第10章 複素数 (数II)・複素数平面(数III)

1
第 10 章
10.1
N
Z
Q
R
C
複素数 (数 II)・複素数平面 (数 III)
数の拡張
=
=
=
=
=
自然数
整数
有理数
実数
複素数
=
=
=
=
=
{1, 2, 3, 4, · · · }
{· · · , −2, −1, 0, 1, 2, 3, 4, · · · }
Z + 分数・小数
Q + 無理数
R + 虚数
2
0.3
Z 整数
N 自然数
1, 2, 3, · · ·
例えば、2i と i に大小関係がある
とすると、
2i > i、
2i = i、
2i < i のどれかが成り立つはずです。
が成り立つとしましょう。
すると、2i > i を移項して i > 0。2
C 複素数
R 実数
Q 有理数
√
複素数には大小関係がありません。
乗すると i2 > 0。ところが、i2 = −1
i
なので −1 > 0 と矛盾。
1−i
1
2
2i と i はどちらが大きいか比較でき
ません。ただ、|2i| = 2、|i| = 1 なの
π
0, −1, −2, · · ·
の場合も矛盾します。だから、
で、大きさは比較できます。
z = x + iy の大きさ (絶対値) は
p
|z| = x2 + y 2 で計算します。
10.2
i は文字でなく数です。i2 = −1, i =
√
−1
p
√
√
√ √
問 −1 = ( −1)2 = −1 −1 = (−1)(−1) = 1 = 1 のどこがおかしいか。
10.3
「a の平方根」と「平方根 a」の違い
「4 の平方根」とは、2 乗したら 4 になる数で、それは ±2 の 2 つあります。ちょうど、x2 = 4 を解
√
くことと同じです。それに対して、「平方根 4」とは、「ルート 4」のことで、記号で 4 と表します。
√
√
それは「4 の平方根」のうち、プラスの方のこと、すなわち 4 = 2 です。だから、 4 = ±2 として
はいけません。これはルールです。
一般に、「a の n 乗根」とは、xn = a の解を指し、それは n 個あります。一方、「n 乗根 a 」は
√
n
a を指します。両者の関係は「a の n 乗根」のうち、実数のものが 1 つだけならそれが、「n 乗根 a
」。実数のものがプラスマイナスの 2 つあるときはプラスの方が「n 乗根 a 」です。
10.4
「1 の3乗根」=
=
⇒ω オメガ
√
√
−1 + 3i −1 − 3i
,
の 3 つが答えとなります。2 つの虚数解のどちらか一方を
2
2
ω とすると、もう一方は ω 2 となっています。自分で確認してください。
x3 = 1 ==
⇒ x = 1,
ω については、次が成り立ちます。
:ω 2 + ω + 1 = 0
:ω 3 = 1
A
2
10.5
解と係数の関係
2 次方程式の場合:ax2 + bx + c = 0 の 2 つの解を α, β とすると、
α+β =
αβ =
3 次方程式の場合:ax3 + bx2 + cx + d = 0 の 3 つの解を α, β, γ とすると、
α+β+γ =−
10.6
b
a
αβ + βγ + γα =
c
a
αβγ = −
d
a
A=BQ+R、剰余の定理、因数定理、組立除法
A = BQ + R において、余り R は 割る式 B より次数が低い。
P (x) を (x − α) で割った余りは、P (α)
剰余の定理
b
P (x) を (ax − b) で割った余りは、P ( )
剰余の定理
a
P (α) = 0 ⇐⇒ P (x) は (x − α) で割りきれる
因数定理
10.7
複素平面はベクトルと考え方は同じ、利点は回転にあり
複素数の和・差はベクトルと同様。ただし、始点は原点です。α + β は平行四辺形の対角線となり、
−→
β − α は αβ の始点を原点にしたときの終点の位置となります。
複素数の積・商は大きさと回転の両操作します。
積は大きさかけて、偏角たす。商は大きさ割って、偏角引く。
問 z = 1 + i に対し、z 2 、z 3 を計算し、複素平面上に表せ。
y
B
O
x
3
問 α = −2 + 2i、β = 2i に対し、
α
を計算し、複素平面上に表せ。
β
y
x
O
10.8
複素数の表し方は2通り
(
z = x + yi
