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7. 部材断面の性質

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H. Hamano, 7. 部材断面
7
7-1
部材断面の性質
7.1 断面1次モーメント
7.1.1 断面1次モーメント
点(x,y)において微小面積 dA  dx  dy を考える.この微小
面積を重さ(力)と考えると,この力と x 軸からの距離 y を
掛けたもの dA×y は x 軸に対するモーメントである.
これを全面積にわたって寄せ集めたものを断面 1 次モ
ーメントと呼び,次式で定義する.
Gx   y d A
x
dA
A
y
(7.1)
同様に y 軸に関する断面1次モーメントは
G y   xdA
(a)
O
(7.2)
式(6.1),(6.2)を級数の形で書けば
G x   y i Ai G y   xi Ai
i
y
x
y
dA=ady
dA=bdx
y2
(7.3)
i
dy
図(b)の場合は
a
y2
x2
y1
x1
Gx   a y d y G y   b x d x
b
(7.4)
[例題 7.1]図 7.2 の長方形断面の x 軸に対する断面1次
モーメントを求めよ.
(b)
y1
O
x1
dx
図 7.1
[解]
微小面積 dA=ady
x 軸に対する断面1次モーメント
b
G x   ydA   aydy 
0
x
x2
y
a
ab
2
dA=ady
2
dy
b
y
[問題 7.1]y 軸に関する断面1次モーメントを求めよ.
x
図 7.2
[例題 7.2]図形の面積と,x 軸からその面積の中心
までの距離 y0 が求められていると,上式は次のよう
に簡単になる.
(7.5)
Gx  y 0 A
A
y0
図 6.3.では,断面積は A=ab,x 軸からの距離は
b
y 0  であるから式(7.5)より
2
b
ab 2
G x  y 0 A   ab 
2
2
となって,例題 6.1 と同じになる.
x
図 7.3
y
x1
7.1.2 集合図形の断面 1 次モーメント
長方形,三角形等の単純な図形を組み合わせた図形の断
面 1 次モーメントは,各図形の面積を A1, A2, ・・・,x,y 軸
から各図形の中心までの距離を y1, y2,・・・,x1, x2,・・・とすると
x2
A2
A1
y2
y1
O
x
図 7.4
H. Hamano, 7. 部材断面
7-2
Gx  y1 A1  y2 A2    yn An
(7.6)
Gy  x1 A1  x2 A2    xn An
となる(図 7.4).
[注意]
断面 1 次モーメントの符号は,直行軸 x, y のとり方によって正または負に変化する.
断面 1 次モーメントは 面積×距離 であるから,単位は長さの 3 乗[mm3]となる.
[例題 7.3]図 7.5 の図形の断面 1 次モーメントを求めよ.
y
[解]
断面を 2 つの長方形に分ける.
A1=30×60=1 800 mm2
A2=50×20=1 000 mm2
y1=30 mm
y2=10mm
x1=15 mm
x2=55mm
G x  y1 A1  y 2 A2  30  1 800  10  1 000  64  10 3 mm 3
G y  x1 A1  x2 A2  15  1 800  55  1 000  82  10 mm
3
A1
40
A2
20
O
x
50
30
3
[mm]
図 7.5
7.1.3 軸の平行移動
座標軸 x,y を平行移動して新しい座標軸 u,v を設ける.
y
v
x0
x,y=面積要素 dA の旧座標
u,v=面積要素 dA の新座標
x0,y0=旧座標に対する新座標の原点
u
A
x
dA
x  x0  u ,
y
y  y0  v
v
u
(x0,y0)
y0
O
x
図 7.6
新しい座標軸に対する断面 1 次モーメントは
Gu   vdA   ( y  y 0 )dA   ydA  y 0  dA  G x  y 0 A , すなわち
Gu  Gx  y 0 A
Gv   udA   ( x  x0 )dA   xdA  x0  dA  G y  x0 A ,
Gv  G y  x 0 A
すなわち
ちょっと休憩[7-1](断面 1 次モーメントの求め方)
y
x0
断面 1 次モーメントは,
「基準となる軸からその図形の中心までの距離と,部材の断面積
を掛けたもの」
と考えてよい.
y0
式で書けば,右図において
断面積 A
Gx=y0A, Gy=x0A
O
x
となる.
これは,面積 A を「作用している力」と考えれば,x,y 軸に関するモーメントと考えられる.
(7.7)
H. Hamano, 7. 部材断面
7-3
7.2 図心
7.2.1 図心
1 点を通る任意の軸に対する図形の断面 1 次モーメントが 0 となる点を図心と定義する.
図 7.6 で O  が図心であるとすれば,定義より式(7.7)において Gu  0, Gv  0 とおくと,図心を求める次
の公式が得られる.
Gy
G
x0 
, y0  x
(7.8)
A
A
「ある軸 x,y から図心位置までの距離 x0,y0 は,x,y 軸に関する断面 1 次モーメントをその面積で
割ったものである」
y
a
dA=ady
[例題 7.4]長方形断面(図 7.7)の図心を求めよ.
[解]例題 7.1 より x 軸に対する断面 1 次モーメントは G x 
ab 2
,
2
dy
b
y
断面積は A  ab であるから,式(7.7)より
G
ab 2
b
y0  x 
ab 
A
2
2
x
O
図 7.7
例題 7.2 で面積の中心までという,あいまいな表現を使用したが,これは実は図心までの距離を表し
たものである.すなわち,図心は図形の中心という意味で使用される.
7.2.2 集合図形の図心
断面が多くの断面の集合体からなっていて,それぞれの図心位置を ( x1 , y1 ), ( x2 , y 2 ),  とすると合成図
形の図心 ( x0 , y 0 ) は
G y x1 A1  x 2 A2  
G
y A  y 2 A2  
x0 

