新しい建築士制度と共に 歩みだした久慈設計

新年号特別企画
新しい建築士制度と共に
歩みだした久慈設計
終わってしまわないように連携する
ついて言えば、審査が厳格化され
桜木 設計は自分で楽しむという気
ことだと思います。
て、基準も厳しくなり、構造設計自
持ちがないとなかなかうまくいかな
めて、様々な聞き覚えのない言葉
建築士法が大きく改正され、建築士が担う社会的使命と責任が明確になりました。
この時代にあって、久慈設計のメインスタッフが、これからの建築設計事務所の
抱負について語り、決意を新たにしました。
代表取締役社長 久慈竜也
で特化した人たちを育てる仕組
野においても構造デザインという
久慈設計の一つの特徴は総合設
みがスタートする、それが必要に
ものがあり、お互いディスカッショ
久慈 改正建築士法を語る前に、
客様から求められ生き残っていくの
ではないかと感じています。私も含
体単純化、効率化の方向に進む傾
い、まずは自分で仕事を楽しむとい
向にあります。構造設計一級建築
う気持ちを持つ事が一番です。コ
がどんどん出てくる世の中ですか
田村 新年早々に言うのもなんです
ら大変ですよね。ただ、そういうC
が社会情勢や、大企業の雇用状況
士の資格を持っているだけにとど
ーディネーターやチーフアーキテク
O2削減などのテーマを設備担当
がかなりひどく、経済の連鎖は次々
まらず、より厳しくなった基準を理
トという仕組み、役割の話は個人の
と波及しますので、今まで以上に
解した上で、構造設計の考え方を
スキルアップと若手の底上げが必
るのは、実は見当違いの話で、例え
執行役員東京支社長 小川直樹
設計業界に及ぼす影響が大きくな
明確にしていけば、創造的な構造
要です。これからは若い力はどうし
ば建物の断熱性能ひとつとっても
いないのとではかなり違うと思いま
っていくと思います。お客様の信頼
設計はこれからも可能だと思いま
ても必要、若い人たちにいろいろ
ていないところに批判が出ている
これは意匠設計に大きく関わるこ
す。そういった意味では中央の事
に応える確かな品質を持ち続ける、
す。機能的にも、デザイン的にも、
な経験を積ませて人材育成を図り
わけで、当社はそのベースはできて
とであり、いくらデザインが良くて
務所と肩を並べていけるような資
基礎・基本を大切にし建築士として
良い建築であるための構造という
たいと考えております。
いるわけだから、アトリエ系的な創
者の分野と決め付けて物事を進め
代表取締役会長 小川惇
計事務所であるが、設計工程で
なった時代なんですね。意匠、構
ンしながら設計を創り上げることで、
ガラス張りで見栄えがよくても、だ
格というか資質があるのは非常に
の責任を自覚し、誇りを持って、お
ものに協力できる構造設計者であ
造力を盛り込んでいくということが、
のコンセンサスが取れ、チームプ
造、設備の皆が本当に構図まで考
きっとより良い物ができてくるので
めなものはだめ。つまりバランス感
魅力あるものだと思います。
客様の要望に臨まなければいけな
りたいと思います。
これからの事務所の一つの在り方
レイができているのだろうか?
えてやっているかということです。
はないかと思います。
覚を持って環境にも意識したとい
う人材を育てていくことが必要だ
だからこそコーディネートする人が
なのではないかと思っています。そ
いと思います。
久慈 そのチャンスを掴んで戦うに
小川(直) 我々の事務所は、組織
れから、なによりも顧客満足の向上
が一番大切なことだと思います。
久保田 当社は総合設計事務所
必要ですよね。それもできれば若
久慈 その専門性に特化するという
と思いますし、先ほど話になってい
は提案力が大事ですが、今年この
事務所ということで、スキルの高い
ですが、意匠担当者は皆それぞ
い人にやってもらいたい、これから
流れの中で構造設計一級建築士
ましたコーディネーターのことも実
ように取り組んでみようというのは
人材が育っているということ、また
れ 設 計 への取り組み方が違い、
は若いコーディネーターを育てて
に認定されたわけですよね。
はこれですよね。大手の設計事務
何かありますか。
その方々と一緒に仕事ができると
久慈
いうのは、すばらしい事だと感じ、
年の課題と感じております。
担当物件もさまざまですので勉
所などでは、チーフアーキテクト制
ほしいと、私は思いますよ。
専務執行役員 桜木勲
強になります。
しかし、もう少し設
菅原 社内にはすでに一級建築士
度というものを取り入れています。
刈谷
専門分野が今回一つ、二つ
これからこの強みを生かして関東
計について意見交換の場があれ
である意匠担当者と構造設計一級