z = r(cos θ + i sin θ)
実部+虚部で表す。
大きさと偏角で表す。極形式
θ = arg z 、r =
p
x2 + y 2
◦
θ の範囲は、ふつう 0◦ <
= θ < 360 で考えるが、マイナスや一般角で考えることもあります。
問 z = −1 +
10.9
√
3i を極形式で表せ。
共役な複素数の性質
z = x + yi に対して、z = x − yi を共役な複素数という。z についての性質をまとめると、
.z = r(cos θ + i sin θ) ⇐⇒ z =
.z · z =
大きさの 2 乗 ベクトルとの違いチェック
.α + β =
バーは分けられる
.αβ =
.z = z ⇐⇒
.z + z = 0 ⇐⇒
.実係数の 2 次方程式の解が虚数なら、お互い共役となっている。α = β であり、β = α である。
10.10
ド・モアブルの公式
(cos θ + i sin θ)n = cos nθ + i sin nθ
C
4
10.11
z n = 1 の解の位置
問 z 3 = 1 を解け
y
O
x
問 z 4 = 1 を解け
y
O
10.12
x
z n = α の解の位置
問 z 4 = 8(−1 +
√
3i) を解け
y
O
D
x
5
10.13
複素平面と図形
ベクトルで扱った内分・外分点の公式や直線・円のベクトル方程式は、そのまま複素数に置き換え
ることができます。これから図形の問題を解く方針として、次の 3 つが考えられます。
.(x, y) の座標系で解く。
.ベクトルで解く。
.複素平面で解く。
10.14
原点以外の点を中心に回転するには
点 A(α) を点 B(β) を中心に θ 回転した点 C(z) は、
−−→ −−→
BC = BA × (θ 回転) と考えるとよいでしょう。
y
虚軸
原点を中心に回転することについては、10.7 を参照して欲しい。
C(z)
そこから、z − β = (α − β)(cos θ + i sin θ) と複素数に変換す
A(α)
ればいいでしょう。
θ
特に、90◦ 回転は i を掛けることで得られます。
なぜなら、cos 90◦ + i sin 90◦ = i だからです。
B(β)
O
実軸 x
問 点 A(3 + 2i) を点 B(−1 + i) を中心に 90◦ 回転した点 C を表す複素数 z を求めよ。
10.15
2直線のなす角
P (z1 ), Q(z2 ), R(z3 ) に対し、arg
z3 − z1
は何を表すか。
z2 − z1
E
6
10.16
センター試験 — 複素数・複素数平面
/
1997 本試験
/
分
/
分
分
複素数平面上で α = 1 + i, β = 4 + 5i の表す点をそれぞれ A、B とする。
ア である。β − α の表す点を原点 O を中心に 90◦ 回転すると、
(1) このとき、 β − α の絶対値は
その点を表す複素数は、− イ
+
(2) 線分 AB の中点を表す複素数は、
i である。
ウ
エ
+
カ
i である。
オ
(3) 複素数 γ = x + 2i (ただし、 x は実数)の表す点を P とする。
´
³
´ ³
ケ − コ x i
x2 − キ x + ク
+
β−γ
このとき、
=
となる。
α−γ
x2 − サ x + シ
q
±
ス
P が AB を直径とする円周上にあるのは、x =
セソ
のときである。
タ
/
1997 追試験
/
分
分
/
分
複素数平面上で 4 + 8i, − 4 − 4i, 8 − 8i を表す3点をそれぞれ A、B、C とする。線分 BC を 3 : 1
に内分する点を D、線分 AC を 3 : 1 に内分する点を E、線分 AB を 1 : 3 に内分する点を F とすれ
ば、D、E、F を表す複素数はそれぞれ、
ア
−
イ i
,
ウ
−
エ i
,
オ
+
カ i となる。
線分 EC を E を中心として 90◦ 回転し、さらに長さを x 倍した線分を EP とすれば、P を表す複素
³
´
数は、 キ x + ク + x − ケ
i である。
線分 FA を F を中心として 90◦ 回転し、さらに長さを y 倍した線分を FQ とすれば、Q を表す複
³
´
シ + ス y i である。
素数は、 コ − サ y +
線分 DP と線分 DQ のなす角が 90◦ であるとき、xy =
