1月の為替・金利・株式情報

平成27年1月6日
伊予銀行 資金証券部
資金為替グループ
No.202
1月の為替・金利・株式情報
(1)為替相場
①米ドル円相場
先月の動き
終値
60分 QJPY=
6:00 2014/12/01 - 6:00 2015/01/01 (TOK)
価格
121.5
121
120.5
120
119.5
119
118.5
118
117.5
117
115円57銭
116.5
116
115.5
自動
04日
06日
10日
12日
16日
18日
2014年 12月
方向性
119円78銭 116円50銭~122円50銭
/USD
121円85銭
02日
今月の予想レンジ
20日
24日
26日
30日
②ユーロ円相場
先月の動き
60分 QEURJPY=
6:00 2014/12/01 - 6:00 2015/01/01 (TOK)
価格
先月の米ドル円は乱高下した。5日発表の11月米雇用統計が市場予想
を大幅に上回ったことから、米ドル円は一時07年7月以来となる121円85
銭まで上昇した。しかし、足元で進行する原油安が産油国等の景気悪化や
信用不安をたらすとの見方が強まると、世界的にリスク回避ムードが広がり、
株式相場の下落につられる形で米ドル円も115円57銭まで大きく下落し
た。もっとも、売り一巡後は中長期的な米ドル円の上昇を志向する機関投資
家や本邦輸入企業の米ドル押し目買い等により、米ドル円は120円付近ま
で反発して取引を終えた。
今月の米ドル円は軟調推移を予想する。先月行われたFOMCでは、FR
Bが事実上利上げへ向けて舵を切った。しかし、鈍いインフレの伸びや世界
経済の不透明感がくすぶる中で、「利上げは経済情勢次第」と景気動向に
配慮する姿勢を明確にした。また、イエレン議長はわざわざ「今後数回のF
OMCでは利上げはない」と明言し、高まる早期利上げ期待を牽制した。第
1四半期での利上げが事実上なくなったことで、中長期の米ドル円上昇を見
込む投機筋も新規のポジション構築に慎重な姿勢を見せそうだ。足元では
原油安の進行や資源国・新興国不安、ギリシャの政局不安などリスク要因が
点在しており、投資家のリスク許容度が低下する場面では株価の下落等に
連れて、米ドル円も軟調推移しそうだ。
今月の予想レンジ
方向性
終値
144円85銭 140円00銭~146円00銭
JPY
149円78銭
149.5
149
148.5
148
147.5
147
146.5
146
145.5
145
144円77銭
自動
02日
04日
06日
10日
12日
16日
18日
2014年 12月
20日
24日
26日
30日
③豪ドル円相場
先月の動き
60分 QAUDJPY=
6:00 2014/12/01 - 6:00 2015/01/01 (TOK)
価格
先月のユーロ円は上昇後下落した。11月米雇用統計の良好な結果を受
けてリスク選好ムードが高まる中、ユーロ円は一時08年10月以来となる
150円台に迫った。しかし、原油安やロシアルーブルの急落等をきっかけに
世界的な株価の下落に直面し、ユーロ円も145円割れの水準まで下落し
た。その後一旦は反発したものの、ギリシャの政局混乱やECBによる追加
緩和観測等を背景に年末にかけて再びユーロ売り圧力が高まり、ユーロ円
は月間安値圏で取引を終えた。
今月のユーロ円は軟調推移を予想する。ギリシャにおいては、25日の総
選挙を通過しても、過半数を獲得する政党が出なかった場合には、再選挙
や政党間の連立交渉等により政局の混乱が長引く可能性がある。ギリシャ
が最終的にEUを脱退する可能性は低いと見られるが、いずれにせよ、同
国の政局を見極めるまではユーロは積極的に買い仕掛けづらい状況が続
きそうだ。また、14日には欧州司法裁判所がECBによる国債購入に関する
意見書を発表する予定だ。同意見書でECBによる国債買入に違法性がな
いと認められれば、量的緩和の実現可能性がさらに高まり、ユーロ売りの材
料となるだろう。
今月の予想レンジ
方向性
終値
97円81銭
94円00銭~98円50銭
JPY
101.5
101
101円36銭
100.5
100
99.5
99
98.5
98
97.5
97
96.5
96
95円23銭
95.5
95
自動
02日
04日
06日
10日
12日
16日
18日
2014年 12月
20日
24日
26日
30日
先月の豪ドル円は下落した。原油安を背景に資源価格全般が軟調推移
する中、資源国通貨である豪ドルにも売り圧力が加わった。世界的なリスク
回避ムードの高まりや豪中銀総裁が一段の豪ドル安を志向する発言をした
ことも相まって、豪ドル円は95円台まで下落した。その後自律反発したもの
