再生可能エネルギー促進法とその問題点について

三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
再生可能エネルギー促進法とその問題点について
持続可能なエネルギー生産社会を目指すために
千里金蘭大学教授
三石博行
はじめに
今年「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」(FiT 法)
が成立し、来年 7 月に施行される。この法律の成立過程を 2002 年に公布された「電気
事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(RPS 法)から振り返ってみ
る。
法律は政策の道具である。政策は政治的方針を実現する手段である。政治的方針とは政
治理念を具体化するための方法である。こう考えると、再生可能エネルギー電気の利用
普及や、その固定価格買取制度も、この国の将来計画、将来ビジョンに基本的な課題が
あることを理解できる。我々はどのような社会を実現しようとしているのか。そのため
には、どういう政策をどの時代にどのように適用するかということが政治家や政策立案
者たちの作業となるだろう。
今回、「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」の簡単な
解説とその問題点について語るのであるが、その前に、それらの問題がどこから来てい
るかを説明するために、上記したように RPS 法から FiT 法への成立過程を分析した。
この議論は、当然、これからの再生可能エネルギー社会を実現するための議論の一端であり、その長
い困難な政治的(政策的)、経済的、技術的、生活文化的課題に対する議題の提供を行うためのもの
である。この法律に関する評価と課題分析を行うことは、明日の再生可能エネルギー社会の実現に役
立つものと信じるのである。
この文書は 2011 年 11 月 19 日おおつ市民環境塾講座で行った講演の資料を基にして作
成したものである。
1、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成 14 年法律第
62 号)(RPS 法)について(2002 年から 2007 年まで)
日本社会の「聖域なき構造改革」を訴えて成立した小泉政権下、2002 年 6 月 7 日に「電
気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成 14 年法律第 62 号)
が成立し、同年 12 月 6 日から施行された。この法律は、「経済的社会的環境に応じた
エネルギーの安定的かつ適切な確保に資するために、電気業者による新エネルギー等の
利用に関する必要な措置を講ずること」を義務化し「環境の保全」と「国民経済の健全
な発展」を目的として公布された。この法律で定める新エネルギーとは、風力、太陽光、
地熱、水力とバイオマス等とされていた。
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
2007 年 3 月 30 日に「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行
令」(平成 19 年 3 月 30 日政令第 97 号)が出され、RRP 法が施行された。この法律によ
って平成 19 年度(2007 年)以降 8 年間、2014 年度までの新エネルギー等電気の利用目
標量が示された。2007 年度は 86.7 億KW、2008 年度は 92.7 億KWであった。2009 年
度に出された新エネルギー等電気の利用目標量では同年度(2009 年度)の新エネルギー
等電気の利用目標量は 103.8 億KWであった。
2011 年度の電気事業者 53 社(一般電気事業者 10 社、特定電気事業者 5 社、特定規模電
気事業者 38 社)に、総量約 110.1億KWの新エネルギー等電気の利用の義務が課せら
れた。2007 年度の日本の年間総発電量が約 12000 億KWである。2011 年度の新エネル
ギー等電気の利用目標量を 2007 年度年間総発電量に比較したとしても、その総発電量
の 1%弱しか新エネルギーの占める電力は生産されていない。
図表1 日本の一次エネルギー供給量
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2010 年版)
また、IEA 統計における再生可能エネルギー導入量と対一次エネルギー総供給シェアの
1990 年と 2006 年の比較から、日本はその 16 年間(1990 年 1.7%と 2006 年1.8%)で
0.01 パーセントしか増加していない。デンマークは(1990 年 6.1%と 2006 年 14.5%)で8.3%、 スウ
ェーデンは(1990 年 11.1%と 2006 年 18.2%)で 7.1%、ドイツは(1990 年 1.1%と 2006 年 5.3%)で 4.2%
増加している。
中でも平成 22 年度(2010 年度)の新エネルギー等電気の総量は 102.5 億KWであり、
その中で太陽光発電は 13.4 億KWを占めている。つまり、日本の年間総発電量が約 12000
億KW(2007 年度)であるとしてもその総量の 0.1%しか新エネルギー電気量は占めて
いないのである。このことから 2002 年 6 月 7 日に「電気事業者による新エネルギー等
の利用に関する特別措置法」(平成 14 年法律第 62 号)は、その法律の目的であった電
気事業者による新エネルギー等の利用を促進することは出来なかったと理解すべきで
ある。
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言い換えると、2002 年の「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」
の目的である「環境の保全」と「国民経済の健全な発展」のために、自然エネルギー(風
力、太陽光、地熱、水力とバイオマス等)の生産とその利用を促進し「経済的社会的環
境に応じたエネルギーの安定的かつ適切な確保に資する」と謳ったが、現実には、電気
業者による新エネルギーの利用量は僅かなものであり、経済システムを改革する力には
なりえなかった。
21 世紀になり国のエネルギー政策は大きな課題を抱えていた。一つは地球温暖化防止を
進めようとする国内外の政治や社会の傾向である。非化石エネルギー利用の開発が急が
れていた。もう一つは中国を始め急速に経済成長し始めた国々によるエネルギー需要の
増加とそれに伴うエネルギー価格の上昇である。こうした課題に素早く対応するために、
政府、経済産業省の総合資源エネルギー調査会需給部会は 2002 年 3 月に「2030 年のエ
ネルギー需給展望」を示した。そして、自由民主党の議員立法により 2002 年 6 月 7 日
にエネルギー政策基本法(平成14年法律第71号成立、同月 14 日公布)が施行され
