第28回 資料

第28回
2014.05.30
膵臓周囲のリンパ節
膵腫瘤様に描出される正常リンパ節(No8)
LN No8が膵腫瘤様に描出される
LN No8
Panc
横走査では超音波ビームのスライス厚の中に膵臓とリンパ節が描出される
Panc
正常 リンパ節8番
総肝動脈幹リンパ節
8a:
総肝動脈幹前上部リンパ節
8p:
総肝動脈幹後部リンパ節
「腹部超音波テキスト」 辻本文雄
coursing line
リンパ節内部にリンパ門(hilum)が線状高エコーとして描出される
反応性腫大で良性リンパ節腫大像で悪性例では見られることが少なく
良悪性の鑑別点となる
12番:肝十二指腸靱帯内リンパ節
coursing line
LN No8
LN No8の位置
LN No8の位置
SA
総肝動脈の傍
CHA
panc
膵臓の頭側
CHA
Ao
LN No8
CHA
SA
CA
Ao
LN No8
CHA
CHA
反応性腫大
ウイルス性慢性肝炎、PBC,自己免疫性肝炎など
免疫が関与した疾患では腫脹する
反応性のリンパ節腫大
不整形で横長な扁平な楕円形
線状のリンパ門(coursing line)
悪性疾患のリンパ節転移
腫大したリンパ節の縦横比が1に近くなるような球状が多い
正常リンパ節
レンズ状
線状のリンパ門(coursing line)
「腹部超音波テキスト」 辻本文雄
C型肝炎
LN No8 腫大
p
リンパ節腫大
(C型肝炎)
正常リンパ節
楕円形
レンズ状
C型肝炎
LN No8 腫大
panc
SA
CHA
CHA
Ao
C型肝炎
LN No8,No12の腫大
panc
LN No8
PV
CHA
肝門部
LN No12
C型肝炎
LN No8 腫大
C型肝炎
LN No8 腫大
C型肝炎
LN No8 腫大
LN No13の位置
「腹部超音波テキスト」 辻本文雄
LN No13
膵頭後部リンパ節
LN No13
膵頭後部リンパ節
LN No13
膵頭後部リンパ節
Bモード画像
Bモード画像のまとめ
1.超音波装置はある仮定が成立することでBモード画像を表示している
超音波伝搬速度は生体内の速度は1540m/s前後で一定
※ 装置によっては音速補正機能付のものもある
超音波ビームは1本で限りなく細い
超音波は生体内で常に直進
超音波が生体内の伝播により生ずる減衰は一定
上記の仮定が崩れるとアーチファクトが出現する
アーチファクトは診断の阻害となるが、原理を理解できていれば逆に診断の一助になる
音速
固有音響インピーダンス
減衰係数
(m/s)
(10⁶Kg/m²‧s)
(ⅾB/cm‧MHz)
空気
330
0.0004
12.0
脂肪
1450
1.38
0.8
水(20ºC)
1483
1.52
0.002
血液
1570
1.61
0.2
軟部組織(平均 )
1540
腎臓
1560
1.62
0.9
筋肉
1585
1.70
1.20
頭蓋骨
4080
7.80
13.0
媒質
1.0
脂肪の音響インピーダンス・音速・減衰係数は軟部組織とは差が大きい
•
通常の軟部組織では、音響インピーダンス(Z)の差はわずかだが、脂肪のZは小さく、脂肪と軟部組織との境界で強い反射
を生じる脂肪腫、脂肪肝で内部エコーが高輝度となるのはこのためである。
ただし、脂肪のみが多量に存在すれば、反射は小さくなり、むしろ脂肪の減衰係数は小さいので透過の良い領域となる、
皮下脂肪層や萎縮して脂肪織に置換された乳腺が良い例で低エコーレベルに描出される
皮下脂肪
腹膜前脂肪
脂肪肝
腹膜前脂肪
後方エコー増強
脂肪肝のに対し高輝度と皮下脂肪と腹膜前脂肪は低エコーで表示される
•
腹膜前脂肪を透過したエコーは周囲よりも減衰が少ないので
後方エコー増強が出現している
脂肪の音速は軟部組織と比べると遅いので屈折を生じアーチファクトを起こしたり、スピードエラーの表示ミスを生じる
皮下脂肪
腹膜前脂肪
脂肪肝
皮下脂肪
乳腺組織
腹膜前脂肪を透過したエコーは周囲よりも減衰が少ないので
後方エコー増強が出現する
腹膜前脂肪
皮下脂肪の厚い49歳女性
腹膜前脂肪
後方エコー増強
後方エコー増強
腹膜前脂肪
後方エコー増強
後方エコー増強
筋肉の音速・減衰係数は軟部組織とは差が大きい
• 筋肉の減衰は大きいので腹直筋の発達したスポーツマンなどでは減衰を生じ肝臓にいい超音波を入射できなくなる場合がある
腹直筋を透過したエコーは腹膜前脂肪を透過したエコーに対して減衰し、
音場も乱れて肝臟にペネトレーションの良い超音波が入射できていないので
肝臟の情報が得られていない
