���������ǂ�

シスコ ワイヤレス LAN システム導入事例
社会医療法人 孝仁会
ネットワークの高速性と安定性を高めるため
シスコ ワイヤレス LAN ソリューションを導入
これまで以上に快適に使えるシステムを実現
導入の背景 / 課題
・ 孝 仁 会 は、医 療 関 係 者 が自ら 構 築 する
ユーザーメード医療 IT によって、 痒いと
ころに手が届く アプリケーションを実現
してきた。しかしアプリケーションの完成
度が高いにもかかわらず、無線 LAN の速
度の制約や不安定さに起因するクレーム
が発生し、
問題解決に苦慮していた。
・ この問題を解決するため、無線 LAN を高
速化することになった。ただし病院内は電
波 発 生 源 が多いため、IEEE 802.11b/g
を IEEE 802.11n に確証するだけでは、
十分な効果が見込めないと考えられた。
・ 高 速 通 信 を 安 定 的 に 提 供 す る に は、
CleanAir による電波干渉の検知や自律
的な最適化、電波環境の可視化が必須と
判 断、シスコ ワイヤレス LAN ソリュー
ションの導入へとつながった。
導入ソリューション
・ シスコ ワイヤレス LAN ソリューション
– Cisco 5508 ワイヤレス LAN コント
ローラ
– C i s c o P r i m e N e t w o r k C o n t r o l
System(NCS)
– C i s c o 3 355 M o b i l i t y S e r v i c e s
Engine(MSE)
– Cisco Identity Services Engine(ISE)
アプライアンス 3315
– Cisco Aironet 2600i アクセスポイント
導入効果
・ 802.11n の拡張に加え、ClientLink など
のシスコ独自機能により、無線 LAN のス
ピードと安定性が大幅に向上した。これに
より回診がスムーズに行えるようになり、
利用者のストレスも軽減された。
・ 無 線 LAN の 高 速 化 に よ って、iPad を
Macintosh の外部モニターにするなど、新
たな使い方も可能になった。
・ 無線 LAN 環境を可視化できるため、問題
が発生してもすぐに対応できるようになっ
た。またログも残せるため、これを後で分
析することで、問題の根本的な解決策を立
案することも可能になった。
・ Cisco Identity Services Engine
(ISE)
を導入することで、
セキュリティ確保の選択
肢も広がった。
将来 BYOD のニーズが生じ
た場合でも、
柔軟な対応が可能になる。
ユーザーメード医療 IT のパイオニアとして、利用者の要望にきめ細かく対応
したアプリケーションを作り続けている、社会医療法人 孝仁会。ここではそ
のアプリケーションを支える無線 LAN 環境が、シスコ ワイヤレス LAN ソ
リューションによって一新されている。目的は高速かつ安定した通信の実現。
CleanAir テクノロジーによる電波干渉の検知や自律的な最適化、電波環境の
可視化などの機能が活用されているのだ。また高いセキュリティを確保するた
め、Cisco Identity Services Engine(ISE)も導入。将来発生する可能性が
ある BYOD のニーズにも、柔軟に対応できる基盤を実現している。
「遅い」
「切れる」という悩みを
解消するため無線 LAN を再構築
近年医療機関において、医療関係者自らが市販の汎用ソフトウェアを活用してアプリケー
ションを構築する、 ユーザーメード システムが広がりを見せている。このような流れを受け、
2008 年には日本ユーザーメード医療 IT 研究会(J-SUMMITS)も発足し、全国の医療関係者
が 300 名以上が会員として名を連ねるようになっている。このような動きが進んできた背景に
は、最適な医療 IT システムを構築するためには、複雑な医療現場の知識を正確に反映すること
が不可欠だという発想がある。「痒いところに手が届くシステム」を創り上げるには、医療関係
者自らがシステムを構築するのというアプローチが有効なのである。
しかしその一方で、そのシステムを支えるネットワーク基盤には、より高いパフォーマンス
と安定性が求められる。ネットワークの速度が不十分だったり、通信が不安定ということにな
れば、発生した問題の原因切り分けや対応に追われ、IT 担当者の負担が大きくなってしまうか
らだ。特に無線 LAN を使用する場合には、アプリケーションのポテンシャルを引き出せるか
否かが、ネットワーク環境のあり方によって大きく左右されることも少なくない。
このような課題に対応するため、シスコ ワイヤレス LAN ソリューションによって無線 LAN
環境を再構築したのが、社会医療法人 孝仁会である。
孝仁会は 1989 年 12 月に開設された釧路脳神経外科病院を母体とする社会医療法人。その
後、星が浦病院、中標津脳神経外科、新くしろ病院、根室脳神経外科、留萌セントラルクリニッ
クを開設し、2007 年 12 月には基幹病院として釧路孝仁会記念病院をオープンした。急性期