た。このエネルギー政策基本法の第 12 条第 4 項の規定に基づき総合資源エネルギー調
査会総合部会基本計画委員会が発足し、2003 年 10 月に「エネルギー基本計画」が作成
された
「エネルギー基本計画」はその後、2007 年、2010 年と出された。2003 年の「エネルギ
ー基本計画」と 2007 年のそれを比較するなら、国のエネルギー政策が原子力発電に大
きくシフトしていることが理解できる。言い換えると、原子力エネルギーの利用によっ
て、2 030 年に向けた国のエネルギー基本計画の基調である非化石エネルギーの利用拡
大政策を推し進めた。このエネルギー基本計画(エネルギー政策基本法)と新エネルギ
ーの利用拡大を目的にした RPS 法「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特
別措置法」(平成 14 年法律第 62 号)は基本的にその方向性を異にすることになる。当
然、原子力発電を基本とする電気エネルギー生産を中心におくエネルギー基本計画が再
生可能エネルギーを利用する RPS 法よりも優位に立っていたために、地球温暖化対策と
して二酸化炭素を排出しない原子力発電によって電力は十分に補給でききると考えて
いたために、地球温暖化対策や脱化石燃料エネルギー利用の切り札としてコスト高の再
生可能なエネルギー(風力、太陽光、地熱、水力とバイオマス)の開発に敢えて投資す
る必要を感じていなかったのである。
2007 年 6 月と 2010 年 6 月のエネルギー基本計画によると、政府は原子力を非化石エネ
ルギーの代表とし、2020 年までに 9 基(ゼロ・エミッション電源比率 50%)、2030 年ま
でに 14 基(ゼロ・エミッション電源比率 70%)の原子力発電所を新増設する計画を出し
ていた。政府が非化石エネルギーである原子力も新エネルギーの中に入れ、原子力エネ
ルギーを中心とするエネルギー基本計画を立てるなら、他の再生可能エネルギーを活用
する必要はないのである。つまり、このエネルギー基本計画によって再生可能エネルギ
ーを生産する社会経済システムは進行しないことになる。RPS 法によって電気事業者が
風力、太陽光、地熱、水力、バイオマス等の新エネルギー等を利用することを促進しよ
うとしても、エネルギー基本によって、この RPS 法は形骸化されてしまったと言えるだ
ろう。
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2、住宅用太陽光発電の固定価格買取制度の導入(2008 年-2009 年)
日本では再生可能エネルギーに対する普及促進策としては電力会社による自主的な買
い取り、RPS 法や各自治体による助成などが用いられてきた。 これにより太陽光発電パ
ネルをいち早く売り出した日本の電気メーカの供給も重なり、太陽光発電では 2004 年
度まで世界一の生産量や市場を有していた。(Wikipedia)
図表2、2001 年から 2010 年までの世界の太陽光電池生産量(Wikipedia)
しかし、2005 年に政府の太陽光発電パネル設置への補助金が打ち切られると、国内の需
要が減った。2005 年度に約 300MW あった生産量が 2006 年度に減尐に転じ、2007 年度は
約 200MW まで減尐した。それまで世界一の生産量を誇っていた日本はドイツ、中国、そ
してアメリカにまで抜かれてしまった。(Wikipedia)
図表3、日本における太陽光発電池生産量(国内用と海外用)(Wikipedia)
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2005 年に補助金がなくなり、しかも、当時、家庭で発電する太陽光電気の買取価格は一
般電気事業者 10 社で尐しの格差はあったが1KWh当たり約 22 円-23 円であったため、
太陽光電池国内需要は急速に衰えた。何故なら、この売電価格では、太陽光発電施設の
設置費用に投資した資金の回収は不可能であるからだ。これまで政府の補助金で僅かで
はあったが太陽光パネルを設置しようとしていた国民の自然エネルギー活用の意欲は
失われたと言えるだろう。
図表4、2001 年度から 2007 年度までの太陽光発電の国内出荷量(MW)
(出典:JPEA(太陽光発電協会)ウェブサイト、
「統計・資料」
)
2005 年に新エネルギー財団(NEF)による助成が終了して以降、2007 年まで国内市場は縮
小し、日本の太陽光発電の国内出荷量は減尐し、総出荷量も伸びず、結果的に太陽光電
池生産量世界一の座をドイツに奪われた。明らかにこれは日本のエネルギー政策の不備
によって生じたといえる(それについては日本の太陽光電池産業の問題を指摘する考え
もあるが)。世界一の太陽光電池の生産国となったドイツでは固定価格買い取り制度を
導入した。ドイツは 1990 年の Stromeinspeisungsgesetz (StrEG 電力供給法)、そし
て 2001 年の Erneuerbare-Energien- Gesetz(EEG、再生可能エネルギー法)、および 2004
年の EEG 法改正と 3 段階の固定価格買い取り制度を導入することで太陽光発電の普及を
促したと言われている。
日本の太陽光発電の国内出荷量の減尐に危機感を募らせた政府(経済産業省)は、2008
年に福田ビジョン(2008 年 6 月 9 日、第 91 代内閣総理大臣福田康夫により発表された日
本の地球温暖化への対策としてポスト京都議定書の枠組み作り、国際環境協力と技術革新の
三つの提案・クールアース推進構想の温暖化ガス排出量削減構想)による太陽光電池の大幅
な増産を目標に掲げた。そのビジョンにそって 2009 年 1 月に経産省が緊急提言に沿って補
助金を復活させた。また、また 2009 年 2 月には環境省も再生可能エネルギーの導入に伴
う費用や経済効果の試算を発表し、太陽光発電の普及政策として固定価格買い取り制度
の採用を提案した。(Wikipedia)
2009 年 2 月の環境省による太陽光発電を含む再生可能エネルギーの普及による費用や経済
効果の試算によると、2020 年までに太陽光発電 37GWp、2030 年までに 79GWp の導入を
仮定すると、再生可能エネルギー全体の導入の費用は 2030 年までに 25 兆円にのぼり、そ
の経済効果はその 2 倍以上になる。そして、数十万人の雇用を生み出すだろうと述べられた。
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
環境省の発表と同じ時期に、経済産業省も太陽光発電設備の初期投資を 10 年程度で回収で
きる助成策を導入することを発表した。環境省と経済産業省が共に太陽光発電の推進を行う
ことで一気に普及政策として固定価格買い取り制度の土台が調整された。
2009 年 9 月 16 日、民主、社民、国民新の 3 党連立政権が発足した。民主党は同年の衆
議院選挙公約(マニフェスト)43 項「全量買い取り方式の固定価格買取制度を導入する」