• 音速は1585m/sと通常の軟部組織より速いので屈折を起こしやすい→腹直筋と脂肪とのレンズ効果など
音速
固有音響インピーダンス
減衰係数
(m/s)
(10⁶Kg/m²‧s)
(ⅾB/cm‧MHz)
空気
330
0.0004
12.0
脂肪
1450
1.38
0.8
水(20ºC)
1483
1.52
0.002
血液
1570
1.61
0.2
軟部組織(平均 )
1540
腎臓
1560
1.62
0.9
筋肉
1585
1.70
1.20
頭蓋骨
4080
7.80
13.0
媒質
1.0
腹 直 筋
皮下脂肪
腹直筋
腹直筋
腹膜前脂肪
通常の腹直筋
皮下脂肪の厚い49歳女性の腹直筋
腹直筋の発達 器械体操をしていた
皮下脂肪は著しく薄い
46歳 男性
通常の腹直筋
腹直筋の発達
器械体操をしていた
皮下脂肪の著しく薄い痩身体者の腹直筋
36歳男性
通常の腹直筋
39歳 男性
発達した腹直筋
51歳 女性
通常の腹直筋
39歳 男性
発達した腹直筋
51歳 女性
痩身体者の腹直筋
36歳男性
腹直筋の発達 ペネトレーション不良
ペネトレーション不良
38歳 男性(大学までバスケットボールをしていた)
腹直筋の発達 ペネトレーション不良
ペネトレーション不良
51歳 女性(社会人でセミプロレベルのバレーボールをしていた)
腹直筋の発達 ペネトレーション不良
51歳 女性
屈
折
Bモード画像のまとめ
1.超音波装置はある仮定が成立することでBモード画像を表示している
超音波伝搬速度は生体内の速度は1540m/s前後で一定
※ 装置によっては音速補正機能付のものもある
超音波ビームは1本で限りなく細い
超音波は生体内で常に直進
超音波が生体内の伝播により生ずる減衰は一定
上記の仮定が崩れるとアーチファクトが出現する
アーチファクトは診断の阻害となるが、原理を理解できていれば逆に診断の一助になる
屈 折
音の屈折は媒質同士の音速の違いにより生じる
波長に比較して広い組織の境界に超音波が斜めに入射すると、境界面で屈折が起こる
入射角θ₁と屈折角θ₂との関係はSnellの法則より
sin ߠଵ sin ߠଶ
=
‫ܥ‬ଵ
‫ܥ‬ଶ
反射角
音速 C₁
媒質Ⅰ
入射角
θ1 θ1
媒質Ⅱ
音速 C₂
θ2
屈折角
• 入射角が垂直の場合は屈折は起こらない
• 音速が同じ場合では屈折は起こらない
屈折によるアーチファクト
超音波伝播速度の大きく異なる臓器(または病変)間の境界面が入射する超音波に
対し斜め(または円弧状)である場合、超音波はその境界面でスネルの法則に従い屈折する。
超音波は生体内で常に直進
しかし、超音波診断装置は、上記の仮定から画像を作成するため境界面近傍を中心に反射点
が誤った位置に表示される。つまり屈折によるアーチファクトは表示ミスアーチファクトである
左腎の変形
肥満例の左上腹部肋間斜走査で脾を介して左腎を観察すると、腎上極が”鯛焼きのしっぽ“状に
変形して表示される。これは、脾―後腹膜の脂肪―腎、を超音波が通過するときに起きる超音波
の屈折が原因で、脂肪の音速が(約1450m/秒)遅いためである。
通常での脾臓・左腎
屈折によるアーチファクト
超音波伝搬速度は生体内の速度は1540m/s前後で一定
超音波は生体内で常に直進
脾臓・内臓脂肪・左腎でアーチファクトが出現
鯛焼きの尻尾
脾臓・内臓脂肪・左腎だがアーチファクトが出現していない
脾臓
脂肪
左腎
入射角が垂直に近いために屈折は起きていない可能性が考えられる
フォーカスポイント
Bモード 焦点の位置の差異で画像は極端に差は出てこないが
病変の見たい箇所に合わせる
焦点の位置を設定すると、病変の輪郭が明瞭になる
脂肪肝や脂っこい体型の場合で病変が存在する場合は焦点を見たい病変の下端より更に後方に位置をあわせる
その理由とは
「→」を動かして焦点の位置を合わせると、装置が自動的に体内の焦点を見つけ出して、超音波ビームをそこに収束させる
と空間的な位置合わせをしていることではない
「単に時間を計って、“あの位置までは(平均的には)この程度の時間がかかるはずだから、超音波放射❍❍ミリ秒後の点
で超音波ビームが収束するようにしよう、これで大過なくいくはずだから”としている」
軟部組織 1540 m/s
想定外に超音波の伝搬が遅い脂肪が関与してくると、モニターの焦点の表示位置より浅い位置に収束させてしまう
脂肪肝や脂っこい体型の場合で病変が存在する場合は焦点を見たい病変の下端より更に後方に位置をあわせる
脂肪組織 1450 m/s
石田秀明「腹部エコーのお悩み相談屋」 文光堂
類円形の腫瘤
肝嚢胞