F
セ
である。
7
/
1998 本試験
/
分
/
分
分
この問題では、複素数の偏角はすべて 0◦ 以上 360◦ 未満とする。
√
α = 2 2(1 + i) とし、等式 |z − α| = 2 を満たす複素数 z を考える。
q
³
´
(1) z の中で絶対値が最大となるものは、 ア
イ
ウ +i
である。
q
エ
β
(2) z の中で偏角が最大となるものを β とおくと、
の絶対値は
α
で、
オ
◦
偏角は
カキ
また、β =
である。
q
q
ク
ケ −
コ
q
q
シ
+
サ
さらに、β の偏角は
+
ス
セ
i である。
ソ
◦
タチ
である。
1 5 n 5 100 の範囲で、β n が実数になる整数 n は
/
1998 追試験
ツ 個ある。
/
分
/
分
分
係数が実数の 4 次方程式
x4 + ax3 + bx2 + cx + d = 0
が 1+
√
(1) (1 +
(1 ±
(1 +
1
···················· °
3 i を解にもつとする。
√
√
√
q
3 i)2 =
アイ
3 i)3 =
オカ
4
3 i) =
キク
+
ウ
i 、(1 −
エ
q
−
ケ
i、(1 −
コ
√
√
q
3 i)2 =
−
アイ
ウ
エ
i
q
4
3 i) =
キク
+
ケ
コ
i である。
√
1 の解であることが分かる。
(2) (1) の計算から、1 − 3 i も °
√
√
{x − (1 + 3 i)}{x − (1 − 3 i)} = x2 − サ x + シ
であるから、c, d は a, b を用いて、c =
1 の左辺は、
°
³
x2 − サ x +
´n
シ
ス
³
x2 + a +
−
セ b、 d =
´
チ
ソ a+
´o
³
x+
タ b と表され、
ツ a+b
と因数分解される。
1 が異なる四つの解をもち、その絶対値がすべて等しく、かつ四つの解の和が 1
(3) さらに、方程式 °
1 は
であるならば、方程式 °
x4 − x3 +
テ x2 −
ト x+
ナニ
= 0 となる。
G
8
/
1999 本試験
/
分
/
分
分
実数係数の方程式
x3 + ax2 + bx + c = 0
1
···················· °
が x = 2 を解にもつとする。このとき、c = − ア a − イ b − ウ であり、
n
o
となる。
x3 + ax2 + bx + c = (x − 2) x2 + (a + エ )x + オ a + b + カ
1 の解を 2, α, β とし、複素数平面において 3 点 2, α, β が正方形の異なる三つの頂点になって
°
√
いるとする。さらに、この正方形の一辺の長さが 5 2 で、α、β の実部が負であるならば、α、β は
キク
±
ケ i である。このとき、a =
/
1999 追試験
コ , b=
サシ , c =
/
分
スセソ
となる。
/
分
分
a を正の実数とし、4 次方程式
x4 − (a2 − 3)x2 − ax + 2 = 0
1
···················· °
を考える。
´³
³
1 の左辺は、 x2 + ax +
(1) 方程式 °
ア
´
x2 − ax +
イ
と因数分解される。
q
1 が実数解のみをもつのは a =
(2) 方程式 °
つの虚数解をもつのは、 オ
<a<
ウ
q
カ
エ
キ
のときであり、異なる二つの実数解と二
のときである。
1 が異なる二つの実数解 u1 、u2 (u1 < u2 ) と二つの虚数解 z1 、z2 をもつとする。
(3) 方程式 °
2 次方程式の解と係数の関係により、u1 + u2 =
ク 、u1 u2 =
ケ
である。
複素数平面において、z1 と z2 を結ぶ直線と実軸との交点を v とする。u1 が v と u2 とを結ぶ線
q
サ
シ
分の中点であるならば、 コ u1 − 2u2 = −a である。このとき、a =
である。
ス
/
2000 本試験
分
/
/
分
分
k を定数とし、c を正の定数とする。方程式
x3 − kx2 + kcx + c2 = 0
1
···················· °
1 が x = −1 を解にもつとする。このとき、k =
を考える。方程式°
辺は
H
Ã
3
2
2
ア
−
イ
1 の左
であり、°
!