の中で、再生可能エネルギー固定価格全量買取制度の早期導入、効率的電力網(スマー
トグリッド)技術開発・普及促進を公約した。民主党政権の成立によって更に 2008 年
の福田ビジョンにそって 2009 年 2 月の環境省と経済産業省が具体化しようとした太陽光
発電の推進構想が展開したといえるだろう。
2009 年 11 月から固定価格による余剰電力買取制度が始まった。買取期間を 10 年とした
日本の固定価格全量買取制度が出発したのである。この制度では、10KW 未満の住宅用の
太陽光発電は 1KWH あたり 48 円(2011 年申込みでは 42 円)で、非住宅用では 24 円(2011
年申込みで 40 円)で、10KW 以上で 500KW 以下では住宅用でも日住宅用でも 1KWH あたり
24 円である。しかし、大型の発電施設、500KW 以上では一般電気業者の買取は行われな
い。
図表5 買取期間 10 年の太陽光発電余剰分買取価格(Wikipedia)
住宅用
非住宅用
10kW 未満
10~500kW
500kW 以上
48 円/kWh
24 円/kWh
買取なし
24 円/kWh
買取なし
買取なし
買取なし
(42 円)
24 円/kWh
(40 円)
発電用
(
買取なし
)は 2011 年度契約申込みの場合
不十分とは言え、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平
成 14 年法律第 62 号)施行から 7 年後の 2009 年に太陽光発電施設による新エネルギー
等電気のうち、太陽光発電の剰余電力買取制度」が始まった。つまり、2009 年 11 月か
ら太陽光発電の剰余電力を電気事業者は買取る義務を負う制度(特定太陽光電気買取制
度)が出発した。それは、RPS 法第 3 条により政府が定める新エネルギー電気利用目標
に対して同法第 4 条及び第 5 条により電気事業者は基準利用量の使用が義務とされたこ
とを意味する。これが 2002 年に小泉政権によって成立し福田ビジョンで展開した自民
党発の RPS 法の功績であったと言える。
言い方を変えるなら、2009 年 11 月から始まった固定価格による余剰電力買取制度は、
2005 年に政府の太陽光発電パネル設置への補助金が打ち切られたため太陽光電池の国
内需要が減尐、その結果としての国際競争力の減退が生じたことへの対策として始まっ
たと言える。日本の先端産業部門である太陽電池産業の危機を救うために RPS 法を活用
した政策、2008 年 6 月の福田ビジョンが示された。そして、政府(環境省と経済産業省)
は太陽光発電の普及政策として固定価格買い取り制度の採用を提案したのである。つま
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
り、住宅用太陽光発電の固定価格買取制度(RPS 法の実施)は日本の先端産業部門の危機
を救うために導入されたと言ってよい。そのため風力等の他の新エネルギーに関する固定
価格買取制度は作られなかったのである。
住宅用太陽光発電の固定価格買取制度(FiT)が 2009 年 11 月から始まったにしろ、原子力を
中心したエネルギー基本計画がある限り再生可能エネルギーの活用の普及は基本的に
進展することがなかったと言える。この流れは 2009 年 9 月に民主党政権が発足した後
も変わらず 2011 年 3 月 11 日の東電福島第一原発事故まで続くことになる。
3、「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」による再生可能エ
ネルギーの全量買取制度の提案」と「電気事業者による再生可能エネルギー電気の
調達に関する特別措置法案」(2009 年-2011 年)
2009 年 9 月に政権を取った民主党のマニフェスト 42 項で地球温暖化対策を強力に推進すること、同
マニフェスト 43 項で再生可能エネルギーによる電力の全量買い取り方式の固定価格買取制度を導入
すること、44 項で環境に優しく、質の高い住宅の普及を促進すること、そして、45 項で環境分野な
どの技術革新で世界をリードすることが述べられていたつまり、これまでの自民党政権の原発推進を
基調とするエネルギー政策に対して民主党は選挙前では再生可能エネルギーを重視する政治的視点
を持っていたと言える。
2009 年 9 月に成立した民主党政権下では、それまでの原発政策への基本的な方針転換は
打ち出されなかった。それでも一応、政治公約に挙げた再生可能エネルギーによる電力
の固定価格買取制度を検討するグループ「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロ
ジェクトチーム」が 2009 年 11 月に組織された。このプロジェクトチームは政治指導体
制で行われ、経済産業省の政務三役と柏木孝夫東京工業大学教授を委員長する有識者 5
名によって構成された。
「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」
の会合は 2009 年 11 月 6 日の第 1 回目から 2010 年 7 月 23 日の 5 回目まで続き、平成 22
年 8 月 4 日に経済産業省(資源エネルギー庁)からプロジェクトチームの再生可能エネル
ギーの全量買取制度の基本的な取り決めが報告された。
プロジェクトチームは「再生可能エネルギーの全量買取制度の導入に当たって」の意見
の中で三つの基本的な考え方を示した。 一つ目は、「再生可能エネルギーの導入拡大
は、
「地球温暖化対策」のみならず、
「エネルギーセキュリティの向上」、
「環境関連産業
育成」の観点から、低炭素社会と新たな成長の実現に大きく貢献する」ものであり、二
つ目は、
「再生可能エネルギーの導入拡大」、
「国民負担」、
「系統安定化対策」、の3つの
バランスを取りながら現実的な全量買取制度の設計に即して、最大限の国民負担の抑制
と同時に最大限に導入効果を追求することであり、そして三つ目は、再生可能エネルギ
ーの全量買取制度の大枠について国民に発表し、詳細な制度設計、地球温暖化対策のた
めの税や国内排出量取引制度の議論を行い、その動向を見極めつつ、検討を進めること
が大切であるという考え方である。そして、この導入によって、2020 年までに再生可
能エネルギー関連市場が 10 兆円規模となることを目指すと述べられている。
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
プロジェクトチームの「再生可能エネルギーの全量買取制度の導入」の提案に即して、
政府・経済産業省はあの東日本大震災の日、平成 23 年 3 月 11 日に「電気事業者による
再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」を第 177 回通常国会に提出する
こと報告したのである。
この法案には再生可能エネルギーの固定価格買取制度と太陽光発電買取費用を国民が
