夢追人 第5号

宗像市立河東中学校
め
挑
気で
本
夢追人 第5号
2学期がスタートしました。まずは何よりも559名全員でこの9月1日を迎えることが出来た事を喜ばしく思い
ます。この2学期、河東中学校の目標は『本気で挑め』です。何事にも果敢にチャレンジしていく河東中学校
をみんなの力で創りあげ、みんなで夢と感動を追いかけていきたいと思います。
始業式では、次のような話をしました。
『夢』を実現させた人に共通していること。それは、①夢をもっている、②言いわけをしない、③他人の
責任にしない、④プラス志向の生き方、⑤継続した努力をする人であるということです。どうか、この5つ
の事を忘れずに毎日の生活を送ってもらいたいし、この5つの中の1つでも実践できる2学期であってほしいと
思うのです。そして、『夢』をもてば、100%叶うものではありません。しかも、叶わぬ『夢』に終わってしまう方が
多いのが現実です。それでも『夢』をもつことの価値はどこにあるのでしょうか?。たとえ『夢』破れたとしても、
そこにたどりつくまでの努力の過程が次の『夢』への扉を開けてくれるはずです。そしてその扉の先に必ずや
明日への明るい道が開けてくると思うのです。だから、『夢』をもち、『夢』に向かって生きることは、たとえ失敗
に終わったとしても、次へのステップへの価値ある生き方になると信じています。
AKBの「365日の紙飛行機」の中にある歌詞そのものの生き方をしてほしいと願っています。
『人生は紙飛行機 願い乗せて 飛んでいくよ 風の中を
力の限り ただ進むだけ
その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番 大切なんだ
さあ心のままに365日・・』
そしてこの2学期、河東中学校の全生徒に望むことは、夢や感動を追いかけていくために、ぜひ目標にして
ほしいこと。それは、
①目の前の困難から決して逃げない強い姿勢をもって挑んでほしい。
②人間は弱い。弱いから逃げようとする。その時に大切なのは、仲間を大切にすること。仲間を大切にしたら、
きっと仲間が声をかけてくれる。その声こそ、逃げないための大きな力となる。だからこそ、仲間を大切にし
てほしい。
③継続した努力を行ってほしい。努力は継続して花開くもの。努力とは苦しいもの。しかし、継続すること
で、苦しさに慣れてくる。慣れてきたら苦しさが消えていく。やがては楽になる。その時こそ、伸びる時だ。
④笑顔だけはいつまでも絶やさないでほしい。笑顔がある所に人は集まる。そして、勝者は
いつ も笑っている。笑顔こそ、前に進むためのエネルギーとなる。
以上4つの項目を、2学期の河東中学校全員が目指していく姿として示していきました。
その上で、2学期の河東中学校の学校目標を『本気で挑め!』とし、2学期の生活をスタート
させたところです。
ご家庭の皆様にお願いです。この2学期こそ、ぜひ、お子様に夢や感動を与えていただくような
御指導をお願いします。生徒たちには、無限の可能性があります。この無限の可能性を引き出し
ながら、伸ばしてあげることが私たち大人の責任でもあります。このことは、学校の中だけでは到
底達成できるものではありません。学校と家庭が両輪となって『共育』を実践する以外に方法はあ
り得ません。
この2学期、学校では多くの直接体験の場があります。そして、体験活動を通して多くのコミュニ
ケーションを図る場があります。この2学期こそ、生徒を大きく伸ばすチャンスなのです・・・
河東魂
『教え子たち』
私が輩出した卒業生、Fさん(女性)は、中学時代とにかく手のつけようのない生徒でした。入学式には金髪で、教室
では平然とタバコに火を付けるような生徒でした。シンナー、家出・・数々の問題を起こした生徒です。毎日、私と彼女
はつかみ合いの闘いを繰り広げていました。だけど、この生徒だけは必ず卒業後も毎年、年に数回私に電話をしてき
ます。「ジャン(私のあだ名)、生きてる?」、こんな彼女も自分の『夢』であった母親になることが出来ました。「ジャン、
私ね今、子供の小学校のPTAの副会長しよるばい・・」それを聞いた瞬間、私が唖然としていると、立て続けに偉そう
に言うのです。「ジャン、やっぱ教育は厳しくせないかんばい」と・・。複雑な気持ちでいっぱいになりました。もう一人は
K君、私の「夢をもて」の言葉を信じ、「先生、俺は映画監督になる」と声高らかに夢を語り、滋賀の芸術大学へと進ん
だK君。この生徒の悪癖は学校でおもむろに私に近づくと私の膝に座りこみ、お尻を揺らしながら「ブブッー」とおなら
をする事でした。おかげで私のズボンはいつも異臭がしてました。そんな彼も連絡してくれます。私が「もう大学卒業し
て数年経つけど、映画監督どげんなったとや」と聞くと、こんな返事が返ってきました。「先生、男の夢はいつでも変わ
る、それこそ男のロマンたい。今、俺ね、京都の西友鮮魚部で働きようよ。今では、周りが俺のことを『3枚おろしの
亮』って絶賛しよるっちゃけん・・」と・・。ま、立派に働いてくれていることは嬉しいのですが、複雑な気持ちでいっぱい
になりました。そしてIさん、中学校で2年間担任しました。彼女はダウン症です。でも、毎日を明るく生活していました。
悲しい時は私の前で顔をくしゃくしゃにして泣きました。嬉しい時は、満面の笑顔で私の手を握って来ました。そんな
彼女の夢は、たくさんの絵を描くことでした。現在は画家として幾多のコンテストで入賞し、多くのマスコミにも紹介され
ています。この3名に共通していることは、いつも『夢』を忘れずに生きてきたことでした。『たとえ夢破れても、夢を持ち
続けることで道は開く』。教え子たちから学んだような気がしています・・・。