タイの食文化

タイの食文化
私の故郷であるチェンマイは、タイの首都バンコクから北へ約700kmに位置する北部の都
市です。魚介類よりも肉類を使った料理が多く、米はカオニヨウというもち米を多く食べます。
ここではチェンマイ料理の特徴をご紹介します。
タイでは朝食は簡単に作りますが、夕食は家族がそろってゆっくりと食べられるような料理を
作ります。タイ料理にはさまざまな調理法がありますが、チェンマ
イ料理で最も多い調理方法は「煮る」料理です。タイ語では「煮る」
ことを「ゲーン」といって、
「ゲーン・○○」という料理がいろいろ
あります。特に有名なのは「ゲーン・ホ」です。「ホ」は、チェン
マイでは「あまったものをいろいろ入れる」ことを指します。その
ため、この料理にはさまざまな食材が使われます。
ゲーン・ホ
また、豚の皮をカリカリに揚げた「ケープ・ムー」や鶏の皮をカリカリに揚げた「ナン・ガイ」、
英語でチェンマイソーセージと呼ばれる「サイウア」、チェンマイのそうめんともいえる「ナム
ニヨウ」なども有名です。
ケープ・ムー
ナン・ガイ
サイウア
チェンマイ料理にも、とうがらしを使った辛い料理がたくさんありますが、レモングラスやバ
イマックルー、カー、パクチーなどの食材や、ナンプラーなどの調味料は、タイ料理独特の味や
豊かな風味を出してくれます。今回の料理にもタイの食材や調味料をいろいろ使っていますので、
ぜひそれらのおいしさを味わってください。
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*タイ料理に使われる食材と調味料の紹介*
青パパイヤ
シーユーカオ
フルーツとしてよく知られているパパイ
ヤですが、果実が熟す前の青い時に収穫
し、野菜として食べられるものが青パパイ
ヤと呼ばれています。シャキシャキとした
歯ごたえ、甘味、香りも青パパイヤの魅力
です。
カー
大豆から作られるタイのしょう
ゆで、炒めものや煮物などの味つ
けに使用します。
タイチリペースト
ショウガ科の香辛料の一種で、日本のショ
ウガに似ていますが、より香りが強く、ト
ムヤムクンの香りづけなどに薄く切って
使います。
バイマックルー
タイのラー油のような調味料で
す。さまざまな材料を混ぜて作ら
れていてトムヤムクンなどのス
ープの味付けによく使われます。
ナンプラー
東南アジアのハーブの一種で柑橘系のさ
わやかな香りが特徴です。果実全体にある
深いひだがこぶのように見えるので、日本
ではこぶみかんの葉とも呼ばれています。
レモングラス
タイで使われている魚醤油でタ
イ料理には欠かせない調味料で
す。
ココナッツシュガー
葉や茎はレモンに似た香りで、若葉や乾燥
させた葉などがハーブとして用いられま
す。今回は香りを出すために根元の部分を
斜めに切って使いました。
ホムデン
ココナッツの樹液を煮つめて作
る砂糖です。ふつうの砂糖より風
味があり、料理やおかし作りに用
いられます。
スイートチリソース
赤い皮をしていますが日本の赤玉ねぎと
は別の物です。特有の香りと風味を持ち、
カロチン、ビタミン C を多く含んでいま
す。
パクチー
セリ科。中国では香菜、英語ではコリアン
ダーといいます。葉より根のほうが香りが
強く、今回はトムヤムクンのスープに根を
使い,食べる時に葉をのせて使いました。
ヘッドファーン
日本ではふくろたけと呼ばれ、幼菌全体が
厚い袋に覆われていることが名前の由来で
す。中国南部や東南アジアでの栽培が盛ん
で、トムヤムクンにも欠かせない食材です。
今回は水煮の缶詰を使用しました。
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チリソースと同じ材料で作られ
ていますが酸味と甘味が強くな
っています。春巻きや揚げ物や肉
料理、焼き物のたれとして用いら
れます。