医療や三大疾病の予防事業、ドクターヘリ運航などを展開し、2009 年には北海道で 3 番目の
「シスコの無線 LAN は、スピード、安定性、
セキュリティの三拍子が っています。病
院向けのネットワークとして、ひとつの完
成形ではないかと感じています」
社会医療法人 孝仁会
法人本部 情報管理部 部長
釧路孝仁会記念病院
情報室室長
森本 守 氏
社会医療法人として認定。2012 年 7 月からは、知床らうす国民保険診療所の運営も手がけて
いる。
ユーザーメード医療 IT にも、早くから取り組んでいる。釧路脳神経外科病院を開設した
1989 年には、放射線科関係書類の電子化を自ら構築したシステムで実現。1996 年には本格
的な病院情報システムの構築に着手し、放射線科を皮切りに各診療科のオーダリングシステム
を稼働させている。この実績をベースに、2003 年には電子カルテの構築をスタート。これは
2003 年度における厚生労働省の「地域医療機関連携のための電子カルテ導入補助事業」に選
定された。2007 年にオープンした釧路孝仁会記念病院でも、これをカスタマイズした電子カ
ルテシステムを運用。まさにユーザーメード医療 IT のパイオニアともいえる存在なのである。
「医療 IT システムは、医療現場の要望にきめ細かく対応する必要があり、使い勝手に関する
ドクターのこだわりも強いという特徴があります」と説明するのは、この取り組みの中心人物
「MSE によって端末のロケーションも可視化
できます。回診等でノート PC が移動した
時でも、どこにどの PC があるのか一目瞭
然です」
社会医療法人 孝仁会
釧路孝仁会記念病院
情報室課長
須貝 公則 氏
である、法人本部 情報管理部 部長の森本 守氏。「利便性の高いシステムを実現するには、医療
関係者自らが開発するのが最も近道です。また低コストですむというメリットもあります」。
しかし、アプリケーションの完成度が高いにもかかわらず、以前のシステムはドクターから
のクレームが少なくなかったとも振り返る。その理由は無線 LAN の不安定さだった。以前の
釧路孝仁会記念病院では、6 階建ての建物の 2 ∼ 3 階に無線 LAN を敷設し、ワゴンに乗せ
られたノート PC と無線通信を行うことで、電子カルテやオーダリングシステムに病室から
アクセスできるようにしていた。しかし回診中に通信が切れてしまうことが多く、その度にア
プリケーションを再起動する必要があったのだ。また使用していたアクセスポイントが IEEE
802.11b/g 対応のものだったため、通信速度が不十分という問題も抱えていたという。
電波発生源が多い病院の環境では
安定性確保のため CleanAir が必須
これらの問題を解決するため、孝仁会ではシスコ製品の採用に踏み切ることになるのだが、
そのきっかけとなったのは、星が浦病院における看護支援システムの更改だった。それまでは
パッケージ製品を使っていたが、これも独自開発アプリケーションへと移行することになった
のである。
「以前のパッケージシステムは動作が遅いという問題があり、もっと速く動くシステムにして
欲しいという要望が数多く寄せられていました」と言うのは、社会医療法人 孝仁会 情報室課
長の須貝 公則氏。システム全体を高速化するには、アプリケーションの更改だけではなく、ネッ
トワークの再構築も同時に行うべきだと判断したと言う。
「このシステムもノート PC を持ち歩
いて使用するため、無線 LAN のスピード確保が重要だと考えたのです」。
この要望に応えるため、長年に渡り孝仁会のネットワークインフラ構築を支援してきた NTT
東日本が選択したのが、協業パートナーとして実績の豊富なネットワンシステムズが提案した
シスコ製品の採用だった。NTT 東日本 釧路支店の神子島 裕行氏は、その理由を次のように説
明する。
釧路孝仁会記念病院の各フロアに設置されているアクセスポ
イント(Cisco Aironet 2600i)
。マシンルームが置かれて
いる 6 階(最上階)以外の病院内全域を、55 台のアクセス
ポイントでカバーしている。
「無線 LAN を高速化するには、IEEE 802.11n 対応のアクセスポイントを導入するのが一般
的なアプローチですが、設置場所が病院の場合には、これだけで十分な速度や安定性を実現す
ることは困難です。病院内にはコードレスフォンや各種医療機器、院外から持ち込まれたスマー
トフォンの WiFi 機能など、電波発生源が多いため、電波干渉によって速度が低下する危険性
があります。そのためシスコの CleanAir テクノロジーのように、電波干渉の検出や可視化、
自律的に最適化できる製品が必要だったのです」。
シスコのアクセスポイントとワイヤレス LAN コントローラの組み合わせが提案されたのは
2012 年 3 月。その提案内容はすぐに孝仁会に認められ、同年 5 月には導入が行われている。
その結果、高速かつ安定した無線通信が可能になったという。
この実績が評価され、2012 年 7 月には知床らうす国民保険診療所にもシスコのアクセスポ
イントを導入。その後も、2012 年 11 月に留萌セントラルクリニック、2013 年 2 月に中標