2
x − kx + kcx + c = (x + 1) x −
ウ x+
エ
オ
と因数分解される。
9
1 の −1 以外の解で、虚部(虚数単位 i の係数)が正のものを α とすると、
したがって、°
q


ケ
キ
α= カ 
+
i となる。
ク
コ
複素数平面において、原点を O とし、α, −1 を表す点をそれぞれ A、B とする。三角形 OAB が二
等辺三角形となるのは c =
q
³
α+1=
シ
cos
サ
のときである。このとき、α + 1 を極形式で表すと、
◦
/
2000 追試験
◦´
+ i sin
スセ
スセ
であり、(α + 1)6 =
/
分
ソタチ である。
/
分
分
複素数平面上で、複素数 α、β を表す点をそれぞれ A、B とする。2 点 A、B は原点 O を中心と
する半径 1 の円 C 上にあって、
√
√
2αβ − 2α + 1 + i = 0
1
···················· °
を満たしているとする。このとき、α、β を求めよう。
(1) γ = √1 (1 + i) とするとき、γ を極形式で表すと、γ = cos
2
を表す点 P も円 C 上にある。
◦
アイ
1 を変形すれば、α − γ = αβ となるので、 α − γ =
(2) 等式 °
考えれば、点 A は点 P を原点 O のまわりに ± エオ
ウ
+ i sin
◦
アイ
となり、γ
となる。三角形 OAP の形を
◦
だけ回転して得られる点であることがわ
かる。
(3) したがって、虚部(虚数単位 i の係数)が負となる α の偏角 θ は、−180◦ 5 θ < 180◦ の範囲で
は θ = − カキ
q
ク
α=
◦
で、
q
+
ケ
コ
である。( ク ,
q
+
q
サ
−
シ
i
ス
ケ
は解答の順序を問わない。)
q
タ
セ
γ
そのとき β は、β = 1 −
=
−
i である。
α
ソ
チ
I
10
/
2001 本試験
/
分
/
分
分
(1) 方程式
z 3 = 2 + 2i
1
···················· °
を解こう。
q
複素数 2 + 2i を極形式で表すと、2 + 2i =
³
ア
イ
◦
cos
ウエ
◦
◦´
+ i sin
ウエ
とな
◦
1 を満たす r 、θ (r > 0、0 5 θ < 360 ) を求めると、
る。z = r (cos θ + i sin θ) とおき、°
q
◦
◦
r=
オ 、θ = カキ 、 クケコ 、255◦ となる。
1 の解は、− サ
したがって、複素数平面上の第 2 象限にある°
+ i である。
(2) 次に方程式
z 6 − 4z 3 + 8 = 0
2
···················· °
の解について考えよう。
2 は (z 3 − 2)2 = − シ 、すなわち、z 3 = 2 ±
°
ス i となるから、(1) と同様に考えると、第
q
q
セ −
ソ
チ +
ツ
+i と
+
iの
タ
テ
2 の解は (1) で求めた − サ
2 象限にある°
2 個であり、他の解は第 1 象限に 1 個、第 3 象限に
ト 個、第 4 象限に
ナ 個存在する。
注 この問題において,複素数平面の象限とは,実軸を x 軸,虚軸を y 軸とした座標平面にお
ける象限のことをいう。
/
2001 追試験
/
分
/
分
A(i)
虚軸
y
分
点 O を原点とする複素数平面上に、三つの複素
数 i(虚数単位)、β 、γ を表す点 A、B、C が
∠COB = 120◦ , ∠BAC = 60◦ , OB = 2OC,
B(β)
C(γ)
AB = AC を満たし、図のように与えられている
O
とする。
(1) \COB = 120◦ 、OB = 2OC より、β =
„
− ア
«
イ i γ である。
q
+
q
0
ウ
また、\BAC = 60 , AB = AC より、γ − i = @
◦
+
1
エ i
オ
J
q
したがって、β =
−
q
カ
キ
+i
,
γ=
ク
ケ
実軸 x
+i
