中学校第3学年 数学科学習指導案

中学校第3学年 数学科学習指導案
日
時
平成 25 年○月○日(○)第○校時
対
象
第3学年
学 校 名
○○立○○中学校
1 単元名
「式の計算 第1章 式の計算」
2 単元の目標
文字を用いた簡単な多項式について、式の展開や因数分解ができるようにするとともに、目的に応じて式
を変形したりその意味を読み取ったりする。
・単項式と多項式の乗法及び多項式を単項式で割る除法の計算ができるようにする。
・簡単な一次式の乗法の計算及び次の公式を用いる簡単な式の展開や因数分解ができるようにする。
乗法公式
1
( x  a )( x  b)  x 2  (a  b) x  ab
2
( x  a ) 2  x 2  2ax  a 2
3
( x  a) 2  x 2  2ax  a 2
4
( x  a)( x  a)  x 2  a 2
・文字を用いた式で数量及び数量の関係を捉え、説明する。
3 単元の評価規準
単 ア 数学への
イ 数学的な
元
関心・意欲・態度
見方や考え方
・単項式と多項式の乗 ・単項式と多項式の乗
法・除法、式の展開
法・除法、式の展開
や因数分解に関心を
や因数分解の仕方
もち、それらの計算
を考察することが
単
をしようとする。
できる。
元
・問題を解決するとき ・具体的な場面で、式
の
に、式の展開や因数
を目的に合うように
評
分解を活用して考え
変形し、数量の関係
価
たり判断したりしよ
などを考察して表現
規
うとする。
したり、その過程を
準
振り返って考えを深
めたりするなど数学
的な見方や考え方を
身に付けている。
ウ 数学的な技能
・単項式と多項式の乗
法・除法の計算、式
を展開することや因
数分解することがで
きる。
・具体的な場面で、数
量やその関係を文字
式で表現し処理する
技能を身に付けて
いる。
エ
数量、図形などに
ついての知識・理解
・単項式と多項式の乗
法・除法の仕方、式
の展開や因数分解
の意味を理解して
いる。
・文字式に表現するこ
とにより、形式的に
処理する事ができる
ことを理解し、知識
を身に付けている。
学
習
活
動
に
即
し
た
具
体
的
な
評
価
規
準
➀広さ比べで文字を使
うよさに関心をも
ち、面積を文字で表
そうとしている。
➁式の展開に関心をも
ち、既習の計算の形
になるように工夫し
て計算しようとして
いる。
➂乗法の公式に関心を
もち、自ら既習内容
を使って、それらを
見いだそうとして
いる。
➃色板並べの活動を通
して式の変形に関心
をもち、多項式を因
数の積の形に表そう
としている。
➄因数分解の公式の関
連に関心をもち、そ
れらを使って積極的
に因数を分解しよう
としている。
➅文字式を使って数量
及び数量の関係を捉
え説明することに関
心をもち、問題の解
決に生かそうとして
いる。
➆かけ算の答えを簡単
に求める方法につい
て関心をもち、それ
らが正しいことを文
字式を使って証明し
ようとしている。
➇素因数分解に関心を
もち、素因数分解を
したり、素数を見つ
けたりしようとして
いる。
➀単項式と多項式の乗
法・除法の計算の方法
を、具体的な数の計算
や既習の文字式の計
算と関連付けて考え
ることができる。
➁多項式と多項式の積
の展開方法を考える
ことができる。
➂ ( x  2)( x  4) の 展
開のしくみから乗法
公式1を導くことに
ついて考えることが
できる。
2
2
➃ ( x  3) 、( x  4) の
展開のしくみから、
乗法公式2,3を導
くことについて考え
ることができる。
➄ ( x  a )x  ( a ) の
展開のしくみから乗
法公式4を導くこと
について考えること
ができる。
➅102×98 のような自
然数の計算に乗法公
式を活用することが
できる。
➆項が3つある多項式
どうしの乗法の仕方
について考えること
ができる。
2
➇ x  px  q で、和が
p 、積が q となる 2
数を見付ければ因数
分解できることにつ
いて考えることがで
きる。
2
2
➈ 55  45 の よ う な
自然数の計算に因数
分解の公式を活用で
きることについて考
えることができる。
➉複雑な因数分解や多
項式を一つの文字式
