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2015年度Sセメスター 数理科学概論I(文科)演習問題第12回

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2015年度Sセメスター
数理科学概論 I(文科) 演習問題 第12回
担当: 小林俊行教授 TA: 北川宜稔,島本直弥,伊藤要平,田森宥好
7 月 9 日 (木)
以下の問 1 から問 4 は講義後に学生さん達からの質問に答えている際に,
「ここが理解のネックになっ
ている」「ここが分かれば疑問が氷解する」という「分からない箇所」を取り上げ,その理解を深め
る目的で作ってみました.テーマは第1回目の講義から前回の講義までランダムに扱い,簡単な応用
問題も入れてみました.
問 1. (無限和の収束・発散)
積分と区分求積法を合わせて,以下の無限和が有限の値に収束するか,無限大に発散するかを議論
せよ.
(1)
∞
∑
1 1 1
1
= 1 + + + + ···
k
2 3 4
k=1
(2)
∞
∑
1
1
1
1
= 1 + 2 + 2 + 2 + ···
2
k
2
3
4
k=1
問 2. (等比数列の和の公式の証明)
等比数列の和の公式を求めよう.
(1)
Sn = 1 + r + r2 + · · · + rn−1
とおく.
(1 − r) · Sn = 1 − rn
を証明せよ.
(2) r ̸= 1 ならば,
Sn =
1 − rn
1−r
であることを証明せよ.
(3) −1 < r < 1 ならば,
lim Sn = 1 + r + r2 + · · · =
n→∞
であることを証明せよ.
1
1
1−r
等比数列の和の公式と無限等比級数. 初項 a,公比 r の等比数列の第 1 項から第 n 項までの和 Sn は r ̸= 1
ならば,
Sn =
a(1 − rn )
1−r
である.さらに −1 < r < 1 ならば,無限等比級数は,
lim Sn =
n→∞
a
1−r
である.
問 3. (等比数列の和の公式応用例1)
次の計算をせよ.
(1) 1 + 2 + 22 + · · · + 210
(2) 1 + 3 + 32 + · · · + 37
問 4. (等比数列の和の公式応用例2)
A さんは毎月10万円ずつ銀行の口座に積み立てることにした.もしも月利0.25%ならば,10
年後には金額はいくらになっているか.月利0.025%ならば,どうなるか.
問 5. (質点系の重心) 重さの無視できる棒の上に何人かの人が載っていて,点 P を支点にすると釣り合う
という状況を考えよう (下図参照).
(1) 座標 a に体重 20kg の人が, 座標 b に体重 60kg の人がそれぞれ載っているとき, 釣り合いの
とれる支点 P の座標を求めよ.
(2) (1) の状況に加えて, 更に座標 c に体重 10kg の人が載っているとする.このとき釣り合いのと
れる支点 P の座標を p とすると
p=
20a + 60b + 10c
20 + 60 + 10
と表せることを示せ.
重心 1. 真っ直ぐな棒が与えられたとき, その両端の位置をそれぞれ x = a, x = b と表すこととする.こ
の棒は密度が均一であるとは限らず, 点 x(a ≤ x ≤ b)における密度が f (x) で与えられていると
する.このときこの棒の重心の座標は
∫b
xf (x)dx
重心の座標 = ∫a b
f (x)dx
a
となる.
2
問 6. (重心)
この問題では, 上記の重心のまとめにおいて与えられた状況を考える.
(1) a = −1, b = 1 とする.以下の各条件に合うような密度関数 f の例をそれぞれ1つずつ挙げよ.
ただし密度関数であるので, 棒の上で常に f > 0 を満たしていなければならないことに注意
せよ.
(i) 棒の中心が最も重い.
(ii) 棒の右端が最も重い.
(iii) 棒の密度が左右非対称.
(2) 棒は均一とする.このとき, 以下に答えよ.
(i) 密度関数 f (x) は何であるか?
(ii) まとめにある公式を用いて, 重心の座標を求めよ.また, 求めた答えが経験と合致してい
ることを確認せよ.
(3) 密度関数を f (x) = x として, 以下に答えよ.
(i) a = 0, b = 1 とする.
・重心の位置は
1
2
よりも右にあるか左にあるか, それとも一致するか?直感で答えよ.