の、原油安に歯止めがかからず、豪ドル円も戻り鈍く推移した。
今月の豪ドル円は軟調推移を予想する。足元の原油価格の下落は供給
過剰と需要不足の両方の要因からなり、長期化する可能性がある。原油を
はじめ、豪州の主要輸出品目である鉄鉱石等資源価格の下落も鮮明となっ
ており、豪州経済の悪化要因として懸念されている。こうした状況を踏まえ、
豪中銀は政策スタンスを中立から緩和方向へ転換しようとしている。市場で
は豪中銀の利下げを織り込み始め、豪中銀総裁は豪ドル相場に関して
「(対米ドルで)0.75米ドル程度が望ましい」と具体的な水準に言及し、更
なる通貨安誘導を図っている。利上げへ向かう米国との金融政策の方向性
の違いも意識されるとみられ、豪ドルは対米ドルでの下落基調を強めていく
だろう。豪ドル円は足元の地合いの悪さも手伝って軟調推移が見込まれる。
(2)国内金利
①短期金利
①長・短期金利の推移 (TIBORとTSR)
日 足 QTIJPY6MD=, QJPYIRS5Y=, QJP10YT=TR
2013/12/15 - 2015/01/25 (TOK)
価格
JPY
0.75
10年債利回り
0.7
0.65
0.6
0.55
0.5
0.45
5Y スワップレート
6M TIBOR
0.4
0.35
0.3
0.25
0.2
先月のレンジ
TIBOR
終値
今月の予想レンジ
方向性
0.13182~0.13273% 0.13182% 0.12800%~0.13500%
1M
0.18091~0.18091% 0.18091% 0.17500%~0.18700%
3M
0.26909~0.27000% 0.26909% 0.255000%~0.28000%
6M
先月の短期金利は低下した。短期金融市場では、四半期末で短期国債の需要が
増えたことから、市場で流通する国庫短期証券の在庫が不足し流通利回りのマイナ
ス金利が常態化した。短期国債の利回り低下がTIBORに波及し1~12か月の全て
の期間において金利が小幅低下した。
今月の短期金利は低位安定推移を予想する。短期国債市場では、年末の需要が
剥落したことから利回り低下に一服感が出そうだ。当座預金残高は、高水準を維持し
ており、短期金融市場は安定的に推移するだろう。
自動
1月
2月
3月
4月
2014年 Q1
5月
6月
7月
2014年 Q2
8月
9月
10月
2014年 Q3
11月
12月
2014年 Q4
1月
②長期金利
②長・短期金利のイールドカーブ (TIBORとTSR)
(%)
2014/12/30
2013/10/1
2013/4/1
1.0
スワップ
先月のレンジ
終値
今月の予想レンジ
3年
5年
10年
0.14500~0.16400%
0.20400~0.24000%
0.50700~0.59700%
0.30000~0.45000%
0.15500%
0.22000%
0.51500%
0.33000%
0.11000~0.17000%
0.16000~0.25000%
0.45000~0.55000%
0.20000~0.40000%
10年債利回り
方向性
先月の長期金利は低下した。1日に米大手格付け会社が日本国債を1段階引き下
げたが、影響は限定的であった。四半期末に伴い国債の需要が高まったほか、中国
株の急落、ギリシャ政局懸念、原油価格下落等による世界的な株安地合いが嫌気さ
れたことが長期金利の低下要因となり月中を通して長期金利は低下した。26日には
新発10年債利回りは一時、0.300%を付け史上最低水準を更新した。
今月の長期金利は低下を予想する。1月6日に行われた10年債入札において表
面利率が過去最低の0.300%となった。日銀による大量の国債買い入れを背景とし
た良好な需給環境に加え、ECBによる追加緩和観測による欧州金利の低下や、原
油価格の下落によるインフレ後退観測が金利低下圧力となるだろう。
0.5
(3)米国金利
0.0
1M
3M
6M 12M 2Y
3Y
5Y
7Y 10Y
(3)米国金利
①短期金利
①長・短期金利の推移(LIBORと米国10年債利回り) 日足 QUSD6MFSR=, QUS10YT=RR
2014/01/09 - 2015/01/22 (LON)
価格
3.3
3
2.7
2.4
10年債利回り
2.108
2.1
1.8
1.5
1.2
6M LIBOR
0.9
0.6
0.364
0.3
先月のレンジ
LIBOR
1ヶ月
3ヶ月
終値
今月の予想レンジ
方向性
0.15775%~0.17125% 0.17125% 0.15000%~0.20000%
0.23460%~0.25660% 0.25560% 0.23000%~0.30000%
