MS - Waters

MSの基礎1
©2012 Nihon Waters K.K.
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MSの基礎
MS
の基礎1
1 -内容
 マススペクトロメトリーとは?
ペクト メトリ とは
 イオン化法
 LC条件の検討
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MSの基礎
MS
の基礎1
1 -内容
 マススペクトロメトリーとは?
ペクト メトリ とは
 イオン化法
 LC条件の検討
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マススペクトロメトリーとは?
マススペクトロメトリ
とは?
 サンプルを気相イオンにする
 真空中でイオンを質量電荷比 (m/z) に応じて分離する
 m/z に対するイオン強度を記録する
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分析対象物質
 非極性
 揮発性
おおむねGC/MS (しばしば誘導体化が必要)
 熱に対して安定
 高極性
 低揮発性
おおむねLC/MS
 熱に対して不安定
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MSの利点
MS
の利点
 検出感度が高い
検出感度が高
 選択性
 広範囲なアプリケ
広範囲なアプリケーション
ション
 他の検出器と相補的
他 検出器 相補的
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MSにおける制限
MS
における制限
 サンプルをイオン化しなければならない
サンプルをイオン化しなければならな
 イオン分離部を高真空に保たなければならない
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MSの基礎
MS
の基礎1
1 -内容
 マススペクトロメトリーとは?
ペクト メトリ とは
 イオン化法
 LC条件の検討
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LC/MSで用いられている主なイオン化法
LC/MS
で用いられている主なイオン化法
 マトリックス支援レーザー脱離イオン化
トリ ク 支援レ ザ 脱離イオン化 (MALDI)
– 平面状のマトリックスに溶解した化合物のレーザーアブレーションによる
 エレクトロスプレーイオン化 (ESI)
 大気圧化学イオン化 (APCI)
 大気圧光イオン化 (APPI)
 大気圧固体試料イオン化 (ASAP)
など・・・
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LC/MSで用いられている主なイオン化法
LC/MS
で用いられている主なイオン化法
 マトリックス支援レーザー脱離イオン化
トリ ク 支援レ ザ 脱離イオン化 (MALDI)
– 平面状のマトリックスに溶解した化合物のレーザーアブレーションによる
 エレクトロスプレーイオン化 (ESI)
 大気圧化学イオン化 (APCI)
 大気圧光イオン化 (APPI)
 大気圧固体試料イオン化 (ASAP)
など・・・
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エレクトロスプレーイオン化
エレクトロスプレ
イオン化 (ESI
ESI)) の原理
 ESIは液相のイオン化
ESIプローブ
 イオン化は次の3段階
キャピラリー
– 帯電液滴の生成
– 脱溶媒と液滴の分裂
– 気相イオンの生成
サンプルコーン
イオン 経路
イオンの経路
コーンガス
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帯電液滴の生成
キャピラリー
酸化還元反応
LCフロ
LCフロー
+1 3 kV
+1-3
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脱溶媒と液滴の分裂
+
+
+
溶媒の蒸発
+
+
+
+ +
+
+
+
+
+
+
+
+ + +
+
+
不均一な液滴の分裂
+
高温のガス
(DesolvationGas
eso at o Gas)
+
+
+
+
+
++
+
++
...