・公式を用いて重心の座標を求めよ.
(ii) a = α, b = α + 1 とする.α を大きくすると, 重心の座標と,重心の棒での相対的な位置
は (i)(α = 0 のとき) と比べてどうなると考えられるか, 予想せよ.
(iii) a = α, b = α + 1 として重心の座標を計算し, 予想が正しいかどうか確かめよ.
重積分. 区間 a ≤ x ≤ b において関数 g(x) は常に関数 h(x) よりも上にあるとする.また,2 直線 x = a, x = b
と関数 g(x) 及び関数 h(x) で囲まれた領域を D で表す.このとき, D 上の 2 変数関数 f (x, y) に対
して,
∫
∫
b
(∫
g(x)
f (x, y)dy dx (フビニの定理)
f (x, y)dxdy =
D
)
a
h(x)
である.
問 7. (面積と重積分)
(1) 重積分のまとめにおいて f (x, y) を定数関数 1 とおくと, その積分値は何を表すか?
(2) 2 曲線 y = x2 , y = x3 及び 2 直線 x = 0, x = 1 で囲まれた領域の面積を求めよ (下図参照).
問 8. (体積と重積分)
x 軸と y 軸及び直線 x + y − 1 = 0 で囲まれる領域を D とおく (下図参照).
3
関数 f (x, y) = −x − y + 1 に対し,
(1)
∫
f (x, y)dxdy
D
を求めよ.
(2) xyz 空間において, 点 (x, y) は D 上にあり, z は 0 ≤ z ≤ f (x, y) を満たすような点 (x, y, z)
の全体からなる集合を {(x, y, z) : (x, y) ∈ D, 0 ≤ z ≤ f (x, y)} と表記する.この集合は D を底
面とし点 (0, 0, 1) を頂点とする三角錐となる.この三角錐の体積を求め, (1) の結果と一致する
ことを確認せよ.
問 9. 空間内に 2 枚の平行な平面 α, β と,α, β に含まれない点 P が与えられたとする.β 上の勝手な点 B
に対して,直線 P B と α との交点 A を対応させる.この対応によって β 上の図形 m は α 上の図形 l
へと移る.
今,点 P から平面 α に降ろした垂線の長さ a と,点 P から平面 β に降ろした垂線の長さ b との比が
a : b = r : 1 を満たすとする.ただし,r は正の実数である.
m を線分とするとき,l は長さが m の r 倍であるような線分となることを確かめよ.
4
問 10. (体積と重積分)xy 平面内の図形 D が面積 A を持つとする.
(1) xyz 空間において,平面 z = 1 の上に D と合同な図形 D′ を置き,D と D′ の対応する点同士
を結んで得られる図形 V を考える(下図参照).
このとき,V の体積を求めよ.
(D′ が D の真上にある場合だけでなく,それを z = 1 平面内で
平行移動した図形,あるいは回転させた図形でもよい.
)
(2) 点 P を,平面 z = 1 上の点とする.P と D とを結んで得られる図形 W の体積を求めよ.
問 11. (重積分の計算)
2 曲線 y = x, y = x2 及び 2 直線 x = 0, x = 1 で囲まれた領域を D とおく (下図参照).
2 変数関数 f (x, y) = xy をこの領域で積分した値
∫
xydxdy
D
を求めよ.
5
問 12. (偶関数・奇関数の積分)
(1) 関数 f (x) が f (−x) = −f (x) を満たすとき, これを奇関数と呼ぶ.a を実数とするとき, f (x)
が奇関数であるならば,
∫
a
f (x)dx = 0
−a
であることを示せ.
(2) 関数 f (x) が f (−x) = f (x) を満たすとき, これを偶関数と呼ぶ.a を実数とするとき, f (x)
が偶関数であるならば,
∫
∫
a
a
f (x)dx = 2
−a
f (x)dx
0
であることを示せ.
重心 2. 形も密度も均一とは限らない板 D が与えられたとする.板の上の点 (x, y) における密度が f (x, y)
によって与えられるとき, その重心の座標は
∫
(∫
)
xf (x, y)dxdy D yf (x, y)dxdy
D
∫
∫
,
重心の座標 =
f (x, y)dxdy
f (x, y)dxdy
D
D
となる.