0.32620%~0.36280% 0.36280% 0.33000%~0.40000%
6ヶ月
先月の短期金利は小幅上昇した。市場の注目が高まっていた12月FOMCでは
事実上のゼロ金利政策を「相当期間維持する」という文言を残した一方で、利上げに
向けて「忍耐強く待つ」という文言を新たに追加し、出口戦略への舵を切り始めた。
今月の短期金利は横ばい推移を予想する。12月FOMCの声明文変更を受け、市
場の利上げ期待は徐々に高まりつつある。しかし、イエレンFRB議長は「少なくとも
今後2回での利上げは考えづらい」と述べる等、以前からの慎重な姿勢を崩していな
いことから、当面短期金融市場は現行水準で推移することとなりそうだ。
0
自動
2月
3月
2014年 Q1
4月
5月
6月
2014年 Q2
7月
8月
9月
2014年 Q3
10月
11月
12月
2014年 Q4
1月
②長・短期金利のイールドカーブ(LIBORと米国債利回り) ②長期金利
3.0 (%)
2014/12/31
2013/10/1
2013/4/2
2.0
0.0
3M
6M
先月のレンジ
終値
今月の予想レンジ
利回り
2.0090%~2.3470%
2.1740%
1.8000%~2.3000%
方向性
先月の長期金利は2%前半で揉み合う展開となった。月央にかけて原油価格下落
を受けたロシアの金融不安等を背景にリスク回避ムードが高まり、長期金利は一時
2ヶ月ぶりの水準である2.009%まで低下した。その後、第3四半期米GDP確報値
が大幅に上方修正されたことを受け長期金利も上昇に転じたが、ギリシャの政局不
安等から再び安全資産としての債券買いニーズが高まり、2.1%台まで低下した。
今月の長期金利は低下を予想する。ECBは早ければ今月22日、遅くとも3月まで
には量的緩和を実施すると見込まれている。ECBに対する緩和期待の高まりを受け
た欧州債の金利低下を背景に、米金利にも低下圧力がかかりやすいだろう。加え
て、25日に総選挙が行われるギリシャに対する先行き不透明感も高まっており、リス
ク回避ムードの高まりも金利低下を後押しすることとなりそうだ。なお、27-28日のF
OMCでは、政策変更はないとみられており、市場に与える影響は限定的だろう。
1.0
1M
10年債
12M
2Y
5Y
10Y
(4)国内株式
日経平均株価の推移
30分 Q.N225
9:30 2014/12/01 - 15:30 2014/12/30 (TOK)
価格
JPY
18,030円83銭
18,050
18,000
17,950
17,900
17,850
17,800
17,750
17,700
17,650
17,600
17,550
17,500
17,450
17,400
17,350
17,300
17,250
17,200
17,150
17,100
17,050
17,000
16,950
16,900
16,850
16,800
16,750
16,672円94銭
16,700
16,650
自動
02日
03日
04日
05日
08日
09日
10日
11日
12日
15日
16日
2014年 12月
17日
18日
19日
22日
24日
25日
26日
29日
30日
チャート図 日
経
平
均
終値
今月の予想レンジ
方向性
17,450円77銭 16,500円~18,000円
先月の日経平均株価は横ばい推移した。国内GDP速報値が年率
▲1.9%(市場予想▲0.5%)となるなど、景気の不透明感が強まり
売りが優勢となったが、衆院解散に伴う総選挙で与党の圧勝が見込
まれたことから、政策進展期待が高まり日経平均は反発した。なお、
原油価格の急落により米シェール関連企業の先行き不透明感からリ
スク回避姿勢が強まる場面も見られたが、原油安は総じて景気へポ
ジティブとの見方から下値はサポートされた。
今月の日経平均株価は軟調な展開を予想する。高値警戒感のくす
ぶる米国株式市場で利益確定の動きが見込まれることや、ギリシャ情
勢の不透明感の高まりから売りが強まる局面が想定される。また、米
国での金融政策正常化に向けた動きも、国内外の株式相場の重荷と
なるだろう。ただ、日銀やGPIFの買入れ、企業業績の上振れ期待、
政治基盤の安定化など、国内株式を大きく売り越す展開は考えにく
いため、下値は限定的となるだろう。
(1) 米ドル円(日足)
日 足 QJPY=
2013/12/02 - 2015/01/01 (TOK)
価格
/USD
122
120
118
116
114
112
110
108
106
104
102
100
自動
1月
2月
3月
2014年 Q1
4月
5月
6月
2014年 Q2
7月
8月
9月
2014年 Q3