, y0  x  1 1
A
A1  A2  
A
A1  A2  
で求められる.
[例題 7.5]図 7.8 の図心位置を求めよ.
[解] 面積 A  A1  A2  2 800 mm 2
したがって,式(6.9)より
G y 82  10 3
G x 64  10 3
x0 


29
.
3
mm
,
y


 22.9mm
0
A 2.8  10 3
A 2.8  10 3
(7.9)
y
A1
40
A2
O
30
50
20
x
[mm]
図 7.8
ちょっと休憩[7-2](図心の求め方)
図心の求め方
1. 図形が 2 本以上の対称軸をもつときは,その交点が図心.
2. 1 本の対称軸をもつ図形では,その対称軸上に図心がある.
対称軸に直角に適当な軸を設け図心を計算する.
3. 対称軸をもたない図形では式(7.6)で計算する.
座標軸 x,y は計算が楽になるように設定する.
4. 三角形,矩形,円などの図心は既知なものとして使用する.
5. 集合図形は適当に単純な図形に分割して計算する.
注) 重心:図形が重さをもつと仮定すると,その重さは面積に比例し,ある 1 点に集中して働く.この
重さの中心を重心という.
H. Hamano, 7. 部材断面
[例題 7.6]三角形断面(図 7.9)の x 軸に対する図心を求めよ.
1
[解] A  ab
2
a
y 点の長さ a   (b  y ) であるから
b
a
dA  a  dy  (b  y)dy
b
b a
ab 2
G x   ydA  
(b  y) ydy 
0 b
6
2
 ab   ab  b
G
  
y 0  x  
A  6   2  3
7-4
y
dA
dy
y
b
a′
O
x
a
図 7.9
すなわち,底辺から 3 分の 1 の点にある.
[問題 7.2]三角形断面(図 7.9)の y 軸に対する図心を求めよ.
[例題 7.7]半径 r の 4 分円(図 7.10)の x 軸に対する図心を求めよ.
r 2
[解] A 
y
4
y 点の長さ r   r 2  y 2 であるから
dA
dA  r   dy  r 2  y 2 dy
r
r
0
0
G x   y d A 
r2  y2 y d y
A2  r22
y1  r1
y 2  r2
式(3.9)より
y A  y 2 A2  (r13  r23 ) r12  r1 r2  r22
y0  1 1