である。
A (β − i) である。
11
q
(2) 線分 BC の長さ |γ − β| は、
コ
であり、arg(γ − β) = θ とすると、
サ
q
cos θ =
シ
q
スセ
14
,
sin θ =
/
2002 本試験
ソ
タ
である。
14
/
分
/
分
分
(1) 相異なる二つの複素数 a、b に対して、arg z − a = ±90◦ を満たす z は、複素数平面上の、ある
z−b
円の周上にある。この円は a、b を用いて、 z −
+
ア
イ
=
−
エ
ウ
オ
で表さ
カ
れる。ただし、arg z は複素数 z の偏角を表す。
(2) 以下、複素数の偏角は 0◦ 以上 360◦ 未満とする。
2 次方程式 x2 − 2x + 4 = 0 の二つの解を α、β とする。ただし、α の虚部は正とする。このとき、
q
◦
◦
arg α = キク 、arg β = ケコサ 、α2 + β 2 = シス 、α2 − β 2 = セ
ソ i であ
q
2
z − α = 90◦ を満たす z が描く図形は、 z + タ
る。したがって、arg
= チ
ツ で
z − β2
◦
表される円のうち、 テトナ
2002 追試験
< arg z <
/
◦
ニヌネ
を満たす部分である。
/
分
複素数平面上の 3 点 A(α)、B(β)、C(γ) について、AB : AC =
/
分
√
分
3 : 6、∠BAC = 30◦ が成り立って
いるとする。また、w = −4α + 6β − γ で表される点を D(w) とおく。
q
(1) z = w − α とするとき、z + 1 の絶対値と偏角はそれぞれ、|z + 1| =
ア 、
γ−α
q
カ
◦
エ
arg(z + 1) = ± イウ
なので、z + 1 =
±
i である。
オ
キ
したがって、|z| =
ク , arg z = ± ケコ
◦
である。
(2) 三角形 ABC と三角形 ACD の面積比は、4ABC : 4ACD = 1 :
サ
である。
q
q
(3) α = 1、β = 0 のとき、γ = シス +
セ i, w = ソタ −
チ
q
q
γ = シス −
セ i, w = ソタ +
チ i である。
i または、
K
12
/
2003 本試験
分
/
/
分
分
√
4{(1 − sin θ) + i cos θ}
2 の表す
複素数平面上で、z0 = ( 3 + i)(cos θ + i sin θ)、z1 =
、z2 = −
(1 − sin θ) − i cos θ
z1
点をそれぞれ P0 、P1 、P2 とする。ただし、0◦ < θ < 90◦ とする。また、arg z は複素数 z の偏角を
表すものとし、偏角は −180◦ 以上 180◦ 未満とする。
(1) |z0 | =
◦
ア 、arg z0 =
イウ
+ θ である。
(2) z1 の分母と分子に (1 − sin θ) + i cos θ をかけて計算すると、z1 =
よって、|z1 | =
(3)
z1
z0
=
◦
オ , arg z1 =
ク 、arg
z1
=
z0
カキ
◦
ケコ
エ (− sin θ + i cos θ) となる。
+ θ である。
q
であるから、P0 P1 =
サ
シ
である。
(4) 原点 O、P0 、P1 、P2 の 4 点が同一円周上にある場合を考える。このとき、 ∠OP2 P1 を考えると、
◦
z − z2
arg 1
であるから、 ソ cos 2θ − タ = 0 が成り立つ。
= − スセ
−z2
q
チ
よって、sin θ =
となる。
ツ
/
2003 追試験
分
/
分
/
分
二つの複素数 α、β に対して、複素数平面上で α、α2 、α3 が表す点をそれぞれ A1 、A2 、A3 とし、
β 、β 2 、β 3 が表す点をそれぞれ B1 、B2 、B3 とする。ただし、α、β の虚部はどちらも正とする。
以下では、arg z は複素数 z の偏角を表し、その大きさは 0◦ 以上 360◦ 未満とする。
Ã
!