負担するサーチャージ(太陽光発電促進付加金)が導入された。
4、3.11(東電福島第一原発事故)以後、問われたエネルギー基本計画と「電気事業者
による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」成立(2011 年)
平成 23 年 3 月 11 日東日本を巨大地震と未曾有の大津波が襲い、東日本大震災によって甚大な被害が
発生した。東京電力福島第一原子力発電所(以後東電福島第一原発と呼ぶ)も地震と津波の被害に晒
された。そして、原子力発電所が全電源喪失を起こし、冷却機能を失った原子炉でメルトダウンが進
行し、水素爆発を起こし、広島に投下された原子爆弾 100 個分の放射能物資が大気中に放出されたと
も言われている。
東電福島第一原発事故(以後福島原発事故と呼ぶ)は深刻で広範囲の放射能物質による汚染を引き起
こしている。そして、未だに原子炉の冷却作業が続いている。原発事故のもたらした被害総額は莫大
なものと予測されている。公益社団法人日本経済センターは、「今後 10 年間で 20 兆円の処理費用が
かかるとの試算結果を 7 月 19 日公表した。一方、政府は事故処理には数十年必要との見通しを発表
している。」(Wikipedia)さらに、植草一秀は、今後の事故処理や損賠賠償に関して、1999 年に発
生した茨城県東海村のJOC原発臨界事故と比較し、JOC 原発臨界事故での避難エリア(350m)で
150 億円の賠償責任が生じたので、今回の原発事故での避難エリアは約半径 20kmとして、その面積
の倍数に賠償金を単純に乗じて得られる約 50 兆円の数値を示す報告をしている。
こうした広範で長期化を避けられない福島原発事故への賠償問題(東電の賠償金支払い能力を越えた
課題)に対して、国は「原子力損害の賠償に関する法律」の 3 条 1 項と 16 条 1 項に基づき、自然災
害によって生じた甚大な事故として福島原発事故への損害賠償への補助を決定した。それに対して、
日本弁護士連合は 2011 年 6 月 20 日、「福島第一原子力発電所事故による損害賠償の枠組みについて
の意見書」を内閣総理大臣及び経済産業大臣に対し提出し、尐なくとも東電は 5 億近い賠償資金を資
産売買によって得られることを説明し、東電が事故賠償責任の回避をしないように働き掛けている。
広範な地域の放射線汚染物質の除去、汚染地域での生活や経済活動への被害、健康被害等々、そして
風評被害まで含め福島原発事故が与えた経済的打撃は計り知れない莫大な金額であることは疑えな
い。この事態を重くみた政府はこれまで続いてきた原子力政策とエネルギー基本計画を見直す作業に
取り掛かった。
2011 年 5 月 10 日管直人首相は今後のエネルギー政策について従来の計画を白紙に戻して議論する」
と述べ、原発への依存を減らす方針を表明した。管総理はエネルギー基本計画に示された 2030 年の
総発電量のうち 50%を原子力と想定したエネルギー基本計画を見直し、太陽光、風力発電などの再
生可能エネルギーと省エネ社会実現を2本柱とする意向を示した。新たなエネルギー基本計画では
2030 年に向けた目標ではエネルギー自給率の向上とゼロ・エミション電源比率の引き上げが掲げら
れた。
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
日本のエネルギー政策を決定していた「エネルギー基本計画」の抜本的見直しを検討するために、経
済産業省・総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の第 1 回会合が 2011 年 10 月 3 日、第 2 回目が
10 月 26 日に開催された。
脱原発への社会世論が起り各地で脱原発を訴える市民運動が盛んに行われるようになった。管首相の
浜岡原発の稼働の中止要請を受け中部電力は 5 月 9 日に原子炉を止めた。また、2009 年 11 月から始
まった「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」の提案を実現する「電気事業
者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」作りが始まった。この法案が 2002
年の「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」のように骨抜きにならないため
に、活発な提案が社会から行われた。
政府もその動きに反応した。例えば、2011 年 6 月 12 日 太陽光や風力など自然エネルギーの普及に
ついて菅直人首相と孫正義氏を含む民間有識者が意見交換する懇談会を首相官邸で開催した。孫正義
氏が主導し、全国の35道府県が協力して太陽光や風力などの発電を普及させる「自然エネルギー協
議会」(石井正弘・岡山県知事会長)が 6 月 13 日に秋田市内で第1回総会を開き、電力の全量買い
取りの制度の早期制定など6項目を柱にする政策提言「秋田宣言」をまとめた。
3 月 11 日に閣議決定した「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法案」
は与野党協議を経たその修正案(第177回国会閣第51号に対する修正案)が 8 月 23 日に衆議院
経済産業委員会で可決され、8 月 26 日に成立した。この法律は 2012 年 7 月 1 日から施行される。
5、「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」の簡単な解
説
目的
「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」の第一章総則で
は、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス(再生可能エネルギー)源の利用を促進し、
それによって国民経済が健全に発達することを目的することが謳われている。この同法
第一章総則の第一条(目的)と第二条(定義)は「電気事業者による新エネルギー等の
利用に関する特別措置法」(平成 14 年法律第 62 号)の第一条(目的)と第二条(定義)
殆ど変りない。
固定価格の決定
同法第二章「電気業者による再生可能エネルギー電気の調達等」第三条では 調達価格
(再生エネルギー電気1KWh の価格)の決定は経済産業省設置法第18条によって資源
エネルギー庁総合政策課が管轄する資源エネルギー調査会の意見を聴き経済産業大臣
が行うことになっている。修正案によって資源エネルギー庁に国会の承認を得て経済産
業大臣の任命した 5 人の委員による調達価格等算定委員会を設置し調達価格に関する意
見を纏め経済産業大臣に提出することになった。
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
全再生エネルギー電気の買取義務
また、同法第二章では、電気業者は発電施設から再生可能エネルギー電気を供給する者からの接続請