+
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気相イオンの生成
イオン蒸発のモデル
AH+
AH+
A
AH+XAH+ AH+
AH+
A
r < 10 nm
AH+
AH+
AH+XAH+
AH+X- AH+X- AH+
AH
AH+
A
AH+
AH+XAH+
AH+
AH+
半径 < 10 nmの液滴では、
静電斥力による液滴表面から
のイオン蒸発が起こる
イオンは液相から気相へ
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ESI法において感度に影響する因子
ESI
法において感度に影響する因子
 移動相の種類
– 揮発性であることが必要
o
水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール
o
添加剤(ギ酸、酢酸アンモニウムなどを低濃度で使用)
ギ酸
酸
 移動相の流量
– 最適感度の得られる流量を使用
o
イオン化法
o
カラム内径
 試料中の共存成分
– マトリックス効果
o
イオン化阻害
o
イオン化促進
 カラムの汚れ
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マトリックス効果
Blank
Blank Injection
H030312_CS_ES+_001
8.51
8.24
7.76
7.72
8.69
8.98
Urine Injection
1: TOF MS ES+
TIC
3.31e4
6.28
100
9.70 9.86
10.25
Urine
H030312_CS_ES+_004
100
6.83
7.70
7.33
8.34 8.56 8.80
1: TOF MS ES+
TIC
3.33e4
9.63 10.20
6.69
6.36
6.38
6.29
10.54
6.01
10.45
6.23
5.93
5.82
5.73
%
4.85
4.49
10.87
10.74
5.58
5.30
11.17
10.84
11.76
%
4.94
10.96
11 26
11.26
11.37
49
2 00
2.00
4 00
4.00
6 00
6.00
8 00
8.00
10 00
10.00
Time
12.00
12
00
25
2 00
2.00
4 00
4.00
6 00
6.00
8 00
8.00
10 00
10.00
Time
12.00
12
00
Theophylline
Caffeine
Nortriptyline
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マトリックス効果 (続き)
(http://www.waters.com/waters/promotionDetail.htm?id=10073265
より抜粋)
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ESIの特長
ESI
の特長
 ソフトなイオン化
– [M+H]+、[M+NH4]+、[M+Na]+、[M+K]+ など
– [M-H]-、[M+CH3COO]-、[M+Cl]- など
 中~高極性、イオン性、および低~高分子 (蛋白質では 150 kDa 程
度まで) と広い範囲の化合物を比較的高感度にイオン化できる
 生体高分子、ポリマーでは多価イオンを生成
– [M+nH]n+,[M+(NH
[M+(NH4)n]n+
– [M-nH]n-
 熱に不安定な化合物もイオン化できる
 非共有結合複合体もイオン化できる
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LC/MSで用いられている主なイオン化法
LC/MS
で用いられている主なイオン化法
 マトリックス支援レーザー脱離イオン化
トリ ク 支援レ ザ 脱離イオン化 (MALDI)
– 平面状のマトリックスに溶解した化合物のレーザーアブレーションによる
 エレクトロスプレーイオン化 (ESI)
 大気圧化学イオン化 (APCI)
 大気圧光イオン化 (APPI)
 大気圧固体試料イオン化 (ASAP)
など・・・
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大気圧化学イオン化 (APCI
APCI)) の原理
 APCIは気相のイオン化
APCIプローブ
 イオン化は次の3段階:
– 急速な気化
– コロナ放電による試薬イオンの生成
– サンプル分子と試薬イオンの反応
プローブ先端
コロナニードル
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APCI法におけるイオン化の過程
APCI
法におけるイオン化の過程
APCI Probe Heater
(400 650°C)
(400-650
C)
Corona Discharge
Corona Discharge
Needle
Sample
Solution
Flash Vaporisation
Solvent
S
l
t and
d
Analyte Vapour
Nebulizer Gas
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Sample Cone
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気相における化学イオン化 (正イオン)
プロトン移動
イオンの付加
電荷交換
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気相における化学イオン化 (負イオン)
プ ト 移動
プロトン移動
イオンの付加
電荷交換
電子捕獲
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APCIの特長
APCI
の特長
 ソフトなイオン化
– [M+H]+、[M+NH4]+ など
– [M-H]-、[M+CH3COO]-、[M+Cl]- など
 一般的に一価イオンが生成
 ESI でイオン化しにくい低極性化合物もイオン化
 移動相とサンプルのプロトン親和力の差が感度に大きく影響
 熱に非常に不安定な化合物の場合は熱分解の可能性も
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イオン化法と極性の選択
 1級~3級アミン
どちらでも
+
 4級アミン
ESI
+
 その他塩基性化合物