A1  A2
r1  r2
 (r12  r22 )
x
O
図 7.10
a
y
[例題 7.8]図 7.11 の台形断面の x 軸に対する図心を求めよ.
[解] A1  r12
r′
y
この積分は次のように行う.
r 2  y 2  t 2 とおくと ydy  tdt となり
y  0 のとき t  r , y  r のとき t  0 であるから
r
0
1
1
1
G x   r 2  y 2 ydy   t 2 dt   [t 3 ] 0r   (0  r 3 )  r 3
0
r
3
3
3
2
G
 1   r  4r

y 0  x   r 3  
A  3   4  3
[解]点線で 2 つの三角形に分割する.
1
1
A1  bh
A2  ah
2
2
h
2h
y2 
y1 
3
3
式(3.9)より
h bh 2h ah

y1 A1  y2 A2 3 2
3 2  h 2a  b
y0 

bh ah
A1  A2
3 ab

2
2
[例題 7.9]図 7.12 の影部分の x 軸に対する図心を求めよ.
dy
r
G2
A1
A2
h
y2
G1
y1
O
x
b
図 7.11
y
A1
y
r1
r2
A2
O
図 7.12
x
H. Hamano, 7. 部材断面
7-5
[問題 7.3]次の図形の図心位置を求めよ.
y
60
(1)
20
(2)
20
x0
100
40
y0
y0
x
30
y
O
[単位:mm]
20
x
[単位:mm]
80
1
(3)
x0
5
y0
1
x
1
1
2
[単位:m]
図 7.13
ちょっと休憩[7-3](よく使う図形の図心)
長方形,台形,三角形,円
a
b
b
G
h
a
G
h/2
b
b/2
(a)
(b)
2h/3
G
G
h/3
(c)
d/2
d/2
(d)
H. Hamano, 7. 部材断面
7-6
7.3 断面 2 次モーメント
7.3.1 断面 2 次モーメント
y
右図の座標系において,次の式で与えられる量を断面 2 次
モーメントと定義する.
I x   y 2 dA
x 軸に関する断面 2 次モーメント
I y   x dA
y 軸に関する断面 2 次モーメント
2
x
dA
(7.10)
A
これらの式は距離の 2 乗に面積を掛けたものであるから,単
位は[mm4]である.
y
O
7.3.2 軸の平行移動
x
図 7.14
座標軸 x,y を平行移動して新しい座標軸 u,v を設ける.
y
v
x0
u
A
x
x,y=面積要素 dA の旧座標
u,v=面積要素 dA の新座標
x0,y0=旧座標に対する新座標の原点
dA
y
v
x  x0  u ,
u
(x0,y0)
O
y  y0  v
y0
x
図 7.15
断面 1 次モーメントの場合と同様に,式(7.10)に x  x0  u ,
I x   y dA  ( y 0  v) dA   v dA  2 y 0  vdA  y
2
2
2
2
0
I y   x 2 dA  ( x0  u) 2 dA   u 2 dA  2 x0  udA  x02
 dA  I
 dA  I
y  y 0  v を代入して展開する.
u
 2 y 0 Gu  y 02 A
v
 2 x0 Gv  x02 A
ここで,新しい座標軸を,図心を原点 ( x0 , y 0 ) にもつ座標軸とすれば
Gu  Gv  0
となるから,上式は次式となる.
I x  I u  y02 A , I y  I v  x02 A
(7.11)
この式は,図心を通る座標軸 (u, v) の断面 2 次モーメント ( I u , I v ) を,任意の軸(x,y)の断面 2 次モーメ
ント ( I x , I y ) に換算する式で,よく使用される.
[注意事項]
1. 式(7.11)の y 02 A, x02 A は正であるから,図心を通る断面 2 次モーメントが最小であることがわかる.
2. 式(7.11)より,任意の座標軸の(x,y)の断面 2 次モーメント ( I x , I y ) がわかれば,図心を通る座標軸 (u, v)
の断面 2 次モーメント ( I u , I v ) は
I u  I x  y02 A ,
I v  I y  x 02 A
より求められる.
3. 断面 2 次モーメントの単位は[mm4].
(7.12)
H. Hamano, 7. 部材断面
7-7
[例題 7.10]次の長方形断面の図心軸を通る軸 u に対する断面 2 次モーメントを求めよ.また,x 軸に
対する断面 2 次モーメントはいくらか.
dA=bdy
[解]
I u   y dA  b
2
h 2
h 2
y dy  2b
2
h 2
0
dy
y
bh3
y dy 
12
2
h/2
u
2
I x  I u  y 02 A 
bh 3  h 
bh 3
   bh 
12  2 
3
h/2
x
b
図 7.16
[例題 7.11]次の三角形断面の図心軸を通る軸 u に対する断面
2 次モーメントを求めよ.また,x 軸に対する断面 2 次モーメン
トはいくらか.
y1
h
b
bh
b
, dA  b dy  ydy
y, A
h
2
h
3
h
b h
bh
  y 2 dA   y 3 dy 
0
0
h
4
[解] b 
I x2
x2
u
y0
x1
b
2
bh 3  2h  bh bh 3
 y A
 