求及び電気の供給に対して契約(特定契約)の締結を原則として拒否することはできないとされてい
る。これによって、今まで電力会社は風力発電所等からの電気購入を拒否してきた。しかし、今後は
それが出来なくなるのである。つまり、経済産業大臣が定める一定の期間・価格で電気業者は再生可
能エネルギー電気を買い取る義務が生じた。固定価格買取制度によって社会が再生可能エネルギー発
電設備へ投資を行うことを促進するのである。
しかし、同法第二章第五条二項で「当該電気業者による電気の円滑な供給の確保に支障
が生ずるおそれがあるとき」電力会社は再生可能エネルギー電気の供給者からの接続を
拒否することが出来るとされている。この第二項での「電気の円滑な供給の確保に支障
が生ずるおそれ」という曖昧な条文の表現が、今後電力会社によって適当に解釈され、
接続を拒否される理由になる可能性を秘めている。
図表6 再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度
10kW 未満
10~500kW
500kW 以上
住宅用
余剰買取
全量買取
全量買取
非住宅用
全量買取
全量買取
全量買取
発電用
全量買取
全量買取
全量買取
図表 7 太陽光発電以外の買取価格想定
太陽光発電以外
買取価格 15~20 円/kWh の範囲内
買取期間
15~20 年の範囲内
太陽光発電
住宅用
左記以外の事業所用、発電事業用等
当初は高い買取価格を設定。
太陽光発電システムの価格低下に応じて、徐々に低減させる
10 年
15~20 年の範囲内
引用 経済産業省「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」の概要
国民負担金(サーチャージ)の地域格差の是正
同法第三章「電気業者間の費用負担の調整」では、地域間でサーチャージの負担に不均
衡が生じないよう前年度電気事業者が再生可能エネルギーの発電者から買い取った資
金を一括でまとめ、その一括分を賦課金(サーチャージ)として電気の需要家から一律
価格で回収する費用負担調整機関の「再生可能エネルギー促進付加金(サーチャージ)」
回収(電気業者からの納付金)とその分配等を規定している。
費用負担調整機関の役割
同法第四章「費用負担調整機関」では、費用負担調整機関の組織、業務内容、義務と権
限等に関する規則が述べられている。
10
三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
同法の国民への周知と効率的運営
同法第五章「雑則」では、第 29 条でこの法律の広報活動による国民への周知、第 30 条
では再生可能エネルギー電気の安定的で効率的な供給の確保のための研究開発の推進、
第 32 条では再生可能エネルギー源の利用に伴う環境保全について環境大臣との緊密な
連絡と協力を定めている。
費用負担調整機関の違反行為に関する罰則
同法第五章「罰則」では、費用負担調整機の業務違反に関する罰則が規定されている。
「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」の特徴を以下に
簡単に次の 5 点に纏める事ができる。
1、再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度(FIT 法)
2、全再生可能エネルギー電気の買取義務(電気業者の買取義務)
3、調達価格等算定委員会による買取価格調達作業の導入(買取価格見直し制度)
4、再生可能エネルギー促進付加金(太陽光サーチャージ)の導入(国民負担)
5、費用負担調整機関によるサーチャージの地域格差の是正
6、「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」の問題点
住宅用太陽光発電の全面買取制度と余剰買取制度(設置者の多様なニーズを満たす仕組
みの開発)
固定価格買取制度(FiT 法)は、基本的には再生可能エネルギー電気の全量を固定価格で買い取る制
度を指している。しかし、
「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」
(FiT
法)では、住宅用太陽光発電に対して剰余買取制度を適用している。これは、2002 年に公布された
「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(RPS 法)と 2009 年 11 月から実施
された住宅用太陽光発電への買取固定価格制度の経過が関係していると言える。
RPS 法は再生可能エネルギーの利用を促進するために利用割合を定めた法律である。しかし、TIF 法
は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を定めた法律である。その意味で、厳密に言えば、RPS 法
制定下で存在した部分的な買取制度(余剰電気の買取制度)も TIF 法では全面買取制度に変更すべき
であると考えることが出来る。
しかし、オール電化による安い夜間電気を利用しながら太陽光発電を行う住宅用のシステムでは余剰
固定価格買取制度を維持することで、家庭での省エネルギー対策が進むということから、住宅用太陽
光発電に関しては余剰買取制度を維持するという意見もある。
しかし、オール電化制度では 10 時から 17 時までは高額電気料金が設定されているため 発電量の小
さい、例えば 4KWh以下の太陽光発電パネルを設定している住宅では、オール電化制度を活用しない
場合がある。その場合、上記した省エネ対策促進の意味が失われることになる。剰余電気の固定価格
買取制度を維持するのであれば、住宅用の太陽光発電に関しては、よく検討した上で、設置パネルの
規模の下限を決め、そのための補助金制度を導入することも考えられる。つまり、余剰買取制度の意
味を活かすための政策が必要であると言える。
11
三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
曖昧な全再生エネルギー電気の買取義務規則と発送分離制度の導入
この法律の第二章で、電気業者は発電施設から再生可能エネルギー電気を供給する者からの接続請求
及び電気の供給に対して契約(特定契約)の締結を原則として拒否することはできないとされている
が、同じ第二章の第五条二項で「当該電気業者による電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれ
があるとき」電力会社は再生可能エネルギー電気の供給者からの接続を拒否することが出来るとされ
ている。
すでに、この点は上記の法律の簡単な説明でも述べたのだが、この第二項での「電気の円滑な供給の
確保に支障が生ずるおそれ」という曖昧な条文の表現が、今後電力会社によって適当に解釈され、接
続を拒否される理由になる可能性を秘めている。2011 年 11 月 21 日、第二回自然エネルギー協議会
(会長、石井正弘・岡山県知事)が開催され、この法律の第五条二項について同協議会事務局長の孫
正義氏が厳しく批判をした。