当社も将来はチーフアーキテクト
増設されて、三つの形にとでもい
でも十分に顧客のニーズに応える
本多 今年で当社は創業78年目に
ばいいのではと感じます。以前は
建築士、設備設計一級建築士でチ
が5人、
10人いて、その人が取りま
いますか、実は私がイメージしたの
ことができる事務所であるというこ
なるわけですけれども、
78年とい
ホワイトボードを使いコンセプト
ームを組んで設計を行っており、こ
とめるという形になっていくと思う
は光の三原則です。例えばオーロ
とを確信しています。
う歴史がある中で、昨年も多くのお
常務執行役員建築設計部統括 田村徳好
私には3つのキーワードが今
「自ら明るく・楽しんで取り組む・創
造力」
「建築設計の魅力を感じる設計事
務所として、若い力、人材を育て、
や進め方などを話し合いしていま
れはお客様にとってはすごい魅力
ので、ただ今の久慈設計の人数で
ラビジョンとかいうのがありますけ
久保田 構造設計業界は耐震偽装
したが、最近は忙しすぎて時間が
あるポイントになるのではないかと
はそれはなかなか難しい事かもし
れど、三色で表現するものですけ
問題の事件以来、構造設計をやっ
小川(茂) 建築士としての楽しみと
おります。お客様も私達も夢を持て
「チーフアーキテクト制、つまりチー
思います。
れませんので、将来に向けて人材
ど、これらの設計は一つ一つの色
てみようという人材は減ってきて
いうか、設計する人の為だけでは
るような仕事に携われるように今
ム制という部分から、一人一人の自
を今育てていかなければならない
合いが主張しあってくるんでしょう
います。大学の卒業生はなりたが
ない、設計する者の醍醐味という
年一年頑張っていきたいと思って
覚と誇りを持ち設計集団として歩
と思います。
おります。
んで行こうではないか」
ないのか、その姿が見えていない。
意見交換を通して設計への意識
の向上が図れればいいのかなと
考えます。
参事 千葉洋一
構造設計一級建築士
(考査終了)
から、その色合いが大きければ大き
らない、その中で当社には4月から
もの、自分が考えて社会に還元し
築士ですけども、今後の課せられ
いほど、ひょっとするとぼやけて見
構造設計部に新しい人材が入って
ていく、そして皆様に受け入れられ
今年一年健康で明るく元気で前向
しても、それぞれ持ち味があって、
る期待というのはどのようなものが
えにくくならないかと感じています。
きます。実は構造設計は結構楽し
る、その本人自体が設計を楽しむと
きに、進んでお客様へ真の建築士
建物全体のデザインするのは意匠
あると思いますか。
そのとき何が必要になってくるかと
い仕事なんですよね、まっさらな状
いうことが、本当の良いアイディア
集団としての責任を果たしてまいり
いうと、全体を考えることです。赤
態で骨組みを想像して、モデル化
に結びつくのではないかと感じて
ますので、どうぞよろしくお願いい
戸田 設備設計一級建築士につい
だけだとか、青だけだという仕事で
して、計算してそれが形となる訳で
います。
たします。
久慈 戸田常務は設備設計一級建
すから。この楽しみをなんとか次代
ては正直、我々に求められてくるの
を担う者に教えていくことが大事
は、環境に配慮する設計であると
思います。例えばCO2の削減とか、
お金で取引されるCO2の排出権と
執行役員構造設計部長 久保田克之
構造設計一級建築士
か、大手企業等いろいろ検討して
(考査終了)
コンセンサスの話ですが、
この新しい法律により分野、分野
Tomorrow for the smile
定着させる」
菅原 構造担当者、設備担当者に
担当者なのですけれども、構造分
千葉
客様からお声をかけていただいて
構造設計部次長 菅原昭一
構造設計一級建築士
(考査終了)
常務執行役員設備設計部長 戸田雅和
設備設計一級建築士
かなと感じています。それが久慈設
ことにつながると思います。
小川(直) 関東地区は、環境配慮・
いるようですので、それを上手く設
安全で経済的・長寿命な、
しかも大
計において配慮している技術者、
きな規模の計画がたくさんあります
というか設計事務所が必然的にお
ので、資格を持っているのと持って
常務執行役員営業企画部統括部長
本多貞勝
計に人材を定着させ育てるという
(考査終了)
小川惇 今、社会から求められてい
るのは、
しっかりした技術力基盤な
菅原 耐震偽装問題を契機に制度
常務執行役員仙台支社長 刈谷耕太郎
が変わるわけですが、構造設計に
取締役企画設計部長 小川茂樹
んですね。一連の設計業界をとりま
く不祥事なども基盤がしっかりとし
座談会に参加した久慈設計メインスタッフ
2009
JANUARY
1