4
36
 3  2
I u  I x2
y
dy
図 7.17
2
1
2
I x1  I u  y 02 A 
bh 3  h  bh bh 3
 

36  3  2
12
[例題 7.12]次の円形断面の図心軸を通る軸 u に対する断面 2 次モーメントを求めよ.
[解] dA  bdy , b  2r cos 
dy
y  r s i n ,
 r cos 
d
dA  bdy  2r cos   r cos  d  2r 2 cos 2  d
r
r
 2
r
0
0
I u   y 2 dA  2 y 2 dA  2
 4r 4 
 2
0
b
r
(r s i n ) 2 (2r 2 c o 2s )d
s i n2  c o 2s d  r 4 
 2
0
s i n2 2 d

r
4

 2
0
1  c o s4
r4 
s i n4  2  r 4
d   

2
2 
4  0
4
図 7.18
ちょっと休憩[7-4](断面 2 次モーメント)
次の各図形の図心軸における断面 2 次モーメントは公式として使用する.
長方形断面
h/2
X
円形断面
三角形断面
h/2
r
2h/3
X
X
h/3
b
b
dy
yx
u
H. Hamano, 7. 部材断面
7-8
[例題 7-13]x 軸に平行な図心軸に関する断面 2 次モーメントを求めよ.
[解]図心位置は
2h  A1  5h  A2 2h  4bh  5h  8bh 48bh2
y0 


 4h
A1  A2
4bh  8bh
12bh
A1 の下端,A2 の上端が図心であるから,例題 7.10 より
4b(2h)3 32bh3
A1 部分の下端の断面 2 次モーメントは: I1 

3
3
3
b( 4h)
64bh3
A2 部分の上端の断面 2 次モーメントは: I 2 

3
3
ゆえに,図心軸に関する断面 2 次モーメントは,
4b
2h
A1
u
y0
4h
A2
x
b
図a
I u  I1  I 2  32bh3
[例題 7-14]薄肉断面管の断面 2 次モーメント.
r 4 r 4
[解]断面 2 次モーメント: I  1  2
4
4
これを変形する.
r 4 r 4 