10月
11月
12月
1月
2014年 Q4
(2)ユーロ円(日足)
日 足 QEURJPY=
2013/12/02 - 2015/01/01 (TOK)
価格
J PY
149
148
147
146
145
144
143
142
141
140
139
138
137
136
135
自動
1月
2月
3月
2014年 Q1
4月
5月
6月
2014年 Q2
7月
8月
9月
2014年 Q3
10月
11月
12月
1月
2014年 Q4
(3) 豪ドル円(日足)
日 足 QA UDJ PY=
2013/12/02 - 2015/01/01 (TOK)
価格
JPY
103
102
101
100
99
98
97
96
95
94
93
92
91
90
89
88
自動
1月
2月
3月
2014年 Q1
4月
5月
6月
2014年 Q2
7月
8月
9月
2014年 Q3
10月
11月
12月
1月
2014年 Q4
#NAME?
( 1 )12月の公表仲値の推移 (単位:円)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
平均
US$
SFr
EUR
AUD
118.89
118.34
119.30
119.86
119.83
122.86
122.73
122.71
122.66
123.45
147.82
147.61
147.75
147.60
148.43
100.55
100.44
100.24
100.90
100.55
121.58
120.97
119.46
117.68
118.89
124.29
123.79
123.05
122.11
122.73
149.42
148.83
147.89
146.95
147.46
101.00
100.02
99.13
98.51
98.16
118.61
117.76
116.91
118.78
119.00
122.99
122.04
121.73
121.99
121.37
147.80
146.54
146.21
146.48
146.12
97.52
96.87
96.10
96.50
97.22
119.50
121.42
146.03
97.28
120.64
120.24
120.32
122.22
121.90
122.20
146.96
146.57
146.93
97.96
97.59
97.75
120.51
120.55
122.10
121.80
146.84
146.54
97.93
98.07
119.41
122.48
147.28
98.59
データ:トムソン・ロイター提供
( 2 )12月のTIBOR・TSRの推移 (単位:%)
TIBOR
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
TSR
1ヶ月
0.13273
0.13273
0.13273
0.13273
0.13273
3ヶ月
0.18091
0.18091
0.18091
0.18091
0.18091
6ヶ月
0.27000
0.27000
0.27000
0.27000
0.27000
3年
0.16400
0.16100
0.15400
0.15400
0.15800
5年
0.24000
0.23600
0.22400
0.22700
0.23300
10年
0.58800
0.58200
0.56900
0.57900
0.58800
0.13273
0.13273
0.13273
0.13273
0.13273
0.18091
0.18091
0.18091
0.18091
0.18091
0.27000
0.27000
0.27000
0.27000
0.27000
0.16100
0.15500
0.15300
0.15300
0.15300
0.23900
0.22600
0.22000
0.22100
0.22000
0.59700
0.57300
0.55300
0.54900
0.54600
0.13273
0.13273
0.13273
0.13273
0.13273
0.18091
0.18091
0.18091
0.18091
0.18091
0.27000
0.27000
0.27000
0.27000
0.27000
0.14900
0.14600
0.14500
0.14600
0.15300
0.21100
0.20400
0.20400
0.20400
0.21900
0.53300
0.51900
0.51100
0.50700
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