ア
−
α
α
(1) 三角形 A1 A2 A3 は正三角形とする。∠A2 A1 A3 = arg
= arg(α + ウ ) であるか
α イ −α
ら、arg(α +
ウ )=
◦
エオ
である。したがって、α =
である。また、A1 A2 = A1 A3 であるから、|α +
q
コ
キク
+
i となる。
ケ
ケ
ウ |=
カ
(2) 三角形 B1 B2 B3 は ∠B2 B1 B3 = 90◦ であるような直角三角形とする。(1) と同様に考えると、
の偏角は 90◦ であることがわかるので、β の実部は サシ である。
q
さらに、∠B3 B2 B1 = 60◦ が成り立つとき、β の虚部は
ス で、arg β = セソタ
q
したがって、β 2 = チツ − テ
ト i, β 3 = ナ である。
β+
ウ
◦
となる。
(3) α、β は (1)、(2) で定めた数とする。このとき、三角形 B1 B2 B3 の面積は三角形 A1 A2 A3 の面積
L
の
ニヌ
ネ
倍である。
13
/
2004 本試験
/
分
/
分
分
\ 0 を満たし、かつ 1、z 、z 2 、z 3 は相異なるとする。
複素数 z = x + yi(x、y は実数)は y =
また、z に共役な複素数を z = x − yi とする。
(1) 複素数平面において 1、z 、z 2 、z 3 の表す点をそれぞれ A0 、A1 、A2 、A3 とする。線分 A0 A1 と
線分 A2 A3 が両端以外で交わる条件を求めよう。線分 A0 A1 と線分 A2 A3 が両端以外の点 B で交
わるとする。点 B を表す複素数を w とする。点 B が線分 A0 A1 を a : (1 − a) に内分していれば、
w = az + 1 − a と表される。ここで 0 < a < 1 である。点 B が線分 A2 A3 を b : (1 − b) に内分し
ていれば、w = bz 3 + (1 − b)z 2 と表される。ここで 0 < b < 1 である。ゆえに、
³
´³
´
bz 3 + (1 − b)z 2 = az + 1 − a。すなわち、 z − ア
イ z2 + z + 1 − ウ
= 0 である。
z は実数ではないから、z + z = −
y を用いて表すと、a =
キ
+
x
1
エ
ク
,
zz =
1−
オ
である。これから a と b を、x と
カ
+y
ケ
コ x
,
b=−
1
サ x
である。
したがって、0 < a < 1、0 < b < 1 より、線分 A0 A1 と線分 A2 A3 が両端以外で交わる条件は、
´2
³
シス
x<
+ y 2 < タ である。
かつ x + ソ
セ
(2) z 4 の表す点を A4 とする。z が (1) の条件を満たすとき、すなわち、線分 A0 A1 と線分 A2 A3 が両
端以外で交わるとき、線分 A3 A4 と線分 A1 A2 は両端以外で チ 。
チ に当てはまるものを、次の 0 ∼ 2 のうちから一つ選べ。
0 必ず交わる
1 交わることはない
2 交わることも、交わらないこともある
2004 追試験
/
分
/
分
/
分
複素数平面上で複素数 0、α、β の表す点をそれぞれ O、A、B とする。点 O、A、B を頂点とする三角形
α > 0◦ とする。ただし、複素数 z の偏角を arg z で表し、−180◦ < arg z 5 180◦
は正三角形であり、arg
β
とする。
q
オ i
◦
α = ウ であるから、β = エ −
(1) arg α = アイ
α である。
であり、
β
β
カ
q
キ −
ク i
三角形 OAB の重心 G を表す複素数を γ とすると、γ =