I  1  2  (r14  r24 )  (r12  r22 )(r1  r2 )(r1  r2 )
4
4
4
4


t2 
2
  2r  t  2(2r  r1r2 )  rt (2r 2  r1r2 )  rt  2r 2  r 2  
4
4

2

t 
 rt  r 2    r 3t
4

ここに,
r1  r2
 r , A   (r12  r22 )  2rt
2
r12  r22  r12  2r1r2  r22  2r1r2  (r1  r2 ) 2  2r1r2  (2r ) 2  2r1r2  4r 2  2r1r2
r1  r2  t ,
4r 2  (r1  r2 ) 2  r12  2r1r2  r22  (r1  r2 ) 2  4r1r2  t 2  4r1r2
t
r2
r1
図b
H. Hamano, 7. 部材断面
7-9
[問題 7.4]次の各問に答えよ.
(1) 次図の x1 , x 2 , x3 軸に対する断面 2 次モーメントを求めよ.
b
h
x1
h/2
x2
h/2
x3
図 7.19
(2) 次図の図心軸 x に対する断面 2 次モーメントを求めよ.
(a)
(b)
(c)
140
140
140
20
90
x
20
10
20
1
0
[単位:mm]
20
図 7.20
(3) 次図の図心軸 x に対する断面 2 次モーメントを求めよ.
(a)
(b)
60
10
20
10
x
40
100
y0
x
10
10
10
y0
x1
30
40
20
40
[単位:mm]
図 7.21
(4) 次図の x 軸および図心軸 G に対する断面 2 次モーメントを求めよ.
110
G
40
30
120
図 7.22
50
x
[単位:mm]
H. Hamano, 7. 部材断面
7-10
7.3.3 断面極 2 次モーメント
y
点 O に関する断面極 2 次モーメントを次式で定義する.
I p   r 2dA
(7.13)
y
dA
A
ここで
r 2  x2  y2
を代入すると
r
O
I p   r 2 dA   ( x 2  y 2 )dA  I x  I y
A
x
(7.14)
x
図 7.23
A
[例題 7.15]円形断面の図心を通る軸に対する断面 2 次モーメント
を断面極 2 次モーメントを用いて求めよ.
[解] dA  2r dr 
r
 r4 
r 4
I p   r  dA   2r r  dr   2   
0
0
2
 4 0
ここで I p  I x  I y ,また,円であるから I x  I y
r
ゆえに
r
2
2
I p  2I x  2I G ,
IG 
Ip
2

r
r 4
図 7.24
4
y
x dx
[例題 7.16]円の断面 2 次モーメントを図 7.25 のように微小面積
dA を用いて求めよ(前出,別解).
a
[解] I x   y dA   y dxdy  4  
2
A
2
A
0
a2  y2
0
dy
y
O
dx  y dy  4
2

a
y
2
a
x
a  y dy
2
2
0
y  a sin θ によって積分変数を y から θ にかえて積分すると


0
0
I x  4a 4  2 s i n2  c o 2s  d  a 4  2 s i n2 2 d 
図 7.25
a 4
4
[例題 7.17] 図 7.26 のような 1 辺の長さが a の正方形の対角線のまわりの断面 2 次モーメントを求
めよ.
y
dx
[解]図(a)について
a
a
4
y
a
a
I x   y 2dxdy  4 2   2 dx  y 2dy 
dy
A
0
0
12
y
[別解]図(b)のように座標軸を 45°回転して求めれば
I X  I x c o 2s   I y s i n2   I xy s i n2
O
x
(a)
において

1

1
a4
, cos   cos 
, Iy  Ix 
, I xy  0
s i n  s i n
4
4
12
2
2
であるから
a4
Iy 
12
y
O
X
x
(b)
a
図 7.26
H. Hamano, 7. 部材断面
7-11
7.4 相乗モーメント
7.4.1 相乗モーメント
右図の座標系において,次の式で与えられる量を相乗モー
メントと定義する.
I xy   x y d A
y
x
(7.15)
dA
単位は[mm4]であり,正負の符号をとる.
y
A
O
x
図 7.27
7.4.2 軸の平行移動
座標軸 x,y を平行移動して新しい座標軸 u,v を設ける.
y
v
x0
u
x,y=面積要素 dA の旧座標
u,v=面積要素 dA の新座標
x0,y0=旧座標に対する新座標の原点
x
dA
A
v
y
x  x0  u ,
u
y  y0  v
y0
(x0,y0)
O
x
図 7.28
断面 2 次モーメントの場合と同様に,式(7.15)に x  x0  u , y  y 0  v を代入して展開する.
I xy   xydA   ( x 0  u )( y 0  v)dA
  uvdA  y 0  udA  x 0  vdA  x 0 y 0  dA  I uv  x 0 Gu  y 0 Gv  x 0 y 0 A
ここで,新しい座標軸を,図心を原点 ( x0 , y 0 ) にもつ座標軸とすれば
Gu  Gv  0
となるから,上式は次式となる.
I xy  I uv  x 0 y 0 A
(7.16)
この式は,図心を通る座標軸 (u, v) の相乗モーメント ( I uv ) を,任意の軸 (x,y) の相乗モーメント ( I xy )
に換算する式である.
y
7.4.3 対称軸と相乗モーメント
y2
dA=dxdy
右図のような y 軸に対称な図形を考える.相乗モーメントは
I xy   xydA  
A
y2
 y1
ydy
x0
 x0
xdx  
y2
 y1
x0
 x2 
ydy   0
 2  x
(x,y)
0
すなわち,与えられた図形が対称軸 y をもつときは,これに直交する
任意の軸を x 軸とすれば,x,y 軸についての相乗モーメントは 0 とな
る.あるいは簡単にいえば,対称軸についての相乗モーメントは 0 で
ある.
-x0
x0
O
-y1
図 7.29
x
H. Hamano, 7. 部材断面
7-12
[例題 7.18]矩形断面の xy 軸に対する相乗モーメントを求めよ.
y
a
dA=dxdy
[解]
x dx
dy
b
A
a
0
0
a 2b 2
4
または
y
I xy  I uv  x 0 y 0 A  0 
x
O
b
I xy   xydA   ydy xdx 
図 7.30
ab
a 2b 2
ab 
22
4
[例題 7.19]三角形断面の xy 軸に対する相乗モーメントを求めよ.
[解]
y
b
x
a
a(b  y)
dy
b
微小面積の y 軸から図心までの距離
dy
y
x
O
dA 
図の微小面積
dA
ゆえに
I xy 
図 6.31
a2
2b 2

