特定重大事故等対処施設について

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特定重大事故等対処施設について
平成26年11月
中国電力株式会社
1.特定重大事故等対処施設とは
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特定重大事故等対処施設(以下,「特重施設」という。)は,故意による航空機衝
突やその他のテロリズムにより,炉心の著しい損傷が発生するおそれがある,ま
たは発生した場合に,原子炉格納容器の破損による放射性物質の放出を抑制
するための施設。
新規制基準施行後5年以内に設置することが求められている。
実用発電用原子炉及びその付属施設の位置,構造及び設備の基準に関する規則
(H25.7.8施行)
第四十二条(特定重大事故等対処施設)
工場等には,次に掲げるところにより,特定重大事故等対処施設を設けなければなら
ない。
一 原子炉建屋への故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムに対し
て,その重大事故等に対処するために必要な機能が損なわれるおそれがない
ものであること。
二 原子炉格納容器の破損を防止するために必要な設備を有するものであること。
三 原子炉建屋への故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムの発生後,
発電用原子炉施設の外から支援が受けられるまでの間,使用できるものであ
ること。
2.特定重大事故等対処施設の機能
新たに配備した可搬型設備等による安全対策(可搬型設備,接続口の分散配
置)の更なるバックアップとして常設化する設備。原子炉格納容器の破損を防
止するための機能を備えている。
<新規制基準で設置が求められている設備>
・原子炉・格納容器内への注水設備
・フィルタ付ベント設備
・電源設備
・通信連絡設備
・緊急時制御室 等
<原子力規制委員会ホームページを基に作成>
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可搬型設備による代替注水機能(イメージ)
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故意による航空機衝突等により大規模損壊が発生し,既存の冷却機能を失って
も,原子炉などへ冷却水を注水できるよう,送水車などの可搬型設備(シビアア
クシデント対応機器)による注水手段を確保・多重化
【重大事故対応手段の一例(代替注水対策)】
代替注水配管
外部接続口
貯水タンク
貯水槽
原子炉建物
特定重大事故等対処施設の役割(イメージ)
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特重施設は,可搬型設備等の更なるバックアップとして,原子格納容器内への注水設
備,フィルタ付ベント設備,電源設備,通信連絡設備並びにこれらの設備を制御する緊急
時制御室などを有する設備。
また,事象発生後,発電所施設外からの支援が受けられるまでの間(少なくとも7日間),
必要な設備が機能するに十分な容量を確保する。
③更なるバックアップとして特重施設で原子炉格納容器を冷却
①テロリズムの故意による航空機
衝突により原子炉建物が損壊
特重施設
緊急時制御室,
注水設備,電源
設備,通信連絡
設備など
EL 50 m
原子炉
建物
タービン
建物
第2フィルタ
付ベント設備
②送水車等の可搬型設備(シビアアクシデント対応機器)にて原子炉格納容器を冷却
3.特定重大事故等対処施設の敷地造成計画
【設置場所】
○島根原子力発電所構内(海抜50m)
【敷地造成計画】
○特定重大事故等対処施設を設置する
面積は約3.5ha(予定)。
○なお,特重施設設置に伴い林地開発
面積は約23.8haとなる。
(免震重要棟の設置時に許認可取得済
の土捨て場など約13.5haを含む)
【敷地造成に必要となる主な許認可】
○林地開発変更許可申請
○島根県土地利用対策要綱(開発協議書)
○森林経営計画認定請求書(変更),伐採届
○特定工場変更届出
など
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