α である。
ケ
M
14
(2) さらに、複素数平面上で 6 の表す点を C とする。点 C が辺 AB 上にあるように、点 A、B が動く
q
とする。このとき、∠OAB = 60◦ であるから、点 A が描く図形は δ = コ +
サ i が表す
q
◦
◦
ス の円周の セソタ
5 arg(α − δ) 5 チツ
を満たす部
点を中心とする半径 シ
分である。したがって、三角形 OAB の重心 G が描く図形は、 テ を表す点を中心とする半径
´
³
◦
◦
ト の円周の ナニヌ ≦ arg γ − テ
5 ネノ
を満たす部分である。
/
2005 本試験
/
分
/
分
分
二つの複素数 p、q と三つの異なる複素数 α、β 、γ は
1
···················· °
2
···················· °
3
···················· °
α+β+γ =0
αβ + βγ + γα = p
αβγ = q
を満たすとする。複素数 α、β 、γ が複素数平面上で表す点をそれぞれ A、B、C とし、三角形 ABC
は AB = AC の直角二等辺三角形であるとする。このとき、
¯
¯
◦ ¯ γ−α ¯
γ−α
¯
¯= ウ
arg
= ± アイ , ¯
β−α
β−α ¯
である。ここで、複素数 z の偏角 arg z は −180◦ 5 arg z < 180◦ を満たすとする。
◦
γ−α
1 を用いると
以下、arg
= アイ
であるとする。このとき、°
β−α
β=
+
エオ
カ i
−
クケ
α, γ =
キ
コ i
α
サ
2 、°
3 から
である。さらに、°
p=
シ
α
セ
, q=
ス
ソ
チ
α
タ
である。したがって、p と q は
ツテ p
ト
=
ナニ q
ヌ
を満たさなければならない。
さらに、複素数平面上に点 D があり、四角形 ABDC が正方形であるとき、
点 D を表す複素数は
ネノ α である。
/
2005 追試験
/
分
/
分
分
複素数 z = a (cos α + i sin α), w = b (cos β + i sin β) は
zw = 4i, arg z = 60◦
w
を満たしているとする。ただし、a、b は正の実数、α、β は 0◦ 以上 180◦ 以下の角とし、arg
の偏角を表す。
N
(1) このとき、ab =
したがって、α =
ア ,
α+β =
◦
カキ
, β=
◦
イウ
, α−β =
◦
クケ
である。
◦
エオ
である。
z は z
w
w
15
(2) 0◦ < θ < 180◦ を満たす θ に対して、z 0 = z (cos θ + i sin θ) , w0 = w (cos θ + i sin θ) とおく。
積 z 0 w0 と和 z 0 + w0 がともに実数になるような a, b, θ の値を求めよう。
まず、積 z 0 w0 が実数となるのは、θ =
◦
◦
コサ
または θ = シスセ
のときである。
√ ³
´
◦
3
θ = コサ
のとき、和 z 0 + w0 の虚部は
ソ + タ
である。
2
³
´
ソ と タ は解答の順序を問わない。 したがって、この場合 z 0 + w0 は実数にはならない。
³
´
◦
1
また、θ = シスセ
のとき、z 0 + w0 の虚部は
チ − ツ
である。
2
したがって、和 z 0 + w0 も実数となるような a、b、θ の値は、それぞれ a =
θ=
◦
シスセ
テ 、b =
ト 、
である。そのとき z 0 , w0 は 2 次方程式 ナ の解になる。ただし、 ナ に当て
はまるものを、次の 0 ∼ 9 から一つ選べ。
0 x2 + 2x + 4 = 0
