコード可能。4Kフルフレームをシ
STBと見立てれば、
ケーブルテレ
ングルスライスでエンコードすることで、
境界部分のノイズから解放。
そして
ビが4K自主放送を行う際の機
4K60p映像を9Mbpsという低レートでライブエンコードすることができる。
器構成と近い形だ。15Mbpsの
展示では
「PWS-4400」
で送出された4K映像を15Mbpsのレートで
ライブエンコードし、MUX機器、4Kデコーダを介して4Kテレビに映し出
46 B-maga December 2015
4K映像は、阿波踊りのような多くの人が動く映像では若干のノイズが
入るものの、実運用に十分耐えうるクオリティを有していた。
2015機器展示会
「Inter BEE 2015」開催期間中の11月18日∼20日、会場の幕張メッセにほど近い(株)QVCジャパン社屋「QVC
SQUARE」にて「2015機器展示会」が開催された。ここではソニー、共信コミュニケーションズ、
ミハル通信等が共同で、
4K制作やコミチャン運営をサポートする最新機器を展示。来場したケーブルテレビ事業者から高い関心が寄せられた。
来場者に好評!「4K制作の流れがじっくり見られた」
12月1日に「ケーブル4K」が開局したこ
とで、全国のケーブルテレビ局にとって4K
への取り組みは、
“待ったなし”
の状況となり
つつある。だが、4Kは新しい制作・放送技
術。キャリアを積んだスタッフですら
“勉強”
が必要な段階だ。
そこで、
ソニー、共信コミュニケーションズ、
ミハル通信等は共同で、4K収録・編集から
送出までの一連の流れをトータルに見学で
きる機器展示会を、
「 Inter BEE 2015」
のスタジオ見学が同時開催されていたこと
は、機器展示会で披露された4Kトータルソ
会期に合わせて開催した。会場も、幕張
もあり、経営層から現場スタッフまで、連日
リューションの各 機 器の特 長を、流れに
メッセから徒歩5分にあるショッピングチャン
多くのケーブルテレビ関係者が足を運び、
沿って紹介する。
ネル「QVC」の社屋内に設けられた。QVC
じっくり各機器の説明に耳を傾けた。
ここで
来場者の声
(株)
ケーブルメディア四国
技術部放送技術課
松本将照氏
「収録から送出まで、4Kコンテンツ制作
それぞれの機器の担当者とじっくり話せる
の一連の流れが見られるのがいいですね。
ので、機能の特長や実際の使い方も教え
スペックや価格面でも、
ケーブルテレビ局で
ていただけますし、逆にこちらから
『こういう
の使用をメインに考えられた機器が用意さ
機能があるともっといい』
といった相談もで
れているので、具体的に検討しやすいです。 きて、
とてもありがたい機会です」
統合監視ソリューション
統計多重
ミハル通信
ケーブルテレビ総合
監視ソリューション
ミハル通信
3チャンネル統計多重システム
1RFの帯域にHD3チャンネルを統計
ミハル通信のケーブル
多重し放送するシステムを展示。同シス
テレビ総合監視ソリュー
テムではエンコーダの処理解析により、
ションは、ヘッドエンド機
3チャンネルのビットレートを映像に合わ
器のハードウェア監視だ
せた最適なものに可変することが可能。レート自動変更する
けではなく、地デジやBS・
動きの多い映像では高ビットレートに、
ケーブルテレビ総合監視ソリューションの監
視画面。エラーを検知すると各映像の枠が
赤く表示される
お天気カメラ等の動きの少ない映像は
る直前の最終出力での監視を実施。最終出力監視では信
トを割り当てる。チャンネルごとにビット
号だけでなく映像や音声も解析して監視し、映像ブラックア
レートの上限・下限を設定することも可
ウトや音声無音等、ハードウェア監視だけでは検知しづら
能だ。従来製品のHDTV MPEG2エン
C S、F M等の信号の受
信点、
および伝送路に出
ミハル通信の地デジ自主放送3チャンネル統計多
重システム。映像にあわせて3チャンネルのビット
低ビットレートになど、
自動的にビットレー
かった異常も検出することが可能。監視映像はHLSによる
コーダ「MENC-HDM2UN-6」にオプ
配信で遠隔視聴することもできる。ソリューション全体はミ
ションソフトを追加することで統計多重
実際に18Mbps帯域での3チャンネル統計多重
デモを展示。動きの激しい映像、
ショッピングチャン
ネル映像、定点カメラ映像の3つともほぼ視聴に
問題ないレベルだった
ハル通信製の各種コントローラと連携することで、予備シス
機能ができ、
すでに同機種を導入済み
テムとの切り替えも可能とする。
ならば、
それらを活用して統計多重を利用できる。
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