第 4 章 鋼材の規格と鋼種の選定 鋼材の種類と規格

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第 4 章 鋼材の規格と鋼種の選定
第4章
4.1
鋼材の規格と鋼種の選定
鋼材の種類と規格
• 炭素量 0.2% の鋼 : 400 ∼ 500 MPa ,適当な伸び −→ 普通鋼,軟鋼
• 炭素量増加
:
それ以上の鋼 −→ 高張力鋼
強度 −→ 上昇, 伸び,加工性,溶接性 −→ 劣化
元素添加 (非調質鋼),熱処理 (調質鋼)
• 一般構造用鋼材 (SS 材: Steel Structure ) : 最小引張強さ 400, 490, 520 MPa
• 溶接構造用熱間圧延鋼材 (SM 材 : Steel Marine ) : 最小引張強さ 400, 490, 520, 570 MPa
– 溶接性を保証した構造用鋼材 (詳細な化学成分規定)
• 耐候性溶接構造用熱間圧延鋼材 (SMA 材 : Steel Marine Atomospheric) : 最小引張強さ 400, 490, 520,
570 MPa
– 大気に曝露されたとき,表面に安定した緻密な錆が発生し,防食効果を発揮する鋼材, Cu, Cr
– 無塗装で橋梁等に適用
• 建築構造用圧延鋼材 (SN 材) : 建築鉄骨用鋼材
– SM 鋼材に対して,降伏比,板厚方向の機械的性質,超音波探傷のための音響異方性などの規定
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第 4 章 鋼材の規格と鋼種の選定
耐候性鋼材
安定さび層の形成 −→ 塩分,硫化物,水分 (適用の可否 −→ 飛沫塩分量,凍結防止剤)
図 4.2
図 4.1
さび層の構成
暴露 9 年目の板厚減少量と飛来塩分量の関係
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第 4 章 鋼材の規格と鋼種の選定
SS 400 A
SS
400
A
鋼種
最小保証引張強度
シャルピー吸収エネルギー値
SS,SM,SMA 400, 490, 520, 570
(a) SM490Y (1970 年代)
図 4.4
(A: 無規格, B:27J , C:47J)
(b) SM490YB (1991 ∼ 93)
(c) SM570 (1991 ∼ 93)
シャルピー吸収エネルギー値の変遷
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第 4 章 鋼材の規格と鋼種の選定
4.2
鋼種の選定 :
鋼種の選定
• 強度,剛性等の性能 • 加工性 • 溶接性 • 維持管理
経済的評価 : 材料,製作,輸送,架設,メンテナンス
板厚 : 増 −→ シャルピー吸収エネルギーに基づくじん性の要求を上げている.
• 板厚の厚い部材 : 三軸性により拘束度が高まるなど 内部応力状態が複雑 −→ 製造上,溶接上問題
• 寒冷地 −→ じん性値に特別な配慮
表 4.4
板厚による鋼種選定標準 (道路橋示方書)