問 13. (重心の座標)
xy 平面上に中心 (0, 0), 半径 r, 密度均一な円板 D が与えられたとする.このとき, 以下の問に
答えよ.
(1) 密度関数 f (x, y) は何であるか?
(2) 重心の座標を求めよ.
(ヒント:問 12 及びフビニの定理を用いよ.
)また, 答えが経験に合致す
ることを確認せよ.
問 14. (回転体の体積)
xy 平面上で y 軸とある平面図形 S を考える.ただし, S は y 軸の右側にあるとする.このとき, y
軸を軸として S を回転させてできる立体の体積が,
(S の重心の軌跡の長さ)×(S の面積)
で与えられることを次の要領で示せ.
(1) まずは, 回転体の体積を区分求積法で求めましょう.S を, 横幅 n1 , 縦幅
1
m
の小さな長方形
を用いて覆い尽くすことを考えます(下図 1 参照).それらの長方形に適当に番号を付けて(左
下から順番にでも何でも, 好きなように付けてかまいません), k 番目の長方形の中心の点を
(xk , yk ) と座標で表しましょう.
6
(i) このとき, この k 番目の長方形だけを回転させてできる回転体を考える(上図 2 参照).こ
の回転体は半径 xk の円周を膨らませた形をしていることを認識せよ.
(ii) 各長方形は非常に小さく, 従って長方形内のどの点から回転軸との距離を考えても, その
距離は常に一定であるとする.k 番目の長方形の回転体の体積は大体
2πxk
1
nm
1
で与えられることを示せ.
(実際に近似しなくても長方形の回転体の体積は 2πxk nm
となる.
)
この小さな回転体の集まりによって, 求めたい回転体を近似します.
(iii) 求めたい回転体の体積の近似値, 即ち全ての小さな長方形の回転体の体積の和を書き下せ.
(iv) 上で求めた近似値の, 各長方形の一辺の長さを 0 に近づけたときの値を積分を用いて表せ.
(区分求積法の考え方)
(2) 次に,(重心の軌跡の長さ)×(S の面積)を式で書きましょう.
(i) S の重心の軌跡の長さを, 重心の公式を用いて書け.半径 r の円の円周の長さが 2πr であ
ることは証明無しに用いて良い.
(ii) S の面積を積分を用いて書き下せ.
(iii) (i),(ii) の式を掛け合わせて, (1) で最終的に得た式と比較することにより, 回転体の体
積が
(S の重心の軌跡の長さ)×(S の面積)
で与えられることを確認せよ.
問 15. (ドーナツの体積)xy 平面上に中心 (b, 0),半径 a の円が与えられているとする.ただし,0 ≤ a ≤ b
とする.この円を y 軸の周りに一回転させて得られる回転体(ドーナツ)について,以下の問題に答
えよ.
y
a
O
x
O
b
a
b
(1) 以下のことを確かめよ.
・ドーナツを真上から見ると,原点を中心とした半径 b − a, 半径 b + a の同心円 2 つが見える.
・原点を通るようにしてドーナツを縦に切ると,どの切り口も半径 a の円になっている.
(2) このドーナツの体積を問 14 で得た回転体の体積の公式を用いて求めよ.ただし, 半径 r の円
周の長さが 2πr, 面積が πr2 であることは証明無しに用いて良い.
問 16. (ドーナツの表面積と微積分学の基本定理)
次のような立体的なドーナツを考える(下図1参照)
:
・真上から見ると原点を中心とした半径 1, 半径 3 の同心円 2 つが見える.
7
・原点を通るようにして縦に切ると,どの切り口も半径 1 の円になっている.
図1
図2
このドーナツの表面積を, 体積計算における区分求積法の考え方を用いて求めよ.ただし, 必要な
ら問 15 で得たドーナツの体積の公式を用いて良い.
ヒント:0 ≤ r ≤ 2 として, 次のようなドーナツを考える(上図2参照)
:
・真上から見ると原点を中心とした半径 2 − r, 半径 2 + r の同心円 2 つが見える.
・原点を通るようにして縦に切ると,どの切り口も半径 r の円になっている.
このドーナツの表面積を S(r) とおき, 関数 S と積分を用いてこのドーナツの体積を表す(第 11 回
演習問題 問 12 でやったことをなぞる).
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