回診に使用されているワゴン。無線 LAN 機能を備えたノー
ト PC から、院内の各種システムにアクセスできる。無線
LAN 環境をシスコ製品で再構築したことで、通信速度と安
定性が向上している。
津脳神経外科と、導入対象病院を増やしている。そして 2013 年 5 月には、釧路孝仁会記念病
院への導入が実施されたのである。
そのネットワーク構成は図に示す通り。まずマシンルームには、Cisco 5508 ワイヤレス
「病院で高速かつ安定した無線 LAN 環境を
構築するには、IEEE 802.11n の採用だけ
では困難です。電波干渉の検出や可視化、
マシンルーム
Cisco Catalyst 2960
自律的な最適化が可能なテクノロジーが必
須です」
Cisco Aironet 2600i
アクセスポイント
Cisco 5508 ワイヤレス LAN コントローラ
(WLC) 2
NTT 東日本 釧路支店
Cisco Catalyst 2960
営業部 第一法人担当
営業担当課長代理
Cisco Prime Network Control System(NCS)
神子島 裕行 氏
各フロア
各フロア
Cisco Aironet 2600i
アクセスポイント
Cisco Catalyst 6506
Cisco Catalyst 2960
各フロア
Cisco 3355 Mobility Services Engine(MSE)
Cisco Aironet 2600i
アクセスポイント
「端末の種類や数が増えれば ISE の存在意義
はさらに大きくなります。将来 BYOD のニー
Cisco 3355 Mobility Services Engine(MSE)
アプライアンス 3315 2
ズが生じた場合でも柔軟な対応が可能です」
ネットワンシステムズ
ネットワーク構成図
株式会社
エリア・パブリック事業
LAN コ ン ト ロ ー ラ(WLC)、Cisco Prime Network Control System(NCS)、Cisco 3355
北海道技術部 第 2 チーム
Mobility Services Engine(MSE)、Cisco Identity Services Engine(ISE)アプライアンス
グループ
北川 雅之 氏
3315 が設置され、WLC と ISE は 2 台構成で冗長化されている。これらはマシンルーム内の
Cisco Catalyst 6506 と各フロアに設置された Cisco Catalyst 2960 を介して、アクセスポイ
ントである Cisco Aironet 2600i と接続されている。アクセスポイントの数は 55 台。これに
よって、マシンルームが置かれている 6 階(最上階)以外の病院内全域をカバーしているのだ。
「以前は 2 フロアだけで約 70 台のアクセスポイントが使用されていましたが、シスコ製品
に置き換えることで、アクセスポイントの総数を大幅に減らすことができました」と言うのは、
このネットワーク構成を提案したネットワンシステムズ株式会社の北川 雅之氏だ。「以前の無
線 LAN 環境は、電波が届かない場所ができないよう、高い密度でアクセスポイントを設置し
ていたようですが、このような配置ではアクセスポイント同士の電波干渉も起きていたはずで
す。今回は事前に綿密な調査を行い、さらに MSE で電波環境の可視化を行うことで、最適配
置を実現できました。その結果、最小の台数で病院全域をカバーすることに成功しています」。
マシンルーム内のラックに設置された機器類。上から、Cisco
Identity Services Engine(ISE) ア プ ラ イ ア ン ス 3315、
Cisco Prime Network Control System (NCS)、Cisco
3355 Mobility Services Engine(MSE)。ISE は 2 台構成で
冗長化されている。この他に、やはり 2 台構成で冗長化され
ている Cisco 5508 ワイヤレス LAN コントローラ(WLC)が
ある。
スピードと安定性が大きく向上
電波環境全体の可視化も可能に
「現在では、ネットワークが遅い、切れるといったクレームは、ほとんどなくなりました」と
森本氏。CleanAir テクノロジーによって電波干渉を検知し、問題発生時の対応を自律的に行う
ことで、常に最適な電波環境が維持できるようになったからだ。「ノート PC を持ち運んで行う
回診も、これまで以上にスムーズに進められるようになりました。利用者のストレスも大幅に
低減しています」。
無線 LAN の高速化は、これまでは難しかった新たな IT の使い方も可能にした。その一例が
タブレットのサブモニター化だ。iPad を Macintosh と無線 LAN で連携させることで、iPad
を Macintosh の外部モニターとして活用できるようになったのだ。これも利便性向上に貢献し
ていると森本氏は言う。
セキュリティは、各端末に電子証明書を登録し、RADIUS と連携させた PEAP 認証を行うこ
とで担保している。事前に承認された端末以外は、ネットワークに接続できない。端末の持ち
込みや持ち出しも、原則として禁止されている。
