こちら - 芝浦工業大学 システム理工学科 機械制御システム学科

Chapter 6
反応性ロボットのための
一般的なセンシング技術
芝浦工業大学
システム理工学部
機械制御システム学科
運転支援システム研究室
大澤健太
概要
反応性ロボットシステムの知覚は,二つの役割を持つ
•ふるまいを解放する
•ふるまいの行動をサポート,ガイドする
⇒反応性ロボットは信頼性の高い直接知覚に頼っている
反応性ロボットのための,センシング技術を取り上げる
Logical sensors
(ロジカルセンサー)
センサの強力的な抽出化がロジカルセンサ
•センシングのユニット
•センシングの特有な知覚表象を提供するモジュール
Behavioral Sensor Fusion
(センサフュージョンふるまい)
センサフュージョンとは…
いくつかのプロセスから得た多くのデータを統合的に処
理することによって,単一のセンサからは得られない高
度な認知機能を実現する手法
センサは, False positiveとFalse negativeという違った
ものを生み出してしまう
 False positive:第一種過誤(ないのにあると判断)
 False negative:第二種過誤(あるのにないと判断)
Proprioceptive Sensors
(固有受容性のセンサ)
固有受容性は推測航法
例:ロボット
シャフトエンコーダを使用
どれだけ移動したのかある程度の推定
ロボット自身が方向性を測定可能
Inertial navigation system (INS)
(慣性航行装置システム)
•慣性空間における位置検出方法手順
加速度を検出
⇒1回積分し速度取得
⇒さらに積分し位置を算出
•外界の条件とは無関係に,航法に必要な,加速度・速
度・現在位置・姿勢方位角を検出する
Inertial navigation system
(慣性航行装置システム)
GPS(Global Positioning System)
•人工衛星を利用し自分が今どこにいるかを正確に割り
出すことのできるシステム
•米軍の軍事技術の一つで,地球周回軌道に30基程度配
置された人工衛星が発信する電波を利用
受信機の緯度,経度,高度などを
数cmから数十mの誤差で位置を割り
出すことが可能
マルチパスがあるという欠点がある!
Proximity Sensors
近接センサは,環境内のセンサと物体間の相対距離を測
定するセンサ
超音波ソナーは,近接センサで最も人気
⇒ほとんどの近接センサはアクティブ
Sonar or ultrasonics
ソナーとは…
•超音波を使用し,広範囲を測量可能
•用途によって周波数を変える
•アクティブセンサに分類
<欠点>
•反射に依存
⇒鏡面反射の影響を受けやすい
Infrared (IR)
赤外線センサとは…
•近接センサの別のタイプ
•遠赤外線エネルギーを放射し,IR光の有意な量が返さ
れるかどうかを測定
•人間の視覚を刺激しないで物体を検出可能
•物体の温度を遠距離から非接触で瞬時に測定可能
<欠点>
•周囲の環境にノイズ(周囲が照明によって明るすぎる)が
多い場合は検出が困難
Bump and feeler sensors
衝撃センサとは…
•物体と接触し,生じた電圧で衝撃を検知するセンサ
•衝突センサ感度は異なる接触圧力によって調節が可能
触覚センサとは…
•人間の皮膚は感覚受容器
⇒接触・圧力・温冷など複数の物理的刺激を検出可能
•感覚機能(皮膚など)を工学的に実現しようとするセンサ
Computer Vision
コンピュータビジョンとは…
入力データ(静止画・動画などの画像データ)をコン
ピュータに取り入れる
生の画像データを処理し,必要な画像情報の抽出
コンピュータによる視覚を実現
CCD cameras
反応性ロボットにおけるコンピュータビジョンは,ほと
んどビデオカメラから得ている
可視光を検出するために
⇒カメラはCCD(電荷結合素子)を使用
MOS(金属酸化膜半導体)キャパシタを密集した配列
が基本構造
感度が高くノイズが少ない
⇒計算的に高価
Grayscale and color representation
グレースケール…
•コンピュータ上での色の表現方法の一つ
•画像を白から黒までの明暗で表現
•灰色を何階調で表現するかをビット数によって表現
1ビット⇒白と黒のみで中間色なし
8ビット⇒256階調で表現
色の表現…
•赤・緑・青(RGB)で多くの色を表現
⇒光の三原色
Region segmentation
領域分割とは…
画像を特徴の一様な部分領域に分割し,対象物の占める
領域を抽出する手法の総称
最も簡単な抽出方法は閾値によって領域を抽出する方法
Color histogramming
ヒストグラムとは…
画像の明るさの分布をグラフにしたもの
横軸は画素値(明るさ)を表現(上記は256階調)
縦軸は画素値を持った画素がどれだけあるかを表現
⇒全体をみて明るさの分布によってその画像の明るさの
特徴が分かる
カラーヒストグラムとは…
赤・緑・青(RGB)別のヒストグラムのこと
Range from Vision
コンピュータビジョンにおいて,重要なこと…
 距離検出
人間は二つの目による,三角測量可能
⇒景色から奥行を検出可能
ロボットは,3つのビジョンセンサーで奥行を検出
 ステレオカメラ
 ライトストライパー
 レーザーレンジ
Stereo camera
ステレオカメラとは…
二つのカメラからの画像を取り込み,
赤三角形と緑三角形の相似関係から,
𝑩×𝑭
𝒁=
𝑫
という式で距離が求められる.
Z:距離,B:カメラ間距離,F:焦点距離
D:視差
カメラを用いた手法
⇒パッシブセンサ
Light stripers
ライトストライパーとは…
•環境におけるドットのパターン,グリッド,カラーライン
を投影することで動作する
•高価な飛行時間型の検出器が不要なため安価
測定方法(例)
4つのラインを投影
•図a:表面が平らなので等間隔のライン
•図b,c:物体,段差があるので不規則(改行がある)なライン
⇒改行の位置が障害物の情報を提供
Laser ranging(レーザー距離計)
レーザー距離計とは…
•レーザー光の反射により数cmから数十mの距離を瞬時
に測定できる測定機
•レーザーを発振し,目標物に照射しその反射の度合い
で距離を測定
レーザーを用いた手法
⇒アクティブセンサ