1 x2 + 2x − 4 = 0
2 x2 − 2x + 4 = 0
√
4 x2 + 3x + 4 = 0
√
6 x2 + 2 3x + 4 = 0
√
8 x2 − 2 3x + 4 = 0
3 x2 − 2x − 4 = 0
√
5 x2 + 3x − 4 = 0
√
7 x2 + 2 3x − 4 = 0
√
9 x2 − 2 3x − 4 = 0
O
16
10.17
センター試験解答 — 複素数平面
1997 本試験
ア
5
イ
4
ウ
3
エ
5
オ
2
カ
3
キ
5
ク
1
ケ
7
コ
4
サ
2
シ
2
ス
5
セソ
21
1997 追試験
ア
5
イ
7
ウ
7
エ
4
オ
2
カ
5
キ
4
ク
7
ケ
4
コ
2
サ
3
シ
5
ス
2
セ
3
1998 本試験
ア
3
イ
2
ウ
1
エ
3
オ
2
カキ
30
1998 追試験
ウ
2
エ
3
オカ
−8
キク
−8
ケ
8
ケ
2
コ
6
コ
3
サ
2
サ
2
シ
3
シ
4
ス
2
ス
8
セ
6
セ
2
タ
4
ト
4
ナニ
16
1999 本試験
ア
4
イ
2
ウ
8
エ
2
オ
2
カ
4
キク
−3
1999 追試験
ア
2
イ
1
ウ
2
エ
2
オ
2
カ
2
キ
2
ク
a
ケ
1
コ
4
サ
6
シ
5
ス
5
2000 本試験
ア
c
イ
1
ウ
c
エ
c
オ
2
カ
c
キ
1
ク
2
ケ
3
コ
2
サ
1
シ
3
スセ
30
2000 追試験
アイ
45
2001 追試験
2002 本試験
ウ
1
エオ
60
オ
2
ク
6
カキ
15
ト
2
ナ
1
ア
1
イ
3
ウ
1
エ
3
オ
2
カ
3
キ
3
ア
a
イ
b
ウ
2
エ
a
オ
b
カ
2
キク
60
イウ
30
エ
3
オ
2
カ
3
2003 本試験
ア
2
イウ
30
エ
4
オ
4
カキ
90
ア
3
イ
2
ナ
8
ニヌ
56
ア
1
イ
b
2004 追試験
2005 本試験
2005 追試験
アイ
60
ト
2
アイ
90
サシ
22
クケコ
135
サ
2
サ
1
シ
6
ク
3
ケ
6
セ
1
ス
2
コ
7
ケコサ
300
チ
2
ツ
8
ツ
2
スセソ
−68
ス
4
シ
4
タチ
75
ソ
2
セ
1
サ
3
ソ
3
シ
3
シス
−4
ソタチ
−27
タ
3
タ
2
スセ
21
セ
4
チ
2
ソ
3
チ
1
ソ
−
タ
2
チ
2
ソタ
−2
チ
3
タ
1
チ
7
ツ
3
テ
2
タ
7
ツ
3
ニヌネ
240
ア
3
2004 本試験
コ
4
コ
4
イ
2
2002 追試験
2003 追試験
ケ
2
ア
2
テトナ
120
ウエ
45
カキ
15
ケ
5
ソ
2
ソ
8
テ
6
2001 本試験
P
アイ
−2
ク
3
タ
2
ウ
1
ク
1
カ
1
ク
2
ケコ
60
ケコ
60
キク
−1
サ
6
ケ
2
サ
2
シス
−2
コ
3
シ
3
セ
3
スセ
90
サシ
−1
ソ
8
ス
3
セソタ
120
ツ
4
チツ
−2
テ
2
ト
3
ソ
1
タ
1
チ
0
ネ
3
ウ
a
ウ
1
エ
b
エ
1
ナニヌ
−60
ウ
1
エオ
60
キ
2
オ
a
オ
3
カ
b
カ
2
キ
1
キ
3
ク
2
ク
3
ケ
2
ケ
6
コ
2
コ
3
サ
2
サ
3
シス
−1
シ
2
ス
3
セ
2
セソタ
−30
チツ
90
テ
2
ネノ
60
エオ
−1
ト
3
ナニ
27
ヌ
2
ア
4
イウ
90
エオ
60
カ
3
キ
2
クケ
−1
コ
3
サ
2
シ
3
ス
2
セ
2
ソ
5
タ
2
チ
3
ツテ
50
ネノ
−2
カキ
75
クケ
15
コサ
45
シスセ
135
ソ
a
タ
b
チ
b
ツ
a
テ
2
ト
2
ナ
6