どちらでも
+
 アミノ酸
どちらでも
+
 ペプチド、蛋白質
ESI
+
 ヌクレオチド及び重合体
ESI
-
 ヌクレオシド
ESI
+
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イオン化法と極性の選択 (続き)
 非イオン性界面活性剤
どちらでも
+
 陽イオン性界面活性剤
ESI
+
 陰イオン性界面活性剤
ESI
-
 カルボン酸
どちらでも
-
 スルホン酸、リン酸
ESI
-
 ニトロ基
どちらでも
-
 ステロイド類
APCI
+
多くの場合、まずESI を試してみるとよい
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イオン化法
ESCiマルチモードインターフェイス
ESCiマルチモ
ESCi
マルチモードインターフェイス
マルチモ ドインタ フェイス
 ESCiは、標準のESIプローブとAPCIのコロナニードルを用いて、ESIとAPCIの両
方の測定を同時に行うことができる機能
– MassLynxソフトウェアで、ESI/APCIの切り替えを行う。
– ESIモードではキャピラリーに、APCIモードではコロナニードルに電圧が供給される。
ESIモードではキャピラリーに APCIモードではコロナニードルに電圧が供給される
– ESCiのAPCIモードはコンベンショナルなAPCIより低流速で使用でき、熱分解も少ない
– 一回の注入でESI(+/-)、APCI(+/-)の測定が可能になるのでイオン化の確認に有効
ESIプローブ
コロナニードル
(MSシステムによって形状が異なります)
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LC/MSで用いられている主なイオン化法
LC/MS
で用いられている主なイオン化法
 マトリックス支援レーザー脱離イオン化
トリ ク 支援レ ザ 脱離イオン化 (MALDI)
– 平面状のマトリックスに溶解した化合物のレーザーアブレーションによる
 エレクトロスプレーイオン化 (ESI)
 大気圧化学イオン化 (APCI)
 大気圧光イオン化 (APPI)
 大気圧固体試料イオン化 (ASAP)
など・・・
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APPI法におけるイオン化の過程
APPI
法におけるイオン化の過程
Vacuum UV
V
Source
Sample
Solution
Probe Heater
Repeller
Electrode
h
Flash Vaporisation
Solvent and
Analyte Vapour
Nebulizer Gas
Sample Cone
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イオン化法の適応範囲
(ESI,
ESI APCI,
APCI APPIのまとめ)
APPIのまとめ)
10,000
ESI
APPI
質量
1,000
100
APCI
10
無極性
高極性
測定対象物質の極性
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LC/MSで用いられている主なイオン化法
LC/MS
で用いられている主なイオン化法
 マトリックス支援レーザー脱離イオン化
トリ ク 支援レ ザ 脱離イオン化 (MALDI)
– 平面状のマトリックスに溶解した化合物のレーザーアブレーションによる
 エレクトロスプレーイオン化 (ESI)
 大気圧化学イオン化 (APCI)
 大気圧光イオン化 (APPI)
 大気圧固体試料イオン化 (ASAP)
など・・・
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ASAP
(Atomospheric Solid Analysis Probe)
 ガラスの棒の先に試料をこすり付けて付着させ(少量でよい、つけてから一度ふき
取るくら
取るくらいの量で十分、液体も可能)、脱溶媒ガスで試料を気化させ、コロナ放電に
量 十分 液体も可能) 脱溶媒ガ
試料を気化させ
ナ放電に
より化学イオン化
 ASAP用のプローブをつけるだけで使用可
 薬、尿中の薬物代謝物、インクの成分などの分析事例
ASAP
ASAP
Desolvation Gas
(脱溶媒ガス)
コロナニードル
コロナニードル
(MSシステムによって形状が異なります)
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ガラス棒に付着したサンプル
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MSの基礎
MS
の基礎Ⅰ
Ⅰ -内容
 マススペクトロメトリーとは?
ペクト メトリ とは
 イオン化法
 LC条件の検討
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LC条件の検討
LC
条件の検討
 LC条件の検討
– 測定したいイオンをもっとも効率よく発生させる移動相を選択します。
– 測定対象測定対象物質が適切な保持時間をもつカラム、移動相を選択します。
LCMSで使用する溶媒例:
水
有機溶媒
添加剤
その他
メタノール
1~10 mM 酢酸アンモニウム
0.01~0.1%トリエチルアミン(TEA)
アセトニトリル
0.01~0.2% 酢酸
0.01~0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)
1~10 mM ギ酸アンモニウム
1~10mM 炭酸水素アンモニウム
0.01~0.2% ギ酸
※アセトニトリル100%では使用しない
※100% アセトニトリルに酢酸アンモニウムは溶解しない
※TEA、TFAを使用する場合は、システムのメンテナンス頻度をあげること
移動相は、揮発性のものを使用してください。
有機溶媒の種類、移動相のpH、添加剤の有無、種類および濃度がイオン化効率に影響を与えます。
→移動相の最適化が必要!!
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MSの基礎
MS
の基礎1
1 -まとめ
 マススペクトロメトリーとは?
ペクト メトリ とは
 イオン化法
 LC条件の検討
©2012 Nihon Waters K.K.
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