端末を識別する ID には、設置場所を意味するコードも含まれている。「MSE によって可視
化された無線 LAN 環境の情報には、この ID と実際の位置情報も表示されるようになっていま
す」と須貝氏。回診等でノート PC が移動した時でも、どこにどの PC があるのか一目瞭然な
ため、安心していられると言う。
「NCS のサマリー画面によって、トラブルをすぐに発見できるのも便利です」と言うのは神
子島氏。この画面は NTT 東日本の SE とネットワンシステムズのエンジニアで共有しており、
何らかの問題が発生した場合にはすぐに対処できる体制を敷いていると言う。また北川氏は「無
社会医療法人 孝仁会
(釧路孝仁会記念病院)
線 LAN 環境で発生した問題を履歴(ログ)として蓄積し、後から分析できるのも大きな魅力
です」と付け加える。これによって不正電波の発生状況などのトラブル要因をパターン化し、
根本的な対策を立案することも容易になるはずだと説明する。
さらに、WLC の最新モデルが新たな冗長方式である「AP SSO(Access Point Stateful
Switchover)」を採用していることも、安定性向上につながっていると北川氏は指摘する。従
来の方式では 30 ∼ 60 秒かかっていた切り替え時間が、AP SSO では 5 ∼ 15 秒で済むため、
ダウンタイムを短縮できるのだ。スタンバイ機に切り替わるような障害はまだ発生していない
が、このような機能の存在も、安心して運用する上で大きな貢献を果たしていると言う。
所在地
北海道釧路市愛国 191 番 212
病院向けのネットワークとして
三拍子 った完成形を実現
開設
1989 年 12 月
釧路孝仁会記念病院で使用されている端末の数は約 300 台。無線 LAN で接続されているも
のは、
そのうち 70 ∼ 80 台だという。現在はそのほとんどが MacBook だが、将来はアプリケー
北海道釧路を拠点とする社会医療法人。
1989 年 12 月に開 設された釧 路 脳 神
経外科 病院が母体となっている。その
後、1996 年 4 月に星が浦病院、2000
ションのクライアントを iOS にも対応させ、iPad 等のタッチパネル型端末を使用することも
検討しているという。
使用可能な端末の種類や数が増えれば、セキュリティ確保の重要性はさらに高まると北川氏
年 12 月に中 標 津 脳 神 経 外 科、2004
は指摘する。現在の釧路孝仁会記念病院のネットワークにはすでに ISE が導入されているが、
年 3 月に新くしろ病院、2006 年 4 月
その存在意義も大きくなるはずだ。ISE なら RADIUS と連動した端末の PEAP 認証だけではな
に根室脳神経外科、2006 年 6 月に留
萌セントラルクリニックを開 設。2007
く、ユーザ認証やデバイスのプロファイリング、検疫、ゲストアクセスも可能になる。あらゆ
年 12 月には、より高度な急性期医療を
るデバイスを、安全かつ簡単に接続できるのである。将来 BYOD(Bring Your Own Device:
提 供するための基 幹 病 院として、釧 路
個人所有のデバイスを持ち込んで業務に使用すること)のニーズが生じた場合でも、柔軟な対
孝仁会記 念病院をオープンした。急性
応が可能になると言う。
期の入院医療 や三大疾 病の予防事 業、
ドクターヘリの運航などを積極的に展開。
救 急 医 療 事 業 へ の 貢 献 が 評 価され、
「シスコの無線 LAN は、スピード、安定性、セキュリティの三拍子が
「病院向けのネットワークとして、ひとつの完成形ではないかと感じています」。
2009 年 3 月に「社会医療法人」の認定
を受けている。
©2013 Cisco Systems, Inc. All rights reserved.
Cisco、Cisco Systems、および Cisco Systems ロゴは、Cisco Systems, Inc. またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。
本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利者の財産です。
「パートナー」または「partner」という用語の使用は Cisco と他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。
(0809R)
この資料の記載内容は 2013 年 7 月現在のものです。
この資料に記載された仕様は予告なく変更する場合があります。
お問い合せ
シスコシステムズ合同会社
〒 107-6227 東京都港区赤坂 9-7-1 ミッドタウン・タワー http://www.cisco.com/jp
お問い合わせ先:シスコ コンタクトセンター
0120-092-255(フリーコール、携帯電話・PHS 含む)
電話受付時間:平日 10:00 ∼ 12:00、13:00 ∼ 17:00
http://www.cisco.com/jp/go/contactcenter/
0927-1308-000-E
っています」と森本氏。