b
0
(b  y) 2 ydy 
a 2b 2
24
[問題 7.5]次の矩形断面の xy 軸に対する相乗モーメントを求めよ.
y
a/2
(1)
y
(2)
b
b
O
x
a
a
図 7.32
O
x
x
a(b  y)
2b
H. Hamano, 7. 部材断面
7-13
7.5 座標軸の回転と主軸
7.5.1 座標軸の回転
v
y
右図のように原点を共有して,座標軸を Oxy から Ouv
へ  だけ回転する.このとき両座標系の間には右図より
u  x c o sθ  y s i nθ 
(7.17)

v   x s i nθ  y c o sθ 
あるいは
x  u c o sθ  v s i nθ 

y  u s i nθ  v c o sθ 
A
x
dA
u
v
y
u
(7.18)
O
の関係を得る.
x
図 7.33
7.5.2 新座標と旧座標の関係
断面 1 次モーメント
Gu   vdA   ( x s i n  y c os)dA  c o s  y d A s i n  x d A G x c o s  G y s i n
(7.19)
Gv   udA   ( x c o s  y s i n )dA  c o s  x d A s i n  y d A G y c o s  G x s i n
(7.20)
A
A
A
A
A
A
A
A
断面 2 次モーメント
新座標に対する断面 2 次モーメントは
I u   v 2 dA,
A
I v   u 2 dA,
A
I uv   uvdA
(7.21)
A
式(7.21)に式(7.17)を代入すると,次式が得られる.
Ix  Iy Ix  Iy
I u  I x cos 2 θ  I y sin 2 θ  I xy sin 2θ 

cos 2θ  I xy sin 2θ
2
2
Ix  Iy Ix  Iy
I v  I x sin 2 θ  I y cos 2 θ  I xy sin 2θ 

cos 2θ  I xy sin 2θ
2
2
Ix  Iy
I uv 
sin 2θ  I xy cos 2θ
2
この式は逆に次のように書ける.
I  Iv Iu  Iv
I x  I u cos 2 θ  I v sin 2 θ  I uv sin 2θ  u

cos 2θ  I uv sin 2θ
2
2
I  Iv Iu  Iv
I y  I u sin 2 θ  I v cos 2 θ  I uv sin 2θ  u

cos 2θ  I uv sin 2θ
2
2
I  Iv
I xy   u
sin 2θ  I uv cos 2θ
2
上式の第 1 式と第 2 式を加えると
I u  I v  I x  I y =一定
(7.22)
(7.23)
この式は一組の直交軸に対して 1 対の 2 次モーメントを求めたときは,原点を同一とした場合その和
は一定であることを示している.この和を I p で表し,図形の座標原点に対する極 2 次モーメントという
(前出).
[問題 7.6]式(7.21)に式(7.17)を代入して式(7.22)を求めよ.
[問題 7.7]式(7.22)から式(7.23)を求めよ.
注) sin( )   sin , cos( )  cos
H. Hamano, 7. 部材断面
7-14
7.5.3 主軸
相乗モーメントが 0 になるような直交軸を,与えられた図形の主軸という.原点は図心にとる.
図形が対称軸をもつ場合は,その軸とこれに直交する軸が図形の主軸となる.
図形が対称軸をもたない場合,図心を通る軸 x,y を  だけ回転した位置に主軸 X,Y があるとすると,
式(7.22)の第 3 式を I uv  0 と置き,次式よりその方向を求める.
y
X
I xy
t a n2θ  
(7.24)
Ix  Iy
2
この主軸に対して求めた断面 2 次モーメントを,断面主 2 次
モーメントといい, I 1 , I 2 で表す. I 1 を第 1 主軸, I 2 を第 2
主軸といい,次式のように与えられる.
I1  I x  I y
 Ix  Iy
 