孫氏は固定価格買取制度(FiT 法)の導入によって自然エネルギーを活用する社会を実現するために
は発電施設と送電施設を独占している現在の電力会社の制度では不可能であると述べた。自然エネル
ギー供給者が電力会社の独占している送電網に接続を要求した場合、これまで「電気の円滑な供給の
確保に支障」があるという理由で特に風力発電所からの接続が拒否されてきたことを考えれば、発電
と送電の所有を分離する必要がある。
再生可能エネルギー促進付加金(サーチャージ)制度と電力自由化(市場原理の導入)
2002 年から RPS 法によって太陽光発電を普及させていた日本に対して、ドイツは 2001 年から FIT 法
によって太陽光発電を急速に普及し、2004 年まで世界一であった日本を抜き 2005 年には世界一の太
陽光発電国となった。つまり、この事実は太陽光発電を普及するためには固定価格での買取り制度が
有効であることを示している。そして、日本でも住宅用に関しては 2009 年から余剰電気の固定価格
買取制度を導入した。
FiT 法は再生可能エネルギーの普及を促進する非常に有効な制度であるが、もう一方で、高価格に設
定された再生可能エネルギー電気の損失部分を誰が埋め合わせるかという疑問が生じる。独占企業で
ある日本の電気業者にその埋め合わせを負担させることは困難である。そこで再生可能エネルギー促
進付加金(サーチャージ)制度を導入し、その負担部分を国民全体で賄うことになった。太陽光発電
施設を持たない住宅も、太陽光発電住宅の電気料金の一部を負担するのではないかとサーチャージ導
入に対して批判が生じている。
再生可能エネルギーを普及させるためには、国策として補助金や買取価格固定制度の導入は避けられ
ない。しかし、そのための負担を電力業界に押し付けるのは限界がある。日本の場合、電気事業者は
独占企業である。
その意味で、一定の負担を押し付ける権利を国も国民も持っているといえる。もし、
電気事業者がそれを否定するなら、電気業界に自由競争原理を導入して再生可能エネルギーの普及を
計る必要がある。
もし、電力業界に自由競争原理を持ち込み、自由に新規電力企業が市場参加できる環境があり消費者
が自由に電気業者を選ぶことが出来るなら、また消費者が電気商品を選ぶことができるなら(フィン
ランド等の北欧での買い取り制度の仕組みであるが、発電システムの違いを商品化した電気商品を電
気業者は売ることができる、例えば風力電気 1kWhの価格、原子力電気 1kwhの価格を表示して売
るなら)
、明らかに消費者が再生可能エネルギー電気利用による価格上昇分の負担を負うことになる。
12
三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
つまり、電力消費者の需要によって再生可能エネルギー電気の普及が行われることになる。その意味
で再生可能エネルギー促進付加金(サーチャージ)制度は基本的に不要となる可能性を持つ。
調達価格等算定委員会機能と意思決定のあり方
固定価格買取制度は再生可能エネルギー電気普及の黎明期に必要な制度であることはすでに述べた。
すべての商品に共通することであるが、商品生産量が多くなることによって商品価格は廉価になる。
これは自由経済の原理である。固定価格買取制度とは、この自由経済の理念に反する行為、つまり国
家が商品の価格を決定する行為を行うことになる。その目的は再生可能エネルギー電気を普及するこ
とであるが、具体的には太陽光発電システムが普及する、つまり廉価な太陽光電池の生産が可能にな
り、廉価な太陽光電気が生産できることを意味する。そのため、太陽光発電システムを普及するため
の初期起動を国が後押ししている制度が固定価格買取制度であると理解すべきでる。つまり、この制
度は、廉価な再生可能エネルギー生産を目的としているのである。
その意味で、固定された価格に関する検証が必要となる。つまり、再生可能エネルギー電気はその普
及と同時にその価格は廉価となってゆく。その場合、国は普及速度を低下させないように、固定価格
買取制度によって国民全体が負担している生可能エネルギー促進付加金(サーチャージ)を軽減しな
ければならない。そこで買取価格の調整が必要となる。今回の法律では 3 年間を期限として買い取り
価格の見直しを行うことが決まっている。
買取価格の見直しを行うために設けられた検討委員会が調達価格等算定委員会である。この委員会に
価格提言は大きな影響力を持つといえる。上記したように、再生可能エネルギー社会化の黎明期、発
展期、展開期と成熟期によって買取価格を調整しなければならないだろう。その調整が一つでも誤る
なら、2005 年の補助金打ち切りによって生じた国内太陽光発電産業への影響と同じ歴史が繰りかえ
されることになるだろう。
この委員会が 5 名によって成り立っていることに疑問を持つ。もし、慎重な検討が必要であるなら各
界の専門家を集め、恒常的に調査や検討を繰り返し、その上で固定価格設定の見直しと決定を行うべ
きである。
費用負担調整機関(高度な専門家集団による)運営は可能か
今回の FiT 法 第四章「費用負担調整機関」第17条(費用負担調整機関の指定等)で、経済産業大
臣が費用負担調整機関を指定することが出来る。今までの慣例から考えると、費用負担調整機関の指
定は経済産業省の特権となるだろう。つまり、一般社団法人や一般財団法人として費用負担調整機関
が天下りの受け入れ組織となる可能性は十分にある。
勿論、官製シンクタンクである各省の機関で働く専門家(官庁役人)は国の重要な人的資源であり、
その十分な活用によって国が機能することは言うまでもない。それらの人材とともに民間や大学等の
専門家も一般社団法人や一般財団法人として費用負担調整機関に参加でき、またその費用負担調整機
関を立ち上げる機会を与えるべきである。
つまり、問題となるのは、2030 年度の再生可能エネルギーで国内のエネルギーの殆どを自給できる
社会の構築のために現在のすべての人的資源(有能な人々)を活用できる費用負担調整機関の構築が
求められている。専門性の高い業務を担う人々を社会(他の専門機関)が評価し、その機関が有効に
機能するように検討する必要がある。
13
三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
再生可能エネルギーの定義(一般廃棄物焼却炉発電を除外)
2011 年 3 月 11 日(3.11)以後、日本の FiT 法は福島原発事故と切り離して議論することは出来ない。
つまり、再生可能エネルギー特別措置法の基本に化石エネルギー電気及び原発依存型のエネルギー電
気政策を推進する政策がある。それが新しく始まったエネルギー基本計画の指針である。その意味で、
再生可能エネルギーの固定価格買取制度を確立した「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用
に関する特別措置法」
(TIF 法)の制定の意義が大きい。
この法律の不備を訴える意見の中に、今回の「FiT 法は現時点で最も発電単価の高い太陽光発電が優
