原子力発電所の廃止措置と低レベル放射性廃棄物について PDF形式

原子力発電所の廃止措置と
低レベル放射性廃棄物について
平成26年5月20日
電気事業連合会
【秘】当会関係者限り
電気事業連合会
電気事業連合会
低レベル放射性廃棄物の分類と処分方法
廃止措置に伴い発生するL3廃棄物
コンクリートガラ、金属などで、
極めて放射能レベルが低いもの。
1
トレンチ処分の例
(JPDR*1の埋設実地試験)
処分施設
トレンチ処分 L3
数m
廃止措置に伴い発生するL2廃棄物
ポンプ、配管などで、
比較的放射能レベルが低いもの。
ピット処分 L2
ピット処分の例(日本原燃の低レ
ベル放射性廃棄物埋設センター)
50m以深
廃止措置に伴い発生するL1廃棄物
炉内構造物、制御棒など、
比較的放射能レベルが高いもの。
*1:日本動力試験原子炉
出典:(独)日本原子力研究開発機構HP
*2:一般的な地下利用に対して十分に
余裕を持った深度への処分
余裕深度処分*2のイメージ
余裕深度処分 L1
300m以深
地層処分
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原子力発電所の廃止措置の概念
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運転を終了した原子力発電所については、準備作業後、廃止措置計画の認可をもって廃止措置を開
始します。
廃止措置の工程は「使用済燃料搬出」に続き「配管・容器内に付着している放射性物質の除去(除
染)」、「放射能が時間とともに減衰する性質を利用し原子炉のような放射能の高い機器を安全に貯蔵
(安全貯蔵)」、「設備の撤去」、「建屋の解体」を行うとともに、これらと並行して「放射性廃棄物の処理・
処分」を行い、最終的に撤去した跡地の汚染確認(廃止措置終了確認)を以て廃止措置が終了します。
①運転中
②解体・撤去前(使用済燃料の搬出後)
③設備の解体・撤去後
④建屋の解体・撤去中
⑤解体・撤去後
【秘】当会関係者限り
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東海発電所 廃止措置の全体スケジュール
3
去
3
【秘】当会関係者限り
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東海発電所(GCR*1)の推定汚染分布
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低レベル放射性廃棄物
:(L1)放射能レベルの比較的高いもの ⇒ 余裕深度処分
:(L2)放射能レベルの比較的低いもの ⇒ コンクリートピット処分
:(L3)放射能レベルの極めて低いもの ⇒ トレンチ処分
:(CL)放射性廃棄物として扱う必要のない物 (クリアランス対象物)
:(NR)放射性廃棄物でない廃棄物
(一般の撤去物を含む)
ガスダクト
排気筒
原子炉建屋
運転床領域
タービン建屋
生体遮へい体
燃料取扱建屋
上部構造物
使用済燃料冷却
池建屋
炉内
構造物
L1:0.8%
熱交換器建屋
L2:4.7%
L3:6.4%
CL:21.4%
熱交換器
NR:66.9%
解体物量:約19万トン
*1:ガス冷却炉
原子炉圧力容器
使用済燃料冷却池
4
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東海発電所
熱交換器解体撤去の概要
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ジャッキ装置
各切断階層(ティア)の
大きさ
高さ:1.7~3.2m
直径:約6m
重量:54~135t
切断エリア(3F)
仮設架台とジャッキ
装置の設置
【作業イメージ】
〔切断装置配置〕
ジャッキダウン
(ティア1-9)
肉厚:54~94mm
仮設架台とジャッキ
装置の撤去
遠隔切断装置
〔一次切断〕
〔切断部位移送〕
〔二次切断〕
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浜岡1,2号機 廃止措置の全体スケジュール
平成21~26年度
平成27~34年度
平成35~41年度
平成42~48年度
2009~2014年度
2015~2022年度
2023~2029年度
2030~2036年度
第1段階
解体工事準備期間
第2段階
原子炉領域周辺設備
解体撤去期間
第3段階
原子炉領域
解体撤去期間
第4段階
建屋等解体撤去期間
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◆運転終了(平成21.1.30)
◆廃止措置計画認可申請(平成21.6.1)
◆廃止措置計画認可(平成21.11.18)
◇廃止措置計画変更認可申請
燃料搬出 (使用済燃料:1,2号機とも搬出完了/新燃料:1号機=搬出完了,2号機=搬出中)
汚染状況の調査
系統除染
原子炉領域周辺設備解体撤去
安全貯蔵
原子炉領域解体撤去
建屋等解体撤去