に置き換える因数分
解の仕方を考えるこ
とができる。
⑪数の並びの性質を見
いだし、文字を使っ
て説明することがで
きる。
⑫具体例から一般的に
成り立つ性質を予想
したり、その性質の証
明について考えたり
することができる。
➀単項式と多項式の乗
法及び多項式を単項
式でわる除法の計算
ができる。
➁多項式と多項式の乗
法の計算ができる。
➂ ( x  a )( x  b) の 類
型の式を、乗法公式
を用いて展開するこ
とができる。
2
2
➃ ( x  a ) 、( x  a ) の
類型の式を、乗法公
式を用いて展開する
ことができる。
➄ ( x  a )( x  a ) の 類
型の式を、乗法公式
を用いて展開するこ
とができる。
➅分配法則や交換法則
及び乗法公式を活用
して、いろいろな計算
をすることができる。
➆多項式の共通な因数
をくくり出す因数分
解ができる。
➇乗法公式1を基にす
る因数分解ができる。
➈乗法公式2,3,4
を基にする因数分解
ができる。
➉既習事項や例を参考
にすることで、複雑
な因数分解をするこ
とができる。
⑪数量及び数量の関係
を文字式で表してあ
り、文字式の意味を読
み取ることができる。
⑫1より大きい自然数
を素因数分解するこ
とができる。
➀式の展開の意味を理
解している。
➁乗法公式のもつ意味
とそれを活用するよ
さを理解している。
➂四つの乗法の公式を
互いに関連付けて理
解している。
➃多項式の因数、因数分
解、共通な因数の意味
を理解している。
➄因数分解の公式を乗
法の公式と関連付け
て理解している。
➅数量及び数量の関係
を帰納や類推によっ
て捉え、それを文字
式を使って一般的に
証明することができ
ることを理解して
いる。
➆式の展開や因数分解
は、文字式を使った
証明にも活用できる
ことを理解している。
➇素数や因数、素因数、
素因数分解の意味を
理解している。
4 単元について
(1)単元(題材)について
小学校では、計算の仕方を考えたり、計算の確かめをしたりする学習をとおして、交換法則・結合法則・
分配法則や計算の決まりを理解する。数量の関係をことばの式や、□、○などを用いて式に表す経験をして
きている。これらの経験をもとに、これからは、ことばや□、○などの代わりに、新たに a 、 x などの文字
を使って、数量の関係を式で一般的に表していく。中学校では、計算の決まりを利用しながら、正負の数・
文字を使用するよさを理解する。必要に応じて数量をいろいろな文字や数字を自由に変形し、表した式を操
作する基礎を養う力を付ける。分配法則を用い、計算する決まりを見いだし、実際に計算できるようにする。
第 2 学年では、事象の中に数量の関係を見いだし、それを文字を用いて式に表現したり式の意味を読み取
ったりする能力を養うとともに、簡単な正式の加法・減法、単項式の乗法・除法の計算ができるようになっ
ている。また、数量や数量の簡単な式を変形することを学習している。
第 3 学年では、これらの学習の上に立って、単項式と多項式の乗法、多項式を単項式で割る除法及び簡単
な一次式の乗法の計算ができるようにする。さらに、公式を用いる簡単な式の展開と因数分解を取り扱い、
これによって、目的に応じて式を変形したり、その意味を読み取ったりする能力を伸ばすことがねらいである。
高等学校では、中学校での既習事項を復習して、数や式の計算、方程式などの解法を正しく自由自在に扱
える能力を養うため、公式の適切な使用について理解させる。また、可能な限り公式を利用して、能率よく
計算を行う技能を養成する。
中学校第1学年
・正負の計算の概念
教材の関連性
・文字式の利用
小学校第2,3学年
・一次式の計算
・乗法
・一次方程式の解き方、利用
小学校第4学年
・数量の関係の式
中学校第2学年
・単項式、多項式の加減
・単項式の乗除
・等式の変形
小学校第5学年
・四則に関して成り立つ性質
中学校第3学年
・少数の乗法、除法
・式の展開、因数分解
・倍数、約数
・平方根
・異分母分数の加減
・二次方程式の解き方、利用
小学校第6学年
高等学校 数学Ⅰ
・分数の乗法、除法
・式の展開、因数分解
・二次方程式の解き方、利用
数学Ⅱ
・二項定理
(2)教材について