I2 
2
 2
この式においても
I1  I 2  I x  I y
X
x
O
2

  I xy2


図 7.34
(7.25)
が成り立つ.
[問題 7.8]式(7.24)を式(7.22)の第 1,2 式に適用して式(7.25)を求めよ.
[問題 7.9]次の図形について問に答えよ.
y
(1) 図心位置 ( x0 , y 0 ) を求めよ.
(2)
I x , I y , I xy を求めよ.
(3)
I u , I v , I uv を求めよ.
20
v
x0
100
u
y0
(4) 図心を通る主軸と断面主 2 次モーメントを求めよ.
O
80
図 7.35
20
x
[単位:mm]
注)式(7.22)において x,y を主軸とみなせば I xy  0 となり, I x , I y は主 2 次モーメントとなる.これを I1 , I 2 で表して
書き直せば次式のようになる.
I u  I1 c o 2s  I 2 s i 2n
I u  I1 s i 2n  I 2 c o 2s
I uv
I I
 1 2 s i n2
2
(7.26)
H. Hamano, 7. 部材断面
7-15
7.6 断面係数・断面 2 次半径・核点
7.6.1 断面係数
Wc
次式で表される量を断面係数と定義する.
Wc 
Ix
,
yc
Wt 
Wc
Wt
Ix
yc , yt
:
:
:
:
Ix
yt
yc
x
(7.27)
上縁の断面係数
下縁の断面係数
図心軸 x に対する断面 2 次モーメント
図心軸から上縁および下縁までの距離
Ix
G
yt
Wt
図 7.36
断面係数は曲げモーメントに抵抗する割合を表す.
単位[mm3]
7.6.2 断面 2 次半径(回転半径)
y
次式で表される量を断面 2 次半径と定義する.
rx 
Ix
,
A
ry 
Iy
A
A
ry
(7.28)
単位[mm]
rx
yc
G
rx
x
yt
ry
図 7.37
7.6.3 核点
y
Wc
次式で表される量を核点と定義する.
A
W
Kt  c ,
A
W
Kc  t
A
(7.29)
Kc
yc
G
単位[mm]
Kt
Wt
図 7.38
x
yt
H. Hamano, 7. 部材断面
7-16
[問題 7.10]次の問に答えよ.
(1) 次の図形の x 軸に対する断面係数・断面 2 次半径・核点を求めよ.
(c)
(b)
(a)
h/2
r
2h/3
x
x
x
h/2
h/3
b
b
図 7.39
(2) 次の図形の x 軸に対する断面係数・断面 2 次半径・核点を求めよ.
60
20
x
40
30
[単位:mm]
図 7.40
(3) 次の図形の図心軸 x に対する断面係数を求めよ.
(a)
1
(b)
20
5
x
x
100
y0
O
80
y0
20
1
[単位:mm]
図 7.41
(4) 次図の x,y 軸に対する断面 2 次半径を求めよ.
y
140
20
90
20
20
x
[単位:mm]
図 7.42
1
2
1
[単位:m]
H. Hamano, 7. 部材断面
7-17
[例題 7.20]次の図形について問に答えよ.
y,Y
(1) 断面 2 次モーメント I x , I y を求めよ.
180
180  20 3
20  180 3
 180  20  210 2 
 20  180  110 2
12
12
100  20 3