放射性廃棄物の処理処分(運転中廃棄物または解体廃棄物)
放射線管理区域外の設備・機器の解体撤去
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浜岡1,2号機(BWR*1)の推定汚染分布
(L3)
(L1)
放射能レベルの比較的高いもの ⇒ 余裕深度処分
(L2)
(L3)
放射能レベルの比較的低いもの ⇒ コンクリートピット処分
放射能レベルの極めて低いもの ⇒ トレンチ処分
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(CL) 放射性廃棄物として扱う必要のないもの(クリアランス対象物)
(NR) 放射性廃棄物でない廃棄物
(L1)
(L3)
(L2)
(CL)
(L2)
(L3)
(NR)
解体物量と放射能レベル(浜岡1,2号機合計値)
L1:0.02%
L2:0.15%
L1:99.60%
L3:3.4%
CL:7.3%
浜岡1号機(当初想定)
NR:89.2%
*1:沸騰水型軽水炉
解体物量:約52万トン
L2:0.33%
L3:0.074%
CL:1E-05%
NR:0%
総放射能量:2.0×1016[Bq]
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廃止措置に伴い発生する廃棄物の量
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単位:ton
区分
L1
L2
L3
CL
NR
合計
BWR
BWR
小規模
50
760
5,530
9,710
130,620
146,670
中規模
70
830
6,750
9,750
220,430
237,830
BWR
PWR
大規模
80
850
11,810
28,490
495,420
536,650
小規模
120
710
1,850
3,970
187,150
193,810
PWR
PWR
中規模
190
1,230
2,570
8,080
215,750
227,820
大規模
200
1,720
4,040
11,660
477,300
494,920
GCR
1,540
8,950
12,300
41,100
128,700
192,400
単位:ton
区分
L1
L2
L3
CL
NR
合計
商業用原子力発電所
(57プラント)の合計
7,880 LLW合計:454,640
63,440
383,320 ⇒約2%
894,210 CL:約5%
18,481,970 NR:約93%
19,830,630 合計:100%
【注】東海発電所,浜岡1,2号機以
外のプラントの解体廃棄物量は,標準
プラント(BWR/PWR×大中小規
模)の廃棄物量データ(ton)をもとに
各規模に該当するプラント数を積算し
たものであり,各プラント固有の廃棄
物量を集約したものではない。
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電気事業連合会
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原子力発電所の運転・廃止措置に伴い発生する廃棄物の区分と制度整備状況 9
原子力委員会
廃棄物の区分
高レベル放射性廃棄物
原子力安全委員会
原子力規制委員会
処分方針
安全規制の
考え方
安全審査指針
規制基準等
済
済
未
未
備考
NUMOが処分候補地を公募中
低
レ
ベ
ル
放
射
性
廃
棄
物
非
放
射
性
廃
棄
物
再
処
理
等
廃
棄
物
地層処分相当の廃棄物
済
放射能レベルの比較的高いもの
[余裕深度処分:L1]
済
発
電
所 放射能レベルの比較的低いもの
廃 [ピット処分:L2]
棄
物
放射能レベルの極めて低いもの
[トレンチ処分:L3]
済
未
未
未
済
済
放射性廃棄物として扱う必要のないもの
(クリアランス物:CL)
未
済
済
済
済*
運転廃棄物については、日本原燃
が処分を実施中
済
済*
検討中
済
原電東海の解体廃棄物をクリアラ
ンスした実績があるが、リサイクル
が進まない
中部浜岡でクリアランス認可取得
済
放射性廃棄物でない廃棄物
(NR)
済
済
検討中、規制基準が必要
済
各発電所で実績あり
*再処理廃棄物について、一部未整備
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電気事業連合会
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課題について
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原子力発電所の廃止措置を計画的に進めるために、
○廃止措置に伴い発生するすべての放射性廃棄物の
処分に必要な規制基準の整備と立地促進が必要。
○廃止措置に伴い発生するクリアランス物の再利用が
円滑に進むことが重要。
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