遇される一方で、最も安価な廃棄物発電は FiT の対象から除外」したという意見(2011 年 9 月 30 日
の日経ビジネス)がある。この記事によると「現在、廃棄物発電の能力は一般廃棄物焼却炉 167 万キ
ロワット、産業廃棄物焼却炉 64 万キロワット、合計 231 万キロワットである。これは原発約 2 基半
に相当し、太陽光発電(263 万キロワット)や風力発電(219 万キロワット)に匹敵する実力である。」
そして補助金をえるために、自治体の廃棄物焼却炉の発電能力が向上してきた。自治体の清掃工場の
発電施設の平均熱回収率は 11%、民間企業の産業廃棄物焼却炉では熱回収率 23%以上(施設規模に
より 15.5%以上~25%以上)補助金の対象となるため、非常に高い発電効率の高い炉が開発されて
いる。しかし、民間企業の炉での発電は電力会社から剰余電力の買取が拒否されているため、自家発
電用の小型発電施設になっている。
「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」(TIF 法)第 2 条4項(再生
可能エネルギー源の定義)によると、産業廃棄物を原料とする電気は、バイオマスの規定から外れる
ことになる。同法第 2 条4項第五番目に「バイオマス」が記載されているが、化石燃料から製造され
た製品を除くと記載されている。つまり、ゴミの中には、化学合成製品が含まれているので、この法
律で定める再生可能エネルギー源の定義から除外される。そのために廃棄物焼却炉から生まれる発電
能力 231 万キロワット(原発2基分)のエネルギーが使われていないのである。
上記したように化石燃料や原発による電気利用から再生可能なエネルギー電気を生産し消費する新
しいエネルギー基本計画を実現するためには、廃棄物焼却炉による発電もバイオマスと同列に置き、
価格固定買取制度の中に組み入れるべきである。
さらに、廃棄物焼却による方法だけでなく、廃棄物を活用したバイオチップの燃料開発によるエネル
ギー電気も FiT の対象とすることで、現代の社会問題の一つであるごみ処理問題への解決を与えると
思われる。
7、まとめ
この論旨は、今年度公布された「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」
(FiT 法)の成立までの歴史を振り返りながら、この法律の簡単な解説とその問題点を指摘した。来
年 7 月にこの法律が施行されるまで、これまでのエネルギー政策を検討し新しいエネルギー基本計画
の検討も今年 10 月から始まっている。
しかし、その検討会は、再び原子力依存型社会を目指す議論を始める可能性もある。この法律はその
とき意味を失うかもしれない。特に注意しなければならないことは、調達価格等算定委員会による価
格決定と費用負担調整機関の認定である。そして、再生可能エネルギー電気供給者の電力会社が送電
線接続拒否を行う権利を持つことである。今後も、この法律が骨抜きにされ今までのように原発依存
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
社会が続行する可能性も大きく、まったく予断は許されないと思う。
そのためには、今後の日本社会の基盤であるエネルギー政策を決定するエネルギー基本計画の中で脱
原発と再生可能エネルギー社会をまず明確に打ちたてるべきである。そのことによって、今回の再生
エネルギー促進法がその基本計画に即して運用されるのである。
解説
1. 電気の単位
1Wは 約0.860cal (1ccの水を約0.86度C上げるエネルギー)
1000Wが1KW(キロワット)
1000KWが1MW(メガワット)つまり100万W(0.1万KW)
1000MWが1GW(ギガワット)つまり10億W(100万KW)
1000GWが1TW(テラワット)つまり1兆W(10億KW)
例えば
3KWが平均的な家庭用エアコンの能力、40KW- 200KWが一般的な自動車の出力、
6MWがドイツの電気機関車の定格出力、18.2MWが新幹線500系電車の編成出力、
2.074GWがフーバーダムの最大発電電力、3GWが世界最大の原子炉の最大発電電
力、1.7TWが世界の平均消費電力(2001年)、3.327TWがアメリカ合衆国の平均
消費仕事量(ガス・電力など全ての合計)、(2001年)13.5TWが世界の平均消費
仕事量(2001年)(Wikipedia)
2. 一般電気事業者10社
現在は、「北海道電力㈱、東北電力㈱、東京電力㈱、中部電力㈱、北陸電力㈱、関
西電力㈱、中国電力㈱、四国電力㈱、九州電力㈱、沖縄電力㈱」である。特定電気
事業者5社とは「限定された区域に対し、自らの発電設備や電線路を用いて、電力供
給を行う事業者(六本木エネルギーサービス㈱、諏訪エネルギーサービス㈱が該当)」
である。特定規模電気事業者38社とは「契約電力が50kW以上の需要家に対して、
一般電気事業者が有する電線路を通じて電力供給を行う事業者(いわゆる小売自由
化部門への新規参入者(PPS))」である。
参考 経済産業省 資源エネルギー庁「我が国の電気事業制度について」
電気事業の概要 (1)電気事業者の種類 (図:電気事業者の概要)
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/genjo/genjo/index.html
Wikipedia 「電気事業法」
3. 特定太陽光電気
「太陽光発電施設による新エネルギー等電気のうち、太陽光発電の剰余電力買取制
度により電気事業者に買取義務のある電気であり、RPS法の義務履行に充当できない
もの」を言う。
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
参考 経済産業省資源エネルギー庁 「電気事業者による新エネルギー等の利用に
関する特別措置法の平成22年度の施行状況について」
23年7月15日
News Relesse、平成
4. RPS
「Renewables Portfolio Standard」の略語で、日本語に訳すと「再生可能エネルギ
ー利用割合基準」となる。
5. FIT(FiT)法
1978年アメリカ合衆国カルフォルニア州での風力発電の普及のために、固定価格買
取制度が始まった。その制度を定めた法律をFIT(Feed-in Tariff)法と呼んでいる。
(Wikipedia)
6. 太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)
太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)による太陽光発電の剰余電力買取制
度によって、月々の電気料金の一部として,買取に要した費用を「太陽光発電促進
付加金」とし,電気のご使用量に応じて国民が負担することになる。
引用 中国電気ホームページ http://www.energia.co.jp/taiyo_fukakin/
7. 太陽光発電促進付加金単価の算定方法