 100  20  10 2  21242 .67  10 4 (mm 4 )
12
20  180 3 180  20 3 20  100 3
Iy 


 1150 .67  10 4 (mm 4 )
12
12
12
Ix 
20
180
X
20
y0
20
x
100
図 7.43
(3)
[単位:mm]
(2) 図心位置 y0 を求めよ
180  20  210  180  20  110  100  20  10
y0 
 127 .4(mm)
180  20  2  20  100
I X , I Y を求めよ.
I X  I x  y 02 A  21242 .67  10 4  127 .4 2  (180  20  2  100  20)  6310 .37  10 4 (mm 4 )
I Y  I y  1150 .67  10 4 (mm 4 )
(4) 断面 2 次半径 rX , rY を求めよ.
rX 
IX
6310 .37  10 4

 82.8(mm )
A
9 200
rY 
IY
1150 .67  10 4

 35.4(mm )
A
9 200
(5) X 軸に関する断面係数 Wc , Wt を求めよ.
Wc 
I X 6310 .37  10 4

 681 .47  10 3 (mm 3 )
yc
220  127 .4
Wt 
I X 6310 .37  10 4

 495 .32  10 3 (mm 3 )
yt
127 .4
(6) Y 軸に関する断面係数 W を求めよ.
I
1150 .67  10 4
W Y 
 127 .85  10 3 (mm 3 )
B/2
90
(7) 格点を求めよ.
W
495 .32  10 3
Kc  t 
 53 .8(mm )
A
9 200
y,Y
180
20
Kc
180
W
681 .47  10 3
Kt  c 
 74 .1(mm )
A
9 200
K
W 127 .85  10 3

 13 .9(mm )
A
9 200
K
X
K
Kt
20
y0
20
x
100
図 7.44
[単位:mm]
H. Hamano, 7. 部材断面
7-18
[例題 7.19] 曲げを受ける鉄筋コンクリート T 形断面の図心位置および図心軸対する断面 2 次モーメン
トを求めよ.
[解]鉄筋コンクリート断面は通常ウエッブ部分を
1 000
無視して考える.したがって,フランジと鉄筋の換
x
算断面積の部分の合成図形として図心位置を求めれ
100
y
ばよい.
X
1) 図心位置を求める.
X
400
フランジ:
[mm]
断面積 Ac=1 000×100=1.0×105mm2
・・・・
・・・・
x 軸に対する断面 1 次モーメント
換算断面積
Gc=Acyc=1.0×105×(-50)=-5.0×106mm3
As=8-  22=3 039.5 mm2
鉄筋:
図 7.45 換算断面積
鉄筋の断面積をコンクリートの断面積に換算する.
Ac  nAs =15×3 039.5=45 592.5mm2
x 軸に対する断面 1 次モーメント
Gs  Ac ys =45 592.5×(-500)=-22.8×106mm3
ゆえに図心位置は
G G  Gs
 (5.0  22.8)  10 6
278
y0   c


 1 9 0.9 mm
A Ac  As (1.0  0.455925 )  10 5
1.4 5 5 9 2 5
0
2) 断面 2 次モーメントを計算する.
1 000  100 3
I Xc 
 (190 .9  50) 2  1.0  10 5  20.68  10 8 mm4
12
IXs=(400-90.9)2×45 592.5=43.56×108mm4
IX=IXc+IXs=64.24mm2
ちょっと休憩[7-5](換算断面積)
これまで重力単位で計算していたものを,SI 単位系で表すのはなかなか面倒なところがある.し
たがって,ここでは SI 単位を表記する場合は,下表のように重力単位に換算係数 gc(=9.81N)を付記
して用い,実際の数値計算はこの数値を代入して計算することとする.
鋼材の弾性係数
コンクリートの弾性係数
重力単位
Es=2.1×104kgf/mm2
Ec=1.4×103kgf/mm2
SI 単位
Es=2.1×104 gcN/mm
Ec=1.4×103 gcN/mm
換算断面積
鉄筋とコンクリートの弾性係数を Es , Ec とすると
n
Es 2.110 4 g s

 15
Ec 1.4 10 3 g c
これを用いて鉄筋の断面積をコンクリートの断面積(あるいは逆)に換算することができる.
鉄筋→コンクリート
Ac  nAs
コンクリート→鉄筋
As  Ac / n
これらを換算断面積と言う.
注) この換算係数を使わずに直接換算断面積を求めてよいことは勿論である.
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