本単元は、中学校3年間における方程式を除く、数と式の領域の集大成の場面となる学習内容である。
また、第2学年で学習した「文字を利用した説明」や、
「図形の証明」から継続、発展している論証指導の
貴重な学習内容でもある。そこで、第1学年から継続して育成している「文字や式を利用することのよさ」
をさらに深められるような授業展開や、筋道を立てて論理的に考える場面を大切にした授業の充実を図る。
本時の指導に当たっては、生徒が文字や式を利用することの目的意識をもてるような授業展開を目指す。
そのため、具体的な整数の計算式から答えの規則性を帰納的に見いだし、それがいつでも成り立つことを演
繹的に証明していく流れを大切にし、文字や式を利用することのよさや論理的思考力の伸長を図る。また、
レディネステストの結果、苦手とする生徒の多かった2桁の整数を 10a  b と表すことが必要な問題を出題
することで、理解と習熟を図る。なお、証明を苦手とする生徒も多い。そこで、証明で上手く表現したり適
切に解釈したりすることばかりに重点をおくのではなく、数学的な表現に慣れ、自分なりに説明し伝え合う
活動に取り組むことを大切にして、数学的な表現のよさを実感できるようにする。
5 単元の指導計画(全22時間扱い)
節
1 章の扉
1
節
式
の
展
開
項
➀
単項式と多項式の乗
法、除法
➁
式の展開
時数
0.5
学習内容
【導入】身近な話題への文字式の活用
ア-➀
1.5
・単項式と多項式の乗法
・多項式を単項式でわる計算
イ-➀➁
ウ-➀➁
1
・展開の意味
・2 項式どうしの積の展開
ア-➁
イ-➁
エ-➀
・ ( x  a )( x  b)  x  ( a  b) x  ab を使う式の展開
ア-➂
イ-➂
ウ-➂
エ-➁
ア-➂
イ-➃
ウ-➃
エ-➁
ア-➂
イ-➄
ウ-➄
エ-➁
ア-➃
イ-➅➆
ウ-➅
エ-➂
➂
( x  a)( x  b)
2
1
の展開
・ ( x  a )  x  2ax  a を使う式の展開
➃
( x  a) 2 、 ( x  a) 2
2
2
1
の展開
➄
( x  a)( x  a)
2
・ ( x  a )( x  a )  x  a を使う式の展開
2
2
1
の展開
2
節
因
数
分
解
➅
乗法公式の活用
2
・乗法公式を活用した数の計算
・乗法公式を使ったいろいろな計算
基本の問題
1
・本節のまとめと確かめの問題
➀
因数分解
2
・因数、因数分解の意味
・共通因数をくくり出す因数分解
➁
乗法公式 1 をもと
にする因数分解
➂
乗法公式2,3,4を
もとにする因数分解
・ x  ( a  b) x  ab  ( x  a )( x  b) を利用した因数分解
2
1
・ x  2ax  a  ( x  a ) 、 x  a  ( x  a )( x  a ) を
利用した因数分解
・因数分解の公式を活用した数の計算
2
1
2
2
2
2
評価規準
ア-➄
ウ-➆
エ-➃
ア-➄
イ-➇
ウ-➇
エ-➄
ア-➄
イ-➈
ウ-➈
エ-➄
3
節
文
字
式
の
活
用
4
節
1
基本の問題
1
➀
数の性質を見いだし
伝え合おう
(本時1/2時間)
ア-➄
イ-➉
ウ-➉
エ-➄
・いろいろな因数分解
➃
因数分解の公式の活
用
・本節のまとめと確かめの問題
・数の性質を見いだし発展させ、文字を使って説明し合う
活動
ア-➅➆
イ-⑪⑫
ウ-⑪
エ-➅
・式の展開や因数分解を使った数の性質に関する問題の解
決
ア-➅
イ-⑪⑫
ウ-⑪
エ-➅➆
・因数、素数、素因数、素因数分解の意味
・素因数分解の方法とその活用
ア-➇
イ-⑫
ウ-⑫
エ-➇
2
➁
文字を使った証明
1
➀
素因数分解
素
因
数
分
解
1章のたしかめ
1
2
・A問題(主に知識・技能の問題)
・B問題(活用の問題)
6 本時の指導(16/22 時間目)
(1)本時の目標
・式の計算に関心をもち、式の展開や因数分解などを使って問題を解決しようとする。
・式の展開や因数分解を活用して説明する中で、文字を用いることのよさを知る。
(2)本時の展開
時間
導
入
5
分
展
開
35
分
学習内容と学習活動、予想される生徒の反応
○指導上の留意点 ◆評価
○時間制限を設けて乗法公式を確認する。