太陽光発電促進付加金単価の算定方法は、太陽光発電促進付加金単価は,買取に要した実績費用
に基づき,以下の算定式により年度ごとに算定する。
引用 中国電気ホームページ http://www.energia.co.jp/taiyo_fukakin/
太陽光発電の買取から「太陽光発電促進付加金」によるご負担までの流れを説明すると、まず、1 年
間の買取に要した実績費用を翌年度の 1 年間に「太陽光発電促進付加金」とする。(太陽光発電促進
付加金単価は年度を通して均一である。
)
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
引用 中国電気ホームページ http://www.energia.co.jp/taiyo_fukakin/
費用負担調節機関はサーチャージ(国民の負担金額)の地域間格差をなくするために設けられた
ものである。固定価格買取制度によって電気業者の経営的負担が生じることを防ぐために設けら
れたのが「再生可能エネルギー促進付加金(サーチャージ)」である。再生可能エネルギーを導
入する設置者の負担を国民が担う「再生可能エネルギー促進付加金(サーチャージ)」を導入し
た。電気料金にサーチャージを科すことで、再生可能エネルギーを買い取ることによって生じた
負担金を消費者(国民)が支払うことになる。そのことによって、再生可能エネルギー電気を国
が定め固定価格で買い取る電気事業者は経営的負担を被らないことになる。全量買い取り制度で
は「特定電気事業者」や「特定規模電気事業者」が再生可能エネルギー電気の供給が出来るよう
になった。再生可能エネルギーの発電所が、一般家庭以外にPPSや特定電気事業者が加わり、
地域によって異なる再生可能エネルギー供給が生じ、全国に10ある電力会社ではサーチャージが
異なる事態が発生する。例えば、実際2011年4月に徴収される額を例にとると、最も尐ない北海
道電力と北陸電力の1銭(0.01円)/KWh(キロワットアワー)と、最も多い九州電力の7銭
(0.07円)/KWhでは7倍の開きが生じている。関西電力と東京電力は3銭(0.03円)/KWh
のサーチャージ料金が発生する。例えば、サーチャージ料金が0.01円(北陸電力)と0.07円(九
州電力)の場合、1ヵ月の電気使用量が300KWhの標準的な住宅の消費電力の場合にひと月約3
円から約21円程度の負担となる。それらの地域間の不公平を解決するために「費用負担調整機関」
が設立された。この機関の役割は、電気事業者が再生可能エネルギーの発電者から買い取った資
金を一括でまとめ、その一括分をサーチャージとして電気の需要家から一律価格で回収した後、
全国一律価格にして各電力会社に再配分するというものだ。それによってサーチャージ(負担請
求金額)の地域間格差は実質なくなるのである。 (News Release経済産業省平成23年1月26日)
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
引用・参考資料
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2. 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行令」(平成 14 年
法律第 62 号)改正 平成 19 年 3 月 30 日政令 97 号
3. 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行規則第二十条各
号に規定する手続を行う者に係る計算機に係る基準」平成 14 年経済産業省告示第
410 号 平成 14 年 12 月 6 日公布(平成 15 年 2 月 3 日一部改正、平成 15 年 2 月 13
日最終改正、平成 15 年 4 月 1 日施行)
4. 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行規則」(平成 14
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8.
年 12 月 6 日 経済産業省令第 109 号)改正 平成 15 年 2 月 3 日、法律第 62 号)改
正 平成 19 年 3 月 30 日政令 97 号
経済産業省「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS 法)
と下位法令との対比表
「平成 19 年度以降 8 年間について電気事業者による新エネルギー等電気の利用目
標」 経済産業省告示第 279 号 平成 21 年 8 月 31 日公布
IEA, Renewables Information, Energy Balances of OECD Countries
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三石博行 論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」 2011 年 11 月 19 日講演会
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提案を公表」http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=24613&oversea=1
2011.01.20
bloomberg.co.jp(News)「太陽光エネルギー業界で大規模再編が加速-価格下落で提
携か廃業へ」http://www.bloomberg.co.jp/
2011/08/31
新華社通信 「独、太陽光発電産業が窮地に陥る 中国産業への影響も」2011 年 09
月 15 日、http://www.xinhuajapan.com/open/2011/09/post-85.html
日経ビジネス 「原発 5 基分の電力が燃料費タダで手に入る 廃棄物発電の潜在力
と再生可能エネルギー全量買取法の弱点」2011.09.30
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110930/222923/
50. 経済産業省「平成 23 年度の太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)の単位の
確定に伴う電気料金の認可について」 News Release 経済産業省平成 23 年1月 26
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51. 「自然エネルギーの買い取り、ルール確立をソフトバンク・自治体連合が提言」産
経ニュース (2011.11.21 )
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111121/trd11112119070015-n1.htm
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