復習問題
乗法公式の問題練習
3桁の整数を表す問題
課題
次の計算をしなさい。
➀24×26
➁25×25
➂35×35
➃28×22
➄71×79
何か工夫して計算することができましたか。
【生徒の予想される反応】
・頑張って計算する。
・一の位をかけて、十の位はその数と、それより
一つ大きい数をかけたものにする。
○本時に必要な知識を確認できるように問
題を設定する。
○インド式の計算方法の一つであることを
伝え、何か工夫できないか、考えさせる。
◆ア-➆(観察)
○式をたてに書いてみせる。
○予想できたことを十分に取り上げる。
・十の位をかけたものに十の位の数を足して、一
の位はそのままかける。
どういう問題のときに、このような計算で答えが
でるのですか。問題の特徴が分かりますか。
○どんな数の並びのときに、この方法が使え
るのかを考えさせ、言葉で表現させる。
【生徒の予想される反応】
・十の位の数が同じ。
・一の位の数をたすと10になる。
○規則性が分からない場合には、同じような
問題や、 65  25 など、一の位はたして1
0だが、十の位が違っているものを紹介し
て比べさせ、考えさせる。
○板書に y  z  10 を残す。
○説明には3段階あることを示す
➀文字で表すこと
➁立式すること
➂最終的な形の式にすること
○机間指導で、文字の表し方についてヒント
を与える。
十の位の数が同じで、一の位の数が足して10に
なっているときだけに成り立つものです。
いつでも本当にそうなるのかを、説明してみまし
ょう。
説明には3段階あります。一つでも段階が最後ま
でいけるように、取り組んでみましょう。
手順は
➀説明したいことを文字で表すこと
➁問題のとおりに立式すること
➂最終的に説明したいことを計算結果の式にする
こと
です。
時間は3分です。
(個人解決)
それでは、これからグループで解答を作り上げて ○具体から抽象化できるよう、板書の工夫を
する。
ほしいと思います。
3人または4人グループになり、お互いの考えた
○質疑・応答後、ベストアンサーを決める。
内容を発表し、ベストアンサーを決定しましょう。
◆イ-⑪(ノート、観察)
(グループ解決)
2けたの整数の十の位の数を x 、一の位の数を y 、
z とする。
y  z  10 より、
(10 x  y )(10 x  z )  100 x 2+10 xy  10 xz  yz
 100 x 2  10 x( y  z )  yz
 100 x 2  100 x  yz
 100 x( x  1)  yz
72
 78
5616
72  7  28
 100
10x  y
 10 y  z
x 2  x yz
 100
では、みんながみつけた法則は説明ができたので、 ○時間制限をもうける。公式を活用すること
のよさを実感させる問題とする。
公式として今後は使っていいことになりますね。
実際に公式を活用して、次の問題を解いてみまし
ょう。
➀ 17  13
➁ 84  86
➂ 65  65
実は、みんなで解決したこの問題は教科書に程度
の高い問題として紹介されています。どんな風に
証明されているか、確認してみましょう。
ま
と
め
○特によかった説明については取り上げ、何
を工夫したらよいかが分かるようにする。
◆エ-➅(ノート)
他にも、工夫した計算方法があることを紹介する。 ○関心をもたせる話をする。
(斜線での掛け算、マスを利用した掛け算、ネイ
ピアの棒)
10
分
(3)本時の評価
・式の計算に関心をもち、式の展開や因数分解などを使って問題を解決しようとしたか。
・式の展開や因数分解を活用して説明する中で、文字を用いることのよさを知ることができたか。
(4)板書計画
課題
・十の位が同じ
➀
24  26  624
➃
28  22  616
➁
25  25  625
➄
71  79  5609
➂
35  35  1225
・一の位の数を足すと10 → y  z  10
72
 78
5616
72  7  28
10x  y
10
 yz
x 2  x yz
 100
 100
ベストアンサー
I
J
G
E
C
A
H
F
D
B
時間によっては、紙面上での発